クロオオアリ」カテゴリーアーカイブ

遺骸の捨て場 クロオオアリ

下の写真は、今飼育しているクロオオアリのコロニーの内で最も働きアリが多いB120614-86の様子です。

B120614-86 10月19日撮影

3種の人工巣をシリコンパイプで繋げています。その右側の人工巣は、一番後で繋げたもので、百金のトレーを加工して重ねたものです。このトレーを見ると、たくさんの働きアリの遺骸などが見られます。

10月19日撮影

遺骸などは、少ない順に最上段、上から2段目、上から3段目、最下段に置かれています。遺骸の数は、合せるととてもたくさんになります。去る冬に、遺骸などのごみを全て取り出しましたので、これらの遺骸は、今年新たにできたことになります。それほど多くの働きアリが今年新たに死んだことになります。おそらく、それは世代交代として起きたことで、寿命で死んだのでしょう。(ちなみに写真の左と中央の人工巣の最上段にも僅かですが、働きアリの遺骸があります。)

ところで、人工巣の中に遺骸などがほぼないコロニーがあります。アンテグラウンドⅠ型に繋げているクロオオアリB15006のコロニーです。

B15006 どの階にも遺骸などのごみはほぼない 10月19日撮影

極最近になって、アンテグラウンドⅠ型の中に置いているトレーなどに働きアリの死体を見るようになりましたが、とても少ない数です。

アンテグラウンドⅠ型の中のトレーに捨てられた働きアリの死体 10月19日撮影

B15006は、前述のB120614-86よりも働きアリが少し少ないと思いますが、それでも大家族です。ところが、今年もB15006から働きアリの遺骸などを取り出してはいません。では、B15006にもB120614-86と同じ程度に遺骸などがあったと思われるのに、その遺骸などはどこに行ったのでしょうか。
私は、その遺骸などのごみは、アンテグラウンドⅠ型の中に入れている水槽の中に捨てられたと考えています。つい最近はメダカはいなくなっていますが、長い間、その水槽にはメダカがいました。
下の写真は今の水槽の中の様子です。かなりの数の働きアリの死体が水底に見られます。

10月19日撮影

メダカがいる時には、働きアリの死骸をほぼ目にすることはありませんでしたので、メダカが死骸を食べていたのかも知れません。
B15006の人工巣の中に、ほぼ遺骸などのごみがないのは、水槽の水が遺骸などのごみ捨て場になっていたからなのでしょう。

幼生虫は既に越冬様態に入る

クロオオアリは、成虫と小さな幼虫で越冬します。9月はまだまだ残暑が厳しい日があるのですが、9月の内に幼生虫は越冬の状態になっています。
今飼育しているクロオオアリの大きめのコロニーの様子を観察しました。既に繭は見当たらず、大きな幼虫もいません。

飼育している中で最も大きなコロニー B120614-86 9月28日撮影
2番目に大きなコロニー B15006 9月28日撮影
大きめのコロニー B110608-07 9月28日撮影
大きめのコロニー B14034+133 9月28日撮影
同上のコロニー

以上はクロオオアリの4つのコロニーの様子です。いずれも共通しているのは、幼虫は小さいということです。例外的に、写真の2枚目には、右側に少し大きくなった幼虫が1匹写っています。また、最後の写真には、中央左に少し大きめの幼虫が1匹、右側に卵が写っています。
これから幼虫が成長を始める春までには、随分と期間があることになります。それなのになぜ、成虫のみで冬越しをしないのでしょうか。春に育つ幼虫なら、女王アリはなぜ春になってから産卵をしないのでしょうか。

卵が産み落とされてから孵化するまでには、6月前後の時期で20日弱から1ヶ月弱かかります。ところが、春先に孵化するには、冬の地中の温度は9℃〜10℃前後ですから、1ヶ月では無理でしょうし、そもそも孵化できないとも考えられます。
室内の飼育環境での観察ですが、3月には幼虫は成長を始めています(参照1 参照2 参照3)。そして、地上にクロオオアリが現れるのは3月下旬で、それ以降は地上で餌を捕ることができるようになります。(室内の飼育環境下で、前年の秋以降タンパク源を与えてなくても、春先から幼虫が成長するようです。参照
つまり、前年中に孵化しておけば、春先の早い時期から育ち始めることができるようになります。それが、前年中に孵化して、幼虫で冬を越す利点なのかも知れません。

