月別アーカイブ: 2012年10月

トゲアリその後

先のトゲアリ物語の中で、9月28日に私の住んでいるすぐ近くの林道が走る低い山で、この物語の主人公のトゲアリの女王アリを採集したと書きましたが、その同じ山で新たな発見をしました。実は、そのトゲアリの女王アリを採集してからは、幾度かその山の林道に沿って再びトゲアリの女王アリに出会えないものかと探していたのですが、新たな出会いはありませんでした。けれども、女王アリは採集できないとしても、この山のどこかにトゲアリの巣があるはずでした。

そんなある日、アリ探しを兼ねてサイクリングをしていて、ふとトゲアリの巣を見つけたのです。10月26日の午後のことでした。この山を仮に「野田山」と言うことにして、その場所は、野田山のピークより少し下ったところでした。これまでは、アリの採集時はそのピークで引き返していたのですが、この日は、とても良く晴れた文句なしの秋晴れの日で、自転車でこのピークを越えて、気持ちよく風を切って下っていたのです。もちろんアリの観察も兼ねていましたので、所々で止まりもしました。そんな時、大木の幹をムネアカオオアリに似たアリ、つまりはトゲアリの働きアリが往来しているのが目に留まったのです。そこは、標高280m前後の所でした。

バイクを立て掛けている木にトゲアリの巣がありました

大木の主幹を往復するトゲアリ

巣の入り口近くの様子(30秒動画)

トゲアリの働きアリは、この季節はまだ働いていました(気温21℃前後)。歩く速さは、ムネアカオオアリやクロオオアリに比べるとやや遅めで、また、警戒心が強いらしく、私がより幹に近づくと、気配を察することができるらしく、動かなくなって腹部を腹面へ曲げて丸くなるものもいました。

体を丸めるトゲアリ

この巣がある木から登り方向の別の木の幹にもトゲアリがいました。この木には目立った樹洞はなく、巣はないようでした。

画面右の林道沿いの木にもトゲアリがいました

この木のトゲアリと、巣がある場所にいたトゲアリが同じ巣のトゲアリなのかを調べるために、両者を1匹ずつ捕らえ、フィルムケースの中で一緒にしたのですが、喧嘩は起こりませんでした。これを3例試したのですが、結果は同じでいずれも喧嘩が起こりませんでしたので、同じ巣のトゲアリのようでした。

まだ、他にもトゲアリの姿がないか近くを調べていると、巣があった木から少し下ったところの大木にもトゲアリがいました。この木には巣がありました。

木の上方を見ると

根元にも巣の出入り口があるようでしたが、木の上方に朽ちたところがあり、どうやらそこにも巣があるようです。

樹洞に働きアリが見えます

少し下の樹洞にも働きアリが多数いました

働きアリは、絶え間なくこの樹洞と根元との間を往復していました。明らかに根元の巣もこの樹洞の巣も同じ家族のようです。

後日思ったことですが、最初に見つけたトゲアリと別の木にいたトゲアリが同じ巣のトゲアリかどうかは調べたのですが、明かに2つのトゲアリの巣を見つけたのですから、この両者のトゲアリも一緒にしてその様子を観察すべきでした。果たしてこの場合は喧嘩を始めるのでしょうか。先の同じ巣のトゲアリのようだとの考えは、この2つの巣のトゲアリ同士の様子を見て結論を出すべきでした。

さて、トゲアリは一時的社会寄生をするのですから、必ず近くにクロオオアリやムネアカオオアリがいなくてはなりません。この野田山では、ムネアカオオアリの姿は見かけていたのですが、クロオオアリは見かけませんでした。野田山のピークは294mしかありません。その麓の平野部は110m程度ですから、標高差は200mもないわけですし、そもそも300m未満の山でもあります。そんな山にも関わらず、クロオオアリの姿がないのです。

ところがやっと先日(10月22日)クロオオアリを見つけることができました。麓に近い林道を歩いていました。そして、実は、トゲアリの巣を2箇所発見したその日、そのトゲアリがいたすぐ近くの林道でもクロオオアリの姿を見ました。ただ働きありを1匹見つけただけだったのですが、でもそれで、間違いなくクロオオアリの巣がトゲアリの巣の近辺にもあることが分かったのです。

1年目のクロオオアリ・ムネアカオオアリのコロニーの大きさ

本年6月14日に駒ケ根市で採集したクロオオアリとムネアカオオアリの女王アリとその家族の成長について、10月23日時点でデータ化しました。

データ化の対象としたのは、簡易小型飼育器「アンテキューブ」で飼育している家族です。

簡易小型飼育器「アンテキューブ」

他にも同じ日に採集した女王アリとその家族はいるのですが、コンクリート製の人工巣等で飼育していて、幼虫の数などを数えることが困難なため、除外しました。

今回は幼虫の数を数える必要がありましたので、できるだけ正確に数えられるように実体顕微鏡も使いました。ただ、幼虫は塊になっているため、重なっている部分を数えるのは難しく、おおよその数になることが多々ありました。成虫の数については正確に数えられています。

サンプル数は、クロオオアリが27家族、ムネアカオオアリが15家族です。それぞれ、成虫、繭、幼虫、卵の数を数えました。結果は次のようでした。(いずれも個体数の平均値)

クロオオアリ
成虫: 13.5匹 幼虫:2.3匹 繭・卵なし
ムネアカオオアリ
成虫: 12.7匹 幼虫:14.1匹 繭・卵なし

この調査から、この時期になると繭も卵もないことが分かります。また、成虫の数はクロオオアリもムネアカオオアリも13匹前後で有意差は認められません。注目すべきは幼虫の数で、これは明らかに違いが認められます。クロオオアリの場合、0匹だったのが3分の1の9家族あり、一番多くて12匹でした。これに対してムネアカオオアリの方は、幼虫がいない家族はなく、3分の1の5家族が20匹前後でした。

ところで、ほぼ2ヶ月前の8月27日にも成虫の数を調べています。上記と同じ家族に限定してその平均を出すと、クロオオアリでは10.4匹、ムネアカオオアリでは11.3匹になります。これは、この2ヶ月間でクロオオアリは3.1匹増え、ムネアカオオアリでは1.4匹増えたことになります。8月27日といえば、女王アリが巣作りを始めて初回に産卵した卵がほぼ全て働きアリになったころで、それからの2ヵ月間は働きアリの数はさほど増えていないことになります。ちなみに、この2ヶ月間はクロオオアリの方が増え方が多いように思えますが、もともとムネアカオオアリの方が早くから成虫になり始めたので、そのことがこの差になったのでしょう。成虫になってから死亡したアリもいましたが、それを考慮しても、この2ヶ月間の成虫の増え方から考えて、今いる成虫は、女王アリが初回に生んだ子どもだと考えるのが妥当なようです。

駒ケ根のアリ

10月20日の午後には駒ケ根市に着き、6月にクロオオアリとムネアカオオアリの女王アリを採集したレジャー施設へ向かいました。ここは、標高が860m前後のところです。乗鞍高原の一の瀬園地辺りが1440m前後ですから、標高差は580m程で、これを気温差に直すと3〜4℃になります。

この駒ケ根では、標高が少し高いのですが、クロオオアリやムネアカオオアリは、まだ地上に出てきて、活動しているのでしょうか。まず、一番の関心はそのことでした。レジャー施設の駐車場の以前クロオオアリの巣があったところを訪れると、巣穴らしいものが見当たりません。ですが、クロオオアリの姿はありました。

わずかにクロオオアリがいました

ここ駒ケ根では、この時期にもクロオオアリが地上で活動していることが分かりました。この駐車場から少し離れたところの、6月にクロオオアリの結婚飛行を観察した場所に行ってみると、そこではクロオオアリの姿はなく、巣穴の形跡も完全になくなっていました。

6月にはこのコンクリートの隙間からたくさんの羽蟻が飛び立ったのですが

6月14日の様子

ムネアカオオアリの巣がある場所も見てみました。6月にはたくさんのムネアカオオアリが巣の出入り口にいたのですが、今はただ穴があるだけでした。ムネアカオオアリは、クロオオアリも早く、地上へは出なくなっているのでしょうか。

6月の様子

今の様子

この日の観察はここまでにしました。

やがて日没を過ぎると、遠く千畳敷カールのホテル千畳敷にも灯が灯りました。

ホテル千畳敷の灯が肉眼でも見えます この写真は1000mm望遠レンズで撮影したもの

夜空を見上げると、三日月を過ぎた月がきれいに輝いていました。

月がきれいに見えました

21日の朝もとても良く晴れていました。前日の夕刻に見た千畳敷カールも朝日を浴び、赤く輝き始めました。

早朝の千畳敷カール 良く晴れています

この日はまず、菅の台周辺を探索しました。6月に羽蟻が大量にいたムネアカオオアリの巣のある樹を見ましたが、ムネアカオオアリで賑やかだったその面影はありませんでした。

