今年の6月8日に庭に移植し、6月18日に引越先が分かったクロオオアリのコロニーのB16013ですが、この3ヶ月ほど巣口を出入りする働きアリの姿を見ていませんでした。既に滅亡してしまったのではないかと心配でした。
ところが、9月25日、巣口の周辺にクロオオアリの働きアリが複数いるのを見かけました。その内の1匹は、巣口の近くに設置している蜜器の中にいました。そこで、その蜜器に蜜を入れました。蜜を吸ったこのアリは、帰路につきましたが、後を追うとB16013の引越先の場所へ戻って行きました。別のアリには、岩に蜜を垂らし、この蜜を吸ったクロオオアリも、B16013の引越先の場所へ戻って行きました。B16013は、滅亡してはなかったのです。
やがて、巣口近くから2匹のクロオオアリが出てきました。
先頭のアリが、リズミカルに、時々、腹部を地面に着けながら歩いていました。その後を働きアリが1匹付いて行きました。先頭のアリが、先程の蜜器へと案内しているようです。ところが、道案内を間違えてしまいました。蜜器を載せている測量杭のすぐ横に岩があり、その岩を登り始めたのです。
しばらくの間、先頭のアリは、岩を歩いて付いてくる仲間を案内していましたが、間違いに気づいたのか、案内するのをやめたようで、付いてきていた仲間をそのままにして、元の方向へ戻って行きました。そして、案内をしていたアリだけが、蜜器にたどり着きました。これまでに、道しるべを付けながら、餌場に仲間を案内するクロオオアリを数多く見てきましたが、案内を間違えるのを見るのは、これが初めてでした。
巣口と蜜器との距離はとても短いのですが、それでも途中の大部分は芝地で、歩きづらくなっていました。そこで、「高速道路」を作りました。
やがて、この高速道路を端から端まで使うクロオオアリが現れました。
その頃には、蜜器にやってくるクロオオアリは多くなっていました。