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クロナガアリの女王アリ 今年は5月1日に採集

今年はいつクロナガアリの女王アリが採集できるか、かなり気を使って庭を見ていましたが、やっと5月の1日になって女王アリを1匹採集しました。昨年は4月26日に、一昨年は4月16日に採集していますので、時期が遅くなっています。ただ、4月27日から30日の4日間は家を空けていましたので、その内の天気が良かった28日にも結婚飛行があったかもしれません。

5月1日採集 撮影は2日

4コロニーの生存を確認

5月26日に、22日と23日に移植したクロオオアリの遮光のための板と外枠にしていた透明ケースを外しました。
22日に「移植」した2つのクロオオアリのコロニーの内、BK17162は、飼育ケースの中で女王アリの死体が見つかりました。働きアリの姿はありませんでした。

女王アリが死亡していた 理由は分からない 10時29分撮影

BK17075を見ると、巣穴から土を運び出している働きアリがいました。

巣を掘っている働きアリ BK17075の巣 10時35分撮影

しばらくして、花壇の岩の上を歩いているクロオオアリを見つけました。体格からして移植したコロニーの働きアリのようです。そこで、岩の上に蜜を垂らし、蜜を飲ませました。やがて帰路についたその働きアリの後を追ってみるとBK17075の穴の中に入っていきました。

蜜を吸って帰ってきたBK17075の働きアリ 10時46分撮影

23日に「移植」した5つのクロオオアリのコロニーの内、BH18006は、飼育ケースも取り除くと、飼育ケースの下に巣穴がありました。

飼育ケースの下に巣穴があった BH18006 10時26分撮影

それから1時間ほど経って見ると、その巣穴を1匹の働きアリが塞いでいるところでした。やがて塞ぎ切ると、自身も巣穴の中へ入ろうとするのですが、すき間がなかなか見つからないようで、かなり苦労している様子でした。それでも何とか体を押し込むようにして巣の中に入っていきました。

比較的大きめの石で巣穴を塞いでいる 巣の中に入っていく直前 11時39分撮影

この日生存が確認できたのは、上記のBK17075・BH18006と、BH18010とBH18018の4コロニーでした。

BH18010 11時04分撮影
BH18018 11時12分撮影

アリはアブラムシを食べるか?

ここでは、カラスノエンドウに付くアブラムシを使います。複数本の茎の先端付近に付いているアブラムシを採集し、冷凍庫で凍死させます。マメアブラムシとソラマメヒゲナガアブラムシが混在しています。

小さめで色が濃いのがマメアブラムシ、大きめで緑色をしているのがソラマメヒゲナガアブラムシ

クロオオアリとトゲアリで調べてみましょう。クロオオアリの場合は、これまでの経験から、アブラムシは食べないだろうと予想できます。
4月24日、アンテグラウンドⅡ型をフィールドにしているトゲアリ(S/N:T140906-40)にアブラムシを与えました。

9時27分撮影

巣へと運んで行きます。

アンテグラウンドⅡと巣とを結ぶシリコンホースの中をアブラムシを咥えて進むトゲアリ

アンテグラウンドⅠ型をフィールドにしているクロオオアリ(S/N:B15006)にアブラムシを与えました。

9時31分撮影

アブラムシを咥えて運び始めましたが、巣口へと結ぶシリコンホースとは反対の方へ進み、アブラムシを置きました。その場所は、このクロオオアリのコロニーがごみ捨て場にしている場所です。

もう何匹もアブラムシがゴミとして捨てられている 9時35分撮影

それから2時間以上が経つと、アブラムシを入れて与えた容器の中のアブラムシは全て運び出されていました。

トゲアリの場合 11時44分撮影
クロオオアリの場合 11時44分撮影

トゲアリでは、アンテグラウンドⅡ型の中にアブラムシは残っていませんでしたが、クロオオアリでは、アンテグラウンドⅠ型の中にたくさんのアブラムシが捨てられていました。

アンテグラウンドⅠ型の中に捨てられたアブラムシ 11時45分撮影

以上の観察から、クロオオアリはカラスノエンドウに付く2種のアブラムシは食べませんが、トゲアリはこの2種のアブラムシを食べると考えられます。ただ、トゲアリの一つのコロニーだけの観察では、一般化するには不十分ですから、トゲアリの他のコロニー(S/N:T130921-09)で追試をしてみました。

15時01分撮影

すると、巣へと運んでいきました。

アブラムシを咥えて巣へと運んでいくトゲアリ 上方の丸い穴が巣口 15時3分撮影

以上の観察から、トゲアリはカラスノエンドウに付く2種のアブラムシを食べると考えられます。

2019 移植の試み 5例

昨日の引き続き、「移植」を試みました。今回は5つのコロニーで、いずれも昨年採集した新女王アリのコロニーです。いずれも働きアリが20匹前後で、1年後のコロニーの規模としては中程度です。

BH18003
BH18006
BH18010
BH18014
BH18018

この内、2つのコロニーは、昨日移植した花壇の別の空き領域に移植しました。

左がBH18003 右がBH18006

残りの3つのコロニーは、庭の西斜面下に移植しました。

2019 移植の試み 2例

今年もクロオオアリの「移植」を試みることにしました。移植するコロニーは、BK170530-075とBK170530-162で、いずれも2017年5月30日に採集した新女王アリのコロニーです。これらのコロニーは、子育てが順調ではなかったコロニーで、創巣から1年弱後の昨年の4月23日(今からちょうど1年前)、どちらも働きアリが5匹しかいませんでした。現在は少しは増えています。

BK170530-075
同じくBK170530-075 幼虫が見える
BK170530-162

これらを赤花イチゴを植えている花壇の空いている場所に移植します。移植の方法ですが、今まで飼育してきた簡易な飼育ケースのまま、その蓋を外し、その上に大きめの透明ケース被せ、地面と透明ケースの間にすき間がなくなるように透明ケースの周辺に土を寄せます。

BK170530-075
BK170530-162  この箇所はBK170530-075の東となり

最後に日光を遮るため、1×4材で作った板を被せます。

板を被せたところ

これとほぼ同じ方法(日射を防ぐ材が違う)で、去年も移植を試みています。この昨年の試みは、1年後の現時点までの経過の中で、全て失敗したと考えています。今年こそは、移植に成功すればいいのですが。

これまでの「移植」 2019年4月

「移植」という言葉を「飼育していたアリのコロニーを庭に放ち、棲息させること。または、採集してきた交尾後の新女王アリを庭に放つこと」と言う意味で使っています。
以前に住んでいた家でも「移植」を試みましたが、いずれの試みも失敗しています。今住んでいるの家では、2016年から庭への「移植」を試みていて、3年ほど経ちますので、この機会にその成否をまとめておきます。

B:クロオオアリ  R:ムネアカオオアリ  数字:コロニー数
( ):括弧内の数字は採集直後の新女王アリ単独の匹数 またはその他の説明

2016年(計クロオオアリ9コロニー ムネアカオオアリ13コロニー
4月12日 B2(NESTCON02005 2013年06月17日採集を含む) R2
4月16日 R1
4月22日 B1 R3
4月26日 B1
4月30日 B5 R7

2017年(計クロオオアリの新女王アリ単独10匹)
5月22日 B(10)

2018年(計クロオオアリ48コロニー クロオオアリの新女王アリ単独37匹)
3月28日 B4
3月29日 B6
3月31日 B6
4月1日 B4
4月2日 B8
4月3日 B18
4月23日〜 B10
5月1日 B2(B15017 2015年5月27日採集を含む)
5月16日 B(37)

以上のように3年間で、クロオオアリを104(57コロニー・47匹)ケース、ムネアカオオアリを13コロニー「移植」しました。その結果、現時点で「移植」に成功したと確認できているのは、2016年4月12日に「移植」したクロオオアリのコロニーNESTCON02005と、2018年5月1日に「移植」したクロオオアリのコロニーB15017の2つのコロニーのみです。つまり、クロオオアリでは、「移植」成功率は、104分の2で1.92%、ムネアカオオアリでは0%になります。とても厳しい結果であることが分かります。単なる推測ですが、自然界では新しいコロニーができるのは、この結果以上に厳しいのかも知れません。
NESTCON02005については、他のコロニーと比べて特に有利な条件は見いだせませんが、他方、B15017については、「移植」に用いた他の全てのコロニーと比べて働きアリの数が目だって多かった点が挙げられます。更なる検証が必要ですが、常識的に考えても、「移植」が成功するには、大きなコロニーほど有利だとは言えそうです。

