ところで、クロオオアリは一斉に結婚飛行に飛び立つのでしょうか。
この場合の一斉というのは、ひとつの巣においてという意味と、その場所の極限られた範囲内でという2つの意味で使っています。
これまでは、ひとつの巣において、またその地域一帯では、一斉に羽アリが飛び立つと思っていましたが、 そうではないようです。
この直前のブログ「クロオオアリ・ムネアカオオアリの結婚飛行」で アップしている動画の巣では、夕暮れになってもまだ羽アリが巣の中に残っていました。それ時刻以降に結婚飛行に飛び立つことはないと思います。ですから、残った羽アリは、翌日以降に飛び立つのでしょう。
また、動画は6月14日に撮影していますが、その前日、極近くの巣では、巣穴のすぐ下の溝の中で大量のオスアリが死んでいましたので、それ以前に結婚飛行がおこなわれたと考えられます。
ところが、その巣穴には、まだ女王アリの姿がありました。
この巣は、6日から8日にかけても観察していますが、その時には、 巣から出ていく女王アリが数匹いました。
これらのことから、同じ巣であっても、羽アリの全てが一斉に結婚飛行に飛び立つのではないことや、極限られた範囲内にある巣であっても、結婚飛行に飛び立つ日(巣ごとにたくさん飛び立つ日)はまちまちであることがわかります。