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アブラムシを飼う

一昨日の21日、アンテグラウンドから取り出した水耕栽培用のイチゴの苗の上に、アブラムシが付いているカラスノエンドウの枝を載せておきました。

3月21日撮影

23日、その様子を見ると、かなりのアブラムシがしおれたカラスノエンドウの枝から移動していました。期待していたのは、そのアブラムシが、イチゴの苗に移り付くことでしたが、そのようにはなりませんでした。
すぐ近くにアンテグラウンドの中で種から育ててきたカラスノエンドウを水耕栽培の鉢のまま置いていたのですが、アブラムシはそちらの方には移り付いていました。

アンテグラウンドの中で種から育ててきたカラスノエンドウに移動したアブラムシ

カラスノエンドウに付いていたアブラムシは、イチゴに付くアブラムシとは種が違うのかも知れません。そこで、路地植えをしているイチゴの葉の裏を見て、アブラムシが付いている葉を採り、その葉をイチゴの苗の上に置きました。

路地植えのイチゴの葉を水耕栽培のイチゴの苗の上に載せる 葉の裏にアブラムシが付いている

ちなみに、カラスノエンドウに付いているアブラムシと、イチゴに付いているアブラムシを実体顕微鏡を使って比較してみました。

カラスノエンドウのアブラムシ
イチゴのアブラムシ

さて、アンテグラウンドの中で種から育ててきたカラスノエンドウは、全体的に赤みを帯びていて、順調に育っているとは言えない状態でしたので、処分することにしました。代わりに、庭に生えているカラスノエンドウを根を付けて掘り出しました。両者の根を比較すると、明らかに違いがありました。

庭で育ったカラスノエンドウには根粒がある

水耕栽培の方は、とてもよく根が張っていますが、根粒はありません。水耕栽培では、そもそも鉢の中に根粒菌がいなかったのでしょう。また、水耕栽培では根が水に浸かっていることが多く、根が大気に触れにくいのでしょう。

庭に生えていたカラスノエンドウは、鉢に入れて水耕栽培にすることにしました。そのカラスノエンドウの葉の上に、アブラムシが付いているカラスノエンドウの枝を載せました。

庭に生えていたカラスノエンドウの上に、アブラムシが付いているカラスノエンドウの枝2本を載せている

イチゴとカラスノエンドウにアブラムシを付けるこれら2つの試みが、成功すればよいのですが……。

大きく開いた巣口

3月20日のブログ「クロオオアリの啓蟄」で取り上げたF巣を見ると、巣口が大きく開けられていました。周りには、掘り出した土が置かれていました。

はっきりと分かる巣口 11時24分撮影

特筆すべきは、F巣に関しては、かつてこれほど大きく巣口が開いたことはなかったと言うことです。
そもそも、このクロオオアリのコロニーは、シリアル番号がNESTCON02005で、2013年の6月17日に採集した新女王アリのコロニーです。2016年の4月12日に庭に「移植」しました(詳しくはこちら)。コロニーの創設から間もなく6年になります。
穴の中を覗いて見ると、

クロオオアリの頭部が見える

頭部を外に向けてじっとしているクロオオアリがいました。
ところで、その巣口から少し離れた場所にも穴がありました。やはり、穴の周りには掘り出された土が置かれていました。

左端中央より少し右に小さな穴がある
もう一つの穴(拡大)

このもう一つの小さな穴も、同じクロオオアリのコロニーの巣穴だとは思うのですが、辺りにクロオオアリの姿はなく、確かめられませんでした。

クロオオアリが活動を始める

昨日のブログ「クロオオアリの啓蟄」で、クロオオアリが巣口を開いたことに触れたばかりですが、今日はクロオオアリの姿を見ることができました。昨年(3月25日)より4日早く、一昨年(26日)より5日早い「啓蟄」確認の日となりました。ちなみに、今日の最高気温は、岡山気象台の発表で23.3℃でした。
午後1時過ぎ、クリの木の枝に1匹のクロオオアリを見つけました。少ししてもう一度クリの木を見ると、クリオオアブラムシがいる枝にクロオオアリが1匹来ていました。

13時26分撮影

それから15分ほどしてから同じ箇所を見ると、2匹になっていました。

13時41分撮影

このアリは、B巣のアリであろうと考えました。案の定、昨年来、B巣のアリが、このクリの木との間を往復する際に道にしていた箇所を見ると、そこにもクロオオアリがいました。
巣口を確かめようと、帰路についているクロオオアリの後を追ってみると、昨年とも、一昨年とも違う場所に巣口があることが分かりました。

