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「日本アリ類同好会」への誘い

「日本アリ類同好会」は、LINEを使ったアリの飼育・観察・研究の交流グループです。2019年12月14日から運用しています。
「日本蟻類研究会」は既に存在していて、私も会員になっていますが、「日本アリ類同好会」という名称の団体はネット上で検索する限りはないようです。「日本蟻類研究会」は、大学関係者の方も多く、研究内容はとても深いのですが、「日本アリ類同好会」では、アリが好きな者同士が「友だち」になって、主に飼育方法や生態観察や採集情報などで、気軽に交流ができればと思います。ご賛同いただけるようでしたら、グループにご参加下さればと思います。
まだ、LINEをお使いになっていない方も、スマホやダブレットだけでなくPC版もございますので、導入をご検討下さい。LINEの導入の仕方については、ネット上でお調べ下さい(例えば https://line.macdrivelove.com/entry3.html 等)。
ご連絡いただければ、QRコードをお伝え致します。連絡先は info@kajitsuken.net です。
では、皆様のご参加を心よりお待ちしています。(なお、Gmailをお使いの場合、返信が届かないことがしばしばあるようです。受信が可能になるように予め設定しておくことをお勧め致します。)

直短寄生2例のその後(5月30日)

昨年行ったトゲアリの直短寄生の試みについては、前回は1月9日のブログに記載しています。1月9日までに生き残っていた働きアリの数は、T20220910-16が8匹、T20220910-18が24匹でした。

T20220910-16

生き残っている働きアリは僅かに1匹のみになっている 5月27日撮影

T20220910-18

働きアリは8匹になっている 5月27日撮影

1月9日に比べて働きアリの数がとても少なくなっています。多くは寿命に因るのでしょう。
5月30日、T20220910-18を良く観察していると何かを咥えて絶えず歩き回っている働きアリが1匹いました。写真を撮ってみると、卵を2個咥えていることが分かりました。

卵を2個咥えている 5月30日6時57分撮影
6時57分撮影

ちなみに、過去にも、2018年6月3日に直短寄生で産卵を確認しています。しかし、6月30日には卵は見つかりませんでした。

2023 蒜山高原 新女王アリ採集できず

5月28日、オオアリを採集しに、2年ぶりに蒜山高原に行きました。
実は、5月17日に岡山市の最高気温が32.4℃になっていました。また、その前日の16日には29.0℃になっていて、21日にも29.1℃まで気温が上がっていました。
ですから、採集に出かけるのはもう手遅れになっているのかも知れないのですが、29日からは、暫くの間曇天や雨の日が続くことが分かりましたから、この日に採集に出かけたのです。
ちなみに、庭のクロオオアリは、22日時点では、まだ結婚飛行は行っていないようでした。

巣口から外を窺う有翅女王アリ 5月22日15時25分撮影
少しの間、巣口から出て来たオスアリ 5月22日15時27分撮影
働きアリたちは巣の拡張をしているようだ 5月22日15時28分撮影

蒜山高原に着くと、まずかつて(2017年)オオアリがかなりの数採集できたヒルゼン高原センター近くの場所に行ってみました。

ヒルゼン高原センター近くの場所 5月28日10時49分撮影
巣口の様子 巣口は大きめだが、羽アリは見られなかった 10時57分撮影

この場所は、2018年に環境が様変わりして以来、クロオオアリの巣の数が急速に少なくなってきていましたが、今年もその傾向は変わっていませんでした。
次に、2018年にオオアリを多数採集した第1休憩所に行きましたが、ここでは、地面を歩くオオアリの働きアリも見つけることができませんでした

第1休憩所 オオアリの姿がない 11時23分撮影

次に行った道の駅蒜山高原では、比較的多くのクロオオアリの巣を見つけることができました。(参照:2016年「3度目の採集旅行」)

13時42分撮影
ムネアカオオアリもいた 13時56分撮影

最後に、2021年に多数のクロオオアリの脱翅女王アリを採集した脇道と自転車道へと向かいました。

ここにも(脇道)ムネアカオオアリがいた 14時27分撮影

ここで始めてオスアリが巣口にいるのを見つけました。

巣口から外を窺うオスアリ 14時35分撮影

この度の採集旅行では、新女王アリを採集することはできませんでした。
蒜山高原では、既にメインとなる結婚飛行は終わっていたのでしょうか、それともこれからなのでしょうか。私にはそれを判断することができませんでした。
これからの天候と、庭のクロオオアリの様子を見ながら、蒜山高原へ2度目の採集旅行に行くかどうかを決めることになりそうです。

