月別アーカイブ: 2016年6月

トゲアリの2つのコロニーを合併

トゲアリの合併については、次のことが分かりつつあります。
1.オオアリのコロニーへの侵入時に、複数匹のトゲアリの女王アリを入れると、互いに組み合って化粧行為を行うことがあり、寄生できる可能性が高くなるわけではない。
2.トゲアリのコロニー(オオアリの働きアリを含む)に他の巣のオオアリの幼生虫を入れると受け入れる。
3.トゲアリのコロニー(オオアリの働きアリを含む)にトゲアリの女王アリを単独で入れると受け入れられる。
4.単独のトゲアリの女王アリと女王アリをなくしたトゲアリの家族(オオアリの働きアリを含む)とは共存できる。

そこで、6月22日、トゲアリのコロニー(オオアリの働きアリを含む)と女王アリを失ったトゲアリのコロニーを合併させるとどうなるかの実験をしてみました。

T130924-15(2013年10月3日寄生)のコロニーには女王アリがいて、トゲアリの働きアリが2匹、クロオオアリの働きアリが15匹で、繭と幼虫が無く、卵がいくつかあります。2013年に寄生したにも関わらず、トゲアリの働きアリが2匹なのと、この時期に繭や幼虫がないことから、このコロニーは繁栄していないといえます。

T140902-01(2014年9月3日寄生)のコロニーは、既に昨年の9月20日には女王アリを失っていて、トゲアリの働きアリのみ27匹います。繭は多数あり幼虫もありますが、女王アリが既に死んでいるので卵はありません。このコロニーは、昨年の夏ごろまでとても繁栄していました。2014年の秋の終わり頃には元々の宿主のクロオオアリの働きアリが100匹ほどいましたが、今はいなくなっています。

上記2つのコロニーともにカップ型のコンクリート人工巣で飼育していて、前者のT130924-15は主に下部のコンクリート部分に、後者のT140902-01は主に上部のW拡張蓋にいましたので、それぞれを組み合わせて一つの飼育容器にしました。
合併した直後は、コロニー同士の一部で咬み合う場面もありましたが、まもなく友好的な関係が見られるようになりました。

トゲアリ同士、トゲアリとクロオオアリの栄養交換

トゲアリ同士、トゲアリとクロオオアリの栄養交換 19時22分撮影

トゲアリとクロオオアリの栄養交換

トゲアリとクロオオアリの栄養交換 19時22分撮影

T140902-01の方にはクロオオアリがいなくて、T130924-15の方にはトゲアリの働きアリが2匹しかいないのですから、2つのコロニーの構成員が互いに栄養交換を行っていることがよく分かります。
下の写真は、下部の人工巣の中にいたクロオオアリが、上部のW拡張蓋にある繭を下部へと運んでいるところです。

他巣の繭を運んでいる

他巣の繭を運んでいる

また、下の写真は、T130924-15の女王アリがいる巣室に運び込まれた繭です。

トゲアリの女王アリがいる巣室に運び込まれた他巣の繭

トゲアリの女王アリがいる巣室に運び込まれた他巣の繭

20時20分頃になると、2つのコロニーは完全に1体となっていました。下の写真では、4ヶ所で栄養交換が行われています。また、女王アリが、W拡張蓋に移動していました。

4ヶ所で栄養交換を行っている 女王アリもW拡張蓋へ移動している

4ヶ所で栄養交換を行っている 女王アリもW拡張蓋へ移動している 20時20分撮影

参考:トゲアリの合併に関する過去ブログ
トゲアリの女王アリを2匹入れると」(2013/09/27)
トゲアリの家族は他家の子どもを受け入れるか」(2014/09/02)
2匹のトゲアリが寄生」(2015/10/17)
トゲアリのコロニーの遺族同士の合併・共存は可能か」(2016/05/11)
トゲアリの女王アリの共存 その後」(2016/05/11)

