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一時的社会寄生のトゲアリ4+1例の様子(2024年10月16日)

2022年9月に行ったトゲアリの一時的社会寄生5例の試みの内、4例の様子と1例の様子を記録しておきます。(前回の6月28日の4例の様子はこちら、前回の6月18日の1例の様子はこちらを参照)

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

6月28日にはまだクロオオアリがいたが、トゲアリだけになっている

トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )

6月28日には卵があったが、幼生虫がいない クロオオアリのみ

トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )

クロオオアリが散見される
羽化して間もないと思われるトゲアリがいる
幼虫がいる

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

クロオオアリの死体と思われる
6月28日にも幼生虫としては卵のみがあったが、今回もその時とほぼ同数の卵がある

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )

6月18日と比べると、明らかにコロニーが大きくなっている
幼虫もたくさん見られる
繭もある
タンパク源もまだ摂取しようとしている

T140906-40の様子(2024年10月16日)

T140906-40では、まだ結婚飛行に飛び立つ羽アリがいます。ただ、ほぼ雄アリのみです。

女王アリは一番上の1匹のみ この写真には雄アリが8匹写っている 10月16日10時16分撮影

T140906-40の活動室アンテグラウンドⅡ型の中には、有翅女王アリのみならず、脱翅女王アリもいませんでした。

活動室に出ている雄アリ 9時3分撮影

人工巣の中にも新女王アリはいませんでしたが、雄アリの方は人工巣の中にもいました。

人工巣の中の雄アリ 9時11分撮影

ちなみに、新女王アリの死体を探しましたが、見当たりませんでした。

幼虫が多数います。私にはこのまま越冬幼虫になるのかを判断できるだけの知見がなく、今回は判断を見送ることにします。(以下何れも10月16日撮影)

トゲアリの新女王アリ 生き残っているのはなぜ?

クロオオアリのコロニーBH210523-53の中に、かなり前(記録していない)からトゲアリの脱翅女王アリが入っていました。この女王アリは、T140906-40のコロニーから来たと考えられます。

今のBH210523-53の中の様子 10月15日撮影

その女王アリが今も生きています。クロオオアリの働きアリとの関係を観察すると、クロオオアリから攻撃を受けていないのです。ただ、右の前肢を失っています。

10月15日11時4分撮影
クロオオアリから攻撃されていない 11時5分撮影

このクロオオアリのコロニーには女王アリがいます。

11時5分撮影

トゲアリの女王アリは、普段は大気圧給水器の給水箇所に頭部を入れてじっとしています。

トゲアリの女王アリの普段の様子 10月15日16時10分撮影

このトゲアリの女王アリは、寄生していないにも関わらず、攻撃を受けていないということが不思議なのです。
今年の観察では、8月31日のブログ「クロオオアリのコロニーにトゲアリの新女王アリが入る」と9月17日のブログ「一時的社会寄生の試みを継続 寄生時期と成功率の関係は?」では、何れも寄生できなかった場合にトゲアリの女王アリは、クロオオアリの働きアリに殺されています。
このトゲアリの女王アリは今後どうなるのでしょうか。

創設から3年目のトゲアリのコロニーで雄アリが誕生

8月28日のブログ「脱翅女王アリが別のコロニーの中へ そして本巣の中へ」の中で、「このコロニーは創設3年目で、羽アリはまだ誕生していません。」と書いていますが、どうやらそれは間違っていたようです。その時既に雄アリが誕生していたようです。
その時点では、トゲアリのT140906-40の新女王アリがT210912-02の活動室(アンテグラウンドⅢ型)の中に入って来ていましたので、T210912-02の活動室にいる雄アリもT140906-40からやって来たと思っていました。

僅かだが雄アリがいる 8月31日撮影
9月11日撮影
人工巣の中にも雄アリがいた 9月12日撮影

その後不思議に思うようになってきたのですが、この雄アリたちは、いつ見ても働きアリから攻撃されていませんでした。
それから、1ヶ月強たった10月15日の様子では、雄アリたちは数が増えて、働きアリたちと馴染んでいます。

10月15日撮影
10月15日撮影

どうやら、この雄アリたちは、この巣(T210912-02)で生まれたようです。だとすると、少し驚きなのですが、創設から3年目で雄アリが生まれたことになります。

一時的社会寄生の試みを継続 寄生時期と成功率の関係は?

一時的社会寄生の試みを13日に始めて15日にトゲアリの死亡という結果になったことは、前回のブログで報告しています。
その15日と16日に、同様の方法で、トゲアリの女王アリが同様のクロオオアリのコロニー(2024年5月18日に新女王アリを採集)に寄生するよう試みました。
寄主は、BH240518-11・12・13・14(以上15日寄生開始)、15・16・17・18・20・21(以上16日寄生開始)の9コロニーです。

化粧行為が見られた 寄主はBH240518-13 9月15日14時21分撮影
背面からクロオオアリの首を咬もうとしている 寄主はBH240518-15  9月16日10時44分撮影
腹面からクロオオアリの女王アリの頸に咬みついていた 寄主はBH240518-16 9月16日11時25分撮影
背面からクロオオアリの首を咬もうとしている 寄主はBH240518-18 9月16日17時3分撮影

上に挙げた4枚の写真の様子は、寄生成功への一歩となる行為ですが、実は9例を通して極く希な事例です。ほとんどの場合、化粧行為はなく、またクロオオアリの女王アリを襲おうとはしていませんでした。
トゲアリの女王アリ9匹は、9月17日までに全て殺されてしまいました。

今年は、9月13日から10例で寄生を試みたのですが、何れも寄生に失敗したことになります。寄生成功率が0%と言う結果ですが、なぜそのようになったのか、明言はできないのですが、寄生を開始させる時期によるのではないかと考えています。
自然界では、結婚飛行の直後から寄生行動が始まっていると思われるのですが、今回の一連の寄生の試みを始めたのは、5日後から8日後でした。
そこで、寄生を開始させる時期が、寄生の成功率と関係があるのかどうかを過去の事例を参照して考察してみます。

2018年の場合は、トゲアリの女王アリを9月19日に採集し、3日後の22日に寄生を試みています。サンプルは1例で、寄生に成功しています。
2021年の場合は、トゲアリの女王アリを9月12日に採集し、4日後の16日に寄生を試みています。サンプルは2例で、1例が寄生に成功しています。
2022年の場合は、トゲアリの女王アリを9月10日に採集し、2日後3日後の12日・13日に寄生を試みています。サンプルは5例で、5例共に寄生に成功しています。

ちなみに以上挙げたこれらは、何れもトゲアリの女王アリを直接クロオオアリのコロニーに入れるという方法をとっており、今年の場合と寄生の方法は同じです。
これらのデータを見る限りでは、上記の寄生方法ではと言う条件付きですが、結婚飛行後より早い時点で寄生を試みる方が、寄生の成功率は高いと言えそうです。

トゲアリの女王アリを採集(2024年)

トゲアリの新女王アリを例年同じ場所で採集しています。今年は9月7日に現地へ行き、8日の朝に採集地点に行きました。
車から降りるとすぐ、車の横でトゲアリの脱翅女王アリを見つけました。

2024年9月8日7時30分撮影

D巣があるところまで車道を上がって行くと、まだ羽アリが巣口の周りに出ていました。

羽アリが4匹写っている 7時41分撮影

2021年来観察していることですが、今年も巣口の周りで、複数の脱翅女王アリが働きアリに拘束(攻撃)されていました。

7時41分撮影
7時42分撮影
7時44分撮影
7時44分撮影
中には翅がついたままの新女王アリも攻撃されていた 7時53分撮影

これらの拘束されている女王アリは、これまでの観察から、この樹の上方から下って来たと考えられます。今年は1匹のみの観察とはなりましたが、脱翅女王アリが、樹上から早足で下って来るところを見ました。
ところで今年は、新たにトゲアリの巣を一箇所見つけました。それはD巣がある場所から更に車道を上がって行ったところにありました。

