月別アーカイブ: 2020年10月

今年最後の移植2例目のその後

2例目は、クロオオアリのコロニー〈BK170530-133+BH170521-023〉の移植でした。移植したのは9月27日のことですが、長い間引越の気配がありませんでした。
10月21日、コンクリートの階段の桁を歩くクロオオアリを見つけました。そこで、蜜を垂らしました。

コンクリートの階段の桁の部分に蜜を垂らした 10月21日15時58分撮影

蜜を吸って向かう先を追ってみると、桁を伝って下って行き、芝生の中に姿を消しました。この後2匹目と3匹目も同じ箇所で姿を消しましたので、その箇所に巣があることが分かりました。

写真中央の芝生の中に巣穴がありそうだ

ここは、階段の下側に近い場所です。

踊り場から上へ1段目と2段目の間辺りの芝生の中に巣穴がある

それからしばらくして、幼虫を運んでいるクロオオアリを見つけました。このクロオオアリも同じ場所で芝生の中に潜って行きました。

幼虫を運ぶクロオオアリ 16時14分撮影

そこで2度に渡り、芝生を刈りました。

元の様子
芝を2度に渡って刈った後の様子 巣穴らしい箇所が見えてきた 16時48分撮影

この後、もう一度幼虫を運ぶクロオオアリを見ましたが、どこから運んできたのかは分かりませんでした。

幼虫を運ぶクロオオアリ 新たに見つけた巣口の中に入って行った 16時56分撮影

10月22日、前日に見つけたクロオオアリのコロニーが、今年最後に移植した2例目のBK170530-133+BH170521-023であることがはっきりしました。昨日の巣穴から出て来たクロオオアリの後を追うと、日本ミツバチの待ち箱へと入って行きました。

昨日見つけた巣穴から出て来て、日本ミツバチの待ち箱へたどり着いたクロオオアリ 10月22日10時5分撮影

それからしばらくして、4匹の働きアリが移動して行くところを見ました。

引越先から引越元へと誘導するクロオオアリ 10時13分から1分48秒間の動画

1匹のクロオオアリが3匹の仲間を案内しています。案内役のクロオオアリは、リズミカルに腹部を曲げて腹部の先を地面に着けながら進んで行く様子がよく分かります。これは、仲間を餌場へ案内する時と同じ仕草です。ここで意外に思えたのは、この行列が引越先から引越元へと向かっていたことです。案内役に付いて行くアリたちは、元々引越元にいたのですから、引越元の場所は知っているはずなのです。ただ、仲間に咥えられて引越先に運ばれたのなら、その道筋は分からないのかも知れません。
さて、前日、巣穴の周りの芝を刈りはしたものの、クロオオアリが歩き易くするためと、巣穴の位置を分かり易くするために、真砂土を巣穴の周りに敷きました。

真砂土を巣穴の周りに敷いた

引越はまだ完了していないようです。

待ち箱の中の様子 まだ働きアリがこれまでと同様に過ごしているようだ 11時5分撮影
写真下方の階段の桁の脇の茶色いところに引越先の巣がある 待ち箱からは直線距離にして6m離れている

10月23日、日本ミツバチの待ち箱の中の人工巣に被せているW拡張蓋を取り外しました。女王アリが人工巣から出やすくするためです。

人工巣のW拡張蓋を外した 10時35分撮影

夕刻、観察しに行くと、引越が行われていました。

新巣へと仲間を咥えて運ぶクロオオアリ 10月23日16時13分撮影

巣穴に幼虫や仲間を運び込む様子を動画で記録することにしました。16時14分から17時23分までの様子です。この間(1時間9分)に、幼虫は4回(塊状)、成虫は7匹運び込まれました。

6分34秒間の動画
17時3分撮影

また、昨日に引き続き、引越先から引越元へと誘導するクロオオアリを見つけました。4匹の仲間を案内しています。

16時39分から1分14秒間の動画

10月24日は、引越を見かけませんでした。新巣では、働きアリが土粒を運び出していました。

15時56分から49秒間の動画

10月25日、15時前に待ち箱の外側を見ると、これまでとは違って、多めに働きアリが出ていました。

14時48分撮影

やがて、1匹の働きアリが3匹の仲間を引き連れて待ち箱から出て来ました。引越先へ案内しているようです。

14時59分から1分33秒間に編集した動画

この間にも、仲間や幼虫を咥えて新巣へと運ぶ働きアリをたくさん見るようになりました。
16時過ぎになって、待ち箱の中を見ると、女王アリが、コンクリート人工巣の巣の中から出て来ていました。ただ、肢が滑ってプラスチックの壁が登れないようです。

16時11分から30秒間の動画

そこで、枯葉を入れてみたのですが、枯葉を足場として利用できなかったようです。

16時15分から20秒間の動画

そこで更に芝の茎を入れてみました。今度は足場ができたようです。女王アリは、複数の働きアリに案内されて、新巣へ引越を始めました。その様子を17分34秒間の動画に編集しました。

16時27分から41分までを17分34秒間に編集

これまでに、引越を伴う「移植」で、女王アリが引越するのを見たことは1度ありましたが、この度初めて動画で記録することができました。
また、今回はという限定ではありますが、女王アリの引越のタイミングが分かったのも、大きな成果です。14時53分から17時13分までの間(2時間20分)に、咥えられて運ばれた幼虫は少なくとも20回(塊状)、成虫は少なくとも17匹でした。その内、女王アリが引越を完了した後の16時41分から17時13分まで(32分間)は、幼虫で2回(塊状)、成虫で12匹でした。17時13分で観察を打ち切りましたが、それ以後も引越は続いていました(明日の観察から)。このことから、女王アリが引越したのは、巣の引越の最後ではなく、最後に近いまだ幼虫や成虫の引越中だったことになります。

14時53分から17時00分までの様子
この間(2時間7分)に、幼虫は20回(塊状)、成虫は9匹巣穴に運び込まれた 10分39秒間に編集

10月26日、朝、待ち箱の中のコンクリート人工巣を見ると、働きアリが4匹だけになっていました。

7時27分撮影

前日の夕方以降に引越を済ましたのでしょう。引越先の巣口の周りには、クロオオアリの姿はありませんでしたが、10時ごろになると、巣穴掘りをしていました。

巣穴から土を運び出していた 10時1分撮影

人工巣の中には2匹ほど、待ち箱の中に3匹ほどの働きアリがいました。

10時2分撮影
10時3分撮影

それから1時間後の11時過ぎ頃に人工巣と待ち箱の中を見ると、クロオオアリは全くいなくなっていました。引越が完了したようです。

11時9分撮影

この後、人工巣と待ち箱を撤去しました。
9月27日に移植しましたので、ちょうど1ヶ月後に移植が完了したことになります。

新たな巣口を発見 BH170521-025+BH170520-001か?

今日(10月18日)はイチゴ園で何匹かのクロオオアリを見つけていましたが、その中である箇所に垂らした蜜に2匹のクロオオアリが来ていました。見ていると、その2匹が接触する場面があり、その瞬間互いを避けるような動きがありました。その2匹共に、「引越元不明のコロニー」から来ていると思っていたのですが、その行動から、別のコロニーなのかもしれないと思いました。1匹は立ち去りましたが、残った方の1匹を改めてよく見ると、体格が中程度でした。

1匹が立ち去った後も蜜を飲むクロオオアリ 17時4分撮影

これまでの観察から、引越元が不明のコロニーの働きアリは、小型ばかりでしたので、残っている方のクロオオアリは別のコロニーから来ている可能性があります。そこで、そのクロオオアリの後を追ってみました。すると、これまでとは違う場所へと進み、岩とコンクリートの隙間辺りで姿が見えなくなりました。

赤い枠のどこかに巣口がありそうだ

この場所は、引越先不明のコロニーと「今年最後の移植1例目のその後」の引越先との中間点より、引越先不明のコロニー寄りの場所です。

写真左赤丸が引越先不明のコロニーがある場所、写真右赤丸が移植1例目(BH170521-025+BH170520-001)の引越先、中央より右寄りの赤丸が今回発見した巣口

この後、同じ場所の蜜を飲みに来たクロオオアリの後を追ってみても、同じ場所へと戻って行きました。確かに、この場所に巣があるようです。そこで、巣口があると思われる箇所がよく見えるようにライトで照らして、3度目に戻ってくるクロオオアリを待ちました。

隙間に入って行く直前 17時22分撮影

巣口は、岩とコンクリートの隙間の右寄りにあるようです。
移植1例目のコロニー(BH170521-025+BH170520-001)は、先程の場所に9月30日には引越を完了していましたが、いつからとははっきりしないのですが、このところ巣口を出入りする働きアリは見ていませんでした。もしかすると、今回発見した巣は、この移植1例目のコロニーなのかも知れません。

クロオオアリの幼生虫の様子 2020年10月

ここでは、10月17日のクロオオアリの5つのコロニーの幼生虫の様子を記録しておきます。

①B120614-86
今年6月18日のブログ「大きなコロニーで産卵が始まっている」で取り上げているコロニーです。2018年8月21日のブログ「特別仕様の人工巣2つ」の後半に書かれている人工巣に、17段アンテシェルフを繋ぎ、活動室としてアンテグラウンドⅢに繋いでいます。

幼虫(越冬幼虫)が多く見られる

②B15006
このコロニーも、前述の「大きなコロニーで産卵が始まっている」で取り上げているコロニーです。17段アンテシェルフにアンテグラウンドⅠ型を繋いでいます。

幼虫が見られる

コロニーの規模は、前述のB120614-86とほぼ同じですが、幼虫の数がかなり少ないようです。

③BM19001
昨年新女王アリを採集したコロニーです。円形のコンクリート人工巣で飼育しています。

幼虫と共に繭が見られます。

④BN19004
こちらも昨年新女王アリを採集したコロニーです。プラスチック製の虫籠を使ったコンクリート人工巣で飼育しています。

幼虫が見られます。

⑤BM19007
こちらも昨年新女王アリを採集したコロニーです。前述と同様にプラスチック製の虫籠を使ったコンクリート人工巣で飼育しています。

幼虫の他に、写真左に繭が1つ見られます。

今年最後の移植3例目が滅亡

今年最後に移植した3例目のBH170521-027が滅亡したようです。
10月15日に気付いたのですが、クロオオアリの死骸が砕かれて散在していました。

所々に黒っぽく見えるのがクロオオアリの死骸の断片 10時13分撮影
死体の断片を取り出したところ

何に襲われたのかは、想像するしかないのですが、小型のアリだろうと思います。

トゲアリの様子 2020年10月

前回飼育中のトゲアリの様子について触れたのは、今年の5月29日(「外勤が少ないトゲアリ」「5月29日のクロオオアリとトゲアリの幼生虫」)でした。それから5ヶ月弱経った10月15日の様子を記録しておきます。

T130921-09(2013年10月3日クロオオアリのコロニーに寄生開始)
トゲアリの女王アリを2013年9月21に採集し、同年10月3日にクロオオアリの巣S/N:NESTCON01030(2011年6月8日に新女王アリを採集)に侵入させました。

幼虫がいます。1個だけですが繭がありました。卵は見当たりませんでした。

T140906-03(2014年9月10日ムネアカオオアリのコロニーに寄生開始)
トゲアリの女王アリを2014年9月6に採集し、同年9月10日にムネアカオオアリの巣S/N:NESTCON01027(2012年6月14日に新女王アリを採集)に侵入させました。

こちらも幼虫がいます。卵と繭は見当たりませんでした。

T140906-40(2014年9月11日クロオオアリのコロニーに寄生開始)
最も良く繁栄しているコロニーです。トゲアリの女王アリを2014年9月6日に採集し、同年9月11日にクロオオアリの巣S/N: NESTCON01024(2012年6月14日に新女王アリを採集)に侵入させました。