ムネアカオオアリは1匹もいません

実は、ここには9月23日にも訪れているのですが、その時にもムネアカオオアリはいませんでした。

9月23日の様子 辺りにムネアカオオアリの気配はありませんでした

クロオオアリの巣があった場所にも行きましたが、地面に巣穴がないように見えました。

穴を掘った際に出てきた土はありましたが、巣穴が見当たりません

6月の様子 巣穴が見えます

ですが、クロオオアリの姿は、見ることができました。

ちゃんと活動していました

クロオオアリの後を追って行くと、巣穴にたどり着きました。ただ、非常に発見しにくい感じでしたので、クロオオアリの跡をつけなければ見つからなかったことでしょう。

巣穴のある場所はとても分かりにくい

夏と比べると、とても小さな穴です

近くの樹の幹にもクロオオアリがいました。

木のたんこぶのようなところを舐めていました

何か甘いものでも付いていたのでしょうか

この辺りは朝から陽が当たっていて、暖かくなってきました。

反対に日陰になっている側の土手も歩いてみました。こちらにはクロオオアリの姿がありません。やはりまだ少しひんやりとしています。そんな中、岩の上をゆっくり歩いていくアシナガアリのようなアリを数匹見つけました。

アシナガアリのようなアリ

林の中にもはいりました。そこには、クロクサアリの巣があります。

クロクサアリが暮らしている朽ち木

クロクサアリの姿がありました

巣からの行列を伝っていくと、近くの木にたどり着きました。何か蜜のようなものがこの樹上にはあるのでしょう、下りてくるクロクサアリの腹部は膨れていました。

下りてくるクロクサアリの腹部はパンパンに膨れています

そろそろ、昨日出かけたレジャー施設へ行こうと思っていると、木道の上に、何か大きなアリがいました。ムネアカオオアリの女王アリではありませんか。午前10時40分ごろのことです。

木道を歩いていたムネアカオオアリの女王アリ

こんな季節にムネアカオオアリの女王アリがいようとは……。全くの季節外れのこの者は、いったいどこからやってきたのでしょう。辺りを丹念に探してみましたが、他の女王アリはいませんでしたし、雄アリもいませんでした。それに、朝からずっと探索しているこの菅の台で、まだムネアカオオアリの働きアリさえも見かけていないのです。ともかく、女王アリを採集して持ち帰ることにしました。

午後からはレジャー施設へ行きました。ずっと気になっていたのは、ムネアカオオアリの姿を見ていないことでした。ところが、午後1時半ごろになって、初めてムネアカオオアリを見つけました。

やっと見つけたムネアカオオアリ

ムネアカオオアリもこの季節、野外で活動していたのです。ただ、やはり、クロオオアリと較べれば、野外での活動は少ないことが分かります。果たしてムネアカオオアリは、いつごろまで野外で活動するのでしょうか。

しばらく山道を歩いていると、大きめの黒っぽいアリを見つけました。何かの女王アリです。

この女王アリの種名は?

他に目をやると、アシナガアリのようなアリがあちこちにいました。女王アリも、アシナガアリのようなアリも採集して、更に近辺を見てみると、すぐ横に巣がありました。

コンクリートと地面の隙間に巣がありました

今しがた採集したアリと同じアリです。ここに巣があったので、アリがたくさんいたのでしょう。してみると、この女王アリは、この巣から出てきたのかも知れません。確かに色や姿が良く似ています。

以後は帰宅してからの話になりますが、この時採集したアリを実体顕微鏡で見てみると、

とても肢が長く

体長が5mmぐらいあったり

大きいのでは6〜7mmあったりします

このアリの側面を拡大すると、

側面を拡大すると

このようになります。前胸背と中胸背の堺が盛り上がっていますが、この特徴はアシナガアリに酷似しているヤマトアシナガアリの特徴です。ただ、頭部を背面から見ると頭部後縁の丸みはアシナガアリに似ており、また、体長の上限がアシナガアリ(体長3.5〜7.5mm ヤマトアシナガアリは3.5〜5mm)に該当します。以上のことから、アシナガアリのようには思うのですが、同定するのは保留にしておきます。

乗鞍高原のアリ

上高地を後にして、その翌日の10月20日は、乗鞍高原へと車を進めました。車中泊は、松本よりの道の駅でしたのですが、明け方はずいぶんと冷え込みました。乗鞍高原一の瀬園地(標高1440m前後)に着いてみると、車中で前泊をしていたと思われるたくさんのカメラ愛好家がいました。この日もとても良い天気になっていました。

朝焼けの乗鞍岳

乗鞍高原では気温が氷点下まで下がっていたらしく、草原には霜がつき、朝日を浴びると霜が融けて輝き始めました。

朝日を浴びると霜が融けて輝き始めました

辺りの木々は、もうすっかり色づいていました。

紅葉がとても美しい

一の瀬園地の中をしばらく歩いていると、こんな看板がありました。

アカヤマアリのアリ塚につていの看板

看板では、「ヤマアカアリ」とありますが、アカヤマアリのことでしょう。辺りを見ましたが、アリ塚のようなものはありませんでした。

※追記:ブログ読者からコメントをいただいています。文中「アカヤマアリ」は正しくは「エゾアカヤマアリ」のことです。

園地の入り口に戻って午前10時頃、そのアカヤマアリを見つけました。

地面を歩くアカヤマアリ

地面を歩いていました。そこから、少し坂道を登っていくと、シラカンバの幹を往来するたくさんのアカヤマアリを見つけました。

かなり速く歩いています

シラカンバの木にいたのでしょう 獲物をくわえています

登っていくアカヤマアリ

真横からも撮影できました

周りの地面を見てみると、ここにはあちこちにアカヤマアリがいました。更に山道を歩いて行きましたが、どこへ行ってもアカヤマアリをたくさん見かけました。どこでもよく見かけるクロヤマアリの姿はありませんでしたし、クロオオアリもムネアカオオアリも見かけませんでした。アカヤマアリの他は、ただ2種類または3種類のフタフシアリ亜科のアリを見かけただけでした。

1目盛りは1mmです

上の写真の上2匹のアリは、見つけた時には上の小さい方のアリが下の大きい方のアリに咬みついていました。大きい方のアリは、触角や肢をかみ切られています。このアリは、一見女王アリのようにも見えます。実体顕微鏡で見ると、

わずかに翅の跡があります

胸部を更に拡大すると

胸部に翅の跡があるので、やはり女王アリであることが分かります。結婚飛行後、小さい方のアリなどに襲われたのでしょう。

その小さい方のアリですが、同じく実体顕微鏡で見ると、

胸部や腹柄節が日焼けしたような色合いになっています

胸部や腹柄節の背面が日焼けしたように濃い色になっています。腹柄節の形は、

腹柄節を真横から見ると

真横から見ると、おにぎりのように二等辺三角形に近い形をしています。体長は2〜3mm位です。このアリは、大きさや前伸腹節刺の形がヒラセムネボソアリやハリナガムネボソアリに似ていますが、腹柄節の形と日焼け状の色つきが異なっています。

※追記:ブログ読者からコメントをいただいています。上記は「タカネムネボソアリ」ではないかと思われます。

先のフタフシアリ亜科の上から3番目に写っているアリは、体長が4〜5mm程あります。拡大してみると、

胸部にしわが目立ちます

胸部にしわが目立ちます。また、針を出しているのに気付きます。腹柄節の形は、

腹柄節は丸みを帯びています

丸みを帯びています。このアリは、おそらくシワクシケアリだと思われます。ちなみにこのアリは、一の瀬園地から少し離れた乗鞍高原内のバス停「コロナ連絡所前」でも見かけました。

さて、話をアカヤマアリに戻します。先の看板に書かれていたアカヤマアリのアリ塚ですが、しばらく歩いた道沿いの木の根元にありました。

木の根元のアリ塚

巣の出入り口近く

また、その先へ行くと、岩の下にアカヤマアリの巣がありました。

岩の周りのアリ塚

結局、一の瀬園地では、大型のアリとしては、アカヤマアリのみであったことになります。これは、この季節だからなのでしょうか。また、暖かい季節にこの高原に訪れる機会があれば、再度調べてみようと思います。

上高地のアリ

10月19日の早朝から上高地へ向かいました。この日は、前日の雨交じりの日から一転して大変気持ちの良い秋晴れの日になりました。

朝9時前の大正池

大正池で下車し、河童橋方面へと歩きました。歩きながら、この季節、この場所でのアリの様子を観察するのが目的です。大正池は標高1500mの高さにあり、河童橋付近の標高は1520m前後です。平地とはだいたい9℃の気温差があることになります。温度計を持ち合わせていなかったので、気温は測っていません。(標高600m前後の松本市のこの日の最高気温は17.1℃、最低気温は10.6℃でした)

河童橋へ向かう途中、奥穂・西穂・前穂が一望できるビューポイントがありました。

右から前穂高岳、奥穂高岳、西穂高岳が見える

アリの方はと言えば、1匹の姿も見かけることがありませんでした。

初めてアリと出会ったのは、午後の1時半頃で、河童橋を通り過ぎてしばらく歩いた場所でした。

黄色い何かの幼虫を運んでいました

全体の姿が分かります

細長の感じがするアリでした。また、少し離れた場所にもアリがいました。

クモを運んでいました

全体の姿が分かります

この2つの場所で出会ったアリは、同種のアリのように思えました。帰宅してから、実体顕微鏡で調べてみると、やはり同じアリのようです。

黄色い何かの幼虫を運んでいたアリです

その幼虫です

別の場所でクモを運んでいたアリです

更に拡大してみると、体が細かな毛で覆われているのが分かります。

細かな毛で覆われています

ケアリの仲間だと思いますが、体長が4〜5mmほどあり、同定はできませんでした。

庭の1号巣のその後

9月26日のブログで、庭で久しぶりにクロオオアリを見つけた話を書きましたが、その際、クロオオアリが出入りした巣とその極近くのクロオオアリの1号巣との関係は分かりませんでした。1号巣と同じ家族なのか、あるいは3年目を迎えていた別のクロオオアリの家族なのかが分からなかったのです。

ところが、10月3日になって、その謎が解けました。しかし、それはとても残念な結果から分かることになったのです。

庭に元々から棲んでいるアリを調べるために、庭の所々に角砂糖を置いたのですが、1号巣の囲いのレンガの上にも置いていたのです。今から考えれば、そこに置かなければ良かったと思うのですが、その角砂糖にもアリがたくさん集まっていました。そのアリは、トビイロシワアリでした。

1号巣の囲いのレンガの上にはトビイロシワアリがたくさんいました

私はそのアリの多さに何か異様な気配を感じ心配になって、クロオオアリの巣の部屋を上から覆っているタイルを2枚とペット板を取ってみました。すると、本来クロオオアリの巣穴であるはずのそこにも、たくさんのトビイロシワアリがいたのです。

クロオオアリの巣の中にたくさんのトビイロシワアリがいました

「クロオオアリの家族が、トビイロシワアリに襲われたのか」、私は大変悲痛な思いになりました。9月1日に調べた時には、1号巣にはたったの1匹でしたが、働きアリがいるのを確認していました。また、それより前の4月10日には、働きアリが8匹いました。それなのに、こんなことで全滅したかも知れないのです。よく見てみると、何か大きな死骸の一部がありました。クロオオアリの女王アリの体の一部にも見えました。

何かの死骸です

もっと巣の奥を調べてみることにしました。そこで、囲いのレンガを取り除くと、

壁面にもトビイロシワアリがいました

壁面にもトビイロシワアリがいました。その壁面を崩してみると、クロオオアリが作ったと思われる大きめの巣穴がありました。

クロオオアリの女王アリの腹部のようです

そこにもたくさんのトビイロシワアリがいて、クロオオアリの女王アリの腹部と思われる死骸の一部がありました。掘り返した辺りは、下の写真のようでした。

トビイロシワアリの幼虫や蛹がたくさんいました

でも、確認できたことは、1号巣のクロオオアリの家族は、レンガで囲った盛り土よりも深くは巣を作っていなかったことです。つまり、この1号巣の近くに出入り口があったクロオオアリの家族は、1号巣の家族ではないことが分かったのです。

1号巣の家族が全滅してしまったことは、とても悲しいことでしたが、このことがあって、謎がひとつ解けたのです。

庭で見かけたアリ

庭に元々から棲んでいたアリを探してきましたが、ひとまずこのシリーズを終わるに当たって、今年の春に見かけた別のアリを取り上げます。

クワの枝を歩いて行くアリ

クワの実に集まったアリ

上の写真は6月2日に撮影しました。アリは塀の格子伝いにクワの木の枝に渡り、クワの実に集まっていました。このアリは、どうやら庭には棲んでいないようで、塀の外からやってきているようでした。クロクサアリに似ているのですが、この写真からだけでは私には同定できません。
6月12日には、更に別の種類のアリを見つけました。

1匹だけ見つけました

少し大きめのアリです

このアリは、一見女王アリにも見えるのですが、本当はどうなのでしょうか。このアリの名前も分かりませんでした。