コロニー同士の合併 共存 その1

働きアリが別のコロニーに入り込むと殺されてしまいます。アリのコロニー間では、共存は難しいように思えます。

ところが、ある知り合いの方が、アリのコロニー同士を共存させる研究をされていることを知りました。特別に考案された方法で、共存に成功されたようです。

これが動機となって、私も研究してみることにしました。トゲアリの寄生実験では、ムネアカオオアリの女王アリを冷凍死させ、トゲアリの女王アリを入れるのですが、トゲアリの女王アリが殺されて、働きアリと幼生虫だけが残ったコロニーが複数個ありました。これらのコロニーは、いずれも今年(2015年)採集した新女王アリのコロニーです。

研究に当たり、まず、素の状態、つまり何も特別な処理をせずに合併することを考えました。その結果と以後の実験を対照して考察するためです。

9月19日、初めに2つのコロニー(個体識別番号R15006とR15065)をそのままできるだけ自然に合併することにしました。小型の透明カップで飼育していましたので、2つのカップともに蓋を開け、一方を逆さにして他方に被せました。一部幼虫等が下のカップの中に落ちたようですが、しばらくは逆さになったカップの中にその巣の働きアリはとどまっていました。意外にも喧嘩は起こっていない様子で、しばらくして見ると、働きアリの多くが下のカップの中に移動していました。そこで、同日さらにコロニー(R15099)を合併することにしました。先の2コロニーの中に1コロニーを加えるには、働きアリが飛び出すリスクを考え、3コロニーともに短時間(5分間)冷凍室に入れ、仮死状態にしてから合併しました。

翌日9月20日の様子

翌日9月20日の様子 喧嘩なく、仲良く共存している

9月24日、とても安定して共存できているようでしたので、更に2コロニー(R15069とR15090)を冷凍して仮死状態にしてから入れました。既存の働きアリたちは、まだ新たな入居者が眠りから覚めない内から、幼生虫を受け入れて集めていました。眠りから覚めていく働きアリとの間に喧嘩は起こりませんでした。

こうして、女王アリはいませんが、大きなコロニーが形成され、初めから一つのコロニーであったかのように暮らし始めました。下の写真は10月17日の様子です。

2015年10月17日撮影

2015年10月17日撮影

その後、10月25日にR15026とR15035の15匹とR15038の3匹を加えました。

下の写真は2015年11月13日現在の写真です。

2015年11月13日

2015年11月13日

以上で、5つのコロニーと10月25日に加えた3つのコロニーの合わせて8つのコロニーを合併したことになります。これらのコロニーの女王アリは、5月27日に長野県駒ヶ根市内で採集しています。その内、前半の5つのコロニーの女王アリは、R15006のみ早朝で、残りの4コロニーは午後4時以降に採集しました。また、後半の3つのコロニーの女王アリは、午前中に別の場所で採集しています。

今回の実験の条件を精査せずに並べると以下のようになります。
1.コロニー同士を合併
2.いずれのコロニーにも女王アリがいない
3.1年目のコロニー
4.同じ巣から飛び立った女王アリのコロニーでないコロニーを含む
5.ムネアカオオアリの場合

クロオオアリの場合も並行して実験を進めていました。「コロニー同士の合併 共存 その2」も併せてをご覧下さい。

コロニー同士の合併 共存 その1」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: ムネアカオオアリの合併コロニーの半年後 | anttech.jp

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