移植したB16013が生きていた

今年の6月8日に庭に移植し、6月18日に引越先が分かったクロオオアリのコロニーのB16013ですが、この3ヶ月ほど巣口を出入りする働きアリの姿を見ていませんでした。既に滅亡してしまったのではないかと心配でした。
ところが、9月25日、巣口の周辺にクロオオアリの働きアリが複数いるのを見かけました。その内の1匹は、巣口の近くに設置している蜜器の中にいました。そこで、その蜜器に蜜を入れました。蜜を吸ったこのアリは、帰路につきましたが、後を追うとB16013の引越先の場所へ戻って行きました。別のアリには、岩に蜜を垂らし、この蜜を吸ったクロオオアリも、B16013の引越先の場所へ戻って行きました。B16013は、滅亡してはなかったのです。
やがて、巣口近くから2匹のクロオオアリが出てきました。

15時57分撮影

先頭のアリが、リズミカルに、時々、腹部を地面に着けながら歩いていました。その後を働きアリが1匹付いて行きました。先頭のアリが、先程の蜜器へと案内しているようです。ところが、道案内を間違えてしまいました。蜜器を載せている測量杭のすぐ横に岩があり、その岩を登り始めたのです。

測量杭のすぐ横にある岩に登って行くアリたち 15時59分撮影

しばらくの間、先頭のアリは、岩を歩いて付いてくる仲間を案内していましたが、間違いに気づいたのか、案内するのをやめたようで、付いてきていた仲間をそのままにして、元の方向へ戻って行きました。そして、案内をしていたアリだけが、蜜器にたどり着きました。これまでに、道しるべを付けながら、餌場に仲間を案内するクロオオアリを数多く見てきましたが、案内を間違えるのを見るのは、これが初めてでした。
巣口と蜜器との距離はとても短いのですが、それでも途中の大部分は芝地で、歩きづらくなっていました。そこで、「高速道路」を作りました。

木片を使った高速道路 16時52分撮影

やがて、この高速道路を端から端まで使うクロオオアリが現れました。

高速道路を使って巣に戻るクロオオアリ 17時17分撮影

その頃には、蜜器にやってくるクロオオアリは多くなっていました。

6匹のクロオオアリが写っている 17時17分撮影

単独女王アリが1年ぶりに子育てに成功 他コロニーの働きアリとは共存できず

シリアル番号BH18019は、2018年5月15日に、岡山県の蒜山高原で採集したクロオオアリの新女王アリです。通常は働きアリが多数誕生している同年の7月22日時点でも、働きアリは生まれていませんでした。その後、ほぼ1ヶ月後の8月20日には、繭が1個、幼虫が4匹いましたが、この時点でも働きアリは生まれていませんでした。やっと10月6日の時点で働きアリが1匹になっていましたが、幼生虫はいなくなっていました。その後、その1匹の働きアリも死んでしまいました。
BH18019は、このように子育てに失敗してはいるのですが、それでも産卵ができ、下手ですが子育てができないわけではないのです。そこで、クロオオアリ同士で共存させて、新たなコロニーが作れるかどうか試してみることにしました。

左からBH18019、BM19022、BM19029の各コロニー

今年新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーの中で、女王アリが死んでしまったコロニーが2つあります。BM19022は、8月27日には女王アリが死んでいて、働きアリが12匹、繭が7個で幼虫と卵がありました。BM19029は、7月23日に女王アリが死に、その時は働きアリが4匹と幼生虫がいました。

8月27日撮影 BH18019 繭1個と幼虫が2匹(その内1匹は大きい)
8月27日撮影 BM19022 働きアリが12匹と繭など幼生虫が多数
8月27日撮影 BM19029 働きアリが12匹と幼生虫

8月27日、グッピー水槽の中に、飼育ケースのままBH18019とBM19022を同時に入れ、2つともケースの蓋を取りました。しばらくすると、BM19022の飼育ケースから出てきた1匹の働きアリが、BH18019のケースの中に入り、あっという間に大きな方の幼虫を咥えてケースから出て行きました。女王アリは、あまりに突然のことで、防ぎようがなかったようです。