トゲアリの巣があった樹(中央)
樹の下方中央辺り
線状にへこんだ箇所に巣があるようだ 9時23分撮影

この巣をE巣と名付けることにします。
今年は、7時半頃から10時半頃までの3時間で、トゲアリの新女王アリを53匹採集しました(内1匹は採集直後に死亡)。

この写真撮影の後で2匹を採集した 10時33分撮影

ところで採集箇所ですが、それぞれの採集箇所で何匹採集したかの記録は付けてはいないものの、今年は下の写真の箇所で最も多く採集できたように思います。

この場所の近くでトゲアリの巣は見つかっていない

採集箇所については、2013年からこの同じ採集場所で採集しているのですが、採集できた箇所・多く採集できた箇所は、10年を越える期間を経て変わってきています。

この場所で大量に採集できたことがある 今年は採集できず
この場所でも女王アリを多数採集したことがあった
この場所で採集できたことがあったが、昨今では採集できていない
今までほぼ採集できていなかったが、今年は数匹採集できた

ちなみに、今年の気象は次のようでした。
  日 (最低気温 / 最高気温) 昼(06:00-18:00) 夜(18:00-翌日06:00)の天気概況
 9月7日  (23.1 / 32.7)       晴         晴
 9月8日  (24.4 / 33.8)       晴         晴

ところで、脱翅の瞬間を見ることができました。

脱翅直前 9時42分31秒
脱翅直後 9時42分33秒

「脱翅女王アリが別のコロニーの中へ そして本巣の中へ」その後

8月28日のブログ「脱翅女王アリが別のコロニーの中へ そして本巣の中へ」のその後ですが、トゲアリの女王アリが3匹死んでいました。この3匹が、28日に観察した3匹なのかはわかりません。

このトゲアリの女王アリは頭部が落とされている 8月31日19時6分撮影
死んだトゲアリの女王アリを運ぶ働きアリ 8月31日19時16分撮影
死んでいた女王アリを取り出した 8月31日19時19分撮影

クロオオアリのコロニーにトゲアリの新女王アリが入る

クロオオアリのコロニーBK170530-081は、アンテグラウンドⅢ型の活動室を使っていますが、この活動室は開放蓋にしています。
8月24日、この活動室の中で、トゲアリの脱翅女王アリを見かけました。8月21日から飛翔を観察しているT140906-40から飛んできた女王アリと思われます。

8月24日14時26分撮影

そのままにしておきました。
8月31日に見ると、トゲアリの女王アリの死体が、このコロニーのゴミ置き場で2体見つかりました。

8月31日10時57分撮影
10時58分撮影

念のために、このクロオオアリのコロニーの女王アリの様子を確かめました。普段と変わらない様子でした。

BK170530-081の女王アリ 11時1分撮影

脱翅女王アリが別のコロニーの中へ そして本巣の中へ

8月24日、トゲアリのT210912-02の活動室(アンテグラウンドⅢ型)で、トゲアリの脱翅女王アリを3匹見つけました。このコロニーは創設3年目で、羽アリはまだ誕生していません。ですから、この3匹は、8月21日から飛翔を観察しているT140906-40の女王アリです。

1匹目 クロオオアリを捕らえて化粧行為をしているように見えた 8月24日11時28分撮影
2匹目 働きアリから拘束されていなかった 11時33分撮影
3匹目 働きアリが女王アリを捕らえようとしていた 11時34分撮影

これらのトゲアリの脱翅女王アリは、T210912-02の活動室は開放蓋になっているので、活動室の中にたまたま飛び込んだのだと思います。だとすると、活動室に入った時には、有翅のままだったことになります。そこで、活動室の中で脱翅したことになりますが、活動室の中はかなり生活ごみが散乱しているためなのかも知れませんが、落とした翅は見つかりませんでした。しかも、3匹が3匹共に翅を落としていたのですから、交尾を了えていたのかも含めて、本当はどのような経緯だったのか疑問が残ります。

8月28日、トゲアリの働きアリが、活動室内でトゲアリの脱翅女王アリを咥えて運んでいました。

8月28日19時37分撮影

活動室の中には24日の時点で、脱翅女王アリが3匹いたわけですが、このトゲアリの働きアリに運ばれていた女王アリを含めて、2匹しか見当たりませんでした。脱翅女王アリの死体も見当たりませんでした。

もう1匹のトゲアリの脱翅女王アリ 19時39分撮影

その運ばれていた女王アリは、やがて放たれて活動室の中を歩いていましたが、しばらくして本巣へと通じるアクリルパイプの中に入って行きました。そして、その先のシリコンホースの中を本巣へと進んで行きましたが、様子を見ているとトゲアリの働きアリが進路を防ごうとしているかに見える場面もありました。ですが、間もなく脱翅女王アリは本巣の中に入って行きました。本巣の中は、トゲアリの働きアリで充満していましたので、その後の動きは観察できませんでした。

アクリルパイプへと入って行く 19時46分撮影
シリコンホースの中を本巣へと進む脱翅女王アリ 19時47分撮影

トゲアリのごみ投下術の謎

8月20日、トゲアリのコロニーT140906-40の活動室に簡易的な飛翔台を設置して以来、開放蓋の上などにトゲアリの生活ごみが載るようになりました。

飛翔台の高さは83cm 8月20日撮影
ごみは撮影後除去した 8月21日6時43分撮影
ごみは撮影後除去した 8月24日8時24分撮影
8月27日15時4分撮影
8月27日15時5分撮影
生活ごみを咥えて飛翔台に上るトゲアリ 8月27日15時17分撮影

これはとても不思議なことです。生活ごみを飛翔台に上って落とすだけなら、真下に落ちるでしょうから、開放蓋には載らないはずです。
トゲアリが、どんなふうに生活ごみを落としたのかを知りたいのですが、まだ観察ができてはいません。

飼育下の1コロニーから飛び立った脱翅女王アリの帰還

飼育下の1コロニーから飛び立った脱翅女王アリ(交尾の有無は確認できていない)を元の巣に戻すとどうなるのでしょうか。8月22日に採集した3匹の脱翅女王アリで試してみました。

1匹目 働きアリに囲まれることがあったが、噛み合いは起こらなかった 8月22日14時18分撮影
2匹目 噛み合いは起こらなかった 14時19分撮影
3匹目 溶け込んでいる様子だった 14時22分撮影

この3例を見る限り、飛び立った元の巣の働きアリたちに受け入れられたようです。

下の2つの写真は、2022年にトゲアリの採集地で撮影しました。トゲアリの巣がある樹の上方から幹伝いに下りてきたトゲアリの脱翅女王アリをトゲアリの働きアリが攻撃しているところです。
ちなみに、上掲の3例との違いは、下写真の脱翅女王アリは結婚飛行(受精)を済ませていますが、3例では受精を済ませているのかどうかが不明です。また、3例での脱翅女王アリは、元の巣に戻ったのですが、下写真の脱翅女王アリは、働きアリと同じコロニーなのかどうかが不明です。

2022年9月10日8時31分撮影
2022年9月10日撮影14時48分撮影

飼育下の1コロニーから飛び立った脱翅女王アリの寄生行動

飼育下の1コロニーから飛び立った脱翅女王アリは、寄生行動をするのでしょうか。8月21日の早朝に採集した4匹の脱翅女王アリの内、3匹で試してみました。
寄主は何れも今年新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーです。

① 寄主:BH240518-07の場合

BH240518-07

脱翅女王アリをフィルムケースに入れ、フィルムケースを逆さにして、クロオオアリの飼育ケースのアクセス孔の上に置きました。孔からクロオオアリがフィルムケースの中に入ってきましたが、化粧行為は見られませんでした。

化粧行為をせずにコロニーの中に入って行った 8月21日10時25分撮影
10時25分撮影
クロオオアリの女王アリから終始一方的に攻撃されていた 10時30分撮影
10時36分撮影
トゲアリの女王アリが死亡していた 8月21日14時51分撮影

② 寄主:BH240518-08の場合

このような場面もあったが、化粧行為はしていなかった 8月21日14時4分撮影
14時7分撮影
クロオオアリの女王アリから終始一方的に攻撃されていた 14時10分撮影
14時11分撮影
トゲアリの女王アリが死亡していた 8月21日19時28分撮影

