2015年の10月に滋賀県彦根市から岡山市に引越する以前は、自宅の極近くでトゲアリの新女王アリを採集していたのですが、今ではその機会が限られています。今年は、9月17日から20日まで彦根市に滞在し、トゲアリの新女王アリの採集を試みましたが、不運にも1匹も採集することができませんでした。天候次第では、更に滞在を延ばすこともできましたが、21日から3日間は、台風の影響もあって雨天か曇になる予報でしたので、採集を諦めざるを得ませんでした。
トゲアリの結婚飛行は、早朝の早い時刻に行われるので、午前中から採集が可能です。そこで、9月18日の午前9時半頃に、いつもの採集場所に出かけました。かつてから巣があると思われる3箇所の樹を見ると、A巣の樹ではトゲアリは見当たりませんでした。B巣の樹には、比較的多くのトゲアリがいました。C巣の樹にもトゲアリがいましたが、僅かでした。
それらの樹の麓の舗装された道を見ると、そこにはほとんどトゲアリの姿はありませんでした。18日からの3日間を通して、この状況は変わらず、全体として目にするトゲアリの数が少なく感じました。
今年の9月の天候は、これまでにない暑さでしたので、やっと涼しくなってきたこの時期に、採集できるのではないかと期待していたのですが、見事に裏切られてしまいました。
ところで、9月16日からは、連日最高気温が30℃を下回っていました。トゲアリの新女王アリは、結婚飛行後、数日間は地面を歩くことがありますので、18日に1匹も姿がなかったことから、16日や17日に結婚飛行があったとは考えにくいでしょう。
では、結婚飛行は16日以前に行われていたのでしょうか、それともこれからなのでしょうか。とても暑い日が続いた9月でしたが、それでも少し涼しいと感じた日もありました。そんな日に結婚飛行を済ましたのでしょうか。或いは、やっと涼しくなってきたので、これから結婚飛行に向けての準備のようなことが始まるのでしょうか。
それとも、この場所での新女王アリの採集は2013年から行っているので、今年で7年目になりますから、コロニーが複数あるとしても、それらのコロニーが晩期を向かえて消滅しつつあるのでしょうか。
そんな風にいろんなことを考えてしまいました。
ここで、当地で採集を始めた2013年から2018年までの採集日と採集匹数をまとめておきます。
2013年 9月 12日 7匹
13日 5匹
14日 6匹
17日 5匹
19日 66匹
21日 22匹
24日 27匹
25日 6匹
計 144匹
2014年 9月 2日 1匹
3日 3匹
6日 44匹
7日 2匹
8日 27匹
10日 1匹
12日 1匹
13日 1匹
14日 3匹
16日 24匹
17日 4匹
計 111匹
2015年 8月 28日 17匹
29日 4匹
31日 2匹
9月 2日 3匹
5日 1匹
12日 21匹
20日 28日
28日 10匹
計 86匹
2016年 9月 3日 1匹
4日 1匹
7日 46匹
計 48匹
2017年 9月11日 23匹
2018年 9月18日 1匹
19日 41匹
計 42匹
お疲れ様でした。
今回女王蟻を予約したものです。
滋賀県にはなんどか行っているのですが、琵琶湖の湖畔でしょうか。
ヒントだけでもお願いします。
突然すみませんアドバイスください
今トゲアリ女王とクロオオワーカー数匹が栄養交換できるところまでいってます
クロオオの数が少ないのでミカドオオの幼虫を追加したのですが受け入れてもらえませんでした
今手持ちにミカドオオのワーカー数匹幼虫多数新女王一匹があります
今後どうするのがベストですか?
コメントありがとうございます。お返事が遅くなり、申し訳ございません。
『日本産アリ類図鑑』(朝倉書店)によると、トゲアリの寄生対象として「本州では寄主としてクロオオアリとムネアカオオアリが記録されている。さらにミカドオオアリにも寄生する可能性がある」と記されています。ミカドオオアリに寄生するかどうかについては、明言されておらず、根拠となる出典も示されていません。
山口様が寄生の対象とされているクロオオアリのコロニーの構成が不明ですので、的確なことは言えませんが、小コロニーであることは読み取れます。寄主のコロニーの規模は、大きいほどその後のトゲアリの子育てに有利なようです。今後、機会があれば、大きめのクロオオアリまたはムネアカオオアリのコロニーに寄生させると良いでしょう。
研究としての試みになりますので、山口様の意図とは違ってくるやも知れませんが、「私なら」と言うことで言えば、この状況でしたら、ミカドオオアリのコロニーに寄生を試みるでしょう。その成否はともかく、貴重な知見になりそうです。