BH18019の幼虫を咥えて、自分の巣がある飼育ケースを探して歩き回るBM19022の働きアリ 8月27日14時01分撮影
幼虫が奪われた後のグッピー水槽の中の様子 右がBH18019 大きな幼虫がなくなっている 14時7分撮影

その後、更にBM19022の働きアリが1匹、BH18019のケースの中に入ってきました。働きアリも女王アリも戦いを避けようとはせず、戦いが始まりました。戦いは終始女王アリの方が優勢のようでした。やがて、働きアリは殺されてしまいました。

14時09分撮影

それから15日後の9月11日、BH18019に働きアリが1匹生まれていました。

働きアリが1匹生まれていた 繭のように見えるのは繭の殻 9月11日午前6時34分撮影

BM19022は、働きアリが3匹になっていました。2週間強の間に12匹から激減しています。繭もあったのですから、繭から羽化した働きアリもいたはずなのに、とても少ない数です。

左がBM19022 働きアリが3匹になっていた 幼生虫も少ないようだ

BH18019のケースの中を見ると、クロオオアリの働きアリと思えるたくさんのバラバラの死骸がありました。

たくさんのクロオオアリの死骸

どうやら、BH18019の女王アリがBM19022の働きアリを殺したようです。ちなみに、BM19029の働きアリは、15日前と変わらず、12匹いました(繭から羽化する成虫がいたはずですが)。
9月11日時点の3コロニーの幼生虫の様子は以下のようです。

BH18019 卵3個と死んでいる卵2個 繭は抜け殻
BM19022 繭が1個と幼虫が2匹
BM19029 小さな幼虫が6匹と大きな幼虫が1匹

さて、2018年採集の単独女王アリが1年ぶりに子育てに成功したので、BM19022との合併の試みは終了することにしました。そして、上記のBM19022とBM19029の幼生虫のみをBH18019の中に入れました。女王アリは、その幼生虫を初めから我が子であるかのように、迷う様子もなくすんなりと受け入れました。

BH18019のケースに幼生虫を入れた時には幼生虫は散乱していたが、働きアリの手助けなく、女王アリが幼生虫を一箇所に集めた

季節外れの有翅女王アリ

9月5日の16時過ぎに、庭でクロオオアリの有翅女王アリを1匹見つけました。辺りを見回しましたが、羽アリはこの1匹だけのようでした。

有翅女王アリ 9月5日16時19分撮影

庭の芝刈りをしている時でしたので、写真を撮るだけになり、その後どうなったかは観察していません。

B15099を移植 4日目 ほぼ引越完了

8月26日の朝、C地点近くで仲間を運ぶクロオオアリを見つけました。

仲間を運ぶクロオオアリ 7時22分撮影

昨日までは、繭を運んでいるところは見ましたが、今日になって初めて成虫を運んでいるところを見たのです。引越が本格的に始まっているのでしょうか。
すると、立て続けに仲間を誘導しているところや、幼虫を運んでいるところを見ました。幼虫を運んでいるところを見るのも、今日が初めてです。

仲間を誘導するクロオオアリ 腹部を曲げて道しるべを付けながら進んでいる 7時22分撮影
塊状になった幼虫を運んでいる 7時23分撮影

それらの通路は、昨日にはなかった新たな道で、ミツバチの巣箱とC地点とを最短でむすんでいました。

ミツバチの巣箱とC地点を結ぶ最短の道 距離は60cm強 その間を含め、芝生は昨日刈られていて、クロオオアリが歩きやすいようになっている

この様子を見る限りでは、引越先はC地点に決まったのでしょうか。ところが、しばらくして、仲間がB地点に運び込まれて行くところを見ました。

仲間をB地点に運び込むクロオオアリ 7時55分撮影

また、C地点から塊状になった幼虫を運び出すクロオオアリがいました。

C地点から運び出された塊状の幼虫 8時7分撮影

後を追ってみると、花壇の真砂土の上をミツバチの巣箱の方へと進んで行きました。ただ巣箱の近くで見失ってしまいました。この後、更にもう1匹のクロオオアリが、C地点から繭を咥えて出てきて、同じようにミツバチの巣箱の方へと歩いて行きましたが、今度はかなり早い時点でまた見失ってしまいました。

C地点から運び出された幼虫 行き先は見失ってしまった 8時18分撮影

8時20分過ぎには、ミツバチの巣箱とC地点との最短の道を通らずに、どこからか岩の上方から成虫が運ばれてきました。

どこからか、岩の上方から成虫が運ばれてきた 8時23分撮影

更に、B地点では、どこからからか今度は幼虫が運ばれてきました。

B地点に幼虫を運ぶクロオオアリ 8時31分撮影

どうやら、引越先が一つに確定したわけではないようです。
ところで、クロオオアリは、ミツバチの巣箱とC地点とは最短の道で行き来していて、しかも芝生は刈っているのですが、それでも歩きにくそうにしていました。そこで、長さが48cmの板が手近なところにあったので、それを最短ルートの上に置きました。こうしておけば、やがて「高速道路」になるでしょう。早速、板の上を歩くクロオオアリが複数いましたが、どのクロオオアリも端から端まで歩くことはなく、すぐに芝生へ下りて行きました。

板の上に乗ってもすぐに芝生へ下りて行った 8時43分撮影

ミツバチの巣箱からグッピー水槽を取り出して巣の様子を見ると、働きアリの数がかなり減っていました。そして、女王アリがいないことが分かりました。いつの間にか、女王アリは引越を済ませていたのです。

働きアリが少なく、女王アリがいない 9時29分撮影

ところで、時刻を遡ること7時35分から9時24分までの約2時間に渡って、ミツバチの巣箱の出入り口をビデオで撮影していました。
この間に、ミツバチの巣箱から運び出された成虫は67匹、幼虫(小さな幼虫と卵とはビデオでは判別できないため卵も含まれているかもしれない)は5匹、繭は0個でした。7時35分から8時35分までの1時間ですと、成虫が44匹、幼虫(卵)は4匹ですので、時間帯が早いほど、多くの成虫や幼虫(卵)が運ばれたことが分かります。
そして、この約2時間の間には、女王アリは姿を現しませんでしたので、このことから、この日最初にC地点を見た7時22分以前に、女王アリは引越を済ませていたことが分かります。
ちなみに、多くのクロオオアリは巣箱の出入り口を出るとC地点の方へと歩きましたが、それでもかなりの数の働きアリが、それとは反対側に向かっていました(上記のミツバチの巣箱が写っている写真で言えば、出入り口の左方向)。この反対方向は、23日に移植した当初から主に使われていた通路です。クロオオアリたちは、C地点以外の場所へも行っていることが分かります。ただ、幼虫を含め1匹の成虫も運んではいませんでした。

夕刻近くになり、C地点を見ると、板が「高速道路」として使われるようになっていました。仲間を運ぶアリが、板の端から端まで使って歩いていました。

仲間を運ぶアリが板の端から端まで歩いて行った 16時06分撮影

巣の中を見ると、クロオオアリはほんの僅かになっていました。

クロオオアリはほんの僅かになっていた 16時33分撮影

「高速道路」を見ると、まだ成虫が運ばれていました。

夕刻になってもまだ成虫が運ばれていた 16時56分撮影

巣を見ると、大型のクロオオアリが最後まで残っているようです。

大型のクロオオアリが何匹か残っているようだ 17時12分撮影

何匹かは、自力で引越をしているところを見ましたが、中には引越しようとしても道が分からず迷った末、またグッピー水槽に戻って行くものもいました。

行き先が分からなくなり、迷っている大型のクロオオアリ この後、また水槽の中に戻って行った 17時13分撮影

残っている複数の大型の働きアリは、引越を促す仲間を嫌うかのように、なかなか身体を丸めようとしませんでした。それでも、やっとのことで運ばれ始めました。

17時14分撮影
別の大型の働きアリが運ばれる 17時32分撮影
また別の大型の働きアリが運ばれる この写真のように、ときどき運ばれるのを嫌がるかのように、身体を広げていた 17時52分撮影

これで引越は完了したようです。巣を見ると、何匹かの働きアリが、残っている仲間や幼生虫がいないか確かめているようです。と言うのは、触角を忙しく動かしながら、隈無くあちこちと歩き回っているからです。

何匹かの働きアリが、巣の中を忙しく歩き回っていた 17時55分撮影

この確かめ行動がいつ終わるのだろうとしばらく観察していましたが、新たに別のアリが次々と巣にやって来ては去って行くので、観察を打ち切りました。
19時過ぎに見ると、グッピー水槽にまだクロオオアリがやって来ていました。
ところで、A地点やB地点はどうなっているのでしょうか。ついでに見てみると、A地点にもB地点にもクロオオアリがいました。まだ、引越先は統一されていないようです。

A地点 19時17分撮影
B地点 19時17分撮影

B15099を移植 3日目

8月25日の早朝のA地点での巣作りの様子です。

A地点 掘り出した土がかなりの量になっている 6時27分撮影

ふと、繭を運んでいるクロオオアリを見つけました。追ってみるとB地点に運んで行きました。

どこからか繭を運んでいた 6時28分撮影
B地点に運んで行った 6時29分撮影

ミツバチの箱を見ると、幼虫らしきものを運んでいる働きアリがいました。どうやら、既に引越が始まっていたようです。

幼虫らしきものを咥えて移動している ちなみに小型のアリはアミメアリ 巣箱の中の蜜に集まってきていた 蜜器は取り除いた 6時31分撮影

ミツバチの巣箱の中を覗いて見ると、クロオオアリが少なくなっていました。ただ、水槽をミツバチの巣箱から取り出さなかったため、巣の全体は見ませんでした。女王アリがいるのかどうかは確認していません。

グッピー水槽の中のクロオオアリが少なくなっていた 6時45分撮影

B地点の巣作りも進んでいました。

B地点 掘り出された土が増えていた 7時04分撮影

先程は、繭がB地点に運び込まれていましたが、今度はそのB地点から繭を運び出したクロオオアリがいました。

B地点から繭を運び出したクロオオアリ 7時13分撮影

後を追ってみると、ミツバチの巣箱の近くの岩の下の芝生の中に入って行きました。

写真中央辺りの芝生の中に入って行った 7時16分撮影

しばらく見ていると、同じ場所で芝生の中に入って行くクロオオアリが数匹いました。ここでも巣作りをしているようです。ミツバチの巣箱から僅かに60cm強しか離れていません。芝生を刈ってみました。

芝生を刈ったところ 7時26分撮影

この巣作りの地点をC地点と呼ぶことにします。
8時半頃に、今度はこのC地点から繭を運び出すクロオオアリがいました。

C地点から繭を運び出すクロオオアリ 8時32分撮影

今日で移植から3日目になります。既に引越が始まっていましたが、今日までに分かったことは、少なくともA・B・Cという3地点で巣作りが行われていると言うことです。このまま、複数の巣に分かれてしまうのでしょうか。それとも、どこか一つの巣にまとまるのでしょうか。

午後3時半過ぎにもう一度ミツバチの箱の中を見てみました。今度は、水槽を持ち上げて巣の全体の様子を見ました。

クロオオアリがたくさんいた 15時39分撮影

早朝見た時には、クロオオアリが少なくなっていましたが、またたくさんになっていました。昼間の暑さを避けて集まった名残なのでしょうか。
女王アリがいるかどうか調べたいとは思いましたが、働きアリの個体数が多くて確かめることができませんでした。

B15099を移植 2日目

A地点を朝見ると、まだ湿っている土粒が巣穴の周りに積まれていました。夜の間に掘り進んだのでしょう。

A地点 7時05分撮影

15時前になって、A地点とは別の場所で巣作りが始まっているのに気づきました。

別の地点での巣作り 14時49分撮影

この場所は、ミツバチの巣箱とA地点との中間の場所で、巣箱からは直線距離にして2.8m離れた場所です。この場所をB地点と呼ぶことにします。

青○の場所がB地点 巣作りが始まっていた

B15099を移植 1日目

8月23日、クロオオアリのコロニー(S/N:B15099)を庭に移植しました。B15099は、2015年5月27日に新女王アリを長野県で採集したコロニーです。長期に渡ってカップ型コンクリート人工巣で飼育し、後に、コンクリート人工巣をそのまま、グッピー水槽に入れて飼育していました。
B15099は、大家族になっていて、グッピー水槽では飼育しにくくなっていました。また、移植後、大家族ほど生存率が高くなると考え、このコロニーを移植することにしたのです。(ただ、迷いもありました。というのは、2015年採集のコロニーが2つしか残っていなかったからです。また、大家族だからこそ、飼育を続ければ、羽アリが生まれるところを観察できるかもしれないと思えたからです。)
今回もミツバチの巣箱を使って移植をしました。

ミツバチの巣箱にグッピー水槽をそのまま入れたところ 蓋を一部開け、水槽から出入りしやすいように板を入れている 写ってはいないが箱の右手前には蜜を与えておいた 11時57分撮影
移植場所の環境

グッピー水槽の蓋の一部を開けたとは言え、出入り口が大きく空いたので、すぐにたくさんの働きアリが巣箱から出てきました。1時間半もすると、随分離れた場所(直線距離で4.7m離れている A地点と呼ぶ)で巣作りが始まっていました。

A地点での巣作り 13時32分撮影

それから半時間もすると、更にたくさんの働きアリが同じ場所で巣作りをしていました。

14時01分撮影
赤○が巣作りが始まっていたA地点(巣箱から直線距離で4.7m離れている)

A地点への主な通路は花壇の真砂土の上でした。

真砂土の上を盛んに行き来する働きアリ(赤○) 16時56分撮影

花壇の真砂土の上を行き来する働きアリの全てが、A地点を訪れていたわけではないのですが、それでもたくさんの働きアリがA地点の巣作りを手伝っていました。ただ、手ぶらでやって来て、手ぶらで帰っていました。まだ、幼生虫などを運んではいませんでした。

F巣の引越

F巣は、2016年4月12日に庭の花壇だった場所に移植したクロオオアリの巣です。このコロニーは、2013年6月17日に、山梨県の清里にある丘の公園で、新女王アリを採集したコロニーで、シリアル番号はNESTCON02005です。移植した時、「採集からの飼育年数は長いのですが、家族の規模が小さいコロニー」でした。
直近でもほぼ毎日巣口を見ていましたが、8月22日、異変に気づきました。F巣の巣口を出入りする小さなアリが多数いるのです。

F巣の巣口を出入りする小型のアリ 8月22日15時38分撮影

このアリはオオズアリのようです。この巣の主のクロオオアリはと言うと、辺りを見回してみても、姿はありませんでした。F巣のアリたちは無事なのでしょうか。
この巣口とは別に、25cm程離れた場所にも穴が空いていました。この穴がいつからあったのかはわかりません。

青○の場所にいつも使われている巣口がある それとは別に赤○の場所にも穴があった

今年の3月22日のブログで、青○以外の場所にも巣穴が空いていたことに触れていますが、その場所と同じではありませんが、赤○は良く似た場所にありました。この穴を観察してみると、小型のアリは出入りしていないようです。

この穴に出入りしている小型のアリはいないようだ 15時40分撮影

この穴は、F巣の巣穴なのでしょうか。確かめたいと思って見ていると、クロオオアリが出てきました。仲間を咥えています。

赤○にある穴から出てきたクロオオアリ 仲間を咥えている 15時41分撮影

この穴はF巣の巣穴のようです。この巣穴を副巣口と呼ぶことにします。仲間を咥えているところを見ると、引越をしているようです。後を追ってみましょう。
このペアについては、残念ながら途中で見失ってしまいましたが、しばらくして、2匹目がやはり1匹目と同じように仲間を咥えて、副巣口から出てきました。

2匹目のペア 咥えていた仲間を放している 15時56分撮影

後を追ってみると、意外にも途中で何度も咥えていた仲間を放したり、また咥え直したりしていました。1匹目も同様だったとすれば、途中で見失った原因だったのかも知れません。結局、引越先をつき止めることはできませんでした。

ところで、巣穴を出入りしている小型のアリをどうしたら良いのでしょうか。もう手遅れかも知れませんが、それでもクロオオアリを少しでも助けることになれば良いのですが。
少し迷い(クロオオアリに害を与えるかもしれない)はありましたが、この小型のアリを殺虫剤で殺すことにしました。アースジェットを巣口に吹きかけました。
すると、アースジェトを吹き掛ける毎に、波状的に次々と、小型アリが巣口から出てきました。その中には、雄アリや数多くの無翅女王アリもいて、幼虫なども運び出されてきました。

巣穴から飛び出してきたアリたち 16時9分撮影

かなりの個体数を有するコロニーでした。ところで、殺虫剤を吹き掛けたことで、あることに気づきました。殺虫剤は巣口に向けて吹き掛けたのですが、その度にすぐにたくさんのアリが巣口から出てくるのです。つまり、このアリたちは巣口に近いところに大量にいたことになります。何度か殺虫剤を吹き掛けた後は、アリたちは出てこなくなりましたが、殺虫剤は巣の奥深くまでは届かなかったでしょう。それなのに、しばらく時間を置いて巣口を見ても、出入りする小型のアリはいないのです。このことからも、このアリは、やはり巣口の近くにだけいたのでしょう。
もし、その推論が正しければ、クロオオアリがこの小型のアリが巣に侵入してきた時に、どのように対応したかを次のように考えることもできるでしょう。

小型のアリの侵入に対処できなくなった時、クロオオアリは巣口の近くの地中の通路を土などで塞ぎ、それ以上巣の中に入ってこないようにしたのではないだろうか。それでも、身の危険を感じて、別の場所に副巣口を開き、引越を始めたのではないだろうか。

とにかく、F巣のクロオオアリのコロニーは無事なのかどうか、とても気になっていました。一つだけ安心の材料があるとすれば、それは、巣口の周りに食べられた痕のクロオオアリの死体などが全く見当たらなかったことです。

翌日の23日の朝、引き続き観察を始めました。F巣があった場所の近くをクロオオアリが1匹歩いていました。そこで、蜜を与えてみました。

蜜を吸うクロオオアリ 23日7時50分撮影

このクロオオアリは、蜜を吸った後、どの巣口に戻るのでしょうか。追ってみると、昨日仲間を咥えて出てきて副巣口の中へ入っていきました。

副巣口に入っていった 7時55分撮影

この後、蜜を吸って戻ってきたわけではないクロオオアリが、8時と8時8分の2度、副巣口に入っていきました。この巣口の巣穴はまだ使われているようです。
8時13分になって、1匹のクロオオアリが副巣口から出てきました。そこで、その後を追ってみると、やがてある地点で芝生の中へ姿を消しました。

姿を消した場所の目印に八朔の落ち葉を置いた 写真中央辺りがその場所

そこで、巣口があるであろう場所を確かめるために、その近くを歩いていたクロオオアリに蜜を与えました。

蜜を吸うクロオオアリ 8時23分撮影

蜜を吸ったクロオオアリは、やはり先程とほぼ同じ場所で、芝生の中へと姿を消しました。また、極近くでダンゴムシを運んでいるクロオオアリがいて、そのアリもほぼ同じ場所へと向かっていました。

ダンゴムシを運ぶクロオオアリ 8時27分撮影

これでほぼ巣口の場所が確定しましたので、その場所の芝生を刈りました。

芝生を刈った この場所のどこかに巣口があるはずだ 8時34分撮影

引き続き、近くに蜜を垂らして観察をすることで、巣口の場所を特定することができました。そこで更に巣口の極周りの芝を深く刈りました。

特定された巣口 8時52分撮影

近くの芝生の上に蜜器も置きました。

蜜器に気づいてやって来たクロオオアリ 9時32分撮影

それからしばらくすると、巣口を芝の葉で保護しようとしている1匹のクロオオアリを見つけました。

芝の枯れた葉を咥えて巣口の近くへと運んでいた 9時45分撮影

そこで、巣口の周りに真砂土を敷くことにしました。こうしておけば、土を使ってより丈夫に巣口を保護することができると考えたからです。ただ、このクロオオアリは、土を利用しませんでした。

巣口の周りに真砂土を敷いた 蜜器にはクロオオアリが4匹来ている 9時59分撮影

この後、巣口から25cm離れた場所に測量杭を打ち、蜜器を設置しました。

10時42分撮影

さて、まだ引越が完全には終わっていないように思えます。これからどうなるのでしょうか。また、今回のことで、F巣はどの程度ダメージを受けているのでしょうか。
それに、少し気掛かりなことがあります。と言うのは、新巣の巣口の周りに砂粒がないようなのです。この新巣はどこまで掘られているのでしょうか。分からないままなのです。

F巣の旧巣口(写真右)と新巣口(写真左) 2m50cm程離れている