今年の観察では初めて、今日3月30日に、自宅前の草地でクロオオアリを見かけました。
ちなみに、2017年は4月1日、2019年は4月5日、2020年は4月4日に自宅前の草地で、その年始めてクロオオアリを見かけています。いずれも、自宅の庭に棲むクロオオアリです。




3月12日のブログでは、飼育しているトゲアリがバッタを解体したことを書きましたが、移植した庭のトゲアリ(T140906-03)にハエトリグモ(動物性の餌)を与えたところ、この場合も餌として摂取したようです。
この時期に、トゲアリが動物性の餌を食べることについては、既に2020年3月20日のブログで触れています。
この度、その追試となりますが、昨年から保管していたバッタ類を与えてみました。
2020年より1週間ほど早い時期でしたが、バッタ類を解体し始めました。
庭に移植したトゲアリがいつしか姿を現さなくなりました。
12月11日、9時半頃にはやはりトゲアリの姿はありませんでしたが、11時前に見に行くと1匹のトゲアリが、巣があるクリの切り株の直ぐ上方のドーフィン(イチジク)の主枝を歩いていました。
その直ぐ後で、クリの切り株の上に置いているコンクリートブロックにもトゲアリがいることが分かりました。そこで、このトゲアリの近い場所に蜜器を置き、蜜を入れました。
そのトゲアリは、意外にも蜜にあまり関心がないように見えました。10数分後に見に行くと、蜜器のそばにはいましたが、蜜を飲んでいないように見えました。仲間も来ていませんでした。
午後に見に行くと、10匹近くのトゲアリが蜜器に来ていました。蜜はほぼ飲み尽されていました。
食い付きは悪くても、蜜を飲むことが分かりました。そこで、蜜をつぎ足しました。
蜜を飲んで戻っていくトゲアリを見ると、巣口が2個所に分かれていることが分かりました。
この2つの入り口は、中で繋がっているのかどうかは分かりません。
ところで、このトゲアリのコロニーが以前引越先に選んだ切り株の地際(4度目の引越先・6度目の引越先)の様子はどうなっているでしょうか。
しばらく観察しましたが、トゲアリは出入りしていませんでした。
12月も中旬に入っていますが、まだ天候次第ではトゲアリは巣から出てくることが分かりました。巣の直ぐ近く以外にも、移植当初のクリの木にトゲアリが2匹来ていました。その内1匹には蜜を近くで与えましたが、このトゲアリも蜜にはあまり関心を示しませんでした。
この時期の(飼育下ではない)トゲアリは、昆虫などのタンパク源を摂ろうとしているのでしょうか。試してみることにしました。
11月2日、庭に移植しているトゲアリの巣の極く近くにバッタと大根の葉に付いていた幼虫を置きました。しばらくして見に行くと、たくさんのトゲアリがバッタと幼虫に群がっていました。
タンパク源に関心があるようです。
そして、今日見に行くと、バッタは分解が進んでいて、幼虫は見当たりませんでした。幼虫は、巣の中に運び込まれたのでしょう。
直前ブログのクリの木の様子ですが、枝を切った切り跡にクロオオアリが来ていました。枝を切ったのは、9月26日のことです。
切り跡から樹液が出ているのでしょう。翌日には、チョウやハナムグリも来ていました。
9月22日の8時半過ぎに、庭から外に通じる階段の踊り場で、クロオオアリの女王アリを見つけました。辺りを見ても、クロオオアリの働きアリはいません。この女王アリは、単独で歩いていたようです。腹部を見ると、結婚飛行後の女王アリのようには膨らんではなく、かなり萎んだ腹部でした。「移植」組のコロニーの巣が何者かに襲われ、「命辛々」逃げてきたのかも知れません。
飼育ケースの中に、水を含ませたカット綿を入れ、この女王アリを入れました。直ぐに水を飲み始めました。「のどが渇いて」いたのでしょう。
そこで、蜜を与えることにしました。飲む量を量るために、10μL(1μL=0.001mL)ずつ与えました。
