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「日本アリ類同好会」への誘い

「日本アリ類同好会」は、LINEを使ったアリの飼育・観察・研究の交流グループです。2019年12月14日から運用しています。
「日本蟻類研究会」は既に存在していて、私も会員になっていますが、「日本アリ類同好会」という名称の団体はネット上で検索する限りはないようです。「日本蟻類研究会」は、大学関係者の方も多く、研究内容はとても深いのですが、「日本アリ類同好会」では、アリが好きな者同士が「友だち」になって、主に飼育方法や生態観察や採集情報などで、気軽に交流ができればと思います。ご賛同いただけるようでしたら、グループにご参加下さればと思います。
まだ、LINEをお使いになっていない方も、スマホやダブレットだけでなくPC版もございますので、導入をご検討下さい。LINEの導入の仕方については、ネット上でお調べ下さい(例えば https://line.macdrivelove.com/entry3.html 等)。
ご連絡いただければ、QRコードをお伝え致します。連絡先は info@kajitsuken.net です。
では、皆様のご参加を心よりお待ちしています。

BH210523-23へ再度寄生の試み T20220910-44

9月13日、クロオオアリのコロニーBH210523-23の中へ、トゲアリの女王アリT20220910-66を寄生させるために入れたのですが、T20220910-66は、9月16日に死亡しました。
そこで、9月19日、同じクロオオアリのコロニーBH210523-23の中へ、トゲアリの女王アリT20220910-44(9月10日採集)を入れることにしました。
トゲアリの女王アリを飼育しているクリアカップの中にクロオオアリの働きアリを1匹入れると、化粧行為を始めました。その後、T20220910-44はBH210523-23の中へ入って行きました。クロオオアリの働きアリから攻撃を受けながらも、T20220910-44はクロオオアリの女王アリに接近し、互いに攻撃し合いながらも、T20220910-44が腹面からクロオオアリの女王アリに取り付くようになりました。ただ、クロオオアリの女王アリの頸を咬んではいませんでした。

T20220910-44はクリアカップの中で化粧行為を始めた 9月19日20時21分撮影
クロオオアリの働きアリから攻撃を受ける 20時53分撮影
2匹の女王アリ同士が攻撃し合う 21時13分撮影
クロオオアリの腹面に咬みついたトゲアリの女王アリ 21時13分撮影

翌日9月20日、T20220910-44がクロオオアリの女王アリの頸を腹面から咬みついていました。

T20220910-44がクロオオアリの女王アリの頸を腹面から咬みついている 9月20日6時24分撮影

2022年トゲアリの直短寄生の試み 2 T20220910-15

直短的社会寄生の2例目を試みました。寄主を飼育中のトゲアリのコロニーS/N:T140906-40(新女王アリを2014年の9月6日に採集)とし、トゲアリの新女王アリT20220910-15(9月10日採集)を寄生(合同)させます。
カップ型コンクリート人工巣にトゲアリの女王アリを入れ、次にトゲアリの働きアリを1匹入れました。直ぐに戦いが始まりました。直短的社会寄生の1例目では、働きアリの方から攻撃を始めたように見えましたが、今回は女王アリの方から働きアリに取りついたようです。

9月19日20時38分撮影
20時38分撮影

この後、両者が離れると、2匹とも体をコンクリート面に擦り付けるような行動が見られ、争いが起こらなくなりました。

体をコンクリート面に擦り付けながら歩く働きアリ 20時39分撮影
体をコンクリート面に擦り付けながら歩く女王アリ 20時39分撮影
「和解」したかのように「くつろぐ」女王アリと働きアリ 20時42分撮影

T140906-40の働きアリを更に9匹加えました。時々化粧行為が見られました。また、僅かな回数栄養交換が見られました。

働きアリを新たに9匹加え、蜜と水を与えた 21時54分撮影
化粧行為 22時8分撮影
僅かな回数栄養交換も見られた 22時11分撮影

一時的社会寄生のその後 9月19日

BH210523-19の様子9月17日にクロオオアリの頭部が落とされていた)

クロオオアリの女王アリの遺体のそばにいる 9月18日8時48分撮影
クロオオアリの女王アリの遺体のそばにいる 9月19日10時36分撮影

BH210523-29の様子9月17日にクロオオアリの頭部が落とされていた)

クロオオアリの女王アリの遺体のそばにいる 9月18日8時54分撮影
クロオオアリの女王アリの遺体から離れて歩いている 9月19日10時44分撮影 

BH210523-21の様子
BH210523-21では、トゲアリの女王アリはクロオオアリの女王アリの頸に咬みついてはいますが、クロオオアリの女王アリはまだ生きています。

9月17日8時27分撮影
9月18日8時52分撮影
9月19日10時38分撮影

BH210523-23の様子
9月16日から変化はありません。トゲアリの女王アリの遺体はそのままにされていて、クロオオアリの女王アリを含む本体は、人工巣の上部に移動したままです。

トゲアリの女王アリの遺体 9月19日10時43分撮影
クロオオアリの女王アリを含む本体は、人工巣の上部に移動したまま 9月19日10時43分撮影

頭部が落とされる BH210523-18

9月12日にT20220910-53が寄生を開始したBH210523-18では、9月17日、トゲアリの女王アリは、クロオオアリの女王アリの頸を咬むのを止めていました。確かめることはできませんでしたが、クロオオアリの女王アリは既に死んでいるのかも知れません。

トゲアリの女王アリはクロオオアリの女王アリの頸を咬んではいなかった 9月17日8時21分撮影

次の日の9月18日、クロオオアリの女王アリの頭部が落とされていました。頭部は、別の部屋で見つかりました。

クロオオアリの女王アリの頭部が無くなっている 9月18日8時46分撮影
クロオオアリの女王アリがいた部屋とは別の部屋で見つかったクロオオアリの女王アリの頭部 8時47分撮影

9月19日、トゲアリの女王アリは、クロオオアリの女王アリから離れて歩いていました。栄養交換をする場面もありました。腹部が膨れているようです。

トゲアリの女王アリがクロオオアリの女王アリから離れて歩いている 9月19日10時33分撮影
栄養交換をしている 10時50分撮影

頭部が落とされる BH210523-19と-29

9月13日から寄生が始まっていた寄主のBH210523-19とBH210523-29の女王アリの頭部が落とされていました。

BH210523-19 クロオオアリの女王アリの頭部が欠けている 9月17日8時24分撮影
BH210523-19 中央が落とされたクロオオアリの女王アリの頭部 9月17日8時25分撮影
BH210523-29 クロオオアリの女王アリの頭部が欠けている 9月17日8時29分撮影
BH210523-29 中央が落とされたクロオオアリの女王アリの頭部 9月17日8時29分撮影

これでトゲアリの女王アリのT20220910-54とT20220910-67が、クロオオアリのコロニーから排除されることが無くなりました。一時的社会寄生が更に一歩進展したことになります。

2022年トゲアリの直短寄生の試み 1 T20220910-68

直短的社会寄生の1例目を試みました。寄主を飼育中のトゲアリのコロニーS/N:T140906-40(新女王アリを2014年の9月6日に採集)とし、トゲアリの新女王アリT20220910-68(9月10日採集)を寄生(合同)させます。
カップ型コンクリート人工巣にトゲアリの女王アリを入れ、次にトゲアリの働きアリを1匹入れました。直ぐに戦いが始まりました。働きアリの方から攻撃を始めたように見えましたが、一瞬で勝負がついたようです。女王アリが働きアリの右の前肢に咬みついていました。そのまま1時間弱じっとして動かなくなっていました。

戦いの直後 女王アリが働きアリの右前肢に咬みついていた 9月13日16時16分撮影
この姿勢のまま2匹とも1時間弱じっとしていた 16時21分撮影

女王アリが働きアリの肢を放してから、働きアリを9匹加えました。新たに加わった9匹は共に女王アリを攻撃することはありませんでした。時々、女王アリが働きアリを捕らえて化粧行為をする場面がありました。

化粧行為をしている 17時14分撮影

以下はその後の経過です。

9月14日8時19分撮影
9月15日8時29分撮影
9月16日8時43分撮影

9月13日から3日間、戦う様子はありません。ただ、働きアリが女王アリを女王として受け入れているのかどうかは分かりません。

2022年トゲアリの寄生の試み 5 T20220910-67

一時的社会寄生の5例目を試みました。寄主をクロオオアリのコロニーS/N:BH210523-29(新女王アリを昨年の5月23日に採集)とし、トゲアリの新女王アリT20220910-67(9月10日採集)を寄生させます。
9月13日、BH210523-29の働きアリを1匹、T20220910-67が入っているクリアカップの中に入れました。トゲアリの女王アリはその1匹を捕らえようとはしていましたが、女王アリの動きが鈍く、クロオオアリに逃げられていました。そこで、2匹目を入れ、間もなく化粧行為が始まりました。

