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移植後のBK17207の生存を確認

今年になって庭に移植したクロオオアリのコロニーの中で、また新たに生存しているコロニーを見つけました。東南フェンスに4月1日に移植したBK17207です。このコロニーは移植時は働きアリが10匹いました。

庭に設置している蜜器に蜜を配っていたところ、偶然にもある蜜器の中にクロオオアリがいました。そのクロオオアリは小柄でしたので、おそらく今年移植したコロニーの働きアリだろうと思いました。そこで、蜜を吸った後、帰路を追ってみると、案の定、今年移植した場所にある小さな穴の中に入っていきました。

同じクロオオアリが2回目に訪れているところ 帰路につく直前 16時36分撮影

再び巣に戻ったところ 巣穴に入る瞬間 16時37分撮影

新女王アリの移植

今年になって既に58コロニーの「移植」を行ってきました。これらのコロニーは、働きアリがいる飼育中のコロニーでした。この度の蒜山高原行きの採集旅行では、目標を超えてクロオオアリの女王アリが採集できましたので、採集した翌日の16日の朝、この新女王アリを移植することにしました。
この採集したばかりのクロオオアリの新女王アリの移植は、昨年も行っています(「移植」を試みる)。その結果について、昨年の7月20日のブログで触れていますが、その時点では、移植した10匹のクロオオアリの女王アリの内、2箇所で働きアリが巣穴を出入りするのを確認していました。しかし、今年の春以降、巣穴があった場所で、巣穴らしい穴が見つからず、働きアリの姿もないことから、この2つのコロニーは、越冬中に死滅したものと考えられます。
今年は、昨年よりもずっと多い37匹の新女王アリを移植しました。その内20匹は、女王アリが地面を自由に歩き回らないように、プラスチックケースの中に閉じ込め、巣穴を掘る場所を限定します。

東フェンス外に移植した11箇所 プラスチックケースを被せ、女王アリが巣穴を掘る場所を限定している

西斜面下方に移植した9箇所

東フェンス外に移植してからおよそ1時間後には、穴を掘り始めた女王アリがいました。

穴を掘り始めている 9時9分撮影

更に1時間後、別の複数の女王アリも巣穴を掘り始めていました。

巣穴を掘り始めた別の女王アリ 10時9分撮影

37匹の内残りの17匹は、ケースに入れることなくそのまま庭に放ちました。

庭に放したクロオオアリの女王アリ 自由に移動できる 10時44分撮影

17匹の内、10匹は東斜面に、7匹は西斜面に放ちました。それらの女王アリがどこに行ったかは追跡していませんが、その内の1匹だけは、偶然居場所を見つけました。

既存の穴に入っている 10時53分撮影

既存の穴を見つけたようで、その穴の中にいました。クロオオアリの女王アリにとっては、その穴の入り口は少し大きめのようでした。深さはあまりないようで、しばらくすると穴の底の土を顎でくわえて運び出し始めました。……無事に巣作りができればよいのですが。

移植のクロオオアリを発見

今年移植したクロオオアリが生き延びているか心配していましたが、今日、その働きアリを見つけました。
今年移植したクロオオアリのコロニーの働きアリは、昨年生まれた1世代目で、体が小さいのです。そのため、従来から庭にいるクロオオアリの働きアリとは、見て区別がつきます。
その体が小さいクロオオアリが、網の目状のフェンスの鉄線を伝って歩いていました。急いで蜜を持ってきて、フェンス沿いのキウイフルーツまでたどり着いていたこのアリの近くに蜜を垂らしました。

蜜を吸うクロオオアリ 16時36分撮影

やがて、このアリは帰路につきましたが、歩ける道が網目状の鉄線であったため、歩く方向が自由が利かず、とても迷っていました。随分と時間をかけて、フェンスの下のセメントブロックにたどり着きますが、それからも迷っていました。結局、セメントブロックの向こう側へ行き、フェンスのこちら側からは見えなくなり、見失ってしまいました。この働きアリの移住先を特定することはできませんでした。
それから少しして、今年移植したと思われる小さめの働きアリを見つけました。腹部が膨らんでいなかったのと、見失ってあまり時間が経っていなかったので、おそらく先程の働きアリではないでしょう。今度は、フェンス下の鉄製の枠の上を歩いていました。

次に見つけた移植後のクロオオアリ 蜜を吸っている 17時13分撮影

このアリの帰路を追ってみました。この鉄製のフェンスから地面に下りるには、特定の場所を通らなくてはなりません。

フェンスは1.8mごとに一箇所の、鉄の柱でコンクリートブロックに繋がっている

上の写真のように、フェンスとコンクリートブロックは鉄の柱で繋がっていますが、柱の間隔は1.8mもあります。目が見えないアリにとっては難所です。案の定、同じ場所を行ったり来たりしていました。けれども、しばらくしてこの難所を伝ってコンクリートブロックまで下りてくると、今度は迷うことなく歩き、巣へと戻っていきました。その巣は、3月28日に移植したBK17014(その時点で13匹の働きアリ)でした。

