Q+WとWのみのクロオオアリのコロニーを合併

これまでもクロオオアリの同種間共存について、幾度か実験と観察をしてきましたが、4月16日と19日、2度にわたって新たな条件で実験をしました。
2019年4月16日に合併したコロニーは次の2つです。
BH170521-025:
  2017年5月21日に岡山県蒜山高原で採集した女王アリのコロニー
  働きアリ2匹と女王アリ 幼生虫なし
BH170520-001:
  同年5月20日同地(採集箇所も同じ)で採集した女王アリのコロニー
  昨年の2018年 女王アリ死 働きアリ多数 幼虫あり
これまでの合併条件との違いは、女王アリがいるコロニーの方に少数ながら働きアリがいることです。

実験を開始した直後の様子 4月16日17時56分撮影

上の写真の右側が女王アリと働きアリがいるBH170521-025です。女王アリがいる部屋に働きアリが2匹いますが、この2匹がこのコロニーの働きアリです。その上の部屋には働きアリが1匹いますが、この働きアリはBH170520-001の働きアリで、両巣を合併した直後ですが、早速BH170521-025の巣の中に入り込んできました。
とても短い時間に、何匹かのBH170520-001の働きアリが、BH170521-025の巣の中に入り込みましたが、喧嘩は起こりませんでした。更に、女王アリと栄養交換をする働きアリも見られましたが、直前に蜜を与えたわけでもないので、その働きアリはBH170520-001の働きアリのようです。

栄養交換をする女王アリと働きアリ 女王アリの部屋に働きアリが4匹写っている 17時59分撮影

翌日見ると、女王アリと働きアリがいたBH170521-025の人工巣には1匹もアリの姿はありませんでした。

BH170521-025の人工巣には1匹もアリの姿はない

BH170520-001の人工巣の方を見ると、女王アリがいました。

BH170520-001の人工巣の中に女王アリがいた 4月17日8時19分撮影

働きアリの死骸も見当たらなかったので、BH170521-025の2匹の働きアリも健在のようです。

2019年4月19日に合併したコロニーは次の2つです。
BH170520-015:
  2017年5月20日に岡山県蒜山高原で採集した女王アリのコロニー
  働きアリ2匹と女王アリ 幼生虫なし
BH170520-009:
  同年同日同地(採集箇所も同じ)で採集した女王アリのコロニー
  今年3月に女王アリが死亡 働きアリ4匹のみ 幼生虫なし
16日に合併したコロニーとの違いは、女王アリがいない方のコロニーの働きアリの数と幼虫の有無です。
16時少し前に2つのコロニーを合併しました。女王アリがいないBH170520-009の方の働きアリが4匹と少なかったので、人工巣から4匹を取り出して、BH170520-015の人工巣の中に入れました。
合併直後、ほんの僅かな間、働きアリ同士で喧嘩が始まりましたが、すぐに喧嘩が収まりました。また、BH170520-009の働きアリが女王アリに近づいた時、双方襲うことはありませんでした。しばらくすると、おそらく別コロニー同士と思われる働きアリ間で栄養交換が見られ、女王アリと働きアリ間でも栄養交換が見られました。それから3時間半程経った頃、様子を見ると、女王アリと6匹の働きアリが同じ部屋にいました。すっかり、お互いを受け入れているように見受けられました。

一つの部屋に女王アリと働きアリ6匹がそろった 19時25分撮影

Q+WとWのみのクロオオアリのコロニーを合併」への3件のフィードバック

  1. ピンバック: 4例のクロオオアリの同種間共存のその後 | anttech.jp

  2. ピンバック: 3例のクロオオアリの同種間共存のその後 | anttech.jp

  3. ピンバック: 今年最後の移植 4例 | anttech.jp

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください