目から鱗のトゲアリの寄生

飼育環境でトゲアリのコロニーを作るには、先ずクロオオアリやムネアカオオアリのコロニーを用意する必要があります。これらのオオアリを宿主として、トゲアリの女王アリを寄生させることになります。その際、トゲアリの女王アリは、宿主の働きアリから攻撃されたり、オオアリの女王アリと戦ったりして、ほとんどの場合殺されてしまいます。そこで、寄生の方法については、多くの方々が様々な工夫をされていますが、必ずしも成功しているわけではありません。
私も例外なく、これまでに様々な工夫をしてきました。ある時期、13コロニーを飼育するまでになりましたが、そこに至るまでにはとても数多く寄生を試みてきました。

ところが、去る9月14日、ある方からトゲアリを譲りたいとのお話がありました。女王アリが3匹ですが、その内の1匹は既にトゲアリの働きアリに寄生済だと言うのです。なんとその寄生済のコロニーは、この9月8日に採集した新女王アリが、寄生してできたばかりのコロニーだと言うのです。
送付に当たり、一度寄生していたその女王アリを働きアリの中から取り出して、別ケースに入れて送って下さいました。それは9月16日のことでした。
早速、送っていただいた働きアリが多数入っている容器を、それよりも一回り大きな容器に入れ、寄生させていた女王アリを入れました。

右上方が女王アリ

これはとても驚きの光景でした。これまで、クロオオアリやムネアカオオアリに寄生させることばかりを考えていたわけですが、宿主のコロニーを経由せずに直接トゲアリのコロニーができあがっていたからです。この方法で、トゲアリのコロニーが作れるのなら、とても画期的なことです。正に「目から鱗が落ちる」でした。
今年は、トゲアリの女王アリを採集しに、遠地へ2回も出かけましたので、三度出かけようとは思いませんが、極く近くのトゲアリがいる場所へは行ってみようと思います。そこでは、まだ一度も女王アリを見たことはないのですが、働きアリは採集できます。その働きアリに、いただいた女王アリを寄生させてみようと思います。

少し不審がられている様子 写真は撮れませんでしたが、女王アリが1匹の働きアリを銜え、前肢で化粧をする場面もありました

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