6月18日に、トゲアリのコロニーT140906-40(2014年9月6日に新女王アリを採集)で、女王アリが誕生したことについて触れていますが、6月26日には雄アリが活動室アンテグラウンドⅡ型にいるのを見つけました。
7月3日には、女王アリがかなりの数になっていました。中には、活動室に出てきている女王アリもいました。
6月18日に、トゲアリのコロニーT140906-40(2014年9月6日に新女王アリを採集)で、女王アリが誕生したことについて触れていますが、6月26日には雄アリが活動室アンテグラウンドⅡ型にいるのを見つけました。
7月3日には、女王アリがかなりの数になっていました。中には、活動室に出てきている女王アリもいました。
今年は、クロオオアリの新女王アリの採集直後からの産卵数を50サンプルで調べましたが、7月2日、生き残っている48サンプルの24番で、初めて羽化がありました。
サンプル番号24は、5月22日に初めて産卵を確認していますので、41日後に羽化したことになります。この例では、幼生虫の期間は41日(間)になりました。
6月16日から始めた同種間共存の試みでは、その後も女王アリはクリアカップの中に留まっていました。右後脚に咬みつかれたまま取れていなかった働きアリの頭部は、いつのまにか外れていました。
6月22日、女王アリと働きアリが馴染んでいる様子でしたので、女王アリをクリアカップから出すことにしました。
やはり、両者の間で戦いは起こりませんでした。
6月28日になっても、女王アリはまだ活動室に留まっていました。ところが人工巣セットを移動した際の振動のせいか、女王アリが活動室と人工巣を繋ぐパイプの中へ入ろうとしました。ですが、その入り口は1段高いところにあったので、女王アリは這い上がれませんでした。
そこで、板で踏み台を作りました。
7月2日、それでも女王アリは、まだ活動室の中にいました。そこで、僅かに振動を与えました。するとパイプの中に入って行きました。そして、人工巣の中に入って行ったのですが、そこでも争いは起こりませんでした。
クロオオアリの同種間共存は成り立ったようです。
これまでに、クロオオアリの同種間共存について分かっていることの中で、「女王アリがいないコロニーと単独女王アリの共存」については、次のことが分かっています。
1)既に女王アリを失っているクロオオアリの合同コロニーと、そのコロニーと同年代のクロオオアリの単独女王アリは、創巣の翌年の3月時点では共存できることがある。
2)既に女王アリを失っている単一のクロオオアリのコロニーと、そのコロニーと同年代のクロオオアリの単独女王アリは、創巣の翌年の3月時点では共存できることがある。
今回の同種間共存については、単独女王アリの方が創巣の翌年である点は同じですが、女王アリを失っているコロニー(死亡後14ヶ月強経過)の方が創巣から13年目だと言う点が異なっています。
まとめると次のようになります。
3)1年以上前に女王アリを失っている創巣から13年目のクロオオアリのコロニーと、創巣から2年目のクロオオアリの単独女王アリは、共存できることがある。
2021年の9月22日に、庭で単独で歩いているクロオオアリの脱翅女王アリを見つけたことがあります。結婚飛行の時期ではないため、『「移植」組のコロニーの巣が何者かに襲われ、「命辛々」逃げてきたのかも知れません』と考えました。また、その時の観察では、「腹部を見ると、結婚飛行後の女王アリのようには膨らんではなく、かなり萎んだ腹部でした」と記載しています。
今日6月30日、15時前に、3年ぶりに庭で単独で歩いているクロオオアリの脱翅女王アリを見つけました。見つけた場所は、3年前とほぼ同じ場所の庭から外に通じる階段でした。
腹部を見ると、3年前と同様に膨れていないようです。
結婚飛行直後のクロオオアリの脱翅女王アリの腹部の大きさは次の写真ようです。
このことから、今回採集した脱翅女王アリは、直前に結婚飛行を終えた新女王アリではないと考えられます。そうだとすると、この女王アリも、巣を何者かに襲われ、「命辛々」逃げてきたのかも知れません。
この女王アリをS/N:BO240630として飼育することにしました。
2022年9月に行ったトゲアリの一時的社会寄生5例の試みの内、4例の様子(1例の様子)を記録しておきます。(前回6月2日の5例の様子はこちらを参照)
トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )
トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )
6月2日にはいた越冬幼虫2匹はいなくなっていました。その2匹が羽化したのか死亡したのかは判別できませんでした。
6月2日にも卵が多数ありましたが、6月28日時点でも孵化していませんでした。
トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )
トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )
6月2日にも卵が多数ありましたが、6月28日時点でも孵化していませんでした。
現在飼育しているクロオオアリのコロニーの内、比較的大きな6コロニーの様子を記録しておきます。
1)B15006(2015年5月27日に駒ケ根市で採集)
2)BK170530-081(2017年5月30日に駒ケ根市で採集)
3)BH18024(2018年5月15日に蒜山高原で採集)
4)B200603-067(2020年6月3日に駒ケ根市で採集)
5)B200603-075(2020年6月3日に駒ケ根市で採集)
6)BH210523-37(2021年5月23日に蒜山高原で採集)
昨年新女王アリを採集した4コロニーの内3コロニーを、6月23日、カップ型コンクリート製人工巣に引越させました。
1)ムネアカオオアリのコロニー RH230604-01
2)ムネアカオオアリのコロニー RH230604-02
3)クロオオアリのコロニー BS2305M-03
トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )は、直近のブログで触れているように、トゲアリの寄生の試み5例の中で、最も良く繁栄しています。コロニーの本体は、コンクリート巣の上面に移動しています。
そこで、T20220910-54をリトルアンテシェルフに引越させることにしました。引越の方法としては通常の方法を用いたのですが、短時間でしたがその観察の限りでは、リトルアンテシェルフへ引っ越すような動きがありませんでした。
そのため、リトルアンテシェルフを衣裳ケースに入れたまま、アルミホイールを外し、アンテシェルフの上方の蓋を開けて、衣裳ケースの中で分散していた成員を、平筆と薬さじを使って、直接強制的にアンテシェルフの中へ落とし入れました。それから、リトルアンテシェルフを開放蓋付きの小型水槽の中に入れました。衣裳ケースの中に残っていた働きアリと幼生虫は、小型水槽の中に落とし入れました。
小型水槽の中に落とし入れた幼生虫は、やがて働きアリによってリトルアンテシェルフの中に運び込まれました。
今年の5月18日に採集したクロオオアリの新女王アリのその後の子育てですが、採集日から31日目の6月18日、蛹化が既に始まっていました。
観察対象としている49匹の女王アリのコロニーでの繭の平均数は1.63個でした。昨日17日は観察していませんでしたので、確言はできないのですが、17日には繭が散見できたと思われます。
観察対象の50コロニーで、産卵数の平均値が1を超えたのは採集日から4日目の5月22日の1.32個です(21日0.06個、23日2.52個)。昨日の17日は観察していないものの、繭の数の平均値が18日は1.63個ですから、18日に1を越えたと想定すれば、卵が産み落とされてから27日後に蛹化したことになります。
結婚飛行から産卵を始めるまでの日数:(5日間 当日を含む)または(4日後)
卵が産み落とされてから繭になるまでの日数:(28日間 当日を含む)または(27日後)
と整理することができます。ただこの数値は、飼育環境の内、特に気温により大きく変動すると思われますので、一般化することはできないでしょう。
5月30日に、クロオオアリのコロニーBH210523-30を引越させましたが、今回は、BH210523-34を飼育ケース間で引越させます。BH210523-34はBH210523-30と同様に、2021年5月23日に蒜山高原で新女王アリを採集したコロニーです。こちらのコロニーも、カップ型コンクリート製人工巣で飼育していましたが、コロニーが大きくなってきていました。
このBH210523-34をリトルアンテシェルフに引越させます。このリトルアンテシェルフには、最下段の両端にアクリルパイプがあって出入りができますが、更に出入りしやすいように最下段のアクセス窓をシリコン栓を挟んで持ち上げました。
リトルアンテシェルフにアルミホイールを被せて、引越専用にしている衣裳ケース(ベビーパウダーを無水アルコールで練って壁面上部に塗っている)に入れ、人工巣を分解(カップからコンクリート部分を分離)して、成員を強制的に衣裳ケースに落とし入れました。
衣裳ケースの中に入れられると、働きアリたちは早くもリトルアンテシェルフの中に幼生虫を運び入れ始めました。
引越先の準備を始めました。小型水槽の底に敷板を置き、周りを川砂で敷き詰めました。この砂は粘土質を含まないため、さらさらしています。アリの飼育に土は必要ではありませんが、砂を敷くことで飼育器内の底面積を、砂の表面積で3次元的に格段に広くする、ことができ、汚れを分散させることができます。
ところで、リトルアンテシェルフを衣裳ケースの中から小型水槽に移した後の衣裳ケースの中には、まだ比較的多くの働きアリが残っています。そこで、この働きアリを小型水槽に移し入れなければなりません。
その時に使っているのは平筆です。平筆でアリをすくうようにすると、アリを筆に乗せることができます(毛に咬みついてなかなか毛を放さないアリもいます)。筆に付いたアリは、開放蓋をした小型水槽の上から払い落とせばよいわけです。
トゲアリのコロニーT140906-40(2014年9月6日に新女王アリを採集)は、クロオオアリのコロニー(2012年6月14日に新女王アリを採集 S/N:B-NESTCON01024)に、2014年9月11日に一時的社会寄生したコロニーです。今年で創巣から10年目を迎えます。
以前からとても大きなコロニーになっていましたが、今日始めて、羽化したばかりの女王アリがいるのに気づきました。
ちなみに、2年前の2022年7月には、雄アリが多数誕生していました。
本巣の中には、これから羽アリになると思われる大きな繭も散見されました。また、これから育つ幼虫も多数見られます。
ちなみに、T140906-40の直近の様子については、5月30日に、リトルアンテシェルフで人工巣を拡張したことについて触れていますが、今ではこのリトルフアンテシェルフにも幼生虫が運び込まれています。居住スペースとして利用されるようになったことが分かります。
BS2305M-02は、昨年の5月に採集した新女王アリです。昨年は産卵しなかったのですが、今年になってからは、産卵をするようになっていました。
一方、B110608-07は、2011年6月8日に新女王アリを採集したコロニーで、このコロニーの女王アリは、2023年4月6日に死亡を確認していました。
6月16日、女王アリがいないB110608-07の中に、単独女王アリのBS2305M-02を入れることにしました。
卵を咥えてクリアカップ内を歩き回る働きアリがいましたが、この時は卵をカップから外へは持ち出しませんでした。
翌日の6月17日の様子
今年の5月19日に、クロオオアリB15006の活動室(アンテグラウンドⅠ型)に、脱翅新女王アリが1匹いたことに触れていますが、6月4日には脱翅女王アリが2匹になっていました。
トゲアリのコロニーT180919〈2018年9月22日 B15002(2015/05/15採集)に進入〉の直近の様子については、6月5日に触れたばかりですが、今日6月9日に見ると、繭の抜け殻が多数散見されました。働きアリの羽化が始まっているようです。
B110608-06が13回目の結婚記念日を迎えました。このクロオオアリの女王アリは、2011年の6月8日に長野県の駒ヶ根市内で採集しました。
昨年の6月8日時の様子と比べてみると、卵の数が少ないようです。
このコロニーでは、昨年も雄アリはいませんでしたので、昨年産卵された卵は、羽化しなかったか有精卵であったことになります(観察記録がなかったため断言できない)。今年産卵された卵は有精卵なのでしょうか。観察が待たれます。
それにしても、クロオオアリの女王アリが14年弱生き続けていることは驚きです(女王アリの羽化時期参照)。
2019年の2月21日に植樹したクリの木(品種名「ぽろたん」)で、クロオオアリとクリオオアブラムシが共生している様子について、直近では2022年の11月24日のブログで触れています。
6月5日、今年も両者が共生していました。
T180919とT210912-02の様子については、4月10日のブログで触れています。それからほぼ2ヶ月弱の6月5日の様子を記録しておきます。
1)T180919〈2018年9月22日 B15002(2015/05/15採集)に進入〉
2)T210912-02〈2021年9月16日 BK170530-040(2017年5月30日採集)に進入〉
T180919とT210912-02を比べてみると、一時的社会寄生が始まった時期に3年の隔たりがあるのですが、むしろ遅くから寄生を始めたT210912-02の方が大きなコロニーになっています。
その差の要因が、単に女王アリの個体差なのか、飼育環境によるものなのかは不明です。
今年2回目に移植したBH210523-32のその後の様子です。現時点では、順調に引越先に定着しているようです。
昨日(6月4日)は、蛾を巣に運び込んでいました。
巣の近くに蜜器を置いています。今朝(6月5日)、蜜器に砂糖水を入れました。
早速クロオオアリが来ていました。クロヤマアリも来ていましたが、クロオオアリに追い払われていました。
砂糖水を吸って帰って行くクロオオアリを追うと、コンクリートブロック下のコンクリートの左方の割れ目に入って行きました。