9月13日14時6分撮影

人工巣の中に入ってからは、しばしばクロオオアリの働きアリから攻撃を受けていましたが、それでも15時半頃には、クロオオアリの女王アリの頸に腹面から食い付いていました。

14時32分撮影
14時34分撮影
右後脚に食い付いているクロオオアリは殺されたようだ 14時45分撮影
クロオオアリの女王アリの頸に腹面から食い付いている 15時30分撮影

ところが、17時過ぎに見ると、トゲアリの女王アリが人工巣の中を歩き回っていました。そして、その後再びクロオオアリの女王アリに食い付きました。

17時20分撮影
クロオオアリの女王アリの頸に背面から食い付いている 17時24分撮影

以下はその後の経過です。

クロオオアリの女王アリの頸に腹面から食い付いている 9月14日8時31分撮影
9月15日8時26分撮影
9月16日8時41分撮影

9月13日から3日間、トゲアリの女王アリは、クロオオアリの女王アリの頸を咬み続けています。寄生は順調なようです。

2022年トゲアリの寄生の試み 4 T20220910-66

一時的社会寄生の4例目を試みました。寄主をクロオオアリのコロニーS/N:BH210523-23(新女王アリを昨年の5月23日に採集)とし、トゲアリの新女王アリT20220910-66(9月10日採集)を寄生させます。
9月13日、BH210523-23の働きアリを1匹、T20220910-66が入っているクリアカップの中に入れると、化粧行為が始まりました。その後、T20220910-66が、BH210523-23のコンクリート人工巣の中へ自然に入れるようにしました。

化粧行為をするトゲアリの女王アリ 9月13日10時41分撮影
コンクリート人工巣の上部 クリアカップを逆さにしている 10時49分撮影

人工巣の中に入ると、トゲアリの女王アリは丸まってクロオオアリの働きアリに運ばれる格好になりました。そのまま、クロオオアリに運ばれて巣の部屋の中に入り、やがて元のように化粧行為の格好に戻りました。

クロオオアリの働きアリがトゲアリの女王アリを運んでいる 10時50分撮影
クロオオアリの働きアリに巣の中まで運ばれて来た 10時50分撮影
化粧行為の格好に戻った 10時51分撮影

この後、トゲアリの女王アリが化粧行為に使ったクロオオアリを放すと、クロオオアリの働きアリから攻撃を受けるようになりました。特にトゲアリの女王アリの左後脚に咬みついたクロオオアリは咬みついたまま離れなくなりました。このため、幾度かトゲアリの女王アリがクロオオアリの女王アリに向かって行きましたが、動く自由が利きませんでした。

トゲアリの女王アリの左後脚に咬みついて離さないクロオオアリの働きアリ 11時11分撮影

その後、トゲアリの女王アリは、クロオオアリの女王アリの肢に咬みつき、そのまま膠着状態になりました。

トゲアリの女王アリは、クロオオアリの女王アリの肢に咬みついている 13時48分撮影

翌日の9月14日の朝、トゲアリの女王アリは、巣の外に出ていました。ほとんど攻撃されていないように見えました。夜見た時には、巣の中で1匹のクロオオアリに肢を咬みつかれていました。

9月14日8時25分撮影
9月14日22時40分撮影

9月15日になると、トゲアリの女王アリは生きていましたが、巣の中で動けなくなっていました。

まだ生きていたが動けなくなっていた 9月15日17時3分撮影

そして、9月16日、遂に死んでしまいました。クロオオアリの女王アリを含む本体は、人工巣の上部に移動していました。

死んだトゲアリの女王アリ 9月16日8時38分撮影
人工巣の上部に女王アリを含む本体が移動してきていた 9月16日8時38分撮影

2022年トゲアリの寄生の試み 3 T20220910-65

一時的社会寄生の3例目を試みました。寄主をクロオオアリのコロニーS/N:BH210523-21(新女王アリを昨年の5月23日に採集)とし、トゲアリの新女王アリT20220910-65(9月10日採集)を寄生させます。
9月13日、BH210523-21の働きアリを1匹、T20220910-65が入っているクリアカップの中に入れると、化粧行為が始まりました。

9月13日10時3分撮影

その後、T20220910-65が、BH210523-21のコンクリート人工巣の中へ自然に入るようにしました。10時14分には人工巣の中に入り、クロオオアリの働きアリに拘束・攻撃されることがありましたが、人工巣進入から10分程でクロオオアリの女王アリの頸に腹面から食い付きました。

