クロオオアリの行動範囲とアリの「高速道路」

自宅の庭のクロオオアリは、カラスノエンドウがまだ庭に生えていた頃は、このカラスノエンドウを蜜源にしていたのですが、カラスノエンドウが枯れてしまってからは、庭から出て森へ行くのを見ていました。庭の南面と東側には森林があり、どうやらそこで蜜等を集めているようです。
クロオオアリの後をつけていくと、クヌギの木と思われる木に登っていきました。

庭の外近くにあるクヌギの木 この木にクロオオアリが登っていった

庭の外近くにあるクヌギの木 この木にクロオオアリが登っていった

ところがしばらく観察していると、この木の横を通りすぎて、歩いていくクロオオアリがいました。その後を追っていくと、やはりクヌギの木と思われる木に登っていきました。

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この場所は、自宅の庭からはかなり離れています。
そこで、巣からこの木までの距離を、実際にクロオオアリが歩いている経路に沿って測ってみました。すると、61m程ありました。かなりの距離です。
この距離をあの小さな体で歩くわけです。しかも、必ず往復ですから、120mを越えるわけです。ところが、このクロオオアリたちは、ある秘策を持っていたのです。というのは、彼らはその大部分の経路で、「高速道路」を走っているのです。地面に草がいっぱい生えているところでは、落ち葉もありますし、地面も起伏に富んでいるわけで、速くは歩けません。ところが、コンクリートの上なら、高速で走れるのです。クロオオアリは、上手にコンクリートブロック等の人工物を利用しているのです。

フェンスのコンクリートブロック

フェンス下部のコンクリートブロック

コンクリートの階段の縁

コンクリートの階段の縁

経路の途中からは、直線で歩く方が明らかに近いのですが、そこには草が生えているからでしょうか、クロオオアリたちは、遠回りをしてまで、このコンクリートを道として使っているのです。庭の中の経路は、巣から最も近いコンクリートブロックまでの距離3m弱を省くと、全てでコンクリートの上を歩いていました。その距離はおよそ片道で36mです。

さて、観察を終えようとしていた時、より近道になる別経路のフェンス下部のコンクリートブロックの上を歩いているクロオオアリを見つけました。

こちらのコンクリートブロックの上を歩く方が明らかに近道になる

こちらのコンクリートブロックの上を歩く方が明らかに近道になる

ただ、このクロオオアリは、かなりしばしば行きつ戻りつして歩いていました。まだ、道がはっきりしていない様子でした。しかし、もたもたしながらも、やがて多くの仲間が歩いている道に合流しました。このクロオオアリは、帰り道、道から外れてしまったのでしょうか。そして、方角のような感覚で通常の道までたどり着いたのでしょうか。それとも、往路も途中からこのショートカットになる道を歩き、目的地まで行って、往路と同じ道を帰ろうとしていたのでしょうか。それは、検証しようがありませんでした。

クロオオアリの行動範囲とアリの「高速道路」」への6件のフィードバック

  1. ピンバック: 庭の外にクロオオアリの巣 | anttech.jp

  2. ピンバック: 野外蜜器を設置 | anttech.jp

  3. ピンバック: 庭で7番目になるクロオオアリの巣を発見 | anttech.jp

  4. ピンバック: 庭のクロオオアリの半日 | anttech.jp

  5. ピンバック: クロオオアリが出てきた | anttech.jp

  6. ピンバック: クリの木に他のコロニーから来訪 | anttech.jp

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