月別アーカイブ: 2014年5月

トゲアリの卵が孵化

トゲアリの卵が孵化していました。

1001 幼虫が少なくとも4匹見える

NESTCON01001 幼虫が少なくとも4匹見える

1025 中央に小さな幼虫が1匹見える

NESTCON01025 中央に小さな幼虫が1匹見える

1028 左端に幼虫が1匹見える

SIMSMA1028 左端に幼虫が1匹見える

1030 左側の働きアリが幼虫をくわえている

NESTCON01030 左側の働きアリが幼虫をくわえている

NESTCON01001とNESTCON01025とNESTCON01030は、3月31日に初めて卵があることに気付きましたので、卵の期間は53日間となります。また、SIMSMA1028は、4月16日に卵があることに気付きましたので、37日間となります。

ところで、4月16日に卵があったSIMSMA01024から、卵が無くなっていました。

卵が無くなっている

SIMSMA01024 卵が無くなっている

この巣では、昨年クロオオアリの女王アリが産んだ幼虫も全滅しています。上の写真の黄色っぽく見える塊が、幼虫1匹1匹の死骸です。この巣の働きアリたちは、何らかの要因で子育てを放棄しているようです。

4月16日に産卵が確認されたSIMSMA01043と4月22に産卵が確認されたSIMSMA01089は、まだ幼虫にはなっていないようです。

クロオオアリの女王アリを採集

「私が住むこの辺りでは、クロオオアリやムネアカオオアリの結婚飛行の時期が訪れている」(5月16日ブログ)ので、今年こそは、この近辺で女王アリの採集を試みることにしていました。
これまで、しばしば観察に出かけていた「野田山」は、上水道タンクの新設工事のため、山への入り口で通行止めになっていて、入れません。また、クロオオアリの巣がある市内中心部の公園の主要な部分は、造成工事中で、立ち入ることができません。そこで、市街地にある小山(通称「水道山」)に出かけることにしました。

この山には園地もあり、私の子どもが小さい時に時々利用していたこともありましたが、もうずっと長い間、訪れていませんでした。まずはクロオオアリやムネアカオオアリが棲んでいるのかを確かめることから始めました。これは、この山に登り始めるとすぐにわかりました。クロオオアリがいました。しかし、しばらく歩いても、巣を見つけることはできません。それほど、クロオオアリが多く棲んでいるようではありませんでした。

ところが午後2時半ごろになって、クロオオアリの巣を1ヶ所見つけることができました。小高くなった所にある休憩舎の横の壊れたベンチの近くでした(標高102m)。

巣穴から顔(頭部)を出して外を伺っている女王アリ

巣穴から顔(頭部)を出して外を伺っている羽アリの女王アリ

巣穴をのぞき込んでみると、雄アリや翅のある女王アリがいることがわかりました。まだ、結構飛行を終えていないようです。新女王アリを採集できることがわかり、期待が膨らみました。

辺りを探してみると、先ほど通り過ぎた所にも巣があることがわかりましたし、また別の所にも巣がありました。

それから、10分ほどして、女王アリが巣から出てくるところを見ました。ただし、たった1匹だけで、後に続くものはなく、飛び立ちました。

やがてこの1匹だけで飛び立った

やがてこの1匹だけで飛び立ちました

それから10分ほど経つと、どこの巣でも羽アリが巣穴から出てくるようになり、3時半から4時ごろにかけて、最も盛んに羽アリが飛び立ちました。

たくさんの羽アリが地上に出ている

たくさんの羽アリが地上に出てきました

ND4_2208

草によじ登って、飛び立とうとしている

草によじ登って、飛び立とうとしています

意外なことに、この時間になって、それまで気付かなかったところからも羽アリが出てきました。確かに、そこにも見落としていた巣穴がありました。結構な数の巣がこの狭い一角にあったのです。

いよいよ、新女王アリの採集です。辺りをくまなく探してみましょう。最初に見つけたのは、4時20分ごろで、新女王アリとなって翅を落として地面を歩いていました。

新女王アリの誕生です

新女王アリの誕生です

ところで、この一角にある複数の巣から飛び立った女王アリの数を推測することはできませんが、はたしてそのうち何匹を採集することができるでしょうか。
その際、気になるのは、羽アリがどの程度まで飛んでいくのかという点ですが、わたしにはよくわからないのです。ですが、それほど遠くへは行かない思っていて、飛び立った巣の極く近くに降りて来る個体もあると考えています。
ただ、たとえ近くに降りてきた女王アリがいたとしても、採集するにはあまりにも困難があります。地面が道や開けた草の少ない場所でないと、歩いている新女王アリを見つけることはできません。そうした見つけやすい地面の割合は普通は極く少なく、ほんのわずかな数の新女王アリしか見つけられないのです。

この日は、結局1匹と10匹を採集しました。

右の1匹は一回り体が小さい

右の1匹は一回り体が小さい

この内10匹がクロオオアリなのですが、1匹はクロオオアリではありません。ムネアカオオアリの女王アリだと思われますが、一回り体が小さいのです。このサイズのムネアカオオアリの女王アリは、これまでに見たことがありません。女王アリの場合には、さほど大きさに個体差はないように思うのですが……。

なお、これら11匹は、研究用に飼育することにしています。

ムネアカオオアリ産卵

16日に採集したムネアカオオアリの女王アリの内の1匹(No.002)が、産卵を始めました。17日は、終日家を離れていて、観察していませんでしたが、18日に気付いた時には既に産卵を始めていました。

実は、18日に2匹の内の1匹(No.001)が死んでいました。この女王アリはとても活動的で、蓋に空けている小さな穴を長い間かじっていました。とても元気だったのですが……。

19日には卵は5個になっています。ちなみに、No.002は左側の翅の一部がわずかに残っています。

ND4_1968

ムネアカオオアリの女王アリを採集

自宅から少し離れた山中(標高188m)でムネアカオオアリの女王アリを2匹採集しました。いずれも、舗装された道を歩いているところを見つけました。
ムネアカオオアリの新女王アリを見つけたのは、今年初めてのことです。

sinmuneQ

昨年は、5月21日に自宅でクロオオアリの雄アリを見つけています(ブログ参照)。

私が住むこの辺りでは、クロオオアリやムネアカオオアリの結婚飛行の時期が訪れているようです。