巣口はコンクリートブロックのすぐ手前の方にあるらしい 芝を刈っていない状態

巣口が見えるようにするために、部分的に芝を刈りましたが、今日のところは巣口を特定することはできませんでした。

2時46分ごろ、上述の箇所のクリの枝を見ていると、やはりクロオオアリが2匹いたのですが、様子が違っていました。

喧嘩をしているクロオオアリ 14時46分撮影

既述の2匹のアリ(写真上から2枚目)は、栄養交換をしていて同じ巣の仲間であることが分かります。けれども今度の2匹は喧嘩をしているのです。別の巣から来たことになります。昨年のブログ「クリの木に他のコロニーから来訪」で触れているように、C巣からもこのクリの木に来ていることが分かっていましたので、そのC巣の周りを調べてみました。しかし、クロオオアリの姿は全くありませんでした。そこで、B巣以外にも、近くにクロオオアリのコロニーがあるのではないかと言うことになります。もし、そうならば、これは数年越しの大発見になります。今日のところは、帰路を追うことはしませんでしたが、今後機会があれば、帰路を追って巣のありかを確かめたいと思います。

ところで、クリの木はもう1本あって、その木にもクリオオアブラムシが付いています。この木のアブラムシは、以前から小さなアリと共生しています。

クリオオアブラムシの幼虫とほとんど大きさが変わらない小さなアリと共生

ところが、この木の枝でクロオオアリを1匹見つけました。これはこのクリの木では初めてのことです。

たった1匹だったが、クロオオアリがいた

ちなみに、このクロオオアリがどこから来たのかは調べませんでした。この木に来るクロオオアリについても、今後機会があれば、帰路を追って巣のありかを確かめたいと思います。

地上で見たこの冬最後のクロオオアリ

12月も下旬に入り、もうすっかり冬になっていましたが、クリの木にはクリオオアブラムシの甘露を求めて、クロオオアリがやって来ていました。庭の西洋ミツバチもまだ活動していました。

12月22日13時6分撮影

では、クロオオアリはいつまで地上に出てくるのでしょうか。コロニーの規模や餌が得られる環境により、その時期はコロニーにより異なると考えられますが、ここでは、庭に棲息しているクロオオアリのコロニーの中で一番規模が大きく、クリの木にやってきているクロオオアリのコロニーで観察しました。
観察は、年を越して続けましたが、その結果、12月24日を最後にクロオオアリはクリの木にやってこなくなりました。

クリの木で最後に見た日のクロオオアリ 12月24日15時35分撮影

このコロニーのクロオオアリは、クリの木以外には出かけていないと考えられますので、この冬は12月24日が、クロオオアリが地上に出てきた最後の日であったと思われます。
ちなみに、クリオオアブラムシは年を越えてもまだクリの木の上方の枝に、僅かになりましたが棲息していました。そこで、アブラムシがいなくなったので、クロオオアリがクリの木に訪れなくなったわけではないことが分かります。

2019年1月8日13時30分撮影 クリの木の枝には、僅かだがまだクリオオアブラムシがいた

クリオオアブラムシと謎の生き物

クリの木のアブラムシは、クリオオアブラムシのようです。このアブラムシは、クリの他はコナラ属(ミズナラ カシワ コナラなど)を宿主としています。今年は、クロオオアリの餌場を確保するために、このクリオオアブラムシを駆除しませんでしたが、他の果樹に広がらなかったのは、宿主の対象ではなかったためでした。来年も駆除しないでよさそうです。
今朝は、今シーズンで最も気温が下がり、庭の気象計では早朝は2〜3℃でした。天候は薄曇り主体の日でした。こんな日には、クロオオアリはどうしているのでしょうか。
午前8時半過ぎに、例のクリの木のクリオオアブラムシの様子を見に行きました。クリオオアブラムシの個体数が減っているようです。クロオオアリは来ていませんでした。

クリオオアブラムシの個体数が減っている クロオオアリの姿はなかった 8時41分撮影

再び夕刻前に見てみると、今度はクロオオアリの姿がありました。

クロオオアリが2匹来ていた 15時49分撮影

下方の幹にも帰路についているクロオオアリが1匹いましたが、寒さのためか体が動かしにくいようで、とてもゆっくりと歩いていました。

帰路のクロオオアリ 寒さの中ゆっくりと歩いていた 15時51分撮影

気温は7℃程 15時57分撮影

11月28日のブログ「クリの木に他のコロニーから来訪」で上述の箇所とは別のクリオオアブラムシの2箇所の群塊を紹介していますが、それらの群塊は既になくなっていました。それでは、上述の個所も含めて、クリオオアブラムシはどこへ行ったのでしょうか。
地上から近い幹を見ると、黒いものが見えました。

写真上方に黒いものが見える

クリオオアブラムシが寄り添っている

アブラムシは卵で越冬するとのことですから、茶色を帯びた小さな粒がクリオオアブラムシの卵なのでしょう。
隣のクリの木にもクリオオアブラムシがいて、そちらにはクロオオアリは行っていませんが、そのクリの木の様子を見てみると、こちらも地上から近い幹に、とてもたくさんのクリオオアブラムシが集まっていました。

幹が異様に黒くなって見える

ここにも茶色を帯びたクリオオアブラムシの卵がたくさんあった

ところがよくよく見ると、幼虫のような生き物が所々に混じっていました。

この写真には幼虫のような生き物が2匹写っている

いったいこれは何の生き物なのでしょうか。ひょっとするとクリオオアブラムシを食べるある種のテントウムシの幼虫なのかも知れません。ただ、テントウムシは成虫で冬越しをするので、この時期にまだ幼虫なのは不自然ですが、成虫になり損なった遅育ちの個体なのかも知れません。もしテントウムシの幼虫なら、かなり目立つ肢が6本あるはずです。そこで、採集して実体顕微鏡で見ることにしました。

背面 左側が頭部

腹面 左側が頭部

テントウムシの幼虫の特徴である目立った肢は見つかりませんでした。それどころか、肢そのものがないようにも見えます。樹の幹や枝を移動する必要があるはずなのに、なぜ肢のようなものがないのでしょうか。ひょっとするとこの生き物は、ナメクジの仲間なのかも知れません。当初幼虫のように見えたこの生き物が、個体によって大きさが違っていたのですが、もしナメクジの仲間だとすれば、説明がよりうまく出来そうです。
それにしても、この生き物は、クリオオアブラムシとどのように繋がりがあるのでしょうか。寄生なのか共生なのか、それともただ一緒にいるだけなのか謎です。

餌場と巣の途中のアリの道

これまでの「『ありの行列』を考えるシリーズ」で、明らかになってはいますが、クロオオアリの場合、餌場と巣の間の往復の道が同じ個体でも、個体間でも異なっていました。今回は、アリの道の途中の1箇所に注目して、歩く道筋が個体間でどのように異なっているかを観察します。
観察の対象とするのはB巣のクロオオアリです。この間のブログでも触れているように、このクロオオアリたちは、クリの木のアブラムシの甘露を得るために巣とクリの木の間を行き来しています。その途中の道の大部分は、散水ホースを道にしていますので、その間は個体間でも共通した道になってはいますが、巣は散水ホースから少し離れた芝の中にありますから、途中でホースの道からおりることになります。今回は、クロオオアリがホースの道からおりる箇所で観察します。

1回目は、11月28日の10時21分から20分間観察し、2回目は翌29日の10時5分から20分間観察しました。以下2つの動画は、画面にクロオオアリが写っている時間のみを取り出して編集したものです。

11月28日10時21分から20分間の記録を、画面にクロオオアリが写っている時間のみを取り出して編集したもの 6分4秒間の動画

11月29日10時5分から20分間の記録を、画面にクロオオアリが写っている時間のみを取り出して編集したもの 4分11秒間の動画

以下は、1回目の6分4秒間の記録を事象ごとに表にまとめたものです。動画を再生する際にインデックスとして参照して下さい。

事象番号 動画開始からの分秒 往路 復路 C巣の往路 C巣の往路
1 0分01秒
2 0分19秒
3 0分24秒
4 0分33秒
5 0分49秒 ✓腹部非満
6 1分02秒
7 1分20秒
8 1分31秒
9 1分33秒
10 1分37秒 ✓← ←✓腹部非満
11 1分38秒 ✓道しるべ
12 1分53秒
13 2分25秒
14 2分43秒
15 3分20秒
16 3分37秒
17 3分46秒
18 3分59秒
19 4分07秒
20 4分18秒
21 4分37秒
22 4分44秒
23 5分08秒
24 5分23秒
25 5分28秒
26 5分31秒
27 5分39秒
総数 14 10 1 3

※腹部非満とは、腹部に蜜を溜めていないように見えることです。
※事象番号10は、復路として現れ、引き返したように観察されました。
※事象番号11は、往路を道しるべを付けながら歩いていました。ただ、後を追う個体は観察されませんでした。ちなみに道しるべを付けながら歩いていたクロオオアリは、往路復路共にこの1匹のみでした。

以下は、同じく2回目の4分11秒間の記録を事象ごとに表にまとめたものです。この日はC巣のクロオオアリは現れませんでした。

事象番号 動画開始からの分秒 往路 復路
1 0分00秒
2 0分11秒
3 0分24秒
4 0分40秒
5 0分56秒
6 1分15秒
7 1分33秒
8 2分02秒
9 2分22秒
10 2分23秒
11 2分41秒
12 3分02秒
13 3分16秒
14 3分28秒
15 3分49秒
総数 7 8

以上の2回に渡る観察から、クロオオアリは、往路復路共に個体ごとに通過する道筋が異なることが分かります。このことから、道しるべホルモンによる共通の道はないことが分かります(散水ホースの部分は共通の道になってはいますが、それは「高速道路」として利用しているからでしょう)。更に、道しるべホルモンそのものが使われていないと考えることもできます。クロオオアリは、道しるべホルモンに依存しなくても、また道筋そのものを覚えなくても、生活空間内であれば、目的地まで移動できる能力(何らかの外部要因に依拠)を持っているのかも知れません。

クリの木に他のコロニーから来訪

クリの木へアブラムシ目当てにB巣からクロオオアリがやって来ていたことは分かっていましたが、C巣からもクロオオアリがやって来ていました。C巣からクリの木までは、かなりの距離があります。

お目当てのクリの木 西方向で撮影

上の写真を撮影した地点から東方向を撮影 フェンス下には散水ホースが伸びている

更に東方向を撮影 散水ホースを丸めている箇所より更に奥(東)の方へとアリの道は続く

写真中央辺りのフェンスの下からほぼ直角に手前へとアリの道が続く 手前中央踏み石のすぐ向こうにC巣の巣穴がある

この間のアリの道のりは、計測すると23mありました。直線距離では16.8mです。かつて観察したアリの道「クロオオアリの行動範囲とアリの『高速道路』」程ではありませんが、歩くしかない小さな昆虫にとっては、やはりかなりの距離です。直線距離の方がもちろん近いのですが、その間は芝が生えています。ですから、ここでも「高速道路」を利用していました。「クロオオアリの行動範囲とアリの『高速道路』」では、クロオオアリたちはコンクリートブロックを高速道路として利用していましたが、今回はコンクリートブロックの上に載せている散水ホースを高速道路として利用していました。

ところで、同じクリの木で、2つのコロニーがアブラムシの甘露を集めている場合、同じ箇所のアブラムシの群塊を利用しているのでしょうか。ふと、そんなことが気になり、クリの木を観察していると、これまでとは違う箇所でもアブラムシの群塊を見つけました。

そこで、C巣から出てきた往路のクロオオアリの後を追ったり、アブラムシの群塊から帰路につくクロオオアリを追ったりしていましたが、途中で追跡できなくなったりしている内に、小雨が降ってきました。結局、この疑問には答えられないまま観察を打ち切りました。

1時間の巣の出入り クロオオアリ

11月28日、クロオオアリの活動の様子を巣の出入りで調べました。対象としたクロオオアリの巣は、庭の中では最もコロニーの規模が大きいB巣です。この日は、曇で気温は観察中の時間帯で14℃前後でした。観察を開始したのは午前9時34分でその時刻から1時間の記録です。

赤丸は巣穴 空色の丸は帰路のアリ 桃色の丸は往路のアリ

巣から出て行った数 36匹
巣に戻ってきた数  27匹
ただし、上記の匹数の中には、巣から出て間もなく巣に戻った4匹が含まれています。巣に戻ってきたクロオオアリの腹部は、多くの場合(巣から出て間もなく巣に戻った4匹以外に、明らかに3匹を除いて)膨れていました。蜜を吸って帰ってきたと考えられ、別の観察から、その蜜源は、11月21日のブログ「まだ活動している庭のクロオオアリ」で触れているクリの木のアブラムシが出す甘露であることがわかっています。
ところで、昆虫などのタンパク源は運び込まれませんでした。この時期になると、もうほとんど昆虫の姿は見なくなっていますので、それは当然のことのように思えます。今回の観察は、僅かに1時間でしたのでそれだけで断言はできませんが、この時期、クロオオアリのコロニーが必要としている養分は主に糖分のようです。

