一時的社会寄生」カテゴリーアーカイブ

以前からのトゲアリ3例の様子(2024年1月31日)

2022年の9月に寄生を始めた5例のトゲアリのコロニーの様子については、1月15日に触れています。この5例の他には、それ以前から飼育しているトゲアリのコロニーが3例あります。
その内、最も古く、また最も大きなコロニーになっているのは、T140906-40です。
(2012年6月14日にクロオオアリの新女王アリを採集したコロニー〈B-NESTCON01024〉に2014年9月11日に寄生開始)

T180919は、2015年5月15日に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニー(B15002)に2018年9月22日に寄生を開始したトゲアリのコロニーです。

T210912-02は、2017年5月30日に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニー(BK170530-040)に2021年9月16日に寄生を開始したトゲアリのコロニーです。

トゲアリの働きアリがとても増えているのがわかる
棚の上段にはクロオオアリが多数見られる

一時的社会寄生のトゲアリ5例の様子(2024年1月15日)

この寄生トゲアリの5例の様子は、昨年の9月7日に取り上げて以来となります。この5例は、何れも2022年の9月に寄生を始めたコロニーです。

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )

寄生が順調なようだ

トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )

昨年の9月同様トゲアリの働きアリはいない
トゲアリの女王アリは健在のようだ トゲアリの越冬幼虫はいない

昨年の9月にはトゲアリの女王アリが卵を産んでいましたが、育たなかったようです。

トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

昨年の9月同様トゲアリの働きアリはいない
トゲアリの女王アリは健在のようだ トゲアリの越冬幼虫はいない

昨年の9月には、トゲアリの卵が多数ありましたが、育たなかったようです。

ちなみに、同世代のクロオオアリのコロニーの様子です。

働きアリがとても多い
越冬幼虫が多数見られる

一時的社会寄生のトゲアリ5例の様子(9月7日)

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

8月2日には、トゲアリの働きアリが1匹でしたが、16匹ほどになっています。また、蛹と幼虫が見られ、恐らくトゲアリの幼生虫だと思われます。

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )

元々女王アリがいた巣部屋
別の巣部屋 女王アリがこちらにいた

大きなトゲアリの寄生コロニーになってきています。卵はないようですが、幼虫と蛹があります。

トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )

8月2日の時点でもトゲアリの働きアリはいませんでしたが、今回もトゲアリの働きアリはいませんでした。この時、トゲアリの女王アリが卵を咥えていました。

トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )

8月2日には、トゲアリの働きアリは4匹でしたので、トゲアリのコロニーが大きくなってきています。

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

8月2日の時点でも卵でしたが、今回も卵のままでした。ところで、5月27日の時点でも卵でしたので、少なく見積もっても2ヶ月以上卵のままと言うことになります。

一時的社会寄生のトゲアリ5例の様子(8月2日)

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

T20220910-53では、既に1匹が羽化していましたが、死んでいます。写真の1匹のトゲアリは、その後に生まれたのでしょう。

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )

一時的社会寄生のトゲアリ5例の中で最初に羽化があったコロニーです。卵の他、小さな幼虫が多数います。トゲアリが幼生虫の世話を始めているようです。

トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )

まだ羽化したトゲアリはいない
となりの部屋にも繭があった

トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )

7月26日から羽化が始まりました。それから1週間後(8月2日)には働きアリが4匹になっています。

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

繭がない
トゲアリの卵だが、孵化していない

5月27日の時点でも卵でした。少なく見積もっても、8月2日までには、67日あり、2ヶ月以上になります。直短寄生のT20220910-18では、5月30日に卵を2個観察していて、この場合も卵の期間が2ヶ月以上になっています。

一時的社会寄生のT20220910-44でも働きアリが生まれる

7月26日、トゲアリの寄生の試み 4(BH210523-23にT20220910-44が寄生 )で働きアリが1匹羽化していました。T20220910-54T20220910-53に続いて3例目になります。

7月26日21時02分撮影

ちなみにT20220910-54は、羽化した働きアリが11匹になっていました。

トゲアリの働きアリが11匹になっていた 7月26日20時57分撮影

羽化したトゲアリがいなくなった

7月20日に、一時的社会寄生のT20220910-53でも働きアリが1匹羽化していたことについて、既に21日のブログで取り上げていますが、24日、そのトゲアリの働きアリが人工巣の中からいなくなっていました。翌日にも再度人工巣の中を見ましたが、やはりトゲアリの働きアリはいませんでした。不思議なことに、死体も見当たりませんでした。

