日別アーカイブ: 2014年6月19日

働きアリの寿命(その3)

これまでも働きアリの寿命について触れてきましたが(「1匹だけ育った働きアリ」「働きアリの寿命」「働きアリの寿命(その2)」、新たに追記します。

現在、女王アリが死んでしまった家族を13家族飼育しています。

2011年採集 3家族
NESTCON01002 クロオオアリ 2013/01/01女王死
NESTCON01012 クロオオアリ 2014/04/15女王死
NESTCON01019 ムネアカオオアリ 下記記載

2012年採集 6家族
SIMSMA01002 クロオオアリ 2014/02/28女王死
SIMSMA01049 クロオオアリ 2014/01/01女王死
NESTCON01023 クロオオアリ 2012/09/15女王死
NESTCON01027 ムネアカオオアリ 2014/04/10女王死
SIMSMA01067 クロオオアリ 2013/09/27トゲアリに殺される
SIMSMA01075 クロオオアリ 2014/01/20女王死

2013年採集 4家族
SIMSMA01034 クロオオアリ 2013/10/15女王死
SIMSMA01044 クロオオアリ 2013/10/15女王死
SIMSMA01056 クロオオアリ 2013/09/02女王死
ANTCUB03007 クロオオアリ 2013/10/07女王死

これらの内、2011年6月8日に採集したムネアカオオアリの女王アリの家族(S/N: NESTCON01019)が今日見ると全滅していました。記録では、この家族の女王アリは2011年中に死んでいて、2012年は通年働きアリが8匹でした。つまり、この8匹は、交尾後最初に育てられた働きアリと考えられます。その後、2013年の3月には7匹、6月には5匹、10月には4匹となり、今年(2014年)になって3匹になっていましたが、この度全て死んでしまいました。

2011年に成虫になったのが7月下旬ですから、2014年の6月で、最長で2年と11ヶ月近く生きていたことになります。

トゲアリの様子

トゲアリが寄生したいくつかの巣でも、繭が目立つようになりました。

NESTCON01001

NESTCON01001

NESTCON01025

NESTCON01025

SIMSMA1028

SIMSMA1028

NESTCON01030

NESTCON01030

SIMSMA01089

SIMSMA01089

ただ、SIMSMA01043には繭はありませんでした。

SIMSMA01043

SIMSMA01043

また、SIMSMA01024は、子育てができてなく、今回も卵は見当たりませんでした。

SIMSMA01024

SIMSMA01024

以上7コロニーの内5コロニーで繭がみられます。これらの写真に写っている繭の中にトゲアリの繭も含まれているように思うのですが、どの程度含まれているのかはわかりません。
と言うのは、クロオオアリやムネアカオオアリの巣でも、昨年生まれの幼虫が今、蛹になっているのですから、トゲアリが寄生しているこれらのコロニーでも、昨年生まれのクロオオアリやムネアカオオアリの繭があると考えられるのです。

トゲアリの繭を1度も見たことがない私には、トゲアリの繭とクロオオアリやムネアカオオアリの繭との違いがわかりませんし、そもそも同じように見えるのかも知れません。いずれにしろ、トゲアリの羽化を待って、さかのぼってトゲアリの幼虫の蛹化について考えるのが良いように思われます。