③ 寄主:BH240518-09の場合

BH240518-09
化粧行為が見られた 8月21日15時18分撮影
クロオオアリの女王アリを襲う 15時25分撮影
15時29分撮影
15時32分撮影
15時32分撮影
15時32分撮影
15時42分撮影
右触角を失っていた 15時45分撮影
トゲアリの女王アリが死亡していた 8月21日19時28分撮影

トゲアリの羽アリが飛翔

少し前からでしたが、トゲアリのコロニーT140906-40の羽アリが活動室アンテグラウンドⅡ型のガラスの側面などに上がって来るようになっていました。

8月19日8時29分撮影

そこで、8月20日、簡易的な飛翔台を作って、アンテグラウンドの中に設置しました。

飛翔台の高さは83cm 活動室は開放蓋なので設置可能だ 8月20日10時06分撮影

観察はその翌日の21日の早朝から始めました。
案の定、羽アリが飛翔台に上ってきていました。4時前の室温は29.5℃でした。

8月21日3時59分撮影

それから1時間ほど経った5時過ぎ、複数の有翅女王アリを部屋の中で見かけるようになりました。

床を歩く有翅女王アリ 5時9分撮影
5時11分撮影
5時11分撮影
シーリングライトに飛んできた有翅女王アリ 5時16分撮影

活動室の中では、複数個所で見られた羽アリの群れが、ほぼ解けていました。

5時21分撮影

人工巣の中は、まだ、少数ですが羽アリがいました。

5時33分撮影
5時33分撮影

それから間もなくして、部屋の中で脱翅女王アリを見かけるようになりました。

5時39分撮影
5時39分撮影
5時41分撮影

やがて夜が明けると、南向きのガラス戸に羽アリが集っていました。

6時13分撮影

8時ごろまでに、部屋の中で、脱翅女王アリは4匹、有翅女王アリは7匹、雄アリは5匹を採集しました。ちなみに、脱翅女王アリですが、交尾を済ませたのかは不明です。

飼育トゲアリの羽アリたち 7月3日以降の様子

直近の飼育トゲアリの羽アリの様子は、こちらをご覧下さい。

羽アリがかなり多くなっている 7月17日撮影
活動室に出手来る羽アリが多くなった 7月27日撮影
活動室内で群れを作るようになった 8月7日撮影
活動室内の群れ 大気圧給水器の傍らで群れていた 8月9日撮影
活動室の中に脱翅女王アリがいた 8月12日撮影
活動室で蜜を与えると羽アリも飲んでいた 8月17日撮影

世代交代か?

飼育しているトゲアリのコロニーの中で最も大きなコロニーになっているT140906-40では、多数の働きアリが死んでいます。その死因は恐らく寿命だと思います。

7月19日撮影

昨年の9月19日のブログ「トゲアリの大コロニーの大量の寿命死」でも、働きアリの大量の死について触れています。

2023年9月19日撮影

トゲアリの働きアリの寿命は、まだ調べてはいません。

飼育トゲアリの羽アリたち

6月18日に、トゲアリのコロニーT140906-40(2014年9月6日に新女王アリを採集)で、女王アリが誕生したことについて触れていますが、6月26日には雄アリが活動室アンテグラウンドⅡ型にいるのを見つけました。

活動室に垂らした蜜を働きアリと一緒に吸っている雄アリ 6月26日20時58分撮影

7月3日には、女王アリがかなりの数になっていました。中には、活動室に出てきている女王アリもいました。

本巣の中の女王アリ
本巣の中の女王アリ
本巣の中 働きアリからケアを受けているように見える
羽化直後、ちょうど翅が伸びきったところなのだろうか
羽化後、まだ翅が白っぽい
羽化後、体色が黒っぽくなってきている
活動室の壁面を歩き回る女王アリ
活動室の床の死骸置き場になっているところにいる女王アリ2匹
上の写真の1匹は、なぜか死んだ働きアリの肢を咥えていた

T20220910-540をリトルアンテシェルフへ

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )は、直近のブログで触れているように、トゲアリの寄生の試み5例の中で、最も良く繁栄しています。コロニーの本体は、コンクリート巣の上面に移動しています。

6月18日撮影

そこで、T20220910-54をリトルアンテシェルフに引越させることにしました。引越の方法としては通常の方法を用いたのですが、短時間でしたがその観察の限りでは、リトルアンテシェルフへ引っ越すような動きがありませんでした。

引越用の衣裳ケースの中の様子 リトルアンテシェルフの中へ幼生虫を運び込んでいない

そのため、リトルアンテシェルフを衣裳ケースに入れたまま、アルミホイールを外し、アンテシェルフの上方の蓋を開けて、衣裳ケースの中で分散していた成員を、平筆と薬さじを使って、直接強制的にアンテシェルフの中へ落とし入れました。それから、リトルアンテシェルフを開放蓋付きの小型水槽の中に入れました。衣裳ケースの中に残っていた働きアリと幼生虫は、小型水槽の中に落とし入れました。

引越はほぼ完成 13時54分撮影

小型水槽の中に落とし入れた幼生虫は、やがて働きアリによってリトルアンテシェルフの中に運び込まれました。

小型水槽の中の幼生虫をリトルアンテシェルフの中へ運び込む働きアリ 14時6分撮影

創巣10年目で女王アリ誕生 トゲアリT140906-40

トゲアリのコロニーT140906-40(2014年9月6日に新女王アリを採集)は、クロオオアリのコロニー(2012年6月14日に新女王アリを採集 S/N:B-NESTCON01024)に、2014年9月11日に一時的社会寄生したコロニーです。今年で創巣から10年目を迎えます。
以前からとても大きなコロニーになっていましたが、今日始めて、羽化したばかりの女王アリがいるのに気づきました。

前胸背板前方に刺が1対あるので女王アリであることがわかる 6月18日撮影

ちなみに、2年前の2022年7月には、雄アリが多数誕生していました。

雄アリ 前胸背板前方に刺がない 2022年7月29日撮影

本巣の中には、これから羽アリになると思われる大きな繭も散見されました。また、これから育つ幼虫も多数見られます。

この繭は女王アリの繭なのだろうか 6月18日撮影
これから育つ幼虫も多数いるようだ 6月18日撮影

ちなみに、T140906-40の直近の様子については、5月30日に、リトルアンテシェルフで人工巣を拡張したことについて触れていますが、今ではこのリトルフアンテシェルフにも幼生虫が運び込まれています。居住スペースとして利用されるようになったことが分かります。

左が元々の本巣 右が新たに増設したリトルアンテシェルフ 6月18日撮影

トゲアリ 羽化が始まる

トゲアリのコロニーT1809192018年9月22日 B15002(2015/05/15採集)に進入〉の直近の様子については、6月5日に触れたばかりですが、今日6月9日に見ると、繭の抜け殻が多数散見されました。働きアリの羽化が始まっているようです。

働きアリの繭の殻 6月9日16時36分撮影
抜け殻が散見される 16時36分撮影
人工巣の中の様子 16時37分撮影

トゲアリの2コロニーの様子

T180919T210912-02の様子については、4月10日のブログで触れています。それからほぼ2ヶ月弱の6月5日の様子を記録しておきます。

1)T1809192018年9月22日 B15002(2015/05/15採集)に進入〉

人工巣リトルアンテシェルフを小型水槽の中に入れて飼育している
シェルフ2段に幼生虫がいる

2)T210912-022021年9月16日 BK170530-040(2017年5月30日採集)に進入〉

人工巣リトルアンテシェルフを活動室アンテグラウンドⅢに繋げて飼育している
シェルフ4段に幼生虫がいる

T180919とT210912-02を比べてみると、一時的社会寄生が始まった時期に3年の隔たりがあるのですが、むしろ遅くから寄生を始めたT210912-02の方が大きなコロニーになっています。
その差の要因が、単に女王アリの個体差なのか、飼育環境によるものなのかは不明です。