トゲアリの働きアリがいない 7月25日20時57分撮影

振り返ってみると、気になることがありました。
21日のブログの写真では、羽化した翌日、トゲアリの働きアリは、女王アリがいる部屋にはいませんでした。
また、22日にもトゲアリの働きアリの様子を写していますが、クロオオアリがトゲアリの肢を咬んでいました。

7月22日22時05分撮影

恐らくこのトゲアリの働きアリは、クロオオアリに殺されたのでしょう。

一時的社会寄生のT20220910-53でも働きアリが生まれる

一時的社会寄生のT20220910-54では、7月16日には働きアリが2匹生まれていましたが、7月20日、T20220910-53でも働きアリが1匹羽化しました。

羽化して間近のようだ まだ僅かに外皮が残っている クロオオアリは羽化の介助をしているのだろうか 7月20日22時48分撮影
羽化が完了したのだろうか 独り立ちしている 22時50分撮影

翌日見ると、このトゲアリの働きアリは、女王アリがいる飼育室の隣りの部屋にいました。

飼育室の隣りの部屋にいる羽化後のトゲアリの働きアリ 7月21日20時32分撮影

T210912-02が活動室に出てくるようになった

今年の6月7日のブログで、トゲアリのT210912-02が、初めて活動室(アンテグラウンドⅢ)に出て来たことについて触れていますが、7月18日には、複数のトゲアリの働きアリが活動室に出てくるようになっていました。

この時は活動室の中にトゲアリの働きアリが2匹いた 7月18日20時27分撮影

たった1例のトゲアリの寄生」のT180919(2018年9月22日クロオオアリのコロニーに寄生開始)では、2020年の5月末頃になってトゲアリの働きアリが巣から出てきているところを見ています。
T210912-02の場合も、寄生から2年後の6月初めに働きアリが巣から出て来たところを見ていますので、トゲアリが外勤を始めた時期が両者でほぼ一致しています。たったの2例の観察に過ぎませんが、一時的社会寄生の初期の段階では、トゲアリの働きアリは誕生した年には外勤はせず、その翌年になって巣から出て来るようです。

一時的社会寄生のT20220910-54で働きアリが生まれる

昨年行ったトゲアリの寄生の試みについては、前回は5月27日のブログに記載しています。
そのうち、「トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )」で、7月16日、トゲアリの働きアリが2匹誕生していました。

1匹目 羽化直後の外皮の除去中なのだろうか クロオオアリがトゲアリに何かをしているようだ 22時38分撮影
2匹目 クロオオアリに触角を咬まれているように見える 22時39分撮影
コロニーの全体の様子 羽化間近の繭が見える トゲアリが産んだ卵も多数ある 22時41分撮影

T20220910-54では、トゲアリの働きアリが誕生したことで、一時的社会寄生が大きく次の段階に入ったと言って良いでしょう。

トゲアリの寄生の試み その後(5月27日)

昨年行ったトゲアリの寄生の試みについては、前回は1月9日のブログに記載しています。

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

卵が多数ある 女王アリの腹部が異様に膨らんでいる

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )

同じく卵が多数ある 女王アリの腹部が異様に膨らんでいる

トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )

同じく卵が多数ある クロオオアリの繭も見られる 女王アリの腹部が異様に膨らんでいる

トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )

同じく卵が多数ある クロオオアリの繭と幼虫も見られる 女王アリの腹部が異様に膨らんでいる

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

卵は少し少なめだ 女王アリの腹部が異様に膨らんでいる

T210912-02のトゲアリのコロニー(5月27日)

2021年の9月16日に、クロオオアリのコロニーBK170530-40に、トゲアリの新女王アリT210912-02を寄生させたコロニーでは、順調にトゲアリの幼生虫が増えて来ているようです。

子育てはトゲアリが主体となっているようだ 5月27日14時52分撮影
幼生虫は全てトゲアリ 14時59分撮影
トゲアリの女王アリ 腹部が大きく膨らんでいる 腹部が透けて卵が見えているのだろうか 14時56分撮影

トゲアリの寄生の試み その後(1月9日)

以下は1月9日の様子です。何れも、寄生が順調なようです。

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

T20220910-53 1月9日17時1分撮影

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )

T20220910-54 1月9日17時3分撮影

トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )

T20220910-65 1月9日17時4分撮影

トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )

T20220910-44 1月9日17時5分撮影

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

T20220910-44 1月9日17時7分撮影

トゲアリの寄生の試み その後(10月30日)

以下は10月30日の様子です。何れも、寄生が順調なようです。

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

女王アリの様子
他の部屋の様子(一部)

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )

女王アリの様子
他の部屋の様子(一部)

トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )

女王アリの様子
他の部屋の様子(一部)

トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )

女王アリの様子
他の部屋の様子(一部)

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

女王アリの様子
他の部屋の様子(一部)

活動室に出て来ない今年生まれのトゲアリ

昨年の9月16日に寄主のBK170530-040(2017年5月30日に採集したクロオオアリの新女王アリ)のコロニーに寄生を始めたトゲアリの新女王アリ(S/N:T210912-02)の初期コロニーのその後ですが、順調にトゲアリの働きアリが増えています。トゲアリの働きアリは、一箇所に塊を作っています。

トゲアリの働きアリの塊が見える 10月25日15時5分撮影

活動室(アンテグラウンドⅢ)には、クロオオアリの働きアリがいます。トゲアリの働きアリが羽化後(最初の羽化を今年8月9日に確認)活動室に出て来ているところは、一度も見ていません。

活動室に出て来ているクロオオアリの働きアリ トゲアリの働きアリはいない 10月25日15時10分撮影

2020年5月29日のブログ「外勤が少ないトゲアリ」でも触れていますが、クロオオアリの働きアリがまだ多数いる環境では、トゲアリの働きアリはほぼ外勤はしないようです。
かつて私は1966年に、トゲアリとクロオオアリの共存巣を発見し、そのことを『昆虫と自然』(1966年10月号)に投稿しています。その中で、「このトゲアリの生態に関する想像や観察したことを述べておく」として、「4.野外でのえさ捜しには、トゲアリの働きアリは参加せず、巣の中でじっとうずくまっているだけである」と述べています。
この56年前に野外で観察したトゲアリの働きアリの生態と、飼育下で観察した上述の2つの例が示す生態(クロオオアリの働きアリがまだ多数いる環境では、トゲアリの働きアリはほぼ外勤はしない)が一致していることが分かります。

多雌寄生を試みる

ある方から次のようなコメントをいただきました。

「昔、野外でトゲアリの巣をまるごと採集しましたが、そのコロニーには女王が3匹いました。以前、結婚飛行後の新女王がクロオオアリの巣口周辺に複数集まってきている光景を見たことがあります。推測ですがトゲアリの多雌は多くの雌が同じ寄生先に侵入した結果、成立したものと考えてます。
現在、トゲアリ新女王がクロオオアリ女王の頭を落としたとのことですが、このタイミングで更に女王を複数投入すれば多雌になると思います。これは自分もチャレンジしたことがないので断定できませんが…」

そこで、トゲアリの多雌コロニーを作る試みをすることにしました。今回は、「トゲアリ新女王がクロオオアリ女王の頭を落としたとのことですが、このタイミングで更に女王を複数投入」するのではなく、最初から複数匹のトゲアリの女王アリを入れることにしました。つまり、「結婚飛行後の新女王がクロオオアリの巣口周辺に複数集まってきて」、その後間もなく複数匹のトゲアリの女王アリがクロオオアリの巣の中に入ったと想定してのことです。頭が落ちてからではありません(頭が切り落とされるまでには何日か掛かることが分かっています)。
実は2013年の9月27日にも同様の試み「トゲアリの女王アリを2匹入れると」をしています。今回は、4匹のトゲアリの女王アリを寄生させます。
9月23日、寄主をクロオオアリのコロニーS/N:BH210523-60(新女王アリを昨年の5月23日に採集)とし、トゲアリの新女王アリT20220910-1とT20220910-2とT20220910-3とT20220910-4(何れも9月10日採集)を寄生させました。

寄主のBH210523-60 リトルアンテシェルフの中に入れている 9月23日9時16分撮影
コロニーの様子 9月23日9時16分撮影

T20220910-1を飼育しているクリアカップの中にクロオオアリの働きアリを1匹入れたのですが、互いに接触を避けていました。T20220910-2でもクロオオアリの働きアリとの接触を避けているようでしたので、化粧行為がないまま、順次2匹をBH210523-60のアンテシェルフの中に入れました。

トゲアリの女王アリがクロオオアリの女王アリのいる塊に向かう 9月23日9時37分撮影
クロオオアリの女王アリに咬みつくことができず働きアリに取り押さえられている 9時39分撮影

T20220910-1とT20220910-2は化粧行為をしないまま寄主に入れましたので、それを改善するため、接触の機会がより多くなるように、T20220910-3とT20220910-4とT20220910-5では、クリアカップよりも狭いフィルムケースの中にトゲアリの女王アリとクロオオアリの働きアリを1匹ずつ入れました。しかし、このようにしても化粧行為は起こりませんでした。

フィルムケースの中のトゲアリの女王アリとクロオオアリの働きアリ 化粧行為は起こらなかった 10時2分撮影

今回も、化粧行為がないままBH210523-60のコロニーの中に入れました。

右のトゲアリはクロオオアリの働きアリに取り押さえられている 10時13分撮影
トゲアリの1匹がクロオオアリの女王アリに取り付こうとしている 10時13分撮影
クロオオアリの働きアリに取り押さえられたトゲアリ 10時17分撮影

4匹のトゲアリの女王アリ共に、しばらく経ってもクロオオアリの女王アリに咬みつくことができず、働きアリから拘束されることが多くなりましたので、殺されるリスクを考え、4匹とも救出しました。そして、クロオオアリの女王アリをコロニーから取り出してクリアカップに入れ、クロオオアリの働きアリがいない状態でトゲアリの女王アリを順次中に入れました。その後クリアケースの中に移し入れました。

クリアケースの中 クロオオアリの働きアリは入れていない トゲアリ同士が栄養交換をしている 11時0分撮影 
トゲアリ3匹が化粧行為をしていた 2013年にも同様なことが見られた 11時27分撮影
トゲアリがクロオオアリの女王アリに取り付いている 20時3分撮影

翌日の9月24日、クリアケースの中にクロオオアリの働きアリを10匹入れました。トゲアリの動きが活発にはなりましたが、一方的に攻撃を受けていましたので、働きアリの数を3匹に減らしました。ただ、トゲアリとクロオオアリの働きアリが栄養交換をする場面もありました。

9月24日9時23分撮影
11時48分撮影
14時10分撮影
15時12分撮影
栄養交換をしているようだ 9時19分撮影
9時10分撮影
14時10分撮影
14時20分撮影
16時23分撮影

この日(9月24日)、トゲアリの女王アリが2匹死にました。

1匹目の死 16時22分撮影
2匹死んでいた 22時30分撮影

次の日の9月25日には、夕刻、トゲアリの女王アリが更に1匹死に、残るは1匹のみとなりました。

9月25日8時0分撮影
14時17分撮影
3匹死んでいる 17時23分撮影

その後、10月2日、生き残っていた最後の1匹も死んでしまいました。

9月26日7時28分撮影
9月27日9時55分撮影
9月28日7時56分撮影
9月29日10時1分撮影
9月30日7時21分撮影
10月1日10時26分撮影
最後まで生き残っていた4匹目のトゲアリも死亡した 10月2日21時53分撮影

トゲアリの多雌の試みは実現できませんでした。その要因として考えられるのは、寄生を開始した時期にあるのかも知れません。
このトゲアリの女王アリは9月10日に採集しています。恐らくこの日の朝に結婚飛行に出かけたと考えられます。多雌を試み始めたのは9月23日の午前中からですから、その間13日経過しています。トゲアリの女王アリは4匹もいたのですから、そして、相当な時間クロオオアリの働きアリが3匹だったのですから、クロオオアリの女王アリの頸に咬みつき、そのまま放さないでいる機会は十分にあったはずです。しかし、それが見られませんでした。「本能が薄れた」とでも言えばいいのでしょうか。その根底を成す体力の余力不足が起因しているのかも知れません。(参照:「「トゲアリの女王アリは単独でいつまで生きられるか?」の結果」)
今年試みた一時的社会寄生で、最後に寄生が成功したのは、9月19日に寄生を開始した例です。この場合は、結婚飛行から9日後となります。
明言は出来ないものの、寄生をより確実に成功させるためには、採集後できるだけ早く寄生を開始するのが良いように思います。

参照:トゲアリの多雌コロニーに関する関連ブログ
2匹のトゲアリが寄生」(2015年10月17日)
トゲアリの女王アリの共存 その後」(2016年5月11日)

BH210523-23へ再度寄生の試み T20220910-44 のその後

9月20日、T20220910-44がクロオオアリの女王アリの頸を腹面から咬みついていました。それから9月27日までは、そのまま頸を腹面から咬みついたままでした。

9月21日20時0分撮影
9月22日8時43分撮影
トゲアリの女王アリの右触角にクロオオアリの働きアリの頭部が付いたままになっている 9月24日8時59分撮影
9月26日7時34分撮影
9月27日9時35分撮影

9月28日になると、トゲアリの女王アリはクロオオアリの女王アリから離れて歩くことがありました。既にクロオオアリの女王アリは頭部が落とされ、死んでいるようです。

9月28日20時18分撮影

それぞれBH210523-19とBH210523-29に寄生したT20220910-54とT20220910-67の場合は、頭部が落とされるまでに4日かかりました。また、BH210523-18に寄生したT20220910-53の場合は、頭部が落とされるまでに6日、BH210523-21に寄生したT20220910-65の場合は、頭部が落とされるまでに9日かかりました。BH210523-23の場合は、8日間かかったことになります。
実際に頭部が落とされているのが確認できたのは、その翌日の29日になってからでした。

頭部が無くなっている 9月29日9時54分撮影

9月30日には、クロオオアリの女王アリの腹部と胸部と頭部が切り離されているのが確認できました。

巣部屋の中に腹部のみがあった 後方にトゲアリの女王アリが写っている 9月30日7時17分撮影
胸部と頭部は巣穴の外に運び出されていた 9月30日7時19分撮影

トゲアリの寄生の試み 1・2・5 のその後(9月29日)

以下は9月29日までの様子です。

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

9月26日7時30分撮影
9月27日9時30分撮影

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )

9月26日7時31分撮影
9月29日9時59分撮影

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

9月27日9時36分撮影
9月29日10時0分撮影

何れも寄生が順調なようです。

頭部が落とされる BH210523-21

9月19日の時点では、トゲアリの女王アリT20220910-65は、クロオオアリの女王アリBH210523-21の頸に咬みついてはいますが、クロオオアリの女王アリはまだ生きていました。

トゲアリの女王アリの頭部がクロオオアリの女王アリの頸の近くにあるが、咬んでいないように見える 9月20日6時31分撮影
クロオオアリの女王アリの頭部が180度回転しているようだ 9月21日19時56分撮影
頭部が無くなっている 9月22日8時43分撮影
頭部は別の巣部屋にあった 9月22日8時43分撮影
トゲアリの女王アリの腹部が膨らんでいる 9月25日8時4分撮影
クロオオアリの女王アリの頭部が巣穴の外に運び出されていた 9月26日7時33分撮影
クロオオアリの頭部が取れた死体の周りに働きアリがいた 9月27日9時33分撮影

T20220910-65も、T20220910-54、T20220910-67、T20220910-53に引き続き、初期段階の寄生に成功したようです。

BH210523-23へ再度寄生の試み T20220910-44

9月13日、クロオオアリのコロニーBH210523-23の中へ、トゲアリの女王アリT20220910-66を寄生させるために入れたのですが、T20220910-66は、9月16日に死亡しました。
そこで、9月19日、同じクロオオアリのコロニーBH210523-23の中へ、トゲアリの女王アリT20220910-44(9月10日採集)を入れることにしました。
トゲアリの女王アリを飼育しているクリアカップの中にクロオオアリの働きアリを1匹入れると、化粧行為を始めました。その後、T20220910-44はBH210523-23の中へ入って行きました。クロオオアリの働きアリから攻撃を受けながらも、T20220910-44はクロオオアリの女王アリに接近し、互いに攻撃し合いながらも、T20220910-44が腹面からクロオオアリの女王アリに取り付くようになりました。ただ、クロオオアリの女王アリの頸を咬んではいませんでした。

T20220910-44はクリアカップの中で化粧行為を始めた 9月19日20時21分撮影
クロオオアリの働きアリから攻撃を受ける 20時53分撮影
2匹の女王アリ同士が攻撃し合う 21時13分撮影
クロオオアリの腹面に咬みついたトゲアリの女王アリ 21時13分撮影

翌日9月20日、T20220910-44がクロオオアリの女王アリの頸を腹面から咬みついていました。

T20220910-44がクロオオアリの女王アリの頸を腹面から咬みついている 9月20日6時24分撮影

一時的社会寄生のその後 9月19日

BH210523-19の様子9月17日にクロオオアリの頭部が落とされていた)

クロオオアリの女王アリの遺体のそばにいる 9月18日8時48分撮影
クロオオアリの女王アリの遺体のそばにいる 9月19日10時36分撮影

BH210523-29の様子9月17日にクロオオアリの頭部が落とされていた)

クロオオアリの女王アリの遺体のそばにいる 9月18日8時54分撮影
クロオオアリの女王アリの遺体から離れて歩いている 9月19日10時44分撮影 

BH210523-21の様子
BH210523-21では、トゲアリの女王アリT20220910-65は、クロオオアリの女王アリの頸に咬みついてはいますが、クロオオアリの女王アリはまだ生きています。

9月17日8時27分撮影
9月18日8時52分撮影
9月19日10時38分撮影

BH210523-23の様子
9月16日から変化はありません。トゲアリの女王アリの遺体はそのままにされていて、クロオオアリの女王アリを含む本体は、人工巣の上部に移動したままです。

トゲアリの女王アリの遺体 9月19日10時43分撮影
クロオオアリの女王アリを含む本体は、人工巣の上部に移動したまま 9月19日10時43分撮影