こちらも幼虫がいます。卵と繭は見当たりませんでした。

T180919(2018年9月22日クロオオアリのコロニーに寄生開始)

※霞んで見えるのは人工巣の壁面のアクリル板が汚れているためです

こちらも同様に、幼虫がいましたが、卵と繭は見当たりませんでした。
ところで、このコロニーは、2018年9月19日に採集したトゲアリの新女王アリを、同年の9月22日にクロオオアリのコロニー(S/N:B15002 女王アリを2015年5月15日採集)に寄生させたコロニーです。今年の5月29日の時点では、クロオオアリがまだたくさんいましたが、今は2匹しか見当たりませんでした。

巣の中にいたクロオオアリ

巣の中に1匹と、巣の外に1匹いました。この5ヶ月弱の間に多くのクロオオアリの働きアリが死んでいったことになります。このクロオオアリたちは、遅くても2019年の6月生まれ(羽化)と考えられますので、この2匹は、1年と4ヶ月以上に渡って生きていることになります。
5月29日には、巣の外には、ほぼクロオオアリの働きアリばかりでしたが、10月15日には、巣の外の1匹のクロオオアリ以外は、全てトゲアリの働きアリでした。

巣の外(人工巣の外、人工巣は小型の水槽の中にある)の様子

今年最後の移植3・4例目のその後

移植から9日経った10月6日、3例目と4例目の移植は、ほぼ完成していました。いずれも移植場所のコンクリートブロックの穴の中に営巣しています。
3例目のBH170521-027はW拡張蓋とコンクリートの隙間を埋めようとしてか、小石や芝の枯葉を隙間近くに置いていました。

出入り口として開けておいた隙間近くに小石や芝の枯葉を置いていた 10月6日8時51分撮影

人工巣全体を取り外すと、その反対側にも小石が見られました。

コンクリートブロックの穴の中の様子を見ると、大きめに開いた巣穴がありました。働きアリの姿もありました。

写真右下に巣穴がある 左上は掘り出した砂粒が積み重なっていた

4例目のBH170521-031は、W拡張蓋とコンクリードブロックの間の隙間近くに小石などはありませんでした。

W拡張蓋とコンクリードブロックの間の隙間近くに小石などはなかった

コンクリートブロックの穴の中の様子を見ると、巣穴は小さめでした。働きアリの姿はありませんでした。

砂粒が左上から扇状地状に広がっているので、左上に巣穴があるのだろう

どうやら、3例目では、コンクリートブロックの穴の中も巣の中の扱いになっていたのでしょう。だから、W拡張蓋とコンクリートブロックの隙間が、外への出入り口になっていて、小石などで塞ごうとしていたのでしょう。
3例・4例ともに、取り外した人工巣を元に戻さずに、別の蓋を被せました。働きアリが外部へ出られるよう僅かな隙間を作りました。

蓋の左側に働きアリが出入りできるよう隙間を作っている
以前からこんな風に日除けをしている

引越元不明のコロニー

10月2日、「今年最後の移植」の1例目の近くのイチゴ園の中で、体色が茶色味を帯びたクロオオアリの働きアリを見かけました。

体色が少し茶色っぽい 10月2日14時34分撮影

後を追ってみると、イチゴ園の岩の下の窪み辺りに入って行きました。

クロオオアリが入って行った岩の下 14時35分撮影
周りの環境

この場所は、1例目の引越先から東側に1.5m弱離れた所です。これは、新たな巣を見つけたことになります。
実は、9月16日に、このイチゴ園にクロオオアリの5つのコロニーを移植していました。

9月16日15時15分撮影

写真右からBH18020、BM19019、BM19024、BM19045、BK170530-052です。それぞれの新女王アリの採集年は、2018年、2019年、2019年、2017年ですが、いずれも子育てが順調とは言えないコロニーでした。
今回見つけた新たな巣は、上記の5つのコロニーのいずれかなのでしょう。特定ができないのが残念です。