クロオオアリの働きアリから拘束・攻撃される 10時21分撮影
クロオオアリの女王アリの頸に腹面から咬みついている 10時26分撮影

この咬みつきの体勢は、寄生の最初の段階を成し遂げたことを意味しています。順調に寄生が始まったと言うことです。
以下はその後の経過です。

9月14日8時24分撮影
9月15日8時24分撮影
9月16日8時41分撮影

9月13日から3日間、トゲアリの女王アリは、クロオオアリの女王アリの頸を咬み続けています。寄生は順調なようです。

2022年トゲアリの寄生の試み 2 T20220910-54

一時的社会寄生の2例目を試みました。寄主をクロオオアリのコロニーS/N:BH210523-19(新女王アリを昨年の5月23日に採集)とし、トゲアリの新女王アリT20220910-54(9月10日採集)を寄生させます。
T20220910-54は、前日(9月12日)にBH210523-18に寄生させようとして、クロオオアリと一緒にしても化粧行為をしなかった新女王アリです。ですが、本当に化粧行為をしないのかを確かめるため、再度機会を持つことにしました。

9月13日9時48分撮影

9月13日、T20220910-54がいるクリアカップの中へ、クロオオアリの働きアリを1匹から3匹まで順次増やしてみたのですが、やはり化粧行為をしませんでした。
そこで、この新女王アリの場合、事前の化粧行為なしでも寄生行動をするのか、とにかく試してみることにしました。クリアカップの蓋を外してから逆さにし、コンクリート人工巣の蓋の上に置き、人工巣の蓋のアクセス穴からBH210523-19の中へ自然に入って行けるようにしました。

BH210523-19のコンクリート人工巣の中に入って行った 9時52分撮影

ところが意外にも、クロオオアリの働きアリから攻撃を受ける間もなく、僅かの間にクロオオアリの女王アリの頸に腹面から食い付きました。

僅かの間にクロオオアリの女王アリの頸に腹面から食い付いた 9時56分撮影

この咬みつきの体勢は、寄生の最初の段階を成し遂げたことを意味しています。順調に寄生が始まったと言うことです。
以下はその後の経過です。

9月14日8時23分撮影
9月15日8時22分撮影
9月16日8時40分撮影
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9月13日から3日間、トゲアリの女王アリは、クロオオアリの女王アリの頸を咬み続けています。寄生は順調なようです。

2022年トゲアリの寄生の試み 1 T20220910-53

2通りの方法でトゲアリの寄生を試みようと思います。
① 一時的社会寄生
昨年新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーを寄主とする 5例
② 直短的社会寄生
飼育中のトゲアリのコロニーから働きアリを取り出し、女王アリと合併する 5例

9月12日、トゲアリの新女王アリ(S/N:T20220910-54 9月10日採集)を入れているクリアカップの中に、クロオオアリのコロニーS/N:BH210523-18(新女王アリを昨年の5月23日に採集)の働きアリを1匹入れました。

9月12日10時18分撮影

ところが、T20220910-54は化粧行為はしませんでした。そこで、別のトゲアリの新女王アリ(S/N:T20220910-53 9月10日採集)を寄生させることにしました。この女王アリは化粧行為を直ぐに始めました。

10時26分撮影

クリアカップの蓋を開けると、クロオオアリを捕捉したままカップの外に出て来ましたので、フィルムケースで捕らえて、BH210523-18の飼育ケース(カップ型コンクリート人工巣)の上に持って行き、自然に人工巣の中に入るようにしました。T20220910-53は、クロオオアリを咥えたまま、人工巣の中に入って行きました。

クロオオアリを咥えたままで巣に侵入 11時10分撮影
巣の部屋に入ってたもまだクロオオアリを咥えていた 11時11分撮影

そして、クロオオアリの働きアリから時々攻撃を受けながらも、クロオオアリの女王アリの左頸に咬みつきました。

働きアリから攻撃されるトゲアリの女王アリ 11時35分撮影
クロオオアリの頸に左から咬みついている 11時52分撮影

この咬みつきの体勢は、寄生の最初の段階を成し遂げたことを意味しています。順調に寄生が始まったと言うことです。
以下はその後の経過です。

9月13日9時17分撮影
9月14日8時21分撮影
9月15日8時21分撮影
9月16日8時39分撮影

9月12日から4日間、トゲアリの女王アリは、クロオオアリの女王アリの頸を咬み続けています。寄生は順調なようです。

トゲアリの女王アリを採集(2022年)