飼育羽アリが一層活発に

クロオオアリのコロニーB15006の羽アリが、活動室アンテグラウンドⅠ型で活発に動くようになっていることについては、既に5月3日のブログで取り上げていますが、5月27日の様子を記録しておきます。

アクリル製の壁面に上ってきた羽アリ 5月27日19時20分撮影
開放蓋を開けたところ 19時22分撮影
開放蓋を取り外したことで室内に飛び出した有翅女王アリ 19時23分撮影
再び開放蓋をして、アンテグラウンドⅠ型よりも高くなる板を設置 19時30分撮影
飛翔しようとする有翅女王アリ 19時31分撮影
板の先端の最も高い所に有翅女王アリが集まってきた 19時37分撮影
19時37分撮影

室温が高いため、エアコンをつけたのですが、気温が下がったためか、時刻的に遅くなったためか、やがて飛び立とうとしなくなりました。

何らかの要因により、有翅女王アリは身を寄せたままで飛び立とうとしなくなった 19時51分撮影

この時の室温は、27℃前後になっていました。

トゲアリの寄生の試み その後(5月27日)

昨年行ったトゲアリの寄生の試みについては、前回は1月9日のブログに記載しています。

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

卵が多数ある 女王アリの腹部が異様に膨らんでいる

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )

同じく卵が多数ある 女王アリの腹部が異様に膨らんでいる

トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )

同じく卵が多数ある クロオオアリの繭も見られる 女王アリの腹部が異様に膨らんでいる

トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )

同じく卵が多数ある クロオオアリの繭と幼虫も見られる 女王アリの腹部が異様に膨らんでいる

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

卵は少し少なめだ 女王アリの腹部が異様に膨らんでいる

T210912-02のトゲアリのコロニー(5月27日)

2021年の9月16日に、クロオオアリのコロニーBK170530-40に、トゲアリの新女王アリT210912-02を寄生させたコロニーでは、順調にトゲアリの幼生虫が増えて来ているようです。

子育てはトゲアリが主体となっているようだ 5月27日14時52分撮影
幼生虫は全てトゲアリ 14時59分撮影
トゲアリの女王アリ 腹部が大きく膨らんでいる 腹部が透けて卵が見えているのだろうか 14時56分撮影

桑の実にやって来たクロオオアリ

桑の実の果汁が食源になることは、2018年6月4日のブログで取り上げています。
今年も桑の木にたくさんの実が実りました。そこにクロオオアリがやって来ていました。

5月27日11時40分撮影
11時41分撮影
腹部が膨らんでいる 11時42分撮影
桑の木から帰巣するクロオオアリ 腹部が膨らんでいる 11時43分撮影
落ちた桑の実にもクロオオアリが来ていた 11時46分撮影

活発に動く活動室の中の羽アリ

B15006では、羽アリが活発に動き回っています。

アクリルの壁面を歩く新女王アリ 5月3日18時03分撮影
羽アリが一段と高いところに好んで集まっている 18時04分撮影
壁面を歩く複数の新女王アリ 18時05分撮影
オスアリは少数だが活動室に出て来ている 18時07分撮影
給餌を受ける新女王アリもいた 18時9分撮影

この時の室温は26℃程度でした。
羽ばたく音が時折、一瞬聞こえはしましたが、飛び立ってはいませんでした。この活動室のアンテグラウンドⅠ型も開放蓋になっていますから、結婚飛行が室内で起こるかも知れません。そうなることを期待しています。

活動室に翅を落とした新女王アリがいた

B15006の羽アリが、多数、活動室のアンテグラウンドⅠ型に出て来ています。

4月20日13時58分撮影

その中に翅を落とした女王アリがいました。僅かに翅の付け根辺りに翅が残っているようです。

翅を落としてはいるが、僅かに翅が残っている 13時58分撮影

翅が落ちていました。

翅が落ちていた 13時59分撮影

新女王アリとは思いましたが、巣の中を調べてみました。

巣の中の女王アリ 14時3分撮影

確かに女王アリがいました。やはり、活動室の中の翅がない女王アリは、新女王アリでした。

「謎の生き物」の正体 ヘリヒラタアブ

直前のブログ「クリオオアブラムシが急に増えた」で取り上げている写真を見ると、クロヤマアリやトゲアリやクリオオアブラムシではない生き物が写っています。この生き物は、かつて「謎の生き物」として取り上げた(2018年12月9日)生き物と良く似ています。

これまでは、冬になってこの「謎の生き物」を見かけていましたが、この度の写真に写っていた生き物は、この「謎の生き物」と同じ生き物のようです。この生き物は、ヘリヒラタアブの幼虫のようです。

ヘリヒラタアブ 岐阜聖徳学園大学教育学部川上研究室より引用
4月14日撮影

体形が細くなっている方が頭部です。体を縦に波立たせて前進します。

ところで、ヘリヒラタアブの幼虫を見つけた同じ日(4月14日)に、アケビの木でもヒラタアブと思われる幼虫を見つけました。ただ、種は違うようです。

種名は不明だが、アケビの木で見つけたヒラタアブの幼虫

別種ですが、ヒラタアブについては、以前庭で成虫を見つけています。

ノヒラマメヒラタアブのオス

ヘリヒラタアブの幼虫は、クリオオアブラムシにとっては害虫なのですが、その害虫をアリは駆除しないようです。良く言われることに、アリがアブラムシを守っているとされていますが、ヘリヒラタアブの幼虫とアリの関係を見る限りでは、例外があると言うことになります。
それなら、樹上のヘリヒラタアブの幼虫を捕らえて、飼育環境にあるトゲアリのコロニーの中に入れると、トゲアリはこの幼虫を襲わないのでしょうか。
ヘリヒラタアブの幼虫を数匹フィルムケースの中に入れて、蓋をしないでトゲアリの飼育ケースの中に入れてみました。結果は、この幼虫は餌になりました。

左上はヘリヒラタアブの幼虫を入れていたフィルムケース 右下は幼虫に群がるトゲアリ 4月15日撮影

庭のクリの木は、アリの蜜源にしたいと考えていますので、クリの木にとっては益虫であるヘリヒラタアブの幼虫を駆除し、クリオオアブラムシを保護することにしました。

クリオオアブラムシが急に増えた

クリの木のクリオオアブラムシの状況については、こまめに見ていたはずだったのですが、今日、クリオオアブラムシがとてもたくさんになっているのに気づきました。
これまでは、トゲアリが切り株に棲息している西側のクリの木でクリオオアブラムシを見つけていましたが、東側のクリの木に多数のクリオオアブラムシの群生がありました。その数を数えると、およそ15箇所でした。

どの群生にもクロヤマアリが来ていました。
葉に落ちた甘露を舐めているのもクロヤマアリでした。

有翅雌成虫も見かけました。

羽化したばかり?なのか翅が透明
有翅雌成虫

西側のクリの木では、4箇所ほどクリオオアブラムシの群生が見られました。そこにもクロヤマアリが来ていましたが、トゲアリの姿もありました。

4月14日9時52分撮影

12歳で死んだクロオオアリの女王アリ

B110608-07の女王アリが死んでいるのに気づきました。
B110608-07は、2011年の6月8日に長野県駒ヶ根市内の家族旅行村で結婚飛行直後に採集したクロオオアリの女王アリです。

B110608-07の飼育容器

異変に気づくきっかけになったのは、大きめの腹部が目に入ったからでした。

大きめの腹部 頭部も大きめ

ただ、この腹部が女王アリのものかどうかは断定できませんでしたので、人工巣のリトルアンテシェルフの中を見てみました。すると生きた女王アリの姿はなく、死体らしいものが見つかりました。

分離した女王アリの死体のようだ
肢が上を向いている

確かに女王アリは死んでいるようです。
たくさんの幼生虫が残されていました。女王アリがいつ死んだかは特定できないまでも、過去のブログから1月11日以降と言うことになります。

幼生虫
幼生虫
幼生虫

2011年に採集したクロオオアリのコロニーとしては、3コロニーを飼育していたのですが、B110608-07については、寿命が確定したことになります。新女王アリの誕生時期(羽化)が6月の末から7月にかけてだとすれば、B110608-07は12年間以上生きていたことになります。

白い物体

T巣の近くで何やら白いものを運んでいるクロオオアリを見つけました。

4月4日8時46分撮影

暫くすると、近くで別のクロオオアリが同じような白いものを運んでいるのに気づきました。

8時52分撮影

この白いものを実体顕微鏡で見ようと思い、2匹目のクロオオアリから白いものを取り上げました。その際、この白いものが2つに割れてしまいましたが、小さな破片がその場に落ちました。その破片をこの2匹目のクロオオアリが見つけ、L巣へと運んで行きました。

小さな破片を運ぶクロオオアリ 8時56分撮影

この白いものは、これまでも類似のものをよく見かけていました。
参照:
アリ日記 2012/06/06〜08(4)クロオオアリ・ムネアカオオアリの食性」(2012年6月12日)
クロオオアリの食性 白い物体」(2019年10月28日)
実体顕微鏡で見ると、割れた箇所の切り口は黄色をしています。白い物体の中は黄色のもののようです。

2つに割れた白い物体 中は黄色をしている
更に砕いてみても中は黄色だった

ちなみに「クロオオアリの食性 白い物体」では、中まで白でした。
その「クロオオアリの食性 白い物体」では、白い物体をB15006に与えて反応を見ているのですが、その結果を「白い物体の1つが、ごみ捨て場になっている場所に置かれていたことから、B15006のコロニーには、この白い物体は利用価値がなかったと考える方が自然でしょう」とまとめています。
そこで、その追試を行うことにしました。同じくB15006に白い物体を与えてみました。

白い物体に関心を示しているようだ 盛んに触角で白い物体に触れている 4月5日17時34分撮影
暫くすると無関心になった 17時34分撮影
咥えて運ぶこともあったが、白い物体を下ろすと去って行った 17時47分撮影

そこで、クロオオアリのコロニーBH18024にも白い物体を与えてみたのですが、B15006に与えた時と同様に、最初は白い物体に触角で触れて関心を示したのですが、やがて無関心になりました。

最初だけ白い物体に関心を示したが、やがて去って行った 19時24分撮影

白い物体は、屋外のクロオオアリには何らかの有意義な物体だったはずですが、飼育下のクロオオアリは、今回の追試でも、関心がなかったことになります。この違いの要因が何であるかは不明です。
では、この白い物体をトゲアリに与えるとどんな反応があるのでしょうか。飼育下のクロオオアリとトゲアリでは、トゲアリの方が、春のより早い時期から盛んに活動しています。

白い物体に寄ってきたトゲアリ 4月5日17時38分撮影

暫くすると、巣へと運び始めました。

白い物体を巣へと通じる入り口へと運んで行った 17時42分撮影
白い物体が巣の中に運び込まれた時の様子 17時46分撮影

トゲアリはこの白い物体を有意義なもの、恐らく食べられるもの、と認識したようです。更にもう一つ白い物体を与えてみると、同じく巣へと運んで行きました。

白い物体を巣へと運んで行くトゲアリ 17時53分撮影

更に3つ目を与えた時の様子が下の写真です。2箇所にトゲアリが集まっていますが、左が昆虫を分解しているところ、右が白い物体に集まっているところです。昆虫と白い物体で同様の様子が見られることからも、この白い物体を有意義なもの、恐らく食べられるものと認識していると思われます。

集まりの左が昆虫、右が白い物体 17時59分撮影

一体この白い物体は何なのでしょうか。不明です。

B16013(L巣)の生存を確認(2023年)

2019年の6月8日に庭に移植し、6月18日に引越先が分かったクロオオアリのコロニーのB16013(L巣)の生存が確認できました。これで今年になって生存が確認できた庭のクロオオアリのコロニーは7コロニーになります。その内A巣・C巣が自然巣、L巣・N巣・O巣・T巣・U巣が移植巣です。

砂糖水を飲んで巣へと戻るクロオオアリ 4月2日9時9分撮影
砂糖水を飲んで巣へと戻る2匹目のクロオオアリ 9時10分撮影

上の2匹共にL巣がある場所の芝生の中に潜って行きました。

2匹共にL巣がある場所の芝生の中に潜って行った

B16013は、2016年6月11日に蒜山高原で採集した新女王アリのコロニーですので、今年で7年目のコロニーです。

U巣・A巣・T巣が活動を始めていた

3月24日、新たに庭のクロオオアリの3つのコロニーが活動を始めていました。

U巣(自然巣)

クロオオアリを見つけた場所 U字溝の縁を歩いていた
最上段にあるコンクリートブロックの上面奥右端近くに巣口があった
巣口 3月24日13時46分撮影
2匹目が巣口に入って行くところ 13時47分撮影

昨年の観察とは、巣口の位置が変わっていますが、U巣のようです。

A巣(自然巣)

A巣がある辺り 写真左下方辺りを歩いていた複数匹のクロオオアリに蜜を与えた
蜜を飲むクロオオアリ 13時58分撮影
このコンクリートブロックの下方左右2箇所に巣口があるようだ 14時32分撮影

A巣項目の最初の写真の下から3段目のコンクリートブロックが、直前の写真のコンクリートブロックです。このA巣の巣口の場所は、昨年のA巣の巣口の一部と同じ場所です。

T巣(2020年9月27日に庭に移植 10月26日に今の場所に引越 BK170530-133とBH170521-023の合同コロニー

T巣がある場所 写真中央辺り
巣口 上方に働きアリも見える 3月24日15時4分撮影

その巣口に向かって、何やら咥えてやって来るクロオオアリがいました。よく見ると雄アリを咥えているようです。

15時6分撮影
15時6分撮影

やがて巣口へと入って行きました。

15時6分撮影

咥えていたのは雄アリですが、クロオオアリの雄アリのようにも見えました。しかし、クロオオアリの雄アリよりも小さいようです。

クロオオアリの雄アリは、一般的に働きアリよりも少し大きいか、同じぐらいの大きさのようだ

クロナガアリの結婚飛行があったと言う情報を3月22日にSNSで得ています。私のところでも、自宅の庭とその周辺で、クロナガアリの女王アリを採集しています。その記録によると、昨年は4月23日、2019年は5月1日、2018年は4月26日、2017年は4月16日でした。期日にかなりの開きがありますが、ひょっとするとクロナガアリの雄アリだったのかも知れません。

クロオオアリB15006が活動室に出て来た(2023年)

今日3月22日、クロオオアリのB15006が、活動室のアンテグラウンドⅠ型に出て来ていました。2年前は、3月14日でした。

活動室に出て来たB15006の働きアリ 3月22日19時52分撮影

同じくアンテグラウンドで飼育しているクロオオアリのBK170530-081については、2月12日のブログで触れていますが、飼育している他のクロオオアリも既に活動を始めていました。今日活動を始めたB15006が、活動を始めるのが一番遅くなりました。
なぜそうなったのかは推察するしかないのですが、糖分等の貯蓄が十分だったのかも知れません。

クロヤマアリがクリオオアブラムシをさらった 何のため?

今年になって初めて庭のトゲアリを見つけた時、同じクリの木にクロヤマアリも来ていました。
ふと何かを持ち去るクロヤマアリが目に入りました。クリオオアブラムシを咥えているようです。

3月22日13時47分撮影

何処へ運ぶのでしょう。クリの木から下りて地面を歩き出しました。

クリオオアブラムシを咥えたまま地面を歩くクロヤマアリ 13時57分撮影

随分と長い間、地面をあちこちと歩き回った末、また同じクリの木に上ってきました。

再びクリの木に戻ってきたクロヤマアリ 13時59分撮影

その後はもう観察をしませんでした。このクロヤマアリは一体何をしようとしていたのでしょう。
クリオオアブラムシがいる場所は、既にトゲアリがいました。クロヤマアリは、その場所に入り込むことができなかったので、クリオオアブラムシをさらったのでしょう。でも、何をするために?
クリの木の別の場所にクリオオアブラムシを運んで行けば、そこを自分達の蜜源にできたことでしょう。でも、それならなぜ直ぐにクリの木を下りたのでしょう。
巣に運んでクリオオアブラムシを餌にするつもりだったのでしょうか。それならなぜ再びクリの木に上ったのでしょう。
クロヤマアリのこの行動の謎は解決できませんでした。

参照:「今年も梨の木にアブラムシ」(2022年6月26日)

庭のトゲアリがクリオオアブラムシと共に現れた

昨年の12月8日のブログ「吊り下げ巣箱からの引越」で、「トゲアリのコロニーT130921-09は、いつのまにか完全に引越をしていました。おそらく、11月3日の観察から考えて、クリの木の地面際の朽ちた箇所に引っ越したのでしょう。来年の春になれば、そのことが確認できることでしょう。」と書いています。
部屋で飼育しているトゲアリ(T140906-40)は、もうかなり以前(2月12日)から活動室のアンテグラウンドに出て来ていました。また、庭に移植したトゲアリの過去の記録では、2月27日(T140906-03)、2月28日(T130921-09)に働きアリが巣穴から出てきました。
そこで、庭に移植したトゲアリも活動を始め出すだろうと考え、この間ずっと、「クリの木の地面際の朽ちた箇所」を見ていたのですが、トゲアリの姿はありませんでした。「ひょっとすると絶滅したのでは!?」と心配するようになっていたのですが、今日3月22日、同じクリの木の上方の細い枝でトゲアリを見つけました。そこには、クリオオアブラムシがいました。

3月22日13時34分撮影
13時36分撮影
13時36分撮影

クリオオアブラムシがいる枝は1箇所だけでした。昨年の12月7日に観察したクリオオアブラムシの産卵箇所を見ると、卵は潰れていて、孵化した後のように見えました。

クリオオアブラムシの卵 潰れているように見える 13時44分撮影
13時45分撮影

改めて、「クリの木の地面際の朽ちた箇所」を見たのですが、その辺りにはトゲアリはいません。そこで、巣の場所を探るために、クリオオアブラムシがいる小枝から下りてくるトゲアリを待っていたのですが、なかなか下りてきませんでした。そうこうしている内に、ふと切り株に被せているベニヤ板の下の隙間を見ると、そこにトゲアリが幾匹かいました。

クリの木の切り株にベニヤ板を被せている
ベニヤ板の下の隙間にトゲアリがいた 14時2分撮影

トゲアリは、切り株の上面から出て来ているようです。木くずを運び出すトゲアリもいました。巣の拡張か修復か掃除をしているのでしょう。

ベニヤ板の下から木くずを運び出すトゲアリ 14時29分撮影

砂糖水を与えておきました。

砂糖水を飲むトゲアリ 14時30分撮影

アリグモも双翅目の昆虫を狩っていた

アリグモ(ハエトリグモ科アリグモ属)が、キウイフルーツの雄木にいました。獲物を捕獲しているようです。

獲物を咥えたアリグモ 3月22日13時41分

この獲物は、2日前にクロオオアリが咥えていた双翅目の昆虫と同じように見えます。

参照 クロオオアリが咥えていた双翅目の昆虫

この時期、餌になる昆虫はまだ少ないはずです。そんな中で、極く小さな双翅目の昆虫が、アリやアリグモのタンパク源になっているようです。

活動を始めたN巣

N巣はS/N: B16015のクロオオアリのコロニーで、2019年6月19日に庭に移植し、29日に今の場所へ引越をしたコロニーです。
3月20日、そのコロニーが活動を始めていました。C巣に次ぐこの春2番目になる、庭に棲息する、クロオオアリのコロニーです。

餌場へと向かうクロオオアリ 先頭のアリ(一番上)が誘導している 3月20日15時30分撮影
餌場(砂糖水)で蜜を飲む 15時51分撮影
大型の働きアリが帰路に付く 15時52分撮影
巣まで戻ってきた大型のクロオオアリ ここに巣穴があるようだ 15時54分撮影
他のクロオオアリも上と同じ場所に戻ってきた やはりここが巣穴のようだ 15時55分撮影
巣穴の位置は一番下のコンクリードブロックの上面奥左端

巣穴の位置は、わずかですが昨年とは違う場所になっていました。

ところで、上述の観察の途中で、獲物を運ぶC巣の働きアリを見ました。
1匹目は、ある種の双翅目の昆虫を運んでいました。

15時31分撮影
上の写真と同じアリ 15時31分撮影

3月16日にも、同じく双翅目の昆虫を運ぶクロオオアリを観察していますが、こちらは別種の双翅目ようです。

参照 3月16日撮影

それにしても、どのようにしてこの双翅目の昆虫を捕まえたのでしょうか。既に死んでいたのでしょうか。
もう1匹は、茶色をした塊を運んでいました。

15時52分撮影
15時56分撮影
15時57分撮影

これは何なのでしょうか。最初に見かけたのが、セイヨウミツバチの巣箱の近くだったのですが、ミツバチからの何かなのでしょうか。分からないままです。