月別アーカイブ: 2021年3月

A巣・C巣の巣口が変わる

3月17日のブログで、A巣の巣口を特定したことを書きましたが、どうやらその巣口が使われず、別の箇所を巣口にしていることが分かりました。
A巣の近くの散水ホースの上に、西洋ミツバチの「無駄巣」を置いたのですが、そこにたくさんのクロオオアリが集まってきました。

西洋ミツバチの「無駄巣」に集まったクロオオアリ 3月27日16時19分撮影
同上

庭のクロオオアリのコロニーの中では、このA巣が最も繁栄していたはずですが、今春になってあまり活動を見なくなっていました。少し心配をしていたのですが、これで安心しました。
ところで、出入りする巣口を探してみると、17日に観察した場所とは違う箇所にありました。下の写真で、右半分に真砂土が見えますが、この真砂土は、18日に巣口の周りに敷きました。真砂土がない2箇所に巣口があったのですが、今日の観察では、この2箇所の巣口を出入りするクロオオアリはいませんでした。写真左の散水ホースの直ぐ上辺りに巣口があるようです。巣口の場所が変わったようなのです。

写真左の散水ホースの直ぐ上辺りに巣口があるようだ

ところで、C巣はというと、3月20日に昨年と同じ場所に巣穴が空いているのを見つけました。

掘り出された土がある 3月20日15時13分撮影
穴の中にはクロオオアリが見える 15時15分撮影

それから1週間後の3月27日に、このC巣の近くにも西洋ミツバチの「無駄巣」を置いたところ、ここでもたくさんのクロオオアリがやって来ました。

15時15分撮影

どこからやって来たのかを見ると、2箇所のようです。一箇所は、この「無駄巣」の直ぐ横で、もう一箇所は、「無駄巣」の下方の測量杭の根元です。

写真左中央に巣口がある
手前測量杭の根元にも巣口がある

この2つの巣口は、60cm程離れていますが、「無駄巣」で争いがないことから、同一のコロニーであることが分かります。そして、測量杭から30cm下方に20日に観察した巣口があるのですが、こちらの巣口からは出入りはありませんでした。C巣もA巣同様、巣口が変わっていました。

クリの木の根本近くにクロオオアリの巣を発見

先日3月17日には、「イチゴの株元に新たなコロニー」を見つけましたが、今日も新たなクロオオアリのコロニーを見つけました。
クリの木の近くのフェンスにキウイを植えてあるのですが、その木にクロオオアリがいました。このキウイの木にクロオオアリが来るのは珍しく、最も近いA巣のアリではないように思えましたし、体格も小さめでしたので、A巣とは別のコロニーのアリのように思いました。そこで、蜜を与えて帰路を追い、巣を見つけることにしました。

蜜を与えているところ 3月25日14時55分撮影
帰路につくクロオオアリ 15時0分撮影

そのクロオオアリの帰路を追っていくと、クリの木の周りの散水ホース近くの芝の中で見失いました。

クロオオアリを見失ったのは写真の中央辺り その上方には太いクリの木の切り株がある

そうこうしていると、もう一匹クロオオアリを散水ホースの極く近くで見つけました。このアリにも蜜を与えました。

15時10分撮影

その帰路を追ってみると、先程と同じ箇所の芝の中で、この2匹目のクロオオアリを見失いました。どうやら、そこに巣口がありそうです。
更に3匹目も散水ホース近くで見つけました。

蜜を与えた 15時25分撮影

このクロオオアリも、同様の箇所で芝の中に入って行きましたので、そこに巣口があるはずです。
そこで、巣口が確定できるよう、芝を刈っておきました。

芝を刈ったところ 写真中央辺りに巣口がありそうだ

この新たに発見したコロニーは、自然巣ではないでしょう。「移植」されたコロニーだとは思われますが、「移植」したどのコロニーなのかはわかりません。
この新巣をV巣と名付けます。

