人工飼育におけるクロオオアリ・ムネアカオオアリの女王アリの生存率・子育て成功率

人工飼育におけるクロオオアリ・ムネアカオオアリの女王アリの生存率・子育て成功率を調べました。
まず、昨年の7月22日のブログから引用します。 これは、クロオオアリについての記述です。

「子育て成功率という特定の規定や概念はないのですが、ここでは、現時点において、繭のある家族の割合を取り敢えずそのように呼ぶことにします。生存している個体数が110匹で、繭が1個でもある個体数が79匹です。したがって79÷110×100で、約72%になりました。逆に言えば28%もの割合で、順調に子育てができていないということになります。自然界に比べて、現時点での生存率は比べ物にならないほど高いと考えられますが、生存率に関係なく、この子育て成功率は一定だと考えます。28%の女王アリが、今後、遅れた子育てをどこまで成功しうるのかは、これからの観察となります。
なお、現時点での女王アリの生存率は89%です。」

では、今年はどうだったのでしょうか。交尾を終えた6月14日から80日目に当たる9月1日時点で調べてみました。
サンプルとしては、クロオオアリ56匹、ムネアカオオアリ35匹を対象としています。
まず、女王アリの生存率です。

クロオオアリの女王アリ: 87%
ムネアカオオアリの女王アリ:80%

次は、子育て成功率ですが、昨年は、繭のある家族の割合でしたが、今年は働きアリが1匹でもいる割合としました。また、先の引用の記述とは違い、既に死んでしまった女王アリも含めて計算しています。(昨年のクロオオアリでは64%になります)

クロオオアリ:73%
ムネアカオオアリ:74%

したがって、採集してきた女王アリの3割弱が、死んだり、順調にコロニーが作れなかったりしたことになります。
昨年は交尾後45日目の、今年は80日目のデータとなりますから、単純に比べることはできないのですが、今年のデータの方が、生存率が下がったことや、子育て成功率が上がったことは、可能性としては理解できることです。

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