※アブラムシの甘露成分について
引用 日本生態学会誌 57:324 – 333(2007)アリ-アブラムシ共生系における今後の展望:内部共生細菌や天敵群集を含めた複合共生系とアブラムシの適応との相互作用 片山 昇(京都大学生態学研究センター)
甘露成分(326ページ)
アブラムシがアリへ提供する甘露の主要な成分は糖と アミノ酸で、その量や成分はアブラムシや寄生する植物 の種類によって異なる。アブラムシが餌として利用する 植物の師管液の主要な成分はショ糖などの糖類で、ア ミノ酸ではアスパラギンとグルタミンが多い(Ziegler 1975;Sasaki et al. 1990;Douglas 2006)。アブラムシは、 師管液中の必要なものを吸収したあと、残りを甘露とし て排泄する。たとえば、師管液中の全アミノ酸濃度は、 約 60 – 200 mM であるが、甘露中のアミノ酸濃度は、師管 液の 30%程度にまで低下する(Douglas 1992;Sasaki and Ishikawa 1995;Liadouze et al. 1996;Febvay et al. 1999; Lohaus and Moeller 2000;Sandström and Moran 2001; Bernays and Klein 2002;Fischer et al. 2002;Wilkinson and Douglas 2003;Hunt et al. 2006)。

クロオオアリの越冬と幼虫

今年の2月4日にも、クロオオアリの冬越しの様子(「種々のアリの幼虫の冬越し」)に触れましたが、今年も初冬を迎えてクロオオアリの冬越しが始まっています。
特別仕様の人工巣2つ」で紹介したS/N:B120614-86には、6日前にパイプ一杯の蜜を与えましたが、まだかなりの蜜が残っています。

夏場なら1〜2日でパイプ一杯の蜜がなくなる

下の写真は、そのS/N:B120614-86の幼生虫の様子です。

S/N:B120614-86 卵や繭はなく、同じ大きさの小さな幼虫がたくさん見られる

たくさんの幼虫が塊状になっていて、皆同じ大きさの小さな幼虫です。卵や繭はありません。
同じく「特別仕様の人工巣2つ」で紹介したS/N:B15006の方も、卵や繭はなく、同じ大きさの小さな幼虫がたくさん見られます。

S/N:B15006 同じく卵や繭はなく、同じ大きさの小さな幼虫がたくさん見られる

冬にクロオオアリの巣を掘ったことはありませんので、断言はできないのですが、おそらく自然界のクロオオアリのコロニーでも、上記と同じく成虫と小さな幼虫のみで冬越しをしているのでしょう。
これらの小さな幼虫は、数ヶ月の間、成長しないままで冬越しをするのですが、それなら、女王アリは産卵を早めに終えて成虫まで育て上げてから、翌年の春に産卵を再開するという選択肢もありそうなのですが……。

まだ活動している庭のクロオオアリ

今年の6月5日のブログ「アンテグラウンドⅠ型」で紹介している飼育器の中のクロオオアリは、このところ、ほとんどフィールドには出てこなくなりました。

アンテグラウンドⅠ型の様子 撮影した13時32分時点では、このフィールドには、働きアリは1匹も出て来ていなかった 11月21日撮影

気温の方は、今朝は、今年の夏以降の最低の3℃(自宅の屋外気象計による)になり、いよいよ冬が間近になってきました。それでも、庭のミツバチはまだ活動していました。

巣箱を出入りしている 11月21日11時2分撮影

もうすっかり昆虫の姿を見る機会が少なくなりましたが、カマキリムシだけは、まだ庭で姿を見ます。

11月21日11時2分撮影

11月21日11時7分撮影

ところで、庭のクロオオアリは今日も地上で活動しているのでしょうか。様子を見に行くと、これまでも通路になっていた場所にクロオオアリがいました。それは、クリの木の幹に通じる道で、クリの木の上方をよくよく見ると、アブラムシが群がっている枝があり、そこにクロオオアリがいました。

11時1分撮影

アブラムシのすぐ横の枝にいたり、甘露で濡れた葉を舐めていたりしました。このアブラムシは、かなり大きな体の種で、クリの木に毎年発生しています。クリの木には目立った害はないようなので、今年からは駆除しないでいました。庭の果樹の中では唯一アブラムシを保護していて、クロオオアリをはじめ他の種のアリたちの餌場になっています。