午前8時38分、インテリアリセットの餌器の中に置いたトゲアリが入っている簡易飼育器の蓋を開けた。すぐさまムネアカオオアリの働きアリと出くわす。
どのようにして、ムネアカオオアリの攻撃から逃れたのだろうか。見逃してしまった。トゲアリは、簡易飼育器から出てきて、再びムネアカオオアリに捕まる。
こんどこそ、これまでかと思っていると、目を離したちょっとした間に、いつの間にか人工巣の中に侵入していた。またしても、ムネアカオオアリの攻撃を振り払うところを観察できなくて残念だが、攻撃を振り払ってから、おそらくあっという間に、餌器から人工巣に通じるホースを通って人工巣の中に入ったのだ。そのことに気付いたのは、簡易飼育器の蓋を開けてから7分後のことであった。
トゲアリは、ムネアカオオアリのいる部屋へ通じる通路を通り越して別の部屋に一旦入りこんだが、
引っ返して、ムネアカオオアリの女王アリのいる部屋へと入っていった。一瞬のことで、写真もビデオも撮れなかったが、トゲアリはあっという間にムネアカオオアリの女王アリに飛びついた。ムネアカオオアリの女王アリも応戦したが、応戦しながら逃げていく。上方の通路からさっき一旦トゲアリが入ったいた部屋へと向かう。一歩遅れて、トゲアリは追いかける。一度は、反対側の左の部屋へと向かったりするが、その慌てぶりは逃げているのではなく、明らかに攻撃的にムネアカオオアリの女王アリを狙ってのことだ。すぐさま、ムネアカオオアリがいる部屋へと入って行き、再びムネアカオオアリの女王アリに襲いかかった。
ここからは動画で撮影できている。それは8時51分からのことだ。
始めは、トゲアリがムネアカオオアリの大腮の片方を咬んでいる。その後で、ムネアカオオアリの頭部の腹面を軽く咬んだりなめたりした。そのわずかな間、ムネアカオオアリは大腮が自由になったにも関わらず、されるままになっていた。それから、トゲアリはムネアカオオアリの頸部に咬みついた。周りのムネアカオオアリの働きアリはというと、傍観とも思える行動を取っていて、トゲアリを攻撃しない。トゲアリは前脚で、ムネアカオオアリの女王アリの胸部を撫で、次に自分の胸部を撫でている。
その後の20分間までのビデオも紹介しておこう。
ムネアカオオアリの女王アリは、歩けるようだ。後半になって、一匹の働きアリがトゲアリの腹柄節の棘を引っ張って上方へ持ち上げるが、やがて2匹の女王アリは落ちてくる。今度は、ムネアカオオアリが下になっている。
さあ、これ以降どうなるのだろう。いつごろ決着がつくのだろう。しばらく、注意深く観察し、ビデオにも撮っておこう。