NESTCON02005 2013年06月17日採集 「移植」直前の様子  2016年4月12日撮影
B15017 2015年5月27日採集 「移植」中の様子 2018年5月1日撮影

Q+WとWのみのクロオオアリのコロニーを合併

これまでもクロオオアリの同種間共存について、幾度か実験と観察をしてきましたが、4月16日と19日、2度にわたって新たな条件で実験をしました。
4月16日に合併したコロニーは次の2つです。
BH170521-025:
  2017年5月21日に岡山県蒜山高原で採集した女王アリのコロニー
  働きアリ2匹と女王アリ 幼生虫なし
BH170520-001:
  同年5月20日同地(採集箇所も同じ)で採集した女王アリのコロニー
  昨年女王アリ死 働きアリ多数 幼虫あり
これまでの合併条件との違いは、女王アリがいるコロニーの方に少数ながら働きアリがいることです。

実験を開始した直後の様子 4月16日17時56分撮影

上の写真の右側が女王アリと働きアリがいるBH170521-025です。女王アリがいる部屋に働きアリが2匹いますが、この2匹がこのコロニーの働きアリです。その上の部屋には働きアリが1匹いますが、この働きアリはBH170520-001の働きアリで、両巣を合併した直後ですが、早速BH170521-025の巣の中に入り込んできました。
とても短い時間に、何匹かのBH170520-001の働きアリが、BH170521-025の巣の中に入り込みましたが、喧嘩は起こりませんでした。更に、女王アリと栄養交換をする働きアリも見られましたが、直前に蜜を与えたわけでもないので、その働きアリはBH170520-001の働きアリのようです。

栄養交換をする女王アリと働きアリ 女王アリの部屋に働きアリが4匹写っている 17時59分撮影

翌日見ると、女王アリと働きアリがいたBH170521-025の人工巣には1匹もアリの姿はありませんでした。

BH170521-025の人工巣には1匹もアリの姿はない

BH170520-001の人工巣の方を見ると、女王アリがいました。

BH170520-001の人工巣の中に女王アリがいた 4月17日8時19分撮影

働きアリの死骸も見当たらなかったので、BH170521-025の2匹の働きアリも健在のようです。

4月19日に合併したコロニーは次の2つです。
BH170520-015:
  2017年5月20日に岡山県蒜山高原で採集した女王アリのコロニー
  働きアリ2匹と女王アリ 幼生虫なし
BH170520-009:
  同年同日同地(採集箇所も同じ)で採集した女王アリのコロニー
  今年3月に女王アリが死亡 働きアリ4匹のみ 幼虫なし
16日に合併したコロニーとの違いは、女王アリがいない方のコロニーの働きアリの数と幼虫の有無です。
16時少し前に2つのコロニーを合併しました。女王アリがいないBH170520-009の方の働きアリが4匹と少なかったので、人工巣から4匹を取り出して、BH170520-015の人工巣の中に入れました。
合併直後、ほんの僅かな間、働きアリ同士で喧嘩が始まりましたが、すぐに喧嘩が収まりました。また、BH170520-009の働きアリが女王アリに近づいた時、双方襲うことはありませんでした。しばらくすると、おそらく別コロニー同士と思われる働きアリ間で栄養交換が見られ、女王アリと働きアリ間でも栄養交換が見られました。それから3時間半程経った頃、様子を見ると、女王アリと6匹の働きアリが同じ部屋にいました。すっかり、お互いを受け入れているように見受けられました。

一つの部屋に女王アリと働きアリ6匹がそろった 19時25分撮影

カラスノエンドウがほぼ全滅

クロオオアリの春一番の蜜源として保護していたカラスノエンドウがほぼ全滅していました。
もう何日か前から、何か変わった様子を感じていましたが、まさか考えもしていなかったことでしたので、今となってようやくそれに気づきました。
敷地外の南に広がっていたカラスノエンドウですが、ほぼ1本も見当たりません。

4月18日撮影

このブログの記録では、4月5日にはカラスノエンドウが密生していたのですが、それから僅かな期間に一斉に姿を消しました。考えられることは、アブラムシの大量発生で、カラスノエンドウが枯れたのでしょう。写真を撮った4月18日の時点では、枯れたはずのカラスノエンドウの本体の痕さえも分かりませんでした。

イチゴをアンテグラウンドに戻す

イチゴの苗とアブラムシについては「アブラムシを飼う」で触れていますが、その後は、イチゴの苗を屋外で育てていました。イチゴには、アブラムシが付いていて、定着したかに見えます。

イチゴの苗を屋外においていた時には、庭のクロオオアリがこのイチゴの苗を訪れ、アブラムシの甘露を吸っていました
この度、この水耕栽培のイチゴをクロオオアリを飼育しているアンテグラウンドに戻しました。

アンテグラウンドの中のイチゴ クロオオアリが訪れた 4月16日14時59分撮影

アブラムシとクロオオアリがどのように共存するのか、観察が楽しみです。

「誘拐」されたクロオオアリは巣に戻れるか(2)

「「誘拐」されたクロオオアリは巣に戻れるか(1)」では、クロオオアリの生活圏から離れた場所へとクロオオアリを移動させましたが、今度は、生活圏内と思われる近くで放ちます。今回も、前回と同じコロニーのクロオオアリを巣口で捕らえ、蜜器へと誘い、クロオオアリがいるその蜜器を巣口から1.2m離れた場所に設置します。このクロオオアリをAW2と名付けます。

巣口は左上方の芝を刈った後のくぼんで見える場所 実験を開始した 10時1分撮影
7分後に巣へと帰り始めた 10時8分撮影

AW2は最初から迷う風でもなく、巣口がある上方へと歩いていきました。そして、3分後には巣穴へと入っていきました。
この場合、AW2は「誘拐」されたのですから、巣口から蜜器までの道には、道しるべはありませんでした。にも関わらず、ほぼ迷うこともなく、巣へと帰って行けたのです。

巣へと帰ってきた 10時11分撮影

ところが僅かにその2分後の10時13分、1匹のクロオオアリが巣から出てきて、少し西下方向へ歩いた後、蜜器のある下方へと下っていきました。

蜜器に近づいてきた 10時15分撮影

そして、測量杭を登り、蜜を吸い始めました。

蜜器に到達した 10時16分撮影

このアリがAW2だとすると、巣に戻ってから僅かに2分間で、腹部に溜めていた蜜を仲間に渡したことになります。それは、とても考えられないことです。
このアリは10時20分になると帰り始め、僅か1分後には巣の中に入っていきました。
それから3分後の10時24分に、巣口から何匹かが出てきました。

先頭のアリは短い間隔で腹部を地面に着けながら進んでいく その後を何匹かのアリが付いて行く 10時24分撮影 

これは、仲間を餌場へと連れて行く行動です。先頭のアリは、腹部をリズミカルに時々曲げて、地面等に道しるべを付けています。

10時26分撮影

そして、巣口を出発して3分後に、測量杭の麓まで到達しました。

10時27分撮影

先程、蜜器にやってきた1匹のクロオオアリについて、「それは、とても考えられないことです」と書きましたが、この仲間連れで出てきたアリを見て、何だか謎が解けたように思えました。というのは、先程の1匹のアリは、最初に「誘拐」したアリとは別のアリで、そのアリが往復するところを観察していたと考えるのです。すると、別のアリが自力で蜜を見つけたことになり、そのことから蜜器を置いていた場所が、A巣の生活圏内であったと言えることになります。
そこで、今回の実験は、 当初の想定通り、クロオオアリを生活圏内に移動した場合の行動記録と言えそうです。

そうだとすると、仲間を連れて蜜器へと案内したのは、AW2であった可能性が出てきます。AW2が巣に戻ったのは10時11分でした。そして、複数のアリが同時に出てきたのは10時24分でした。その間は13分間です。ところで、昨日の観察では、蜜を持ち帰って次に巣から出てくるまでの時間は、12分、15分、13分でした。見事にほぼ一致しています。やはり、仲間を蜜器へと案内したのはAW2なのでしょう。

その後も、A巣のクロオオアリはこの蜜器と巣とを往復していましたが、帰路を迷ってしまうアリを2匹見かけました。比較的近い距離ですが、それでも帰路を大きく逸れていました。クロオオアリにも個体により、能力に個性があるのでしょう。

巣口はU字溝の下方にあるが、2匹のクロオオアリは、踏み石になっているコンクリートブロックの右側深くに迷い込んでいた