単独生活の女王アリは昆虫を食べるか?

女王アリは、自分で昆虫を食べることができるのでしょうか。
自然界ではそのような必要はなく、働きアリから養分をもらっているのですから、昆虫を直接食べるということはありません。もう、何千万年もの間、そのように過ごしてきたのですから、ハチの時代に持っていた昆虫を狩りして食べるという本能は、既に消えうせているに違いありません。
ですが、本当にそうなのでしょうか。〈女王アリがトンボに食い付いた話は以前書きましたが(昨年の9月1日のブログ「アリのえさ トンボ」)。〉

3月31日のブログ「年を越して再度の子育てに成功するか?」で取り上げた昨年採集した女王アリ(働きアリがいない子育て失敗組)でそのことを確かめてみましょう。

サンプル1:S/N007 ムネアカオオアリ 春になって多数産卵はしたが孵化しない
サンプル2:S/N016 全身が黒いムネアカオオアリ 良く育った幼虫が1匹と卵がある 昨年も幼虫まで育てている
サンプル3:S/N073 クロオオアリ 昨年繭まで育てた 春になって産卵はするが食べてしまう

与える昆虫は、アカイエカ程度の大きさのユスリカの仲間の成虫です。
4月17日にシリアルナンバー007のムネアカオオアリの女王アリに、動かなくなったユスリカを与えました。

ユスリカを団子状にしている

ユスリカを団子状にしている

すると、このユスリカに食い付いて、大腮でかみ砕き、団子状にしました。アシナガバチが昆虫の獲物を団子状にするのと良くにています。アシナガバチは、その団子を区分けして幼虫に与えたように記憶しています。ですが、ムネアカオオアリの女王アリは、その団子を食べたようです。というのは、その後私は外出したので、継続して観察はできなかったのですが、食べ残しが見当たらなかったからです。

昨日も、同様のことを行い、このことを確かめてみました。下の写真は同じ007のムネアカオオアリです。

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今度も、ユスリカを団子状にし始めました。やがて食べ残すことなくほぼ全部食べてしまいました。

サンプル2のシリアルナンバー016のムネアカオオアリの女王アリの場合は、ユスリカを与えてもなかなか関心を示しませんでした。少ししてからユスリカを噛み始め、半分ぐらいは食べたようですが、食べ残しました。翌日も食べ残しはそのままでした。

サンプル3のシリアルナンバー073のクロオオアリの女王アリの場合は、食い付いて団子状にしていましたが、半分ぐらいは食べ残していました。翌日も食べ残しはそのままでした。

以上の観察から、個体差はあるものの、クロオオアリとムネアカオオアリの女王アリは昆虫を直接食べるということが分かります。何千万年もに渡って必要ではなかった本能が、予想に反して、未だに残っていることになります。

単独生活の女王アリは昆虫を食べるか?」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: ミカドオオアリの単独女王アリも昆虫を食べる | anttech.jp

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