庭のトゲアリが樹上に出て来た

2月23日に「移植したトゲアリが巣口に出て来た」ことを書きましたが、それからほぼ1ヶ月後の3月25日、庭のトゲアリが樹上に出て来ました。

蜜を与えました 3月25日13時15分撮影
蜜器でも蜜を与えました 13時19分撮影

このトゲアリ達は、内部に通じる直径12mmの穴から出て来たのではなく、山側の幹の樹皮と木部との隙間から出て来たようです。

右下の茶色の木片の箇所が内部に通じる穴 そのほぼ向こう側に巣口がある
樹皮と木部との間から出入りしているようだ 13時25分撮影

しばらくすると、更に多くのトゲアリが蜜を飲みに出て来ていました。

13時52分撮影

更にクモを与えました。

クモを与える 14時40分撮影

生死の運命

先日誘虫灯を設置しました。まだまだ集まってくる昆虫は少ないのですが、その中の蛾を1匹、庭のクロオオアリに与えました。直ぐに関心を示しました。

3月24日7時59分撮影

やがて、解体を始めました。

蛾を解体している 8時0分撮影
翅と肢の一部が切り離されている 8時30分撮影
体が鱗粉だらけになっている 8時34分撮影

少し目を離している間に、解体場所からこのクロオオアリが姿を消していました。辺りを捜していると、このアリはO巣のアリのようで、O巣方面を蛾を咥えて歩いていました。

O巣方面へと向かうクロオオアリ 8時48分撮影

やがて、1匹の仲間に出会いますが(仲間が運搬中の仲間に気づいた)、また単独で蛾を運び始めました。

仲間に出会ったところ 8時51分撮影
また1匹で運び始めた 8時51分撮影

再び、先程とは別の仲間に出会いました(仲間が運搬中の仲間に気づいた)。

8時52分撮影

そして、今度はその仲間が蛾を単独で運び始めました。

左の、体に鱗粉を付けているアリが、蛾を解体し、ここまで蛾を運んできたクロオオアリ 8時52分撮影

その新たな運搬者は、O巣の巣口の極く近くまで帰って来ましたが、迷っているらしくその近辺を歩いていました。
すると、そこにハエトリグモが近づいてきて、クロオオアリに襲いかかりました。

クロオオアリに襲いかかる直前 8時55分撮影

一撃襲われ、クロオオアリは蛾を落としてしまいました。クロオオアリの動きが少し変です。どこかに危害が加えられたようです。再び、ハエトリグモがクロオオアリに近づいて行きます。

クロオオアリの動きが少し変 ハエトリグモが近づこうとしている 8時56分撮影

そしてついにクロオオアリはハエトリグモに捕らえられてしまいました。

8時56分撮影
コンクリードブロックの直下に移動して食するハエトリグモ 8時58分撮影

蛾が芝の上に落ちていました。

8時59分撮影

これは、正に「ハエトリグモ」とは言わずに「アリトリグモ」とでも言うべきなのでしょうか。

関連ブログ
2018年4月12日「クモに襲われたクロオオアリ その瞬間

イチゴの株元に新たなコロニー

イチゴの花壇を歩いているクロオオアリを見つけました。既に地上に現れていたS巣O巣の働きアリかなと思ったのですが、体格が小さく、コロニーの創設期に生まれてくる働きアリのように見えました。
コロニーを特定するために蜜を与えて、帰路を辿ることにしました。

蜜を与えた 3月17日16時56分撮影

やがて帰路に就いたのですが、歩く方向に規則性がなく、あちこちへ周遊していました。そこで、観察に私の根が続かず一時目を離しましたが、再び見に行くと、蜜を与えた場所から1.3m程離れたイチゴの株の周りを歩いていました。そして間もなく、株元の地面に潜って行きました。そこには小さな穴が空いていました。

写真中央の小さな穴が巣口になっていた 17時19分撮影

直線距離にして1.3m程をおよそ20分かけて巣に戻ったことになります。かなり帰路を迷っていたことが分かります。
ところで、この巣のコロニーはどこから来たのでしょうか。実は、昨年の9月16日に、このイチゴ園にクロオオアリの5つのコロニーを移植していました。BH18020、BM19019、BM19024、BM19045、BK170530-052です。それぞれの新女王アリの採集年は、2018年、2019年、2019年、2019年、2017年ですが、いずれも子育てが順調とは言えないコロニーでした。S巣も「引越元不明のコロニー」ですが、上記5コロニーの1つなのかもしれません。そして、このイチゴの株元に巣口を持つコロニーも、同じく上記5コロニーの1つなのかも知れません。

A巣の巣口を特定

3月14日のブログで、A巣の近くでクロオオアリを見つけ、帰路を追ってはみたものの、芝丈が深めで巣口を確認することができなかったことを書きましたが、今日はその巣口を特定することができました。

A巣の近くで見つけたクロオオアリに蜜を与えた 3月17日15時28分撮影

14日に巣口がありそうな箇所が分かっていましたので、ひとまずその場所の芝を刈ってみました。その後もクロオオアリの帰路を観察して、更に芝を刈り、2箇所に巣口があることが分かりました。

写真中央の左右に巣口があるようだ
右側の巣口で芝の切れ端を運び出すクロオオアリ 16時3分撮影

ちなみに、フェンス下の散水ホースを伝って歩くクロオオアリがいました。このホースを道にしてよく利用しているのはA巣のクロオオアリですから、A巣のアリだとは思いましたが、確かめてはいません。

フェンス下の散水ホースを伝って歩くクロオオアリ A巣のアリかもしれない 16時6分撮影

クロオオアリB15006が活動室に出て来た

2月22日のブログ「人工巣から出てくる・出てこない トゲアリ・クロオオアリ」では、21日も22日も、活動室であるアンテグラウンドにクロオオアリは出ていなかったことに触れていますが、昨日3月14日、アンテグラウンドでクロオオアリ(S/N:B15006)を1匹見かけました。そして、今日もアンテグラウンドにクロオオアリが出て来ていましたので、新たに蜜を与えました。

蜜を吸うクロオオアリ 蜜を吸っているのは2匹 3月15日15時15分撮影

奇しくも、14日は、庭のO巣のクロオオアリが、活発に地上での活動を開始した日です。13日については、アンテグラウンドの様子は見ていませんが、それにしても、庭の自然巣のクロオオアリと人工巣のクロオオアリが、外界(地上・アンテグラウンド)に出て来る時期がほぼ一致したと言えそうです。

A巣が活動開始か?

これまでに、S巣O巣が地上での活動を始めたことを報告してきましたが、その後、S巣については地上で活動しているところは目にしていません。O巣については、地上に出てきた次の日、つまり今日も活発に活動をしていました。

ミツバチ用の蜜器にやってきたO巣のクロオオアリ 3月14日9時35分撮影
同上 9時45分撮影
クロオオアリ用の蜜器にやってきたO巣のクロオオアリ 9時37分撮影
カルシウムノキにやってきたO巣のクロオオアリ よく見ると既にアブラムシが付いている 11時36分撮影

ところで、庭の中で最も大きな巣と思われるA巣が気になっていましたので、昼過ぎに観察に行くと、昨年の巣口の少し下の芝地にクロオオアリが1匹いるのを見つけました。ただ、直ぐに見失ってしまい巣口を確かめることはできませんでした。

クロオオアリを1匹見つけたが、直ぐに見失った 13時20分撮影

夕刻になって再び見に行くと、今度もほぼ同じ箇所でクロオオアリを1匹見つけました。そこで、このクロオオアリに蜜を与えて、帰路を追ったのですが、芝丈が深めで、巣口を確認することはできませんでした。しかし、例年の観察から、越冬明けの巣口が、前年の巣口の場所としばしば異なることが分かっていますので、このアリがA巣のクロオオアリであることは間違いないと思います。

去年はホースの先端当たりにA巣の巣口があった 今回クロオオアリを観察したのは、写真中央の少し下辺り

ウメの花の蜜を集めるクロヤマアリ

昨年の3月20日のブログ「ウメの花のクロヤマアリ」で取り上げていますが、今年もウメの花にクロヤマアリが来ていました。
今年は、自宅の庭で、セイヨウミツバチを4群、ニホンミツバチを1群飼育しています。けれども、ウメの花にやって来るミツバチはと言うと、僅かにセイヨウミツバチを見るぐらいでした。ニホンミツバチが集めた「梅の花の蜂蜜」は普通は見かけませんが、ネット上では販売されていますから、梅の花も蜜を出していることは確かなようです。その蜜をクロヤマアリが集めているのでしょう。やって来ていたクロヤマアリは1匹だけでした。

ウメの花の中心部奥に潜り込んでいる 3月14日11時7分撮影
上掲と同じ個体 11時14分撮影
上掲と同じ個体 11時17分撮影

確かに蜜を集めているのでしょう。腹部が膨れています。

腹部が膨れている

ところで、もうこんなところにアブラムシが付いていました。

花のがくにアブラムシがいた

再びクロオオアリが地上に

3月6日のブログ「早くもクロオオアリが地上に」で、今年初めてクロオオアリが地上に現れたことについて書きましたが、今日になって再びクロオオアリを地上で見かけました。この1週間の間も、注意深く、庭でクロオオアリが地上に出ているか観察していましたが、クロオオアリは見かけていませんでした。
今日は12時20分ごろ、玄関前の散水ホースを伝って歩くクロオオアリを見かけました。この時は、他用がありましたので、観察はできませんでした。したがって、どの巣から来たクロオオアリなのかは分かりませんでした。

玄関前の散水ホースを伝って歩くクロオオアリ 3月13日12時20分撮影

午後3時過ぎになって、O巣の様子を見に行くと、ちょうどその時、1匹のクロオオアリが地中へと潜って行くところでした。

巣穴に入って行く直前 クロオオアリのすぐ左側に巣穴があった 15時8分撮影

そこで、他の巣でもクロオオアリが出ているのではないかと思い、見て回りましたが、クロオオアリの姿はありませんでした。再び、O巣を見に行くと、巣の中から何かを運び出すクロオオアリがいました。

何かを咥えて巣から出てきたようだ 15時18分撮影

しばらくして、別のクロオオアリが、巣の西方から歩いてきて、最初に見つけたクロオオアリと同じ巣口へと入って行きました。

同じ巣口へと入って行った 15時19分撮影

O巣は明らかに地上での活動を始めたようです。散水ホースを伝って歩いていたクロオオアリも、このO巣から来ていたのかも知れません。(昨年このホースにやって来ていたのは、O巣のクロオオアリでした)
更に、もう1匹クロオオアリを見つけました。巣口の直ぐ上のコンクリートブロックの隙間にいました。

15時20分撮影

このクロオオアリには、蜜を与えました。やがて、巣へと戻って行くところまで観察しました。

蜜を飲むクロオオアリ 15時30分撮影
蜜を飲んで巣に戻って行った 15時36分撮影

早くもクロオオアリが地上に

ここ数年、自宅の庭で、春に、クロオオアリが地上に出てくる最初の日を記録しています。正確には、私が最初に地上で見かけた日ということになりますが、努めて観察はこまめにしてきたつもりでいます。
2017年は3月26日、2018年は3月25日、2019年は3月20日、2020年は3月18日に、地上でクロオオアリを初めて観察しました。いずれも3月の中旬後半から1週間程度の間となりますが、何かの要因があってのことなのでしょうか、次第に観察日が早くなってきていました。
今年は、いつになるかと待ち遠しくもありましたが、意外にも今日3月6日、クロオオアリが地上を歩いていました。例年になく、とても早い出会いです。

イチゴの花壇を歩くクロオオアリ 3月6日9時18分撮影

この働きアリの巣を特定するために、蜜を与えました。

蜜を飲む 9時20分撮影

やがて帰路に立ち、その後を追うと、「引越元不明のコロニー」のS巣でした。

「引越元不明のコロニー」のS巣がある岩の隙間

更に、同じイチゴ園に別のクロオオアリがいました。蜜を与えて後を追ってみると、同じ巣に戻って行きました。

同じ巣に戻る2匹目のクロオオアリ 9時31分撮影

2例観察できましたので、これで間違いなく「引越元不明のコロニー」のS巣が地上での活動を始めていることが分かりましたが、引き続き2例を観察しました。

3例目のクロオオアリ 今回も同様の巣に戻って行った 9時41分撮影
4例目のクロオオアリ 蜜器に誘導し、蜜を与えた 9時46分撮影

この蜜器の蜜を吸ったクロオオアリは、9時48分には巣に戻り、約8分後の9時56分に巣から出てきて蜜器に向かいました。その行動からこの間の巣を出入りしたクロオオアリが、同じ個体であることが分かりましたが、今度は、蜜器の蜜をほんの僅かに飲む行動をしただけで、巣へと戻って行きました。

蜜器を設置している測量杭を下りるクロオオアリ 帰路だが腹部が膨れていない 10時3分撮影

巣に戻ったのは10時5分で、10時19分まで観察を続けましたが、巣から出てくるクロオオアリはこのクロオオアリも含め、いませんでした。

ところで、庭の他のクロオオアリのコロニーは、どうしているのか見て回りましたが、まだ地上に出ていないようでした。

N巣 B16015 2019年6月19日移植 29日引越
O巣 B15099 2019年8月23日移植
A巣 自然巣 2016年4月13日発見
C巣 自然巣 2016年4月11日発見
L巣 B16013 2019年6月8日移植 18日発見
T巣 BK170530-133とBH170521-023の合併コロニー 2020年9月27日移植 10月26日引越
R巣 引越元不明 2020年5月19日発見

アブラムシとナナホシテントウの幼虫

庭の南の草原で、既に2月12日にはカラスノエンドウにアブラムシが付いているのを見つけていましたが、今日その同じ草原を見ると、まだまだ局所的ですが、アブラムシが増えてきているようです。

中央付近で黒っぽく見えるのがアブラムシ

今日は今年初めて、ナナホシテントウの幼虫を見ました。

てんとう虫の幼虫が育つ季節になったと言うことでしょう。クロオオアリの蜜源も整いつつあると言うことでしょうか。

クロオオアリとトゲアリの越冬幼虫の様子

飼育下でのクロオオアリとトゲアリの、それぞれ3コロニーの越冬幼虫の様子を記録しておきます。(いずれも3月1日時点)

B120614-03 2012年採集のクロオオアリのコロニー 雄アリの姿も見られる 参照
B15006 2015年採集のクロオオアリのコロニー
BM19001 2019年採集のクロオオアリのコロニー
T130921-09 2013年採集・寄生のトゲアリのコロニー
T140906-40 2014年採集・寄生のトゲアリのコロニー
T180919 2018年採集・寄生のトゲアリのコロニー

過去3月の関連ブログ
2020年3月20日「トゲアリの幼虫の様子
2020年3月3日「クロオオアリの越冬幼虫の様子
2014年3月8日「クロオオアリの子育て 着々と
2013年3月27日「続 もう子育てが始まっています
2013年3月21日「もう子育てが始まっています