主にクロオオアリの女王アリの生存率・子育て成功率

今年の6月に採集した主にクロオオアリのコロニーの様子を、ほぼ3ヵ月過ぎた9月12日に調べています。
今年の採取日ごとの匹数は次のようです。(黒:クロオオアリ 赤:ムネアカオオアリ)

6月5日   黒5匹   赤4匹
6月6日   黒7匹
6月15日   黒4匹   赤3匹
6月16日   黒33匹 赤2匹
6月17日   黒27匹
7月8日   黒2匹  赤1匹
計   黒78匹 赤10匹

まず、9月12日時点での女王アリの生存率です。

①全体では
黒78匹中56匹生存 赤10匹中6匹生存 なので 黒72% 赤60% 黒赤で70%

②採集時の負傷別では
 黒無傷55匹中43匹生存 なので 78%
 黒負傷23匹中13匹生存 なので 57%
赤無傷9匹中6匹生存 なので 67%
赤負傷1匹中0匹生存 なので 0%
黒赤合わせると 無傷64匹中49匹生存 なので 77%
負傷24匹中13匹生存 なので 54%

今年は、ムネアカオオアリの個体数が少ないので、クロオオアリのみを取り上げることにします。無傷の女王アリでは、人工飼育下で、ほぼ3ヶ月後まで女王アリが生きている割合は、78%となります。
この数値を昨年のクロオオアリの場合と比べてみます。昨年は9月1日のデータで、採集後80日目に当たります。今年とほぼ同時期と考えてよいでしょう。サンプル数は56匹です。
その昨年のクロオオアリの女王アリの生存率は87%でした。今年は昨年と比べると生存率が低いことが分かります。

また、注視したいことは、採集時に負傷していた女王アリの生存率です。クロオオアリの場合、6割弱の57%が生き残っています。

次は、子育て成功率です。「子育て成功率」という特定の定義はないのですが、ここでは、昨年の規定同様、女王アリが死んだサンプルも含めて「働きアリが1匹でもいる割合」とします。また、以下では、9月12日の調査以降の実態を踏まえて推察している部分もあります。

①全体では
黒78匹中53匹成功 赤10匹中4匹成功 なので 黒68% 赤40% 黒赤で65%

②採集時の負傷別では
 黒無傷55匹中36匹成功 なので 65%
 黒負傷23匹中10匹成功 なので 43%
赤無傷9匹中4匹成功 なので 44%
赤負傷1匹中0匹成功 なので 0%
黒赤合わせると 無傷64匹中40匹成功 なので 63%
負傷24匹中10匹成功 なので 42%

ここでも、クロオオアリのみを取り上げることにします。今年のクロオオアリの場合、人工飼育下で、無傷の女王アリでは65%が子育てに成功しています。昨年は73%です。子育て成功率も、昨年と比べると低くなっています。
負傷していた女王アリでは43%で、数値は低いのですが、負傷していても子育てができることが分かります。

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