50μLも飲み干しました。今年8月3日のブログ「クロオオアリの女王アリの胃の容量」では、「クロオオアリの女王アリの胃の容量は、40数μL(0.04mL〜0.05mL)のようです」と結論づけていますが、「記録を更新」しそうです。更に10μLを与えました。
けれども、今度は飲み残してしまいました。
直前に少し水を飲んだことを考慮しても、クロオオアリの女王アリの胃の容量は、50数μL(0.05mL〜0.06mL)のようです。水を飲んでいる時の写真と比べれば歴然ですが、蜜を飲んだ後は、腹部が随分と膨れています。
この女王アリをBO210922と名付けます。この女王アリが、再度コロニーを作ると良いのですが。
庭に2品種の梨の木を植えているのですが、今年は二十世紀梨の実も病気に罹ってしまいました。その果実の病片で果汁が吸えるようになり、クロオオアリや他種のアリがやって来ていました。
参照:梨の木とクロオオアリ
「梨の花に集まる昆虫たち」2020年4月6日ブログ
「梨の木のアブラムシとクロオオアリ」2019年6月10日ブログ
「庭の果樹とクロオオアリ」2018年4月18日ブログ
これまで、アリの胃の容量を量ったことはありませんでしたが、今日、その機会がありました。
対象としたのは、クロオオアリの女王アリです。クロオオアリの場合、働きアリは大きさが連続的ですから、各個体の胃の容量は一定ではありませんが、女王アリの場合は、ほぼ一定だと考えられます。今回胃の容量を測定したのは、今年の6月9日に自宅の庭で採集した新女王アリで、子育てが順調ではなく、まだ働きアリがいない単独女王アリです。これまで蜜等は与えていないので、水を飲むことはあったとしても、胃は空に近い状態だと考えられます。
蜜の容量の測定には、ピペットを使います。
ピペットは予め1分注を10μL(1μL=0.001mL)に設定しています。1分注ずつ、飼育器の中に垂らします。
4分注目、つまり40μLは飲み干したのですが、下の写真のように5分注目は残してしまいました。
このことから、このクロオオアリの女王アリは、40数μL飲んだことになります。クロオオアリの女王アリの胃の容量は、40数μL(0.04mL〜0.05mL)のようです。
ちなみに、40数μL飲んだこのクロオオアリの女王アリと、働きアリがいて既に何回も蜜を与えているコロニーの女王アリ(今年5月23日採集)と、20μL飲んだまだ働きアリがいない女王アリ(今年5月23日採集)の腹部の大きさを比べてみました。
庭にヌアールKという品種名のイチジクを植えています。
今、実がたくさん熟れています。その実を目当てにかクロオオアリが来ていました。
実にはネットを被せていますから、ネットの中には入り難いようですが、ネットの中に入れたクロオオアリもいました。
トゲアリも来ていました。
ヌアールKの隣りに同じくイチジクのドーフィンを植えてあるのですが、そのドーフィンにトゲアリが来ていたことについては、以前ブログに書きました。
トゲアリが、このヌアールKの木まで、どのようにして来たのか知りたいと思い、観察していると、2本のロープを伝って来ていることが分かりました。
トゲアリはドーフィンの主幹を誘引しているロープを伝って杭まで行き、その杭とヌアールKの枝とを結ぶロープを伝って、ヌアールKにやって来ていることが分かりました。
クリの切り株の中に移植(5月6日)したムネアカオオアリの働きアリが、5月30日、移植した切り株の上に出て来ていました。そこで、シリンジで蜜を垂らすように与えたのですが、蜜を吸おうとはしませんでした。庭のクロオオアリに同じようにして蜜を与えた場合、常に蜜を飲み始めるのですが、そのことを思うととても意外でした。
翌日も、移植した切り株の上にムネアカオオアリの働きアリが出て来ていましたので、前日同様、蜜を与えたのですが、やはり蜜を吸おうとはしませんでした。
そこで、今度は半死状態にしたバッタの幼虫を与えてみました。すると、躊躇なく、バッタに取りつきました。
どうやら、この働きアリは、蜜を求めていたのではなく、タンパク源をさがしていたらしいのです。バッタを運び始めましたが、働きアリ1匹では、バッタは大き過ぎたようです。
まもなくして、もう1匹のムネアカオオアリの働きアリが通りかかり、バッタを見つけました。
盛んに咬みついていましたが、分解にはかなり時間がかかりそうでしたので、私がバッタの後ろ脚の一部を切り離しました。すると、その後ろ脚を咥えて、巣穴へと運び込みました。
更に、小さな昆虫(ユスリカや蛾等)を多数与えました。
2匹の働きアリの内、1匹はずっとバッタに取りついていましたが、もう1匹は、後から与えた小さな昆虫を何度も巣へと運んでいました。
2018年6月7日のブログ「栗の花にもクロオオアリが」で、クリの花にクロオオアリがやって来ていたことを書きましたが、今日(5月28日)は、別のクリの木の花にクロオオアリが来ているのを見ました。この別のクリの木は、2019年2月21日に植えた品種名「ぽろたん」というクリの木です。
移植トゲアリのその後の様子です。
A巣と思われるクロオオアリが散水ホースの上を数匹歩いていました。いつもはこのホース伝いにクリの木に向かうのですが、クリのある場所よりも更に先まで歩いて行きます。そこで後を追ってみると、その先にあるアキグミにかなりの数のクロオオアリがいました。お目当ては、このアキグミの木のようです。A巣からは歩行距離にして22mも離れているところです。
アキグミはちょうど満開のようです。蜜が得られるのでしょうか。
ナナホシテントウも来ていました。よく見ると、僅かにアブラムシがいます。
アキグミの木の隣りのこちらも満開のナツグミには、クロオオアリはいませんでしたが、クマバチが来ていました。
この時期、クロオオアリはタンパク源を摂るのでしょうか。ツチバッタを庭で見かけましたので、凍殺スプレーで動けなくして、A巣の巣口の近くに置きました。
そして、夕刻見ると、たくさんのクロオオアリがツチバッタを取り囲んでいました。
よく見ると、既に2箇所、胸部と腹部の間と頭部の付け根辺り、に穴が空けられていました。
翌日の朝見ると、ツチバッタは跡形無く消えていました。
何日か前から、散水ホースを歩くクロオオアリの腹部が膨れているのを見ていました。この散水ホースは、クリの木に繋がっており、クリの木からの帰路のようでしたので、クリの木に蜜があるようでした。たぶんその蜜は、クリオオアブラムシから得たのでしょう。
11月18日、この日も散水ホースをかなりの早足で歩くクロオオアリを見つけました。腹部が膨れているようです。
後を追ってみると、A巣にたどり着きました。しばらくして、A巣からクロオオアリが出てきましたので、散水ホースを歩くその後を追ってみると、やがてクリの木横のフェンスにつり下げている箇所を上り、クリの木へと繋がる橋状の箇所を渡り、クリの木にたどり着きました。そこには、もう1匹のクロオオアリがいました。
ただ、この後、後を追っていたクロオオアリを見失ってしまいました。
そこで、再度A巣から出て来たクロオオアリの後を追ってみると、今度はクリの木に着いても見失うことなく、ついにクロオオアリの目的地の箇所にたどり着きました。
ここにクリオオアブラムシがいるのでしょう。ただ、葉や枝などでよく見えませんでしたので、周りの葉や小枝を切り落としました。
案の定、そこにはクリオオアブラムシがいました。今年の5月23日以来の発見です。5月23日の時には、クリの木に数匹のクロオオアリが来てはいましたが、クリオオアブラムシから蜜を得ていないようでした。
昨年の8月5日のブログで、バナナの木にクロオオアリがやって来ていたことに触れていますが、今年もバナナの木にクロオオアリが来ていました。
苞の真下には、苞葉や花が落ちています。
ふと気づくと、1匹のクロオオアリがこの場所の近くを歩いていました。
小型で腹部が膨れているようです。歩いて行く方角から、C巣かL巣のクロオオアリなのかも知れません。更に後を追って行くと、L巣がある場所に近くなり、やがてL巣の辺りで芝生の中に潜って行きました。L巣からやって来ていたクロオオアリでした。
L巣と苞葉などが落ちていた場所との距離は3.3mありました。