トゲアリの新女王アリを採集するため、9月8日に滋賀県彦根市に行きました。翌日9日は午前10時過ぎまで雨が降っていましたので、15時を過ぎて採集地へ向かいました。
トゲアリの女王アリが地面を歩いていないか見ながら、舗装されている林道を上へと進みましたが、女王アリはいません。間もなく、昨年トゲアリを観察したD巣のところまで行くと、今年もトゲアリが営巣していました。

昨年も観察したD巣 空洞の中に営巣している

空洞の中には羽アリがいました。まだ、結婚飛行が終わってはいないようです。ただし、結婚飛行は、2週間(2013年 2014年)から1ヶ月程度(2015年)の期間に分散的に行われることが分かっていますから、もう既に結婚飛行が始まっているのかも知れません。

空洞の中の中間辺り 羽アリが見られる 9月9日15時42分撮影
空洞の中の上部 塊になっていた 15時43分撮影

この日は女王アリは採集できませんでした。
翌日の9月10日は、曇や晴の天気でした。8時過ぎから採集を始め、昼一旦休み、15時まで採集を続けました。結果64匹採集できました。その内、D巣からは19匹採集していて、13匹がトゲアリの働きアリに襲われていました。
このトゲアリの脱翅女王アリがトゲアリの働きアリに襲われることについては、昨年もD巣のある樹の幹上で観察しています。

D巣のある樹の幹上で働きアリに捕らえられた脱翅女王アリ 9月10日8時28分撮影
同上の別の脱翅女王アリ 8時31分撮影

推察として、この日の早朝からD巣の有翅女王アリが結婚飛行をしにこの樹に上り、交尾を了えて樹上で脱翅し、この樹を歩いて下りてきたということでしょう。
ところで、15時近くになっても、脱翅女王アリが働きアリに捕捉されていました。採集中、D巣についても、断続的に見に行っていましたので、これらの脱翅女王アリも、新たに樹から下りて来た女王アリです。

14時48分撮影
別の脱翅女王アリ 14時48分撮影

トゲアリの羽アリは早朝に結婚飛行をすると思っているのですが、こんなにも時間が経ってからも、樹から下りてきていたのは、新たな発見でした。
D巣で採集した19匹以外は、2箇所で採集しています。A巣とD巣のほぼ中間点の場所と、A巣の場所です。ただ、今年は、確言はできないのですが、A巣があった場所でトゲアリが営巣しているようではありませんでした。B巣とC巣は営巣していました。

B巣 9月10日13時35分撮影
C巣 9月9日15時48分撮影

今年は9月10日に新女王アリが採集できたわけですが、例年になく1日の採集時間が長かったとは言え、64匹も採集できたのはこれまでの経験から言ってもとても多い方です(2013年の9月19日に65匹を採集しています)。
では、この日の気象はどうだったのでしょうか。昨年、女王アリが採集できる気象条件について次のようにまとめています。

採集期間は     9月8日から20日
最低 / 最高気温は  19.9℃以下 / 29.5℃以下
天気概況は     曇か晴
上記の採集できる気象条件は確実性の範囲を表したもの

今年の気象は次のようです。
  日  (最低気温 / 最高気温) 昼(06:00-18:00)の天気概況
 9月7日   (23.4 / 29.4)     曇のち晴
 9月8日   (22.9 / 27.4)     曇後一時雨
 9月9日   (22.6 / 27.5)     雨時々曇
 9月10日   (23.6 / 30.5)     曇時々晴

上記気象条件はトゲアリの女王アリが採集できる「確実性の範囲」ではありますが、今年の9月10日は、最低・最高気温が該当範囲外のようです。

その他の関連写真参照

D巣の空洞から出て来た有翅女王アリ 9月10日8時47分撮影
D巣の空洞から出て来た別の有翅女王アリ 9月10日8時48分撮影
D巣のある樹の幹を下る脱翅女王アリ 9月10日8時51分撮影
A巣近くの地上を歩く脱翅女王アリ 9月10日9時22分撮影
A巣近くの草の葉で身繕いをする脱翅女王アリ 9月10日10時50分撮影

飼育ケース間で引越 B110608-07

直近の記事では「おめでとう! 結婚11年記念日」で紹介しているクロオオアリのコロニーB110608-07は、大変繁栄していたのですが、夏前から働きアリの数が急激に少なくなってきていました。その原因が分からないまま、女王アリが生きているのかが気になっていました。と言うのも、雄アリは増えていたからです。ところが、飼育ケースの汚れが大変酷く、女王アリの生存が確認できない状態でした。そこで、8月31日、引越をさせることにしました。

たくさんの雄アリがいる
引越専用にしている衣裳ケースに巣の本体を入れたところ 衣裳ケースには脱出防止のためベビーパウダーを塗っている 8月31日17時9分撮影
巣の本体を取り出した後の元の飼育ケースの中 取り残された働きアリは衣裳ケースに移した

巣の本体(リトルアンテシェルフ)を解体して、コロニーを衣裳ケースの中に落とし入れると、女王アリが出て来ました。女王アリは健在だったのです。これでこの女王アリが確かに11年以上生きていることが明らかになりました(「11年以上」と表記したのは、結婚飛行に飛び立つ前年に成虫になっていると考えられるからです)。

女王アリは生きていた 8月31日17時28分撮影

別のアンテシェルフにアルミホイルを被せて、衣裳ケースの中に入れました。

アルミホイルの中は新たに用意したリトルアンテシェルフ飼育器 8月31日17時52分撮影
既に女王アリはリトルアンテシェルフの中に入っているようだ 繭が運び込まれている 8月31日20時5分撮影
幼虫も運び込まれて行く 21時53分撮影

翌朝には、引越はほぼ完了していました。予め用意していた餌器とリトルアンテシェルフを繋げ、1体にするための台に両者を載せました。餌器の上面にはベビーパウダーを塗っています。

木製の台に載せることで持ち運び易くなる 9月2日9時9分撮影
9月23日9時10分撮影
ベビーパウダーで脱出できない構造にしているので、通常は金網の蓋はしない 9月2日9時14分撮影
餌器の側面図
餌器の上面図

幼虫がかなりの数いるようです。

9月2日9時11分撮影

今年も季節外れの半有翅女王アリを見つける

これまでも自宅の庭で季節外れのクロオオアリの有翅半無翅 その後)女王アリを見てきましたが、8月31日、今年も季節外れの有翅女王アリを見ました。この女王アリは左翅を失っていました。

左翅がないクロオオアリの女王アリ 8月31日12時0分撮影

しばらく後を追っていると、キウイの木に上って行きました。

キウイの木に上って行った 12時4分撮影

結婚飛行を済ませているのなら、木には上らないでしょうから、この有翅女王アリはこれから飛び立とうとしているのでしょう。ただ、それは叶わないはずです。
芝刈りをしていて偶然にもこの女王アリを見つけたのですが、芝刈りを続けましたので、その後、この女王アリがどうなったかは観察していません。

引越してから出戻った庭のトゲアリ

8月11日の朝方、庭のトゲアリ(T130921-09)を見に行くと、多数の働きアリがクリの木の下方の切り株に近いところにいました。そこで、クモを与えてみました。

クモを与えた 8月11日8時42分撮影

空中に吊るした人工巣箱を見ると、小型のアリが来ていました。巣箱を吊るしているロープを伝って歩いている同種の小型のアリもいました。

人工巣箱に来ていた小型のアリ 8時44分撮影
巣箱を吊るしているロープを伝って巣箱へと向かう小型のアリ 8時45分撮影

クロヤマアリもロープを伝って人工巣箱にやって来ていました。

人工巣箱にやって来たクロヤマアリ 8時46分撮影

何か異変が起きているのでしょうか。8月1日のこと(敵わなかった引越?)を思い起こしました。
コロニーの本体が何処にあるのかを知るために、人工巣箱の上に蛾を置きました。

人工巣箱の上に蛾を置いた 8時50分撮影

先程与えたクモを探すと、別の場所へ運ばれていました。そこは、切り株の上部のベニヤ板の下に近いところでした。そして、そのベニヤ板の下の空洞にたくさんのトゲアリが集まっていました。また、その空洞の下方にもトゲアリがいました。

クモが運ばれていたのは、切り株の上部のベニヤ板の下に近いところ 8時50分撮影
切り株の上部のベニヤ板の下の空洞に多数のトゲアリがいた 8時51分撮影
空洞の下方にもトゲアリがいた 9時0分撮影

既にこの空洞にコロニーの本体が引越しているのでしょうか。
先程人工巣箱の上に置いた蛾の一部を運んでいる働きアリがいました。人工巣箱の巣穴へ運び込まずに、ロープを伝って人工巣から離れて行きます。

ロープを伝って人工巣箱から離れて行く 9時5分撮影

これでコロニーの本体が、人工巣箱から出て行ったことがはっきりしました。
更に切り株の上部のベニヤ板の下の空洞を見ると、幼生虫が運ばれて来ていることが分かりました。

