アンテネストの長所

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S/N:B15017の片面

2014年7月13日開発のアンテネストで飼育しているクロオオアリのコロニーは2家族あります。
一つは、2015年5月27日採集のクロオオアリのコロニー(S/N:B15017)で、同年6月10日のブログ「新女王アリの穴掘り」に登場するコロニーです。アンテネストでの生活は1年と4か月になります。

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S/N:B15017のもう片面

とても大きな空洞が作られています。

もう一つは、2012年6月14日採集のクロオオアリのコロニー(S/N:B120614-86)で、2014年7月からアンテネストで飼育しています。

 

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S/N:B120614-86の片面

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S/N:B120614-86のもう片面

どちらのコロニーも順調に家族を増やしています。特に後者の方は、大家族になっています。

アンテネストは、巣穴を観察するために作られた人工巣ですが、実際に飼育してみて他の人工巣とは違う長所が見えてきました。その長所とは、飼育器の中が汚れにくいという点です。土を使わない飼育器では、アリの排泄物(昆虫の食べかすや仲間の死骸や繭の殻等ではない)がたまって目立つようになりますが、アンテネストではその汚れが目に付きません。おそらく、土は小さな粒の集まりですから、一粒の表面積は小さくても、それが無数に集まることで、土全体の表面積は無限に広くなるのでしょう。そのため、排泄物が土の粒の表面に薄く広がり、微生物等で分解されるのでしょう。
また、昆虫の食べかすや仲間の死骸や繭の殻等のゴミは、上部の活動室に運ばれれば、良く乾燥した土に混ざり、腐敗しにくくなるようです。飼育者は、ゴミと混ざったこの土を取り除けば、飼育器内が清潔に保たれます。

活動室の様子 運び出された土は良く乾燥している

活動室の様子 運び出された土は良く乾燥している

アンテネストは、飼育器の中が汚れにくいという長所の他に、常時水を与えなくても良いと言う長所もあります。土は常に適度に湿っている必要はありますが、乾燥気味になった時に土に水を含ませれば良いので、かなり長い間水を与えなくてすみます。他の人工巣のようにペットボトルのキャップなどに入れた水が腐るということはありません。その点で、手間が省けるのです。

関連ブログ
2年目のアンテネストのその後の様子」(2016年7月3日)
2年目のアンテネスト」(2016年4月21日)
新女王アリの穴掘り」(2015年6月10日)
新しいアリの飼育器を開発(オオアリ用)」(2014年7月13日)
新しい飼育器を開発しています」(2014年7月5日)

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