クロオオアリ」カテゴリーアーカイブ

クロオオアリ10コロニーの幼生虫の様子(9月16日)

昨年の5月18日に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーうち、6コロニーはコンクリート製の人工巣に移転させています。これら6コロニーを含めると、クロオオアリについては、現在10コロニーを飼育しています。
このブログでは、9月16日のそれら10コロニーの様子(特に幼生虫の様子)を記録しておきます。

B15006(2015年創巣)

とてもたくさんの幼虫が見られる 何れも越冬幼虫になるようだ
卵もあった
少し大きめの幼虫もいた

BK170530-081(2017年創巣)

越冬幼虫なのだろう
大きめの幼虫がいた

BH210523-30(2021年創巣)

繭も見られる

BH210523-34(2021年創巣)

繭も見られた

BH240518-08(2024年創巣)

繭が多めのようだ

BH240518-10(2024年創巣)

繭が多めのようだ
かなり大きめの幼虫がいた

BH240518-28(2024年創巣)

BH240518-40(2024年創巣)

BH240518-41(2024年創巣)

BH240518-47(2024年創巣)

参照
越冬幼虫は何時頃から?」(2024年8月21日)

9月16日時点のトゲアリの様子(特に幼生虫)

9月16日時点での飼育している全てのトゲアリの様子、特に幼生虫の様子を記録しておきます。

T140906-40(2014年寄生)

T180919(2018年寄生)

T210912-02(2021年寄生)

T20220910-44(2022年寄生)
クロオオアリの働きアリが3匹生きています。

1匹目
2匹目
3匹目

T20220910-53(2022年寄生)
クロオオアリはいません。

T20220910-54(2022年寄生)
クロオオアリはいません。

昆虫を分解している まだ幼虫を育てているのだろうか

T20220910-65(2022年寄生)
トゲアリの働きアリや幼生虫はいません。クロオオアリがまだ多く生きています。

ところで、2022年寄生の4コロニーの宿主は、何れも2021年に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーでした。この宿主の最も若い個体(クロオオアリの働きアリ)は2023年に羽化しています。興味深いのは、クロオオアリの寿命という点では4コロニーともに同じはずですが、生き残っているクロオオアリの個体数には大きな違いがあります。
今回の事例に限ってと言うことにはなりますが、トゲアリのコロニーの増大と宿主のクロオオアリの働きアリの寿命との間には、確かな関連がありそうです。

ボカシミジングモを撮る 獲物の躯体に損傷見当たらず

今年の8月22日のブログ「ミジングモが巣の中から、狩ったクロオオアリを運び出した」と同じ場所(B200603-075)で、今日、クロオオアリが4匹、宙吊りになっているのを見つけました。その内3箇所には、ミジングモがいました。ボカシミジングモのようです。

9月7日8時22分撮影
9月7日8時23分撮影
9月7日8時23分撮影

あとの一箇所には、ミジングモはいませんでした。写真撮影の時には、気づかなかったのですが、写真には、小さな虫が3匹写っていました。その虫には翅があるようで、カメムシのようにも見えます。クモではなく、昆虫のようです。この生き物はいったい何なのでしょうか。

9月7日8時23分撮影

3箇所のボカシミジングモをフィルムケースで捕獲しました。

9月7日12時3分撮影

以下の写真は実体顕微鏡で撮影したものです。

一番大きいボカシミジングモ 格子状の1目盛は1mm 脚部を除いた体長は2.8mm程 腹面撮影
1番小さいボカシミジングモ 格子状の1目盛は1mm 脚部を除いた体長は2mm程 背面撮影
中ぐらいの体長のボカシミジングモ 円形の1目盛は0.5mm 撮影時には死んでいた 13時42分撮影

ところで、宙吊りにされたクロオオアリは、肉眼で見た限りでは躯体に損傷がないように見えるのですが、そのことを調べるために、実体顕微鏡で拡大して見ることにしました。

側面
背面
腹面

実体顕微鏡で見る限りでは、やはり躯体に損傷は見当たりませんでした。
そこで、疑問に思うのですが、ミジングモはクロオオアリの何を食べているのでしょうか。あるいは、子クモを育てるために使うのでしょうか。

ところで、「ミジングモが巣の中から、狩ったクロオオアリを運び出した」のが、ミジングモの一般的な習性なら、ミジングモはクロオオアリの巣の中に入っても、気づかれないか、少なくとも襲われないのでしょうか。そこで検証してみることにしました。生きているボカシミジングモ2匹を、クロオオアリの2つのコロニーの中にそれぞれ強制的に入れてみました。

すぐさま、クロオオアリに捕獲されてしまった。
2匹目もクロオオアリに捕獲されてしまった。

この実験では、ミジングモをいきなりクロオオアリの働きアリが多数いる中に入れたので、自然界にはない状況であったことを考慮に入れなければならないのですが、クロオオアリはミジングモに気づくことができ、捕獲することができることが分かります。

15時半頃に再び宙吊りがあったB200603-075の巣口の辺りを見ていると、ボカシミジングモが1匹、獲物なしでクモの糸にぶら下がっていました。明日以降も、観察の機会がありそうです。

15時36分撮影

巣口は移動する(追記2025年9月1日)

巣口が移動することについては、これまでに次のブログで触れてきました。

移植2・3回目のその後」(2025年5月19日)
移植2・3回目に新たな巣口」(2025年7月3日)
巣口は移動する」(2025年7月8日)

9月1日、移植3回目(B200603-075)の巣口がまた移動していました。

9月1日8時51分撮影

写真の上方右にこれまでは巣口があったのですが、巣口があった場所は埋まっていました。下方左に新たに巣口ができていて、土を巣口から運び出す働きアリがいました。

ミジングモが巣の中から、狩ったクロオオアリを運び出した

これまでにも、クロオオアリの天敵として、各種のクモ類を紹介してきました。

過去の関連記事参照:
アリ日記 2012/06/06〜08(5)巣から外に出るリスク」2012年6月13日
クモに襲われたクロオオアリ その瞬間」2018年4月12日
生死の運命」2021年3月24日
サクラの切り株の中にムネアカオオアリを移植」2021年4月14日
アリジゴクとハエトリグモ」2021年4月27日
クモに襲われたクロオオアリを巣に戻す」2021年8月25日
クロオオアリの天敵」2024年5月7日
その後のクリオオアブラムシ(5/21・6/6)」2025年6月6日
クロオオアリの天敵(追記 2025年7月6日)」2025年7月6日
クロオオアリの天敵(追記 2025年8月8日)」2025年8月8日

今回は、「アリ日記 2012/06/06〜08(5)巣から外に出るリスク」「クロオオアリの天敵」「クロオオアリの天敵(追記 2025年7月6日)」で取り上げているミジングモ亜科(ボカシミジングモ)の追記です。ただし、今回の観察は夜間であったため観察がしにくく、また、その時写真を撮ってはいたものの、その写真だけでは、種を同定することはできませんでした。

8月21日の20時頃のことです。今年の7月3日のブログ「移植2・3回目に新たな巣口」で記載している3回目の新たな巣口をたまたま見たのですが、巣の中から死んでいると思われるクロオオアリの働きアリが運び出されるところでした。運び出していたのは、小さなクモでした。
これまで、ボカシミジングモがクロオオアリの働きアリを狩った後、宙吊りにしているところを幾度も見ていますが、その前段階の、どのようにしてクロオオアリを狩るのかは見ていません。この度たまたま見た限りでは、ミジングモはクロオオアリの巣の中で狩りを行ったのではないかとも思わせます。今後の観察を待ちたいものです。
残念なことに、ミジングモがクロオオアリの巣口から獲物を運び出すところは、カメラを持ち合わせていなかったので、写すことはできませんでした。

狩られたクロオオアリは、既に巣口から運び出されている 8月21日20時7分撮影
以上の2つの写真からは種の同定は難しい 8月21日20時8分撮影

翌日に巣口の回りを見ると、前掲の写真の箇所には何も残ってなく、3箇所でクロオオアリが宙吊りになっていました。ただ、これらの3個体が、いつ宙吊りになったかは前日以前に観察していないので分かりません。

写真の右上に巣口がある 写真では判別できないが、3箇所でクロオオアリが宙吊りになっていた 8月22日16時11分撮影
16時12分撮影
16時12分撮影
16時12分撮影

「共存の試み5ケース」のその後

今年の5月9日に行った共存の試みは、その後も共存は順調で、コロニーは安定しています。

共存は順調だ 2025年8月15日撮影

この合併コロニーの女王アリBH240518-54は、5月9日の時点で、働きアリと幼生虫がいませんでした。現時点でこの共存コロニーには、卵が2個ありますが、BH240518-54が産んだのかは分かりません。

卵が2個ある 8月15日20時15分撮影

個体差によるコロニー規模の違い

2021年の5月23日に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーを現在4コロニー飼育しています。
その内、2コロニーは、小さなコロニーのままに留まっています。

左が BH210523-46 右が BH210523-53 8月14日撮影
左のBH210523-46の様子 卵があるが今年育った幼生虫はなかった 8月14日撮影
右のBH210523-53の様子 幼生虫は見当たらない 8月14日撮影

他の2コロニーは、大きく育っています。

BH210523-30 8月14日撮影
BH210523-34 8月14日撮影

また、この4コロニーの他にも、既に庭に移植した2021年に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーが2つあります。これらは、更に大きなコロニーでした。

2024年5月26日に庭に移植したBH210523-32 2024年5月26日撮影
2025年3月25日に庭に移植したBH210523-37 2025年3月25日撮影

これら6コロニーは、同じ条件下で飼育を開始し、徐々にコロニーの規模に応じて給餌量を変え、飼育器を選んできました。
そうだとすれば、コロニーの規模を決定づけた主な要因は、女王アリの「産卵能力」だと言えそうです。

クロオオアリの天敵(追記 2025年8月8日)

これまでにも、クロオオアリの天敵として、各種のクモ類を紹介してきました。

過去の関連記事参照:
アリ日記 2012/06/06〜08(5)巣から外に出るリスク」2012年6月13日
クモに襲われたクロオオアリ その瞬間」2018年4月12日
生死の運命」2021年3月24日
サクラの切り株の中にムネアカオオアリを移植」2021年4月14日
アリジゴクとハエトリグモ」2021年4月27日
クモに襲われたクロオオアリを巣に戻す」2021年8月25日
クロオオアリの天敵」2024年5月7日
その後のクリオオアブラムシ(5/21・6/6)」2025年6月6日
クロオオアリの天敵(追記 2025年7月6日)」2025年7月6日

今回は、「生死の運命」「サクラの切り株の中にムネアカオオアリを移植」「クロオオアリの天敵」で取り上げているハエトリグモの追記です。このハエトリグモの種名については、これまでも同定していません。シラヒゲハエトリに似てはいますが、別種であるように思います。

8月8日9時25分撮影
同上の個体 8月8日9時25分撮影

アケビバナナにやって来たクロオオアリとその巣の発見

バナナの木に糖分を求めてクロオオアリがやって来ることについては、2019年2020年のブログで触れています。
その過去のブログのバナナは、大きく育つ「アイスクリームバナナ」でしたが、このバナナは今年は大きく育ってはいません。それとは別のバナナも植えていて、それは良く熟れたアケビに近い色の実を付けるアケビバナナという品種です。

アケビバナナ 8月7日撮影

このアケビバナナにクロオオアリが来ていました。

蜜を吸うクロオオアリ 8月7日16時29分撮影
腹部が膨れている 16時29分撮影

帰路を急ぐクロオオアリがいましたので、その後を追ってみました。

帰路を急ぐクロオオアリ この写真には2匹写っている 16時31分撮影
巣口にたどり着いた 16時35分撮影

この巣口は、庭の平面と斜面を区切るコンクリートブロックの斜面側にありました。

巣口は、向こうから縦2列目の最下層のコンクリートブロックの(地面との境の)中央辺り

この巣口がある場所は、C巣とは少し離れていますが、C巣は今年になって生存が確認できている最も近くにある巣になります。また、今年の春移植したBH210523-37の移植先に極近いので、BH210523-37の可能性もあります。更に、この近くで、J巣(自然巣 2018年5月21日発見)をかつて見つけていましたので、その可能性もないわけではありません。いずれにしても、この新たに発見した巣口を持つコロニーの所属や由来は特定できませんでした。

その後も、アケビバナナの木にクロオオアリがやって来ていました。

16時36分撮影
16時36分撮影

今年のクロオオアリの女王アリの羽化期間は(2025年)

7月13日のブログ「今年初めてのクロオオアリの女王アリの羽化」からおよそ2週間後の7月26日には、女王アリの繭と思われる数は、判別できたのは3個でしたが、それよりは多めに残っているようでした。とは言え、繭は明らかに少なくなっています。では、新女王アリは何匹になっているのでしょうか。
B15006の本巣であるアンテシェルフは17段仕様の人工巣です。その各段ごとに新女王アリと思われる女王アリの数を数えてみました。
 1段目:4匹
 2段目:0匹と このコロニーの女王アリ
 3・4段目:0匹
 5段目:7匹
 6段目:2匹
 7段目:0匹
 8段目:2匹
 9段目:3匹
 10段目:1匹
 11〜17段目:0匹

B15006の本巣である17段アンテシェルフ

新女王アリは19匹になっていました。ただ、段によっては女王アリの数が数えにくく、19匹は必ずしも正確ではないかも知れません。

その2日後の7月28日、残っている女王アリの繭は2個のようでした。

7月28日16時53分撮影
7月28日16時54分撮影

再び、段ごとに新女王アリと思われる女王アリの数を数えてみました。
 1段目:11匹
 2段目:0匹と このコロニーの女王アリ
 3段目:2匹
 4段目:1匹
 5段目:3匹
 6段目:1匹
 7段目:1匹
 8段目:1匹
 9段目:1匹
 10段目:0匹と 雄アリ1匹
 11段目:0匹
 12段目:1匹
 13〜17段目:0匹
新女王アリと思われる女王アリは22匹になっていました。ただ今回も、段によっては女王アリの数が数えにくく、22匹は必ずしも正確ではないかも知れません。

本巣の中で見つかった雄アリ 1匹のみ 7月28日17時6分撮影

ところで、活動室のアンテグラウンドⅠ型の中の羽アリの様子はどうなっているのでしょうか。既に結婚飛行の時期は終わっています。
まだ、新女王アリの羽化が始まっていなかった7月1日の観察によると、

「活動室のアンテグラウンドⅠ型の中に、昨年生まれの有翅女王アリが12匹と雄アリが3匹いました。(また、17段アンテシェルフの中には、昨年生まれの有翅女王アリと雄アリがそれぞれ1匹ずついました。)」

でしたが、今回の観察では、有翅女王アリが13匹、雄アリが3匹でした。

その翌日の7月29日も女王アリの繭2個がそのまま見られました。
30日・31日は観察できていませんでしたが、8月1日、女王アリの繭が2個とも確認できませんでした。このことから、明言は出来ないものの、今年の女王アリの羽化は、7月13日から始まり、7月末日頃まで続いたと言うことになります。

関連ブログ
B15006に雄アリが誕生」(2021年7月4日)
飼育下でクロオオアリの女王アリ誕生」(2022年6月30日)
クロオオアリの女王アリの羽化を撮る」(2022年7月6日)
女王アリの羽化がほぼ完了 B15006」(2022年7月23日)
今年も異様に大きな繭」(2023年6月7日)
B15006で今年も新女王アリが誕生」(2023年7月12日)
クロオオアリの新女王アリの誕生時期は?」(2023年8月1日)
クロオオアリの女王アリの羽化が始まっていた」(2024年7月8日)
今年のクロオオアリの女王アリの羽化期間は?」(2024年7月17日)
今年初めてのクロオオアリの女王アリの羽化」(2025年7月13日)

2022年:
6月30日に1匹のみ羽化 7月25日まで羽化が続く
 ※室温の自動管理なし
2023年:
7月12日までには羽化が始まっていて、8月1日まで羽化が続く
 ※室温管理 26℃〜29℃
2024年:
7月8日には羽化が始まっていた ほぼ7月17日まで羽化が続く
 ※室温管理 26℃〜30℃
2025年:
7月13日から始まり、7月末日頃まで続いた
 ※室温管理 26℃〜30℃

2022年女王アリ死亡のB120614-86の働きアリ 2年強の寿命

今年の6月13日のブログで、2022年に女王アリが死亡したクロオオアリのコロニーB120614-86の働きアリが、1匹のみ生き残っていることを報告していますが、その最後の1匹が7月16日死んでいました。
この最後の1匹が、2023年6月ごろに羽化したとすれば、この個体の場合、成虫での寿命は2年強と言うことになります。

B120614-86 最後の1匹が死んでいた 7月16日撮影

関連ブログ
①「働きアリの寿命」(2012年8月31日)
 「1年以上(生存中)」
②「1匹だけ育った働きアリ」(2021年8月31日)
 「成虫になって1年(生存中)」
③「働きアリの寿命」(2013年3月25日)
 「今年で2回目の春を迎えようとしている(生存中)」
 「約20ヵ月生きている(生存中)」
④「働きアリの寿命(その2)」(2013年6月10日)
 「23ヵ月間(確定)」「3年目を越えるのはもう目前(生存中)」
⑤「働きアリの寿命(その3)」(2014年6月19日)
 「最長で2年と11ヶ月近く生きていた(確定)」
⑥「外勤が少ないトゲアリ」(2020年5月29日)
 「最短でも11ヶ月ほど(生存中)」
⑦「トゲアリの様子 2020年10月」(2020年10月15日)
 「1年と4ヶ月以上に渡って生きている(生存中)」
⑧「ほぼ2年間生きているクロオオアリの働きアリ」(2021年5月31日)
 「ほぼ2年間生きている(生存中、例外的)」
⑨「クロオオアリの働きアリの寿命」(2024年8月9日)
 「短く見積もっても、8月時点で2年強(生存中)」

今年初めてのクロオオアリの女王アリの羽化

今日、クロオオアリの新女王アリが1匹羽化しました。羽化があったのは、2015年に結婚飛行を済ませた女王アリのコロニーB15006です。直近の様子は、7月1日のブログで触れています。
2022年以来、毎年女王アリが生まれていますので、今年で4年目を迎えることになります。その女王アリの羽化の時期ですが、以下の記録から要約すると次のようになります。

関連ブログ
B15006に雄アリが誕生」(2021年7月4日)
飼育下でクロオオアリの女王アリ誕生」(2022年6月30日)
クロオオアリの女王アリの羽化を撮る」(2022年7月6日)
女王アリの羽化がほぼ完了 B15006」(2022年7月23日)
今年も異様に大きな繭」(2023年6月7日)
B15006で今年も新女王アリが誕生」(2023年7月12日)
クロオオアリの新女王アリの誕生時期は?」(2023年8月1日)
クロオオアリの女王アリの羽化が始まっていた」(2024年7月8日)
今年のクロオオアリの女王アリの羽化期間は?」(2024年7月17日)