繭が見える 9時10分撮影
幼虫が見える 9時11分撮影

再び、蛾の一部を運ぶ働きアリを見ました。この働きアリも、ロープを伝って人工巣箱から離れて行きました。そして、ベニヤ板の下の空洞へ入って行きました。

夕刻、観察に行くと、ベニヤ板の下の空洞に、ほとんどトゲアリがいなくなっていました。

17時2分撮影

人工巣箱を見ると、幼虫がちょうど巣穴へと運び込まれているところでした。

人工巣箱の巣穴に幼虫が運び込まれていた 17時3分撮影

実はその直前に働きアリが仲間を咥えて運んでいるところを見ていましたが、その運ばれている方のアリはトゲアリの女王アリでした。

女王アリが働きアリに運ばれて行く 17時3分撮影
ロープを伝って人工巣箱へと向かう 17時6分撮影

巣箱に到着した後、女王アリは咥えられたまま巣口近くまで運ばれて行きましたが、巣穴の大きさが比較的小さかったためか、巣の中に運び込まれませんでした。女王アリは巣箱の上面で一旦放たれ、その後再び咥えられて巣穴の中に運び込まれていきました。

巣箱の上面で一旦放たれた女王アリ 17時10分撮影
巣の中に運び込まれる直前の女王アリ 17時11分撮影
女王アリを迎えるかのように働きアリが多数集まっていた 17時13分撮影

この後も、幼生虫や仲間が人工巣箱へと運ばれていました。

人工巣箱へと幼虫が運ばれて行く 17時14分撮影
仲間が運ばれて行く 17時15分撮影
仲間が運ばれて行く 17時18分撮影

それまでは気づいていなかったのですが、切り株の地際や地際近くの落ち葉に多数のトゲアリがいました。そして、そこにも、仲間を運ぶ働きアリがいました。

切り株の地際近くの落ち葉 17時19分撮影
切り株の地際 17時19分撮影
切り株の地際近くで仲間を運ぶ働きアリ 17時22分撮影

地際深くには、小型のアリが多数いました。

地際深くに小型のアリが多数いた 17時27分撮影

切り株の地際も巣の引越先候補だったのかも知れません。
8月1日も引越が敵わなかったようでしたが、今回も引越ができなかったようです。

翌日の8月12日、人工巣箱にトゲアリが留まっていることが分かりました。

これまでとは違って側面のロープも利用していた 8月12日8時57分撮影

ところが、クリの木の切り株から少し離れたところに落ちている枯れ葉やその近くの芝地にトゲアリがいました。しかも、幼生虫を運んできていました。

9時11分撮影
9時11分撮影
9時12分撮影

けれども、やはりコロニーの本体は人工巣箱の中にいるようです。与えたクモを巣箱の中に運び込んでいました。

クモを巣箱の中に運び込んだ 13時47分撮影

夕刻、観察しに行くと、クリの木の切り株から少し離れたところに落ちていた枯れ葉やその近くの芝地からトゲアリがいなくなっていました。人工巣箱の中に戻って行ったのかも知れません。

T210912-02でトゲアリの羽化が始まる

昨年の9月16日に寄生を始めたトゲアリT210912-02が、今年になって産卵していたことについては、5月9日のブログで記しましたが、今日8月9日、トゲアリの働きアリが複数匹羽化していました。ほぼ毎日、この寄生コロニーを観察していましたから、昨日から今日にかけて羽化が始まったと思われます。

トゲアリは羽化したばかりだが、幼生虫の世話をしていた 8月9日20時10分撮影
20時13分撮影
トゲアリの羽化済の繭の断片を運ぶクロオオアリ 20時14分撮影
トゲアリの女王アリT210912-02 20時12分撮影

2018年の9月22日に寄生を始めた「たった1例のトゲアリの寄生」では、翌年の7月28日にトゲアリの働きアリが羽化しているのに気づいています。また、2013年にトゲアリの女王アリがオオアリの巣に寄生した7コロニーの内の3コロニーで、その翌年の7月4日、働きアリが羽化しています。
以上の5例を見る限りでは、トゲアリの働きアリが初めて羽化するのは、寄生を始めた年の翌年の7月上旬から8月上旬のほぼ1ヶ月間のようです。

敵わなかった引越?

人工巣箱に自然入居したトゲアリT130921-09のコロニーのその後ですが、完全に通常の生活に戻れたようでした。引き続きアブラムシから甘露を集めたりしていました。

クリオオアブラムシから甘露を受け取る 7月23日17時5分撮影
小型のアブラムシ(未同定)から甘露を受け取る 7月23日17時7分撮影
小型のアブラムシの拡大写真

ところが今日8月1日、たくさんのトゲアリの働きアリが、先の引越以前によく見かけたクリの木の切り株まで下りてきていました。

クリの木の切り株の上 8月1日13時34分撮影
切り株の側面の覆いがある場所 小型のアリと戦っている働きアリがいた 13時36分撮影
切り株の側面の木の中に入る出入り口がある辺り 13時36分撮影
切り株の上部のベニヤ板の下 13時39分撮影

上の4枚の写真の一番上の写真を撮る際、働きアリが幼虫を咥えていることに気づきました。幼虫を咥えた複数の働きアリたちは、一定の方向へ歩いて行くのではなく、右往左往しているようでした。なぜこんなところに幼虫を運んできているのでしょう。そもそもどこから幼虫を運んできたのでしょう。
しばらく観察していると、幼虫を咥えて人工巣箱へと向かう働きアリを複数見かけるようになりました。

直下に人工巣箱がある 13時45分撮影
幼虫を咥えて人工巣箱に到着した上の写真とは別のトゲアリ 13時46分撮影
また別のトゲアリ 13時49分撮影
別のトゲアリ 13時51分撮影

と言うことは、この幼虫はクリの木の切り株の中から運ばれてきたのでしょうか。しかし、先の引越・避難の際に、一部の群れが切り株の中に留まっていたとは考えられないのです。
しばらくすると、仲間を咥えて人工巣箱へと運ぶ働きアリも見かけるようになりました。

仲間を人工巣箱へと運ぶ働きアリ 13時53分撮影
巣穴に到着した 13時53分撮影

憶測に過ぎませんが、以前に巣にしていた切り株の中へ、人工巣箱から引越しようとしていたのかも知れません。ところが、切り株の中に小型のアリがいて(途中から入ってきた?)、引越を諦めたとも考えられます。
蜜を与えてみましょう。そうすれば、巣から出て来ている働きアリたちが、切り株の中へ帰って行くか、人工巣箱へ帰って行くかで、どちらを巣にしているかが分かります。

蜜を与えた 14時22分撮影

案の定、蜜を吸ったトゲアリたちは、迷うことなく人工巣箱へと帰って行きました。

蜜を吸って人工巣箱へと帰ってきたトゲアリ(上) 14時27分撮影

更にバッタを与えてみました。

14時28分撮影

はやり、分解したバッタの躯体の一部を人工巣箱へと運んで行きました。

バッタの肢を人工巣箱へと運ぶ働きアリ 14時33分撮影
バッタの腹部を人工巣箱へと運ぶ働きアリ 14時52分撮影

人工巣箱の中を巣にしているようです。

昨年交尾直後に移植したBH210523-03がコロニーを作っていた

昨年の5月24日、前日に蒜山高原で採集したクロオオアリの新女王アリを17匹、庭のコンクリートブロックの穴の中に移植しました。移植したのは、BH210523-01からBH210523-17までの17匹でした。ですが、今ではその全てが死んでしまったと思っていました。
8月1日、ブドウ園で芝刈りをしている時、もう不要となったと思い、コンクリードブロックを撤収していると、コンクリートブロックの穴の下方から、クロオオアリが出て来ました。中には、幼虫を咥えている働きアリもいました。直ぐにコンクリートブロックを元の場所に戻しました。それから、コンクリートブロックの穴から飛び出していた働きアリを捕らえて、コンクリートブロックの上で放ちました。

巣は上部のコンクリートブロックの穴の中にある 8月1日9時48分撮影

コンクリートブロックを元の位置に設置後、コンクリートブロックの周りに真砂土を敷き、小型のアリなどが、コンクリートブロックの中に進入し難くなるようにしました。

巣があるのは、手前1つ目の穴の中 10時11分撮影

このコンクリートブロックの穴に移植していたのは、BH210523-03でした。このコロニーが、どの程度の大きさになっているのかは分かりませんでしたが、このコロニーと同世代で、採集場所も同じコロニーを複数飼育していますので、その中の1つのコロニーを挙げておきます。

自然環境はかなり厳しいので、野外のコロニーはこの飼育コロニーの規模よりも小さいかも知れません。

トゲアリに雄アリが生まれていた

大家族になっているトゲアリT140906-40(直近の記事3月12日)のコロニーで、7月29日、雄アリが多数誕生していました。

7月29日20時27分撮影
7月29日20時28分撮影

飼育下でトゲアリの羽アリが誕生するのは、かなり珍しいことのように思います。有翅女王アリはいないようです。