右寄り中央少し下の黒く写っている箇所に巣口があった

しばらくして、働きアリが1匹だけで巣から出てきました。これまでの経験から、小さなコロニーの場合は、おそらく先程のアリであっても、仲間を連れて出てこないのです。このアリは、先ほど蜜を見つけた方向へと道しるべも付けずに早走りしましたが、巣の近くの例の難所を通らず、コンクリートブロックの上を主に走っていました。これでは、方角は正しいのですが、蜜のあるフェンスの枠には到達しません。間もなく、そのアリは、移植した巣のある場所に置いていた御影石の板の上に上がりました。そこで、そこに蜜を垂らしました。

御影石の板の上で蜜を飲むクロオオアリ 17時23分撮影

腹部が一杯になると帰り始めましたが、今度は、コンクリートブロックに沿って這わしている散水ホースの上を主に使って走り、とても早く巣へと戻っていきました。

巣口を確かめているところ 人間には巣口はとても分かりづらく、そこに穴があるようには思えないほど 17時24分撮影

ところが意外に思えたのは、とても早足で戻ってきたのに、巣口を確かめた後もすぐには巣の中に入らず、巣口の極く周辺を歩き回っていたことです。この行動は、3回目に蜜を吸って戻ってきた時も見られました。巣がある場所をよりはっきりと覚える行動なのかも知れません。

 

移植の試み 再度

4月4日のブログで「移植」を試みたことを書きましたが、その後の様子を見ると、移植がうまくいっていないように感じています。そこで、再度移植を試みることにしました。移植には、クロオオアリの次の10コロニーを使います。
BK17098 18(働きアリの数)
BK17111 17
BK17057 16
BK17003 14
BK17047 13
BK17079 13
BK17011 11
BK17027 10
BK17028 10
BK17006   9
これらの飼育には、前回移植を行ったクロオオアリの飼育容器とは異なり、大きめの惣菜容器を使っていました。そこで、惣菜容器の上から水槽を被せる方法を採りました。使用していない水槽は3個でしたので、この日は、上記上から3コロニーを移植しました。

移植した場所は、前回の移植場所と同じ西南フェンス下です。ただ、移植箇所は、前回移植した箇所の間としました。直射日光を避けるため、御影石を立て掛けています。

2018 移植の試み

今年も「移植」を試みることにしました。昨年採集したクロオオアリの女王アリのコロニーを使います。「新しいスタイルの簡易な飼育器」で紹介した飼育器で飼育していたコロニーです。
移植する場所ですが、これまでは観察しやすい平地にしていました。ところが、今では、平地に限らず斜面も庭の整備が進み、ほぼ全ての地面が芝で覆われています。つまり、蜜源になる雑草が無くなってきたのです。そこに77品種83本の果樹を植えています。雑草に替わって蜜源にはなるはずなのですが、果樹には殺虫剤を使います。

庭の様子

庭の整備が進むことで、アリが生活するには厳しい環境になってきました。
そこで、今年は、南側と東側のフェンスに沿って移植することにしました。どちら側にもフェンスの外に林があり、自然が残っています。

南側の様子

フェンスに沿って飼育器を置き、蓋を外して一回り大きなプラスチック製の容器を被せます。そして、地面と容器の間にすき間がなくなるように容器の周辺に土を寄せます。

飼育器の蓋を取り、一回り大きなプラスティック容器を被せ、すき間をなくすように土を寄せる 11時16分撮影

それから、日よけになるように石の板を載せました。

石の板を載せたところ

3月28日は、4コロニーを移植しました。
翌日には、地面に穴を掘っているコロニーもありました。

BK17026の場合 飼育器からはいなくなっていた 12時40分撮影

BK17026の場合 飼育器を取ってみると、巣穴があった 13時49分撮影

移植の詳細は次のようです。( )は働きアリの数
庭の敷地図参照

3月28日 4コロニー
BK17014(13) 西南フェンス(以下東から順に)
BK17018(16) 西南フェンス
BK17026(14) 西南フェンス
BK17031(12) 西南フェンス

3月29日 6コロニー
BK17033(12) 西南フェンス
BK17034(14) 西南フェンス
BK17068(12) 西南フェンス
BK17077(14) 西南フェンス
BK17152(14) 西南フェンス
BK17179(16) 西南フェンス

3月31日 6コロニー
BK17005(10) 西南フェンス
BK17036(10) 西南フェンス
BK17038(8) 西南フェンス
BK17045(9) 西南フェンス
BK17053(9) 西南フェンス
BK17100(9) 西南フェンス

4月01日 4コロニー
BK17148(9) 東南フェンス(以下西から順に)
BK17149(9) 東南フェンス
BK17151(7) 東南フェンス
BK17207(10) 東南フェンス

4月02日 8コロニー
BK17002(10) 東南フェンス
BK17009(10) 東南フェンス
BK17020(11) 東南フェンス
BK17035(9以上) 東南フェンス
BK17059(9) 北フェンス(以下東から順に)
BK17099(9) 北フェンス
BK17139(9) 北フェンス
BK17141(9) 北フェンス

4月03日 18コロニー
BK17001(10以上)
BK17058(8) 北フェンス
BK17072(土の中にいて数えられず) 北フェンス
BK17076(土の中にいて数えられず) 北フェンス
BK17087(10以上) 北フェンス
BK17187(8) 北フェンス
BK17043(7) 北フェンス北(以下西から順に)
BK17089(6) 北フェンス北
BK17103(7) 北フェンス北
BK17136(6) 北フェンス北
BK17142(6) 北フェンス北
BK17143(6) 北フェンス北
BK17157(6) 東南フェンス南(以下西から順に)
BK17158(6) 東南フェンス南
BK17160(6) 東南フェンス南
BK17169(7) 東南フェンス南
BK17183(6) 東南フェンス南
BK17206(6) 東南フェンス南

以上46コロニー

ところで、2日間に渡って妙なことが起こりました。

名札が引き抜かれている 4月4日撮影

上の写真は4月4日の様子ですが、前日にも同じことがあり、移植した巣のいくつかには、掘られたような跡がありました。

掘られた跡 4月3日撮影

その「犯人」は、どうやら鳥のようです。今朝、庭に出てみると、1羽の鳥が逃げていきました。

小型の鳥 7時25分撮影

昨年の5月12日のブログ「何者かに襲われたクロオオアリの巣」を思い起こしました。

2年越しの「移植」組

移植」については、今年も行っていますが、これとは別に、先日の3月25日に、花壇の片隅で、ある変容を目にしました。

土の粒があり、穴が掘られているようだ 3月25日撮影

これは、アリが巣を拡張して運び出した土の粒のようです。白いものはここに移植したクロオオアリのコロニーのシリアルナンバーを書いた名札です。このコロニーは、NESTCON02005 (2013/06/17採集)で、2016年の4月12日に移植しました。詳しくは、「蟻を庭に放つ その1」をご覧下さい。その後、この花壇内には2つのクロオオアリのコロニーが棲息していました(「庭にクロオオアリが定住」2016年10月8日、「『移植』組が出てきた」2017年4月2日)。今年は、3年目の春を迎えたことになります。
ただ、この巣の主の姿が見つけられませんでした。巣口を絶えず出入りしていないところから、クロヤマアリの巣ではないようには思いましたが、クロオオアリの巣だとは断定できませんでした。
それから、機会ある毎に、この巣を見ていましたが、巣口から出入りするアリの姿を見ることはありませんでした。ただ、それからも巣穴から土の粒を運び出していたようで、粒の数が増えていました。

巣の主は見えないが、土の粒が増えている 3月29日撮影

こうして、この巣の主が断定できないまま9日が経って、4月3日、巣口から70cm程離れた場所に設置している蜜器に1匹のクロオオアリがいました。

大きい方がクロオオアリ、小さいのはクロヤマアリ 3月25日に蜜を入れていた 10時4分撮影

この蜜器には、3月25日に蜜を入れておきましたが、この間クロオオアリの姿はなく、この日初めて姿を見ました。蜜は既に水分が蒸発して固形化していましたので、容器の片隅に、その上から蜜を加えました。
このクロオオアリが、例の巣口に戻っていけば、NESTCON02005の巣であることがわかります。案の定、例の巣穴へと入っていきました。

この後、巣穴に入っていった 10時6分撮影

その1分後には、別のクロオオアリが蜜器にいました。

先程のクロオオアリとは別のクロオオアリ 10時7分撮影

このクロオオアリも、NESTCON02005の巣へとはいっていきました。
更にその1分後、今度は花壇に植えてあるキイチゴの葉の上にもクロオオアリがいました。

巣のすぐ近くのキイチゴの葉の上のクロオオアリ 周辺に別のコロニーがないため、このクロオオアリもNESTCON02005の一員だと考えられる 10時8分撮影

既に複数のクロオオアリが、巣の周辺に出ていたようです。
蜜を見つけたクロオオアリが仲間を連れて蜜器へと向かうところを観察しようと思いましたが、複数のクロオオアリがいずれも単独行動を取っていました。巣から出て蜜器へと向かう際に、後をつけて歩く仲間はいませんでしたし、道しるべを付けてはいませんでした。これまでの経験から言うと、蜜を見つけた際に、こうした単独行動を取るクロオオアリのコロニーは、小さい規模でした。NESTCON02005のコロニーも、小さいのかも知れません。