2022年:
6月30日に1匹のみ羽化 7月25日まで羽化が続く
 ※室温の自動管理なし
2023年:
7月12日までには羽化が始まっていて、8月1日まで羽化が続く
 ※室温管理 26℃〜29℃
2024年:
7月8日には羽化が始まっていた ほぼ7月17日まで羽化が続く
 ※室温管理 26℃〜30℃

2025年7月13日17時24分撮影
上写真と同一個体 2025年7月13日17時26分撮影

巣口は移動する

クロオオアリの巣口が移動することについては、直近では7月3日のブログで触れていますが、「BH170521-025+BH170520-001との再会」で触れたコロニーの場合も、巣口の移動が見られます。

「BH170521-025+BH170520-001との再会」時の巣口 4月12日撮影
5月11日の巣口
7月6日の巣口 4月12日の巣口に極近い 5月11日の巣口は7月6日の巣口の右上
巣作りをするクロオオアリ 7月8日8時24分撮影
巣作りをするクロオオアリ 7月8日8時44分撮影

同じコロニーと思われる巣口が他にもありました。下の写真の中央左寄りの花壇面と岩の隙間に巣口があるようです。

7月6日8時15分撮影

クロオオアリの天敵(追記 2025年7月6日)

これまでにも、クロオオアリの天敵として、各種のクモ類を紹介してきました。

過去の関連記事参照:
アリ日記 2012/06/06〜08(5)巣から外に出るリスク」2012年6月13日
クモに襲われたクロオオアリ その瞬間」2018年4月12日
生死の運命」2021年3月24日
サクラの切り株の中にムネアカオオアリを移植」2021年4月14日
アリジゴクとハエトリグモ」2021年4月27日
クモに襲われたクロオオアリを巣に戻す」2021年8月25日
クロオオアリの天敵」2024年5月7日
その後のクリオオアブラムシ(5/21・6/6)」2025年6月6日

この度は、以下の2場面を追記しておきます。

クロオオアリを捕食するアオオビハエトリ 7月6日16時47分撮影
ボカシミジングモによる クモはもう立ち去っていた 7月6日16時53分撮影

移植2・3回目に新たな巣口

移植2回目(B200603-067)の巣口については、先日(5月19日)、コンクリートブロックの継ぎ目のある場所の少し西よりの平地に、新たに巣口ができていたことに触れていますが、7月2日、更にその新しい巣口から2m程西方の平地に新たに巣口ができていました。5月19日に見つけた巣口は既になくなっていました。

写真下方が西側 写真中央より少し下にクロオオアリが映っている 7月2日15時56分撮影
上方:巣口 下方:コガネムシ類の幼虫を捕らえている 7月2日15時59分撮影
巣口 7月2日16時0分撮影
コガネムシ類の幼虫を捕らえている 7月2日16時0分撮影

移植3回目(B200603-075)の巣口については、同じく先日(5月19日)、ミツバチの巣箱を置いていたすぐ横の花壇の岩で巣作りをしていたことに触れていますが、7月3日、その巣作りの場所から1m程東方の花壇の岩の近くで巣作りをしていました。巣口は2箇所ありました。5月19日に見つけた巣口は既になくなっていました。

写真の左右に巣穴から運び出された土粒が見える 7月2日16時0分撮影
この右の巣口の方が出入りが多い 7月3日16時42分撮影
左側の巣口 7月3日16時43分撮影
近くに蜜器を置いた 7月3日17時27分撮影
7月3日17時28分撮影

B15006の昨年生まれの羽アリの様子(7月1日)

つい先日、クロオオアリのB15006の様子を記録したばかりですが、その際は、コロニーに残っている昨年生まれの羽アリについては触れていませんでした(既に相当数の羽アリがアンテグラウンドⅠ型の開放蓋越しに飛び立っていなくなっています)。
改めて観察すると、活動室のアンテグラウンドⅠ型の中に、昨年生まれの有翅女王アリが12匹と雄アリが3匹いました。
また、17段アンテシェルフの中には、昨年生まれの有翅女王アリと雄アリがそれぞれ1匹ずついました。