2度目の大山

6月12日のブログ「3度目の採集旅行」で、6月10日の夕刻の大山でのオオアリの状況について触れていますが、6月20にも大山に行き、オオアリを見つけることができました。
大山寺町の大型の駐車場から大山寺をめざします。途中は、とても感じの良い石畳が続きます。

大山寺に向かう石畳の参道

大山寺に向かう石畳の参道

その石畳の上をクロオオアリが歩いていました。

石畳の上を歩くクロオオアリ

石畳の上を歩くクロオオアリ

6月10日には、この個所には来ていませんが、大山でクロオオアリの働きアリを始めて目にしました。更に、大山寺へと歩いていくと、ムネアカオオアリをあちこちで見つけることができました。

ムネアカオオアリ

ムネアカオオアリ

本堂近くまで行くとムネアカオオアリがずいぶんと多くなりました。本堂前の石畳にも多くのムネアカオオアリがいて、巣を見つけました。

本堂前の石畳

本堂前の石畳

石畳のすき間の巣穴に入る直前のムネアカオオアリ

石畳のすき間の巣穴に入る直前のムネアカオオアリ

このムネアカオオアリは樹木の中にではなく、石畳のすき間に巣を作っていました。

大山寺の後は、6月10日に訪れた豪円山の麓にも行きました。ここは、その日、翅が付いたクロオオアリの女王アリを1匹採集したところです。その時は、オオアリの働きアリは1匹もいなかったのですが、クロオオアリの働きアリをあちこちで見かけました。

クロオオアリの働きアリ

クロオオアリの働きアリ

今回の旅で、大山寺周辺(標高800m前後)にもクロオオアリとムネアカオオアリが棲息していることが分かりました。

人工巣でムネアカオオアリの雄アリが生まれていた

6月15日、ムネアカオオアリのコロニーで初めての光景を見ました。
このコロニーは、今から4年前の2012年6月14日に新女王アリを採集したコロニーで、現在は、かなり大きなコロニーになっています。その光景とは下の写真のようです。

雄アリが仰向けになっていて、両翅を引っ張られている

雄アリが仰向けになっていて、両翅を引っ張られている

雄アリがいて、その雄アリは仰向けになっています。もちろんこの雄アリは生きています。その仰向けになった雄アリの両方の翅は、働きアリに両方から強く引っ張られているのです。身動きが取れない状態です。
そもそも雄アリがいることが驚きでした。外にもいないか見ましたが、この1匹だけでした。なぜ、雄アリがこんなふうにされているのかなぞでした。
今日見ると、雄アリの姿がありません。食べられたかもしれない体の一部や翅などの残骸も見つけることができませんでした。また、新たに生まれたかもしれない雄アリもいませんでした。あの光景は、いったい何だったのでしょうか?

ムネアカオオアリはクロオオアリの卵を受け入れるか?

6月14日、今年採集したクロオオアリの新女王アリ(S/N:B16009)が卵を13個残して死にました。そこで、昨年新女王アリを採集したムネアカオオアリのコロニー(S/N:R15082)の中にこの13個の卵を入れることにしました。このムネアカオオアリのコロニーは、2年目を迎えていますが、働きアリが4匹、繭が2個、幼虫が5匹と多数の卵の小規模なコロニーです。
クロオオアリの卵でありながら、ムネアカオオアリのコロニーに入れようと考えたのは、ムネアカオオアリがクロオオアリの卵を受け入れるかどうかを調べようと思ったからです。その卵が成虫まで成長すれば、受け入れたかどうかは明らかに分かります。

昼前に13個の卵をムネアカオオアリのコロニーに入れました。するとまもなくその卵をムネアカオオアリの働きアリがかじり始め、薄い皮が破れて出てきた汁を吸い取っていました。皮だけになると何回も噛み、はっきりしなかったのですが、その皮まで食べたようです。そうしたことを2回は見ました。
12時半頃様子を見てみると、卵は10個残っていて、その内5個は、ムネアカオオアリの幼生虫がいる場所に運ばれていました(B16009のクロオオアリの卵は、R15082のムネアカオオアリの卵より、明らかに濃い黄色をしており、区別が容易につきました)。残りの5個は、ほぼ入れたままの場所にありました。3個は食べられたようです。
15時頃に見てみると、9個の卵が、ムネアカオオアリの幼生虫がいる場所に運ばれていました。その他の場所に卵はありませんでしたので、結局4個の卵が食べられたようです。

より黄色い卵がクロオオアリの卵

より黄色い卵がクロオオアリの卵 9個ある

次の日の15日に見てみると、濃い黄色のクロオオアリの卵は8個までは数えられました。16日に見てみると、はっきりしないのですが、9個あるようにも見えました。いずれにしろ、このコロニーのムネアカオオアリは、クロオオアリの卵の多くを受け入れたかに見えます。ただ、クロオオアリの成虫が生まれるまでは、結論は保留となります。

やっと翅を落とした女王アリが産卵

6月15日、「3度目の採集旅行」で紹介した大山で採集した翅のついたクロオオアリの女王アリが、翅を落としているのに気づきました。

一部の翅は付いていたが、翅を落としていた

一部の翅は付いていたが、翅を落としていた

全部の翅を落としているのではなく、右の前翅のみ付いていました。その上、卵を3個産んでいました。

卵が3個あった

卵が3個あった

この女王アリは、交尾を済ませていたのでしょうか。この卵が成虫になり、その成虫が働きアリか雄アリかで、答えが出ることでしょう。

ルリアリに多数の雄アリが

2013年5月17日に採集したルリアリの巣では、雄アリがとてもたくさんになりました。有翅雌アリはいません。

6月15日撮影

6月15日撮影

※これまでのこのルリアリのコロニーについての関連ブログ一覧

ルリアリの一家を採集」2013年6月9日
ルリアリは大家族に」2014年4月15日
ルリアリの様子」2015年5月4日
ルリアリの異様」2015年5月26日
ルリアリの女王アリの死」2015年7月13日
ルリアリの家族に雄アリが」2015年9月20日
ルリアリのその後 まだ子育てが続いている」2016年5月10日

クロオオアリの行動範囲とアリの「高速道路」

自宅の庭のクロオオアリは、カラスノエンドウがまだ庭に生えていた頃は、このカラスノエンドウを蜜源にしていたのですが、カラスノエンドウが枯れてしまってからは、庭から出て森へ行くのを見ていました。庭の南面と東側には森林があり、どうやらそこで蜜等を集めているようです。
クロオオアリの後をつけていくと、クヌギの木と思われる木に登っていきました。

庭の外近くにあるクヌギの木 この木にクロオオアリが登っていった

庭の外近くにあるクヌギの木 この木にクロオオアリが登っていった

ところがしばらく観察していると、この木の横を通りすぎて、歩いていくクロオオアリがいました。その後を追っていくと、やはりクヌギの木と思われる木に登っていきました。

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この場所は、自宅の庭からはかなり離れています。
そこで、巣からこの木までの距離を、実際にクロオオアリが歩いている経路に沿って測ってみました。すると、61m程ありました。かなりの距離です。
この距離をあの小さな体で歩くわけです。しかも、必ず往復ですから、120mを越えるわけです。ところが、このクロオオアリたちは、ある秘策を持っていたのです。というのは、彼らはその大部分の経路で、「高速道路」を走っているのです。地面に草がいっぱい生えているところでは、落ち葉もありますし、地面も起伏に富んでいるわけで、速くは歩けません。ところが、コンクリートの上なら、高速で走れるのです。クロオオアリは、上手にコンクリートブロック等の人工物を利用しているのです。

フェンスのコンクリートブロック

フェンス下部のコンクリートブロック

コンクリートの階段の縁

コンクリートの階段の縁

経路の途中からは、直線で歩く方が明らかに近いのですが、そこには草が生えているからでしょうか、クロオオアリたちは、遠回りをしてまで、このコンクリートを道として使っているのです。庭の中の経路は、巣から最も近いコンクリートブロックまでの距離3m弱を省くと、全てでコンクリートの上を歩いていました。その距離はおよそ片道で36mです。

さて、観察を終えようとしていた時、より近道になる別経路のフェンス下部のコンクリートブロックの上を歩いているクロオオアリを見つけました。

こちらのコンクリートブロックの上を歩く方が明らかに近道になる

こちらのコンクリートブロックの上を歩く方が明らかに近道になる

ただ、このクロオオアリは、かなりしばしば行きつ戻りつして歩いていました。まだ、道がはっきりしていない様子でした。しかし、もたもたしながらも、やがて多くの仲間が歩いている道に合流しました。このクロオオアリは、帰り道、道から外れてしまったのでしょうか。そして、方角のような感覚で通常の道までたどり着いたのでしょうか。それとも、往路も途中からこのショートカットになる道を歩き、目的地まで行って、往路と同じ道を帰ろうとしていたのでしょうか。それは、検証しようがありませんでした。

新女王アリの最初に掘る巣穴を調べる(2)

6月13日の昼過ぎ、6匹の内1匹(B16013)が穴を掘っていました。

B16013 13時54分撮影

B16013 13時54分撮影

このB16013は卵を2個産んでいました。
他の個体は、穴掘りをしていませんでした。卵の数は以下のようです。

S/N: B16012 3個
S/N: B16014 4個
S/N: B16015 4個
S/N: B16018 3個
S/N: B16021 4個

B16015 卵が3個見える

B16015 卵が4個見える

新女王アリの最初に掘る巣穴を調べる(1)

クロオオアリは、結婚飛行の後、交尾を終えると地上に下りたって、多くの場合その日の内に巣穴を掘り始めます。昨日もそこを何匹か採集したわけですが、この最初に掘る巣穴はどのようなものなのでしょうか。
昨年は、既に産卵を始めていた女王アリを土のあるアンテネストに入れ、観察をしたのですが、穴掘りはせず、働きアリが誕生して後、働きアリが穴掘りをしました。(参照「新女王アリの穴掘り」)
そこで、今年は、新女王アリの採集後にすぐに巣作りが観察できるよう、創巣期用に少し小型にしたアンテネストを6個作り置きしておきました。
そこへ6月11日に蒜山で採集したクロオオアリの新女王アリをその日の内に入れました。

6月11日 21時4分撮影

6月11日 21時4分撮影

その6匹の内訳は次のようです。
S/N: B16012 穴を掘っていた 百合原休憩園地(8:20採集)
S/N: B16013 穴の中 穴深20mm 道の駅蒜山高原(9:25)
S/N: B16014 穴の中 穴深35mm 道の駅蒜山高原(9:40)
S/N: B16015 地上を歩いていた 道の駅蒜山高原(9:45)
S/N: B16018 地上を歩いていた 道の駅蒜山高原(10:18)
S/N: B16021 地上を歩いていた 百合原休憩園地(14:55)

6匹の内半分の3匹は、既に穴掘りを始めていた新女王アリを、残りの3匹は地上を歩いていた新女王アリにしました。

翌朝見ると、6匹ともに地上にいました。わずかに1匹が土を少し掘ったようですが、掘り続けてはいませんでした。

右端を見ると土が少し盛り上がっている 8時10分撮影

右端を見ると土が少し盛り上がっている 6月12日 8時10分撮影

交尾直後のこの時期、自然界では、必ず穴掘りを始めているはずなのですが……。

3度目の採集旅行

これまでに2度採集旅行に出かけていますが、まとまった数の新女王アリは採集できずじまいでした。移動距離が片道500kmあり、これまでに2000km車で走ったことになります。三度、同じ採集場所に行きたいところですが、そうすると走行距離が3000kmにもなり、直線距離にして沖縄県の那覇から北海道の稚内までの距離を更に500km超えてしまいます。これはさすがに遠すぎます。
もう既に6月に入っていますから、クロオオアリやムネアカオオアリの結婚飛行に出会うには、標高が高いところへ行かざるを得ません。比較的近場で標高が高いところということで、中国山地へ行くことにしました。

6月10日は全国的に良い天気になり、気温も上がる予報でしたから、10日と11日にかけて採集旅行に出かけました。初めに鳥取県にある大山へ向かいました。10日は朝早くから出かけたものの、事情があり、大山寺近辺についたのは、もう日が暮れかけた19時少し前でした。豪円山(ごうえんざん)の麓に車を止め(標高812m)、スキー場の芝生を歩いてみましたが、クロオオアリについては、働きアリさえ見つけることができませんでした。あきらめて車に乗ろうとした時、翅のついたクロオオアリの女王アリが1匹地面を歩いていました。クロオオアリの働きアリの姿こそありませんでしたが、近くにクロオオアリが棲息しているようです。ただ、この辺りは、クロオオアリは極めて少ないようです。大山寺近辺を他に3ヶ所探してみましたが、1匹もクロオオアリの働きアリを見つけることはできませんでした。
帰路、大山桝水高原スキー場(標高710m前後)にも立ち寄りましたが、ここにもクロオオアリの働きアリの姿はありませんでした。

翌11日は、岡山県北の蒜山高原で採集を行いました。

蒜山高原 ヒルゼン高原センター近く

蒜山高原 ヒルゼン高原センター近く

蒜山高原でおそらく最も人が集まるヒルゼン高原センターの駐車場脇を調べてみましたが、クロオオアリの姿はありませんでした。そこで、少し上方へと続く自動車道を走り、側道の駐車スペースに車を止めました(標高535m)。その脇には、幅の広い自転車道と歩道があり、花が咲いている草木がありました。舗装された道や道脇のスペースや、人工的な植栽や自然の花々、これらはクロオオアリが棲息し易い環境です。

花が咲く自転車道

花が咲く自転車道と歩道

案の定、クロオオアリの巣があちこちにありました。

クロオオアリの巣があちこちにあった

クロオオアリの巣があちこちにあった 5時33分撮影

この採集旅行で初めてのクロオオアリとの出会いでした。ただ、まだ時刻が早かったので(5時半頃)、巣穴を覗き込むだけでは結婚飛行を終えているかどうかは分かりません。しばらくの間は、新女王アリが地面を歩いていないか見て回りましたが、新女王アリの姿はありませんでした。昨日、結婚飛行が行われておれば、まだ地面を歩いている新女王アリがいると思われますが、いないということは、このあたりでは昨日は結婚飛行が行われなかったということになります。
そうすると、何日か前に結婚飛行のピークが終わってしまったとも考えられるわけで、不安でした。
そこで、巣穴が大きく開いている巣(結婚飛行が行われる頃は巣穴が大きくなり、その後は巣穴が小さくなるか、なくなることが分かっているため)を崩してみました。すると、雌雄の羽アリが出てきました。まだ、羽アリが巣の中にいたのです。

この場所には、また夕方に訪れることにして、ヒルゼン高原センター近辺2ヶ所を探索した後、車で県道422号線を東へと走りました。途中休憩所に車を止めて、クロオオアリを探すとすぐに見つけることができました。蒜山高原には、クロオオアリが多数棲息していることが分かってきました。
では、ムネアカオオアリはというと、この休憩所で初めて見つけました。

初めて見つけたムネアカオオアリ

初めて見つけたムネアカオオアリ

巣の在りかを探そうと思い、腹部が膨れているムネアカオオアリの後をつけてみました。すると、落ち葉などが積もっている場所で姿を消しました。

落ち葉などが積もっている場所 中央の縦に置いた枝の上端あたのすき間に入っていった

落ち葉などが積もっている場所 中央の縦に置いた枝の上端あたのすき間に入っていった

巣穴があるようには見えません。けれどもこれまでの経験から、ここに巣に通じる入り口があるようにも思えました。そこで、軽く掘り返したのですが、ムネアカオオアリは1匹も出てきませんでした。

次に車を止めたのは、百合原休憩園地(標高528m)です。しばらく探していると、掘り出した粒状の土がある穴を見つけました。

ND4_2335

8時20分撮影

上の写真には写っていませんが、この穴を掘っているクロオオアリの女王アリがいました。この採集旅行で初めて出会った女王アリです。今穴を掘っている最中であることから、この女王アリは昨日結婚飛行を行ったと考えられます。辺りを注意深く探しましたが、見つかった女王アリはこの1匹だけでした。

次に道の駅「蒜山高原」(標高510m)へ行きました。百合原休憩園地に近いこともあり、この辺りでも昨日結婚飛行が行われた可能性が高いと考え、まだ地面を歩いている女王アリを探して、駐車場周辺を歩きましたが、見つけられませんでした。車のある場所に戻った時、すぐ足下の地面に穴を見つけました。クロオオアリの新女王アリが掘った穴に似ています。草の細い茎を穴に突っ込んでいると、クロオオアリの女王アリらしきものが見え、やがて穴から出てきました。

クロオオアリの女王アリが掘っていた穴と、採集した女王アリ

クロオオアリの女王アリが掘っていた穴と、採集した女王アリ 9時25分撮影

その目で見てみると、次から次に穴を見つけることができました。少し深めの穴の場合、薬さじで穴の回りを少し広げて女王アリを穴から追い出しました。

採集に使った薬さじと、女王アリと穴

採集に使った薬さじと、女王アリと穴 9時45分撮影

穴から顔(頭部)が見える

穴から顔(頭部)が見える

穴の中にいた女王アリは、穴を掘っている途上でしたが、3ヶ所で穴の深さを測ってみました。すると、20mm、35mm、18mmでした。
この道の駅では、9時過ぎから10時40分頃の間に、8匹のクロオオアリの女王アリを採集しました。内、地上を歩いていたのが2匹でした。

地上を歩くクロオオアリの女王アリ

地上を歩くクロオオアリの女王アリ 道の駅「蒜山高原」 10時18分撮影

午後になり、もう一度、早朝訪れたヒルゼン高原センターの上方の場所に行きました。羽アリがいるかどうかを調べるために崩した巣を見てみると、復旧が進んでいて、羽アリが地上に出ていました。

雄アリが見える 14時7分撮影

雄アリが見える 14時7分撮影

翅のある女王アリも巣から出ていた 14時7分撮影

翅のある女王アリも巣から出ていた 14時7分撮影

その後もう一度、百合原休憩園地に立ち寄りました。車を降りてすぐに歩いているクロオオアリの女王アリを見つけました。この後3匹、やはり歩いているクロオオアリの女王アリを見つけました。

再び、道の駅「蒜山高原」に16時半頃までいましたが、新たに女王アリは見つけられませんでした。夕方になり、三度、早朝訪れたヒルゼン高原センターの上方の場所に行きました。羽アリがいるかどうかを調べるために崩した巣とは別の巣で、羽アリが巣から出ていました。下の写真は3ヶ所の様子ですが、極く近くなので、同じコロニーと思われます。

17時4分撮影

17時4分撮影

17時8分撮影

17時8分撮影

17時17分撮影

17時17分撮影

ところで、17時5分ごろ、この場所で、ムネアカオオアリの新女王アリが歩いているのを見つけました。この場所では、ムネアカオオアリの働きアリの姿はありませんでしたので、少し意外でした。ムネアカオオアリの女王アリに出会ったのは、この採集旅行を通じてこの1匹だけでした。

ムネアカオオアリについては、県道422号線沿いの複数の場所で、少数ですが働きアリを見ています。蒜山高原にもムネアカオオアリが棲息していることが分かります。
今回の採集旅行では、クロオオアリの女王アリは合わせて13匹採集できましたが、結婚飛行のピークについては、この蒜山高原ではもう既に終わっていたと思われます。それは、多くのクロオオアリの巣では、夕刻になっても巣口に羽アリが現れなかったからですし、巣口が広めの巣が少なかったからです。

こうして、3度目の採集旅行が終わりました。来年からは、蒜山高原も採集地に加えようと思います。