トゲアリの直短的社会寄生 9月26日その後

トゲアリの直短的社会寄生の様子のその後(9月26日以降)ですが、9月30日に、例2(S/N:T17002)のトゲアリの女王アリ(昨年9月11日採集の新女王アリ)が、トゲアリの働きアリ28匹を残して死んでしまいました。この例2では、22日に、女王アリが働きアリから攻撃を受ける場面がありました。

10月10日には、新たに2例の直短寄生を試みました。そのトゲアリの女王アリは、シリアル番号T130913-01とT150828-06です。この2匹は、一つのコロニーで共存していました。その経緯については、2015年10月17日のブログ「2匹のトゲアリが寄生」で触れています。その後、2017年8月1日には働きアリが3匹死んで4匹になり、同年8月8日には2匹死んで2匹になり、9月7日には1匹死んで1匹になり、ついに10月1日には残っていた1匹の働きアリも死んでしまい、女王アリが2匹だけになっていました。この2匹の寄生を例7・例8としました(2匹はシリアル番号は分かっていますが、区別ができないため、例7・8の個体の特定はできない)。
例7(左後脚不自由)では、初めに一緒にした1匹目の働きアリの方が逃げていましたが、2匹目と喧嘩になり、3匹目を加えると攻撃されて女王アリが死にかけました。そこで、女王アリをいったん取り出しました。2日後の12日には、争いは見られなくなっていました。
例8では、働きアリが女王アリを攻撃し、女王アリが逃げていました。例7・8共に、例6の場合(新女王アリではなく、コロニーを既に作ったことがある女王アリ。「直短寄生のその後と旧女王アリの寄生」参照)と同様に、化粧行為は見られませんでした。
この2例の女王アリは、いずれも5匹の働きアリを残して、5日後の15日に死んでしまいました。

11月11日になって、例1の女王アリ(知り合いの方からいただいた女王アリ)が死にました。
年を越し、2月12日、例5のコロニーから女王アリの姿が消えました。死体も食べられた跡もなく、なぜいなくなったのかを特定できませんでした。

例5を含めると、2月12日現在、例3・4・5・6を飼育中です。それぞれのコロニーの働きアリの数は、順に18・19・21・10匹です。また、これまでに死んでいった働きアリの数と、加えた働きアリの数は次のようになります。

例1(S/N: T17001):死んだ匹数40 加えた匹数54
例2(S/N: T17002):死んだ匹数  0 加えた匹数31
例3(S/N: T17003):死んだ匹数31 加えた匹数57
例4(S/N: T17004):死んだ匹数49 加えた匹数64
例5(S/N: T17005):死んだ匹数33 加えた匹数54
例6(S/N: T17006):死んだ匹数46 加えた匹数52
例7(S/N: T17007):死んだ匹数  0 加えた匹数  5
例8(S/N: T17008):死んだ匹数  0 加えた匹数  5

長期間コロニーが続いていた例では、死んでいった働きアリがたくさんいたことが分かります。これは、直短寄生が要因と言うよりも、トゲアリの飼育の難しさだろうと考えています。

2月12日撮影 左から例3・4・5・6のコロニー

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください