月別アーカイブ: 2016年4月

蟻を庭に放つ その4

4月26日と30日に、花壇の続きのスペースに、13家族のアリを移植しました。

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新たに13ヶ所にアリを移植しました

西から
4月26日に移植
B14022 クロオオアリ 2014年6月2日採集 働きアリ10匹 幼生虫無し
4月30日に移植
R14015 ムネアカオオアリ 2014年5月30日採集 働きアリ21匹 幼虫少なめ
B14049 クロオオアリ 2014年6月2日採集 働きアリ14匹 幼生虫無し
R14013 ムネアカオオアリ 2014年5月30日採集 働きアリ15匹 幼虫有り 卵1
B14023 クロオオアリ 2014年6月2日採集 働きアリ15匹 幼虫多い 卵有り
R14047 ムネアカオオアリ 2014年6月3日採集 働きアリ21匹 幼虫少なめ
B14029 クロオオアリ 2014年6月2日採集 働きアリ10匹 幼虫1
R14009 ムネアカオオアリ 2014年5月30日採集 働きアリ9匹 幼虫有り
B14050 クロオオアリ 2014年6月2日採集 働きアリ7匹 幼生虫無し
NESTFF01008 ムネアカオオアリ 2012年6月14日採集 大家族 繭等多数有り 人工巣インテリアリ飼育
R14005 ムネアカオオアリ 2014年5月28日採集 働きアリ9匹 卵少なめ
B14041 クロオオアリ 2014年6月2日採集 働きアリ5匹 卵数個
R14011 ムネアカオオアリ 2014年5月30日 働きアリ9匹 幼虫少なめ

NESTFF01008は、インテリアリの餌器「モートフィーダー」のまま埋込み、その他は、アンテモジュールにコロニーを移し入れて、地面すれすれに埋込みました。

蟻を庭に放つ その3

4月22日、新設した花壇にもアリを移植することにしました。

翌日の朝に撮影

翌日の朝に撮影

奥(西)から、
R14050 ムネアカオオアリ 2014年6月3日採集 働きアリ26匹
SIMSMA01063 ムネアカオオアリ 2012年6月14日採集 働きアリ7匹 幼虫有り
ANTCUB03012 クロオオアリ 2013年6月16日採集 働きアリ10匹 幼生虫無し
ANTCUB03017 ムネアカオオアリ 2013年7月8日採集 働きアリ28匹 幼虫多数

R14050だけは、470mLのクリアーカップにコロニーを入れ、そのまま地面に逆さに置きました。翌日の朝には、もう地面を掘って地中に入り込んでいました。

クリアーカップを逆さにして地面に置いている

R14050 クリアーカップを逆さにして地面に置いた 翌日の朝に撮影

一夜で地中に巣を作っていた

一夜で地中に巣を作っていた

他の3つのコロニーは、アンテモジュールに入れ、アンテモジュールの四方の穴を開いて地面すれすれに埋めました。

地中に埋まった側面の4ヶ所の穴は空けている

地中に埋まった側面の4ヶ所の穴は空けている 翌日の朝撮影

よく見ると、アンテモジュールの右横に小さな穴が空いています。確かめてはいませんが、地上へ出る巣の出入り口のようです。

2年目のアンテネスト

2015年5月27日に新女王アリを採集し、同年6月10日に卵18個と一緒に人工巣「アンテネスト(真砂土入り)」に入れたコロニーは、働きアリが羽化するまでは土の上で暮らしていましたが、その後、働きアリが土を掘り始め、地中に巣ができていました。その現在の様子が下の写真です。

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これは、人工的な容器の中の巣の広がりですが、自然界でも2年目の春はこの程度の大きさではないかと思われます。

蟻を庭に放つ その2

12日に引き続き、16日にアリを庭に放ちました。今回は1コロニーだけで、シリアル番号はSIMSMA01007です。2012年6月14日に新女王アリを採集したムネアカオオアリで、働きアリは30匹を少し越えています。

SIMSMA01007

SIMSMA01007

470mLのクリアーカップに入れ、地面に埋め込みました。

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埋め込んだところ

埋め込んだところ

地中に続く穴をあらかじめ1ヶ所空けていました。

地中へ続く穴が1ヶ所ある

地中へ続く穴が1ヶ所ある

日射と雨を防ぐために皿をかぶせておきました。

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庭のクロオオアリの巣の位置図

ここで、これまで庭で見つけたクロオオアリの巣の位置を図で整理しておきましょう。

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第1発見の巣 B巣   以前から知る
第2発見の巣 C巣   2016年4月11日発見
第3発見の巣 A巣   2016年4月13日発見
第4発見の巣 D巣   2016年4月14日発見

4つ目のクロオオアリの巣を発見

4月14日に、庭の斜面下に斜面を削って平坦な道を作りました。

平坦な道を作った

平坦な道を作った

その時には気づかなかったのですが、上の写真の削った斜面の右の方に、クロオオアリの巣があり、夕刻、働きアリが出ていました。

巣穴から出てきたクロオオアリたち

巣穴から出てきたクロオオアリたち 巣穴は上方に見える

実は、この位置より斜面の少し下の方を削っている時に、1匹のクロオオアリが、うろうろしていました。今から考えると、そのあたりに巣の出入り口があったのでしょう。
2日後には、この切断された巣口はほとんど塞がれていました。

2日後には巣口がほとんど塞がれていた

2日後には巣口がほとんど塞がれていた

この巣は、2つ目に見つけたクロオオアリの巣の東方7m強の位置にあります。この巣が2つ目の巣とは違うコロニーなのかは検証していません。

アリの道

前回のブログの3つ目の巣で、クロオオアリが蜜のある場所と巣とを往復する道を比べてみると、同じアリでも、途中の道が同じでないことが分かります。歩くルートがずいぶんと違っているのです。
アリはお尻から液を出して道しるべにしているとよく言われますが、必ずしもそうではないようです。蜜を発見して巣に戻る際も、腹部から液を出してはいないような歩き方をしていました。アリは、方位のようなものに頼っているように思えます。

クロオオアリが、明らかにお尻から液を出して道しるべにする様子は、2013年6月12日のブログ「マーキングを撮る」で触れています。何匹かが群がって、餌探しに出かける時だと思われますが、この場合は、お尻から液を出しているようです。

マーキングをしながら進むクロオオアリの群れ(2013年6月12日のブログから再録)

マーキングをしながら進むクロオオアリの群れ(2013年6月12日のブログから再録)

3つ目のクロオオアリの巣を発見

4月13日、3つ目のクロオオアリの巣を発見しました。
庭の西側で、最初に発見した巣の更に西側の巣です。花壇を歩いているクロオオアリを発見しましたので、コンクリートブロックに蜜をたらしました。

蜜を吸い始めたクロオオアリ

蜜を吸い始めたクロオオアリ

このアリが戻る後をつけました。すると、3月22日に斜面を削って作った平坦な道に、巣があることが分かりました。道を作った時には、そこに巣穴があることには気づいていませんでした。

巣穴に入っていくクロオオアリ

巣穴に入っていくクロオオアリ

この後、しばらくして巣穴から働きアリが1匹出てきて、蜜を与えた方向に歩いていきました。さっきと同じ働きアリかどうかは分かりません。後をつけると、やはり蜜がある場所に行きました。この働きアリも、また出てきた同じ巣穴に戻っていきました。
この頃には、別のアリが蜜に群がっていました。

蜜に群がるアリ

蜜に群がる別のアリ

次の日にも、花壇にクロオオアリがいましたので、やはり蜜を与えました。

蜜を吸って腹部が膨らんでいる

蜜を吸って腹部が膨らんでいる

この日は、前日の巣穴のすぐ横に巣口があり、そこから出入りしていました。

前日とは別の巣口が開いていた

前日とは違う、すぐ横の別の場所に巣口が開いていた

この第3の巣は、最初に見つけた巣とは5m強離れています。この巣のコロニーと最初に見つけたコロニーとが別のコロニーかどうかは、まだ検証していません。

蟻を庭に放つ その1

昨年の9月まで住んでいた家の庭にクロオオアリやムネアカオオアリのコロニーを移植?(適当な言葉がないため)したことについては、2011年7月のブログ等で詳しく触れていますが、いずれも移植に成功していません。移植が成功しなかったのは、検証できてはいませんが、庭に蜜源がほぼなかったことが原因だろうと考えています。
昨年の10月から住み始めた新居の庭には、毎年春にあちこちでカラスノエンドウが咲き乱れます。ですから、春一番の豊富な蜜源がこの庭にはあるのです。この新居の庭に蟻を移植すれば、今度は成功するかも知れません。
まずは飼育中の4つのコロニーを庭に移植することにしました。

クロオオアリ SIMSMA01057 2013/06/15採集

クロオオアリ SIMSMA01057 2013/06/15採集

クロオオアリ NESTCON02005 2013/06/17採集

クロオオアリ NESTCON02005 2013/06/17採集

ムネアカオオアリ NESTCON01029 2012/06/14採集

ムネアカオオアリ NESTCON01029 2012/06/14採集

ムネアカオオアリ NESTCON02010 2013/06/16採集

ムネアカオオアリ NESTCON02010 2013/06/16採集

これらは、採集からの飼育年数は長いのですが、家族の規模が小さいコロニーです。
移植の方法ですが、この人工巣のままコンクリートの上面の高さまで地中に埋めます。そうすることで、巣穴が地中に拡張され、家族の全部が人工巣から地中へと移転して、やがてはこの人工巣を地中から引き抜いてもよいようにします。そのために、〈人工巣から地中へ抜ける穴〉と、コンクリートの上部横にしばらくの間〈地上へ通じる穴〉を空けておきます。

地中へ抜ける穴と、地上へ通じる穴

地中へ抜ける穴(下)と、地上へ通じる穴(上)

これら4つのコロニーを元花壇の四隅に埋め込みました。

手前右:SIMSMA01057 手前左:NESTCON02005 奥手左:NESTCON01029 奥手右:NESTCON02010

手前右:SIMSMA01057 手前左:NESTCON02005 奥手左:NESTCON01029 奥手右:NESTCON02010

以下は同日のしばらく経った各コロニーの様子です。

SIMSMA01057 外部への出入り口等を塞ぐ(狭くする)ため、土を人工巣へと運び込んでいる

SIMSMA01057 外部への出入り口等を塞ぐ(狭くする)ため、土を人工巣へと運び込んでいる

NESTCON02005 

NESTCON02005 こちらも外部への出入り口等を塞ぐ(狭くする)ため、土を人工巣へと運び込んでいる

NEST

NESTCON01029

NESTCON02010

NESTCON02010

日射と雨を防ぐため、お皿をかぶせておきました。

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クロオオアリが運んでいたもの

5日に庭で見つけたクロオオアリの巣のある方向へ、クロオオアリが何か緑色のものを運んでいました。

クロオオアリが何か緑色のものを運んでいた

クロオオアリが何か緑色のものを運んでいました(4月12日)


そこで、取り上げてその正体を見ることにしました。何かの幼虫のようで、咬まれた後もなく生きていました。下の写真は、実体顕微鏡で見たところです。

昆虫の幼虫のようです

昆虫の幼虫のようです


カラスノエンドウが茂っている方向から運んで来たように思えましたから、カラスノエンドウに付いていた何かの幼虫なのかも知れません。もしそうなら、カラスノエンドウにとって、クロオオアリは益虫だと言えそうです。

春一番の蜜の恵

庭には、至るところにカラスノエンドウが花を咲かせています。この背が高くなったカラスノエンドウの新芽には、これも至る所にアブラムシが密集しています。クロオオアリの姿もありました。
カラスノエンドウには、赤褐色の花外蜜腺という蜜を出す部分があります。下の写真は、その花外蜜腺を舐めているようです。

4月11日撮影

4月11日撮影

他のアリも花外蜜腺に集まっていました。

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2つ目のクロオオアリの巣を発見

4月11日、庭で2つ目のクロオオアリの巣を見つけました。庭に八朔の木があり、その下にもカラスノエンドウが茂っています。その近くの地面を歩いているクロオオアリの中で腹部が膨れているアリの後をつけてみました。すると、以前見つけたところとは違う場所の地面の穴に入っていきました。この場所は、以前見つけた巣の場所とはかなり離れています。距離を測ってみると8m強離れていました。どうやら、違うコロニーの巣のようです。

後をつけないと分からないような場所

後をつけないと分からないような場所

拡大すると

拡大すると

ただ、違うコロニーなのかどうかの検証はしていません。働きアリをそれぞれの場所から採集してひとつのケースに入れるとわかると思うのですが、また別の機会にそうしてみることにします。

クロオオアリが出てきた

昨年の10月から岡山市に住んでいます。
以前の家の庭には、クロオオアリの巣はありませんでしたが、こちらの家の庭には、クロオオアリの巣があることが分かっていました。3月には、クロヤマアリは地上で活動を始めていましたが、クロオオアリの姿は見られませんでした。

3月30日から4月5日までは、以前の家にいましたので、その間のいつからクロオオアリが地上に出てきたか分かりませんが、5日に岡山に戻ってクロオオアリの姿を見つけました。

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今年からは、庭でもクロオオアリの観察ができそうです。