手前がB15006の活動室アンテグラウンドⅠ型
17段アンテシェルフ
アンテグラウンドⅠ型の中 ここでは有翅女王アリが2匹と雄アリが1匹映っている 7月1日19時45分撮影
17段アンテグラウンドの中の有翅女王アリ 19時51分撮影
17段アンテグラウンドの中の雄アリ 19時53分撮影

ちなみに、以下は7月1日の女王アリの幼虫と蛹です。

女王アリの幼虫が蛹化 B15006

B15006では、2022年以来、毎年女王アリが生まれています。今年で4年目を迎えたことになります。
女王アリの幼虫で、既に蛹化した繭とこれから蛹化する幼虫が混在しています。
また、働きアリになる卵も多数ありました。

6月17日

女王アリの幼虫が育っている まだ蛹化はしていない

6月25日

卵がたくさんある
女王アリの幼虫
女王アリの繭が多数あった
女王アリの繭

6月26日

女王アリの繭と女王アリの幼虫が混在している

自然界のクロオオアリのコロニーの生存年数を考察すると

 私が今の家に引越をしてきたのは、2015年の10月でした。それ以前から、庭でクロオオアリを見かけていましたので、庭のどこかにクロオオアリの巣があるだろうと思っていました。
 クロオオアリの巣口を発見したのは、その翌年で、主に3つのコロニーでした。
 A巣 2016年 4月13日発見
 B巣 2016年 4月  5日発見
 C巣 2016年 4月11日発見

 A巣とB巣については、その後いつしか区分が難しくなってしまいました。それは、毎年、巣口が移動するからです。そのため、2024年まで結婚飛行を行っていたコロニーが、A巣なのかB巣なのか分からなくなっていたのですが、そういう事情を踏まえた上で、A巣だとしてきました。B巣は2019年の春までに滅亡したと考えてきました。
 そのA巣ですが、今年は結婚飛行を見ることなく、そもそもコロニー自体が滅亡したと思われます。もしそうであれば、2016年春から2024年末までは生存していたということになり、短くても9年間はコロニーが存続していたことになります。
 2016年5月27日のブログで、
「ところで、結婚飛行が行われたのは、B巣だけでした。A・C・D巣では羽アリは出て いませんでしたので、巣ができてから日が浅く、まだ羽アリが生まれていないのかも知れません。」
と記しています。
 A巣が結婚飛行を始めて行ったのは、記録によると2018年でした。すると2024年までの6年間にわたって結婚飛行を行ったことになります。2016年春にコロニーを確認したと書きましたが、その2年後には女王アリと雄アリが結婚飛行をしたのですから(羽アリの羽化はその前年)、2016年よりもかなり以前にコロニーが誕生していたことになります。
 ここで飼育しているクロオオアリのコロニーを参照して、A巣がいつ頃誕生したのかを考えてみましょう。現在最も大きなコロニーのB15006の記録を参照します。
 B15006は2015年に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーです。このコロニーで始めて羽アリが羽化したのは、2021年のことです。ただ、雄アリだけでした。そして、その翌年の2022年になって女王アリが羽化しました。
 このことから、女王アリの羽化で考えると、コロニーの創設から女王アリが羽化するまでには7年かかったことになります。
 これをA巣に当てはめると、2017年から7年前の2010年にコロニーが創設されたことになります。その推察が正しければ、A巣は14年間生存し続けたことになります。
 日本の自然界のクロオオアリのコロニーの生存年数について、僅かに1例ですが、この考察がひとつの参考になればと思います。

清水白桃のアブラムシとヒラタアブ

庭の清水白桃にアブラムシが付いていました。

6月13日17時2分撮影

他の葉裏には、ヒラタアブの幼虫もいました。(別種のヒラタアブの幼虫を栗の木でも観察しています)

写真の左右に1匹ずつ映っている 17時1分撮影

クロオオアリがやって来ていました。

17時0分撮影
17時3分撮影
17時4分撮影