2018 移植の試み

今年も「移植」を試みることにしました。昨年採集したクロオオアリの女王アリのコロニーを使います。「新しいスタイルの簡易な飼育器」で紹介した飼育器で飼育していたコロニーです。
移植する場所ですが、これまでは観察しやすい平地にしていました。ところが、今では、平地に限らず斜面も庭の整備が進み、ほぼ全ての地面が芝で覆われています。つまり、蜜源になる雑草が無くなってきたのです。そこに77品種83本の果樹を植えています。雑草に替わって蜜源にはなるはずなのですが、果樹には殺虫剤を使います。

庭の様子

庭の整備が進むことで、アリが生活するには厳しい環境になってきました。
そこで、今年は、南側と東側のフェンスに沿って移植することにしました。どちら側にもフェンスの外に林があり、自然が残っています。

南側の様子

フェンスに沿って飼育器を置き、蓋を外して一回り大きなプラスチック製の容器を被せます。そして、地面と容器の間にすき間がなくなるように容器の周辺に土を寄せます。

飼育器の蓋を取り、一回り大きなプラスティック容器を被せ、すき間をなくすように土を寄せる 11時16分撮影

それから、日よけになるように石の板を載せました。

石の板を載せたところ

3月28日は、4コロニーを移植しました。
翌日には、地面に穴を掘っているコロニーもありました。

BK17026の場合 飼育器からはいなくなっていた 12時40分撮影

BK17026の場合 飼育器を取ってみると、巣穴があった 13時49分撮影

移植の詳細は次のようです。( )は働きアリの数
庭の敷地図参照

3月28日 4コロニー
BK17014(13) 西南フェンス(以下東から順に)
BK17018(16) 西南フェンス
BK17026(14) 西南フェンス
BK17031(12) 西南フェンス

3月29日 6コロニー
BK17033(12) 西南フェンス
BK17034(14) 西南フェンス
BK17068(12) 西南フェンス
BK17077(14) 西南フェンス
BK17152(14) 西南フェンス
BK17179(16) 西南フェンス

3月31日 6コロニー
BK17005(10) 西南フェンス
BK17036(10) 西南フェンス
BK17038(8) 西南フェンス
BK17045(9) 西南フェンス
BK17053(9) 西南フェンス
BK17100(9) 西南フェンス

4月01日 4コロニー
BK17148(9) 東南フェンス(以下西から順に)
BK17149(9) 東南フェンス
BK17151(7) 東南フェンス
BK17207(10) 東南フェンス

4月02日 8コロニー
BK17002(10) 東南フェンス
BK17009(10) 東南フェンス
BK17020(11) 東南フェンス
BK17035(9以上) 東南フェンス
BK17059(9) 北フェンス(以下東から順に)
BK17099(9) 北フェンス
BK17139(9) 北フェンス
BK17141(9) 北フェンス

4月03日 18コロニー
BK17001(10以上)
BK17058(8) 北フェンス
BK17072(土の中にいて数えられず) 北フェンス
BK17076(土の中にいて数えられず) 北フェンス
BK17087(10以上) 北フェンス
BK17187(8) 北フェンス
BK17043(7) 北フェンス北(以下西から順に)
BK17089(6) 北フェンス北
BK17103(7) 北フェンス北
BK17136(6) 北フェンス北
BK17142(6) 北フェンス北
BK17143(6) 北フェンス北
BK17157(6) 東南フェンス南(以下西から順に)
BK17158(6) 東南フェンス南
BK17160(6) 東南フェンス南
BK17169(7) 東南フェンス南
BK17183(6) 東南フェンス南
BK17206(6) 東南フェンス南

以上46コロニー

ところで、2日間に渡って妙なことが起こりました。

名札が引き抜かれている 4月4日撮影

上の写真は4月4日の様子ですが、前日にも同じことがあり、移植した巣のいくつかには、掘られたような跡がありました。

掘られた跡 4月3日撮影

その「犯人」は、どうやら鳥のようです。今朝、庭に出てみると、1羽の鳥が逃げていきました。

小型の鳥 7時25分撮影

昨年の5月12日のブログ「何者かに襲われたクロオオアリの巣」を思い起こしました。

2018 移植の試み」への3件のフィードバック

  1. ピンバック: 「アリの行列」を考える その5 | anttech.jp

  2. ピンバック: 移植の試み 再度 | anttech.jp

  3. ピンバック: 移植後のBK17207の生存を確認 | anttech.jp

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