女王アリの死因を考える

採集した女王アリが、最初の数日間で死んでしまうことがあります。
今年の場合、クロオオアリ133匹中5匹が、ムネアカオオアリ51匹中6匹が既に死んでいます。そのうち産卵をしていたのは2個体だけで、9個体は産卵をしないまま死んでいます。

それらの死因については、わからないと言うのが正直なところで、同じ条件で飼育していても、突然死んでしまうのです。

ところが今回、新しい発見をしました。死因の1つがわかったのです。下の写真を見て下さい。

ムネアカオオアリの女王アリ

ムネアカオオアリの女王アリ

クロオオアリの女王アリ

クロオオアリの女王アリ

この死んだ2体には、腹部の中にウジ虫状の虫がたくさんいるのです。この虫は、昆虫の幼虫と思われます。女王アリが死んでから、この幼虫の卵が産み落とされたと考えるより、この女王アリを採集する前に、既に腹部に卵が産み込まれていたと思われます。これが原因で、この女王アリは死んでしまったのでしょう。

いつ卵が産み込まれたのか、いったいこの幼虫の正体は何なのか、疑問が駆け巡ります。そこで、このままにしておき、幼虫が成虫になるのを観察してみようと思います。

ところで、この寄生する昆虫は、クロオオアリやムネアカオオアリの女王アリのみに寄生するのでしょうか。この幼虫の大きさから考えると、他のアリには寄生しにくいでしょう。でもそうだとすれば、1年の内、クロオオアリやムネアカオオアリなどの大型の女王アリが地上に出てくるほんのわずかな期間しか、子孫を残す機会がないということになります。ですから、他の昆虫にも寄生するようには思うのですが、この点も今後明らかになるかも知れません。

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  1. ピンバック: 寄生虫 | anttech.jp

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