クロオオアリの同種間共存(1)

これまでも幾度か検証してきているクロオオアリの同種間の共存について、追試を行いました。

ケース1:
昨年5月21日の早朝に、ヒルゼン高原センター周辺で採集したクロオオアリの女王アリ(BH170521-024)が、今年の3月11日に死んでいました。幼生虫はなしで、働きアリは11匹いました。同日の11日、この飼育器の中へ、BK170530-074の働きアリ3匹とBK170530-172の働きアリ5匹(いずれも今年3月11日女王アリ死)を入れました。更に、3月19日には、女王アリが当日死んでいたBK170530-113の働きアリ3匹と幼虫2匹を入れました。そこへ、BK170530-122の単独女王アリを加えました。
以上は全て昨年2017年に女王アリを採集したコロニーです。また、BK170530-122は、昨年7月14日には女王アリが働きアリを1匹食べた跡があり、7月31日には働きアリが1匹死に、8月15日には幼虫が1匹と卵が5個のみになっています。そして、8月24日には、働きアリも幼生虫もなく、女王アリのみになっていました。
下の動画は、BK170530-122の単独女王アリを入れた3月19日の様子です。

動画 5分間 3月19日撮影

動画では、女王アリの周りにたくさんの働きアリが集まり、盛んに女王アリの体を舐めています。この行為は、あるコロニーに別のコロニーの働きアリを入れた場合によく見られます。入り込んだ方の働きアリはほとんど動かず、その巣の複数の働きアリが、取り囲んで入り込んだ働きアリの体を舐めます。多くの場合、入り込んだ働きアリはやがて死んでいます。また、動画では、女王アリと働きアリの間でしばしば栄養交換を行っています。断言はできませんが、2匹の働きアリが同時に女王アリと栄養交換をしているので、おそらく女王アリの方が液状のものを働きアリに与えているようです。
次の写真は3日後の様子です。

3月22日撮影

そして、3月28日現在、働きアリ・女王アリ共に生き続けています。

以上から、現時点で言えることは次の2点になります。
① 既に女王アリを失っている、同年代の複数のクロオオアリのコロニーの働きアリ同士は、創巣の翌年の3月時点では共存できることがある。
② 上記①の共存コロニーと、同年代のクロオオアリの単独女王アリは、創巣の翌年の3月時点では共存できることがある。

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