人工巣」タグアーカイブ

アンテグラウンドⅡ型

トゲアリS/N:T140906-40用にアンテグラウンドⅡ型を作りました。アンテグラウンドⅡ型はアンテグラウンドⅠ型を次の点で簡略化しています。
 ○クリーナーボックス(本体の下に設けた水掃除用の水受け)をなくしました
 ○リフト機能(クリーナーボックスをとり出す際の機能)をなくしました
他は、アンテグラウンドⅠ型と同様の仕様になっていて、水槽(トゲアリの水飲み場になる)、プラントランプ(植物栽培用)、送風ファン(ケース内の湿気を排出し、アクリル板が湾曲しないようにする)、アントピット(給餌したり、逃げ出したアリを落とし入れる)、給餌・給水ロート(メダカに餌を与えたり、水を補給する)を備えています。

アンテグラウンドⅡ型には、1月29日のブログで紹介したトゲアリの飼育ケースを繋げています。

中央に見えるのがトゲアリの飼育ケース アンテグラウンドⅡ型とシリコンホースで繋がっている
正面図
側面図


トゲアリの飼育ケースを作る

昨年の10月11日のブログ「飼育中のトゲアリの様子 2018年10月」で紹介しているS/N:T140906-40用に特製の飼育ケースを作りました。S/N:T140906-40は、現在飼育しているトゲアリのコロニーの中では、一番大きなコロニーで、更に大きなコロニーになるよう、飼育環境を改善したいと考えていました。そこで、アンテグラウンドⅠ型を改良したアンテグラウンドⅡ型を作り、今回作製した飼育ケースをアンテグラウンドⅡ型と繋げる予定にしています。

特別仕様の人工巣2つ

今年の6月5日のブログ「アンテグラウンドⅠ型」で、2つのコロニーをアンテグラウンドに繋げたことを書きましたが、その後、S/N:B110608-07のクロオオアリのコロニー(2011年6月8日に新女王アリを採集)の方は、アンテグラウンドから外しました。2つのコロニーが混在すると、腹部を噛みちぎられる等の事象が度々見られたからでした。今は、コンクリート人工巣のクロオオアリのコロニーのS/N:B15006(2015年5月27日に新女王アリを採集)のみをアンテグラウンドⅠ型に繋げています。
そのB15006はかなり個体数が多くなり、コンクリート人工巣の中で、密集するようになりましたので、人工巣を拡張する必要を感じていました。そこで、様々に巣の拡張方法を考えたのですが、最終的にはアンテシェルフ型の人工巣にすることにしました。ただ、特別仕様としました。
底面を含めると17段からなり、1段の広さは 29.1cm×4.5cm=130.95㎠あります。高さは42.8cmあり、台座を含まない本体の横幅は30.7cm、奥行きは5.1cmあります。最下段に2箇所、最上段に1箇所出入り口用に穴があり、パイプが差し込まれています。この特別仕様のアンテシェルフには活動室は必要ではないため、最上段も他の段と同様の作りになっています。7月24日に完成しました。

17段2226カスタムメイドアンテシェルフ 8月21日撮影

この特別仕様のアンテシェルフを「17段2226カスタムメイドアンテシェルフ」と名付けることにします(2226とは17段の床面積の総和 単位㎠)。この17段2226カスタムメイドアンテシェルフは、アンテグラウンドⅠ型とコンクリート製人工巣の中間に繋いでいます。
カスタムメイドアンテシェルフを設置して1ヶ月程経ちますが、アリたちは下方の3段を利用しています。幼生虫は運び込んでなく、まだ、居住スペースとしては十分には利用されていないようです。

別のクロオオアリのコロニーになりますが、もう一つ人工巣を拡張しました。そのコロニーは、S/N:B120614-86(2012年6月14日に新女王アリを採集)で、真砂土を使った人工巣であるアンテネストで飼育し、後からアンテネストと繋げていました。このコロニーも、個体数が多くなり密集するようになっていましたので、人工巣を拡張する必要がありました。
カスタムメイドアンテシェルフとは、発想を変えて、そのアンテシェルフを作った3日後に百円shopで購入したケースを使って人工巣を作りました。Seriaで購入したもので、商品名は「Clear Case」です。ポリスチレン製でアクリルと比べれば、耐久性や硬度に問題がありそうですが、短時間で製作できそうです。「Clear Case」は重ね置きができるように設計されていて、大きさにバリエーションがあります。その中で最も底面積が広いケースを使うことにしました。そのケースも深さが2種類あり、内法の高さが14mmのものと37mmのものがあります。この2種を組み合わせて人工巣を作ります。

中央:百円shop購入のケースで作った人工巣 左:アンテシェルフ 8月21日撮影

最下段と上から2段目に深い方のケースを置き、その間に浅い方のケースを重ねます。最上段には浅いケースを重ね、蓋とします。ケース同士は、ただ重ねるだけで、貼り付けてはいません。こういった重ね方をすることで、後から中段に浅いケースを容易に追加することができます。中間の浅いケースと上方の深いケースの底には、長辺側の両端の中央に径9.2mmの穴を空けて、行き来できるようにします。最上段の浅いケースには、長辺側の両端の中央に空けた径9.2mmの穴の他に、中央に4cm間隔で4つの径9.2mmの穴を空けておきます。この4つの穴には、大気圧式給餌器を差し込みます。こうすることで、この上方の深いケースは給餌場になります(最上段の浅いケースの両端の2つの穴からは、シリコン栓を外して昆虫などを入れることができます)。最下層のケースには、他の人工巣と繋ぐための穴があり、アクリル製のパイプが差し込まれています。(そのパイプを穴に固定するために、アクリサンデー社のアクリル接着剤を使いましたが、ポリスチレンも溶解したらしく、アクリルと接着できました)
この百金のケースの人工巣にたくさんの働きアリがやって来ていますが、これまでに幼生虫は運び込まれていません。また、最下層のケースはごみ置き場になっていて、繭の殻などが置かれています。この百金ケース製の人工巣は、17段2226カスタムメイドアンテシェルフと同様、まだ、居住スペースとしては十分には利用されていないようです。

ミニアンテシェルフ(飼育器)を開発

アンテシェルフシリーズの小型人工巣を作りました。クロオオアリやムネアカオオアリ、トゲアリなどの大型のアリ用です。
巣内の床の総面積は、アンテシェルフが801平方センチメートル(約28.3cm平方の広さ)、リトルアンテシェルフが400.05平方センチメートル(約20cm平方の広さ)に対して、ミニアンテシェルフは174.15平方センチメートル(約13.2cm平方の広さ)です。
棚は3段あり、最上階は活動室と居室を兼ねます。

ミニアンテシェルフ

このミニアンテシェルフの特色の一つは、給餌器として大気圧式を採用していることです。蜜器と水器として使います。両者は同一仕様のものです。
当研究会製作の他の人工巣と繋げる端子はありませんので、拡張性はないのですが、創巣期から2〜3年は飼育できそうです。
詳しくは、こちらをご覧下さい。

2年目のアンテネストのその後の様子

今年の4月21日のブログ「2年目のアンテネスト」(2015年採集クロオオアリ)で紹介したコロニーのその後の様子です。

ND4_3016

もう片面

もう片面

まだ2年目ですから、それほど大きなコロニーではないのですが、巣穴(トンネル)をとてもたくさん掘っています。この様子から自然界では、2年目でもかなり長い巣穴が掘られているように思われます。

人工巣 大小アンテシェルフを開発

クロオオアリ、ムネアカオオアリ、トゲアリ等の大型のアリ用に製作していた「アンテシェルフ」の後継機種として、この度「アンテシェルフ(新型)」と「リトルアンテシェルフ」の大小2種の人工巣を開発致しました。

詳しくはこちらをご覧下さい。

2アンテシェルフ

水洗式のアリのマンション:「アンテメゾン」

新たに「アンテメゾン」を開発致しました。

アンテメゾン

アンテメゾン

写真ではアンテメゾンを9個重ねています。アンテメゾンには、1個あたり10部屋あります。このアンテメゾンの最大の特徴は、餌場を水洗式にしていることです。

詳しくは、こちらをご覧下さい。

新しいアリの飼育器を開発(オオアリ用)

土を使う飼育器「アンテネスト」を開発致しました。巣作り(巣穴)を観察することができます。
幅30mmの縦長の水槽に「真砂土」(山土)を入れます。「真砂土」は細目の篩(ふるい)にかけてあります。
水槽には、上方に活動室が付いていて、蓋を兼ねています。

アンテネスト

アンテネスト

詳しくは、こちらをご覧下さい。

新しい飼育器を開発しています

新しい飼育器の開発を始めています。
これまでは、コンクリート製であったり、アクリル製であったりして、土は入れませんでしたが、今度は、土を入れる飼育器を作ろうと考えています。この飼育器では、巣穴作りが観察できるのが、一番の特徴となります。
容器の幅は30mmにしています。土は「真砂土」を細目の篩にかけたものを使い、容器に少しずつ入れながら、木の板等で押さえて硬めにして重ねていきます。容器の蓋は、活動室をかねます。材質は、容器・活動室ともにアクリル(3mm厚)です。

全景

全景 上部は蓋を兼ねた活動室

巣作り中なので地上で待機している

まだ巣作り中なので地上で待機しています

巣作り中

巣作りが進行中です

この飼育器は、現在は試作・検証中ですが、近くご希望の方にお分けできるようにしたいと思っています。

新たなアリの人工巣

これまで開発してきたアリの人工巣を改良して、新たに人工巣を提供できるようになりました。9月1日から提供できるのは、大きくは3製品群で、次の3点になります。

1.システム飼育器シリーズ

basestation1
2.フォトフレーム型人工巣セット

interiariset
3.コンクリート製人工巣セット

maruconomote

1のシステム飼育器シリーズでは、ベースステーションの「アンテキューブⅡ」を改良しました。バージョンは3ではありますが、今回からはただ「アンテキューブ」のみの表記としました。また、新たに大型ユニットとして「アンテフィールド」を作りました。これは、縦も横もアンテキューブの2倍の大きさで、面積では4倍の広さとなります。更に、フォトフレーム型の人工巣やコンクリート製の人工巣と繋ぐことができるアダプター「アンテアダプター」も作りました。これより、科学的授業実践研究会が開発した全ての人工巣と繋げることができるようになりました。

2のフォトフレーム型人工巣セットでは、人工巣本体の石膏に着色することとしました。これまではつや消しのクリア塗料を吹き付けていましたが、アリの生活廃棄物の汚れを目立ちにくくするために、薄い茶系統の「サンド」色のアクリル樹脂で塗装しました。また、餌器のモートフィーダーの蓋の穴を増やしています。

3のコンクリート製人工巣セットでは、巣穴の数をこれまでの2つから4つに増やしました。また、標準の蓋を大きく改善しています。更に、「W拡張蓋」を別途開発しました。これは、蓋としての機能の他、生活スペースの拡張と他の人工巣ともつながるという2つの拡張性を持っています。

これらの人工巣の詳しい仕様などは、科学的授業実践研究会のアリ教材のページでご覧いただけます。