アリ日記 2012/06/06〜08(1)駒ケ根

自宅を6月5日の夜に出発し、6日から8日までの3日間、駒ケ根市に滞在してアリの生態観察を行いました。残念ながら、クロオオアリやムネアカオオアリの女王アリの採集はできませんでした。今回のアリ日記から、この3日間の観察の記録を順次掲載いたします。
まず、初回は、クロオオアリやムネアカオオアリの羽アリの様子を取りあえず報告いたします。

今回の駒ケ根行の一番の目的は、クロオオアリやムネアカオオアリの女王アリを採集することでした。一昨年と昨年は、いずれも6月8日に女王アリが採集できました。ですから、今年もこの日に期待していたのです。

上の写真は、巣から出てきたクロオオアリのオスアリです。6日に見つけました。ただ、辺りを探しても、この1匹しか見当たりませんでした。しかし、1匹でもオスアリが出てきているということは、結婚飛行が近い前兆ではあります。
8日の朝には、羽があるクロオオアリの女王アリをやはり1匹見つけました。これも、結婚飛行が近い前兆です。

そして、下の写真が8日の午後2時前後のあるクロオオアリの巣の様子です。

羽アリが巣穴から外の様子を窺っていたり、巣穴から出ています。しかし、結局、この日は結婚飛行は行われませんでした。

下の写真は、同じ8日の午後4時前のムネアカオオアリの巣の様子です。驚くほどいっぱいの羽アリが木の中の巣穴から出てきています。この後、一部の羽アリが飛び立ったようですが、その様子は観察できませんでした。


下の写真は、そのほんの少し後のこの巣の近くにいたムネアカオオアリの女王アリです。巣から飛び出してはいますが、まわりにオスアリの姿はなく、結婚飛行はできていないようでした。


結婚飛行(交尾)については、いろいろと考えさせられます。
まず結婚飛行がいつ行われるかという点では、天候などの自然条件が重要であることは分かりますが、その条件とは何なのか不思議です。それに、飛び立つタイミングの決定に、働きアリが関与していて、「指令」のようなものを出すのではないかと思われます。羽アリが巣穴から出始めている時の様子をよく観察すると、働きアリが足は地面につけたままですが、激しく飛び跳ねるようなしぐさをします。他の働きアリも同じしぐさをほぼ同時にします。すると、羽アリが(特にオスアリが)巣穴から出てきます。まるで、働きアリに「外に出なさいよ」と言われたかのようです。
ところで、働きアリが、そのような役割を担っているとしても、結婚飛行は、その近辺ではどの巣でも一斉におこなわれるのです。巣を越えてなぜ結婚飛行のタイミングを統一できるのか、そのことがとても不思議なのです。

次回からは、3日間の観察の様子を詳しく報告いたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください