クロオオアリやムネアカオオアリは、何を食べているのでしょうか。季節によって、彼らを取り巻く自然環境が変化しますので、「6月の」という限定ですが、彼らの食性を調べてみました。
これらは、花の蜜を摂っているのでしょう。ミツバチなどと同じように、受粉に役立っていると思われます。
これは、まだ花が咲いていないのですが、何をしているのでしょう。
これらは、アブラムシの分泌物をもらっているところです。
これは、何もないように見える葉をなめているようですが、近くにアブラムシがいて、その分泌物が葉についているのでしょう。私が家で駐車している車のすぐ傍にビックリグミの木があるのですが、春先にはアブラムシがたくさん付いて、車のガラスがベトベトした感じになることがよくあります。これと同じことが起こっているのでしょう。
ムネアカオオアリが、腹部をぱんぱんに膨らませています。蜜を腹部に蓄えて、巣に帰るところなのでしょう。
地面に目をやると、
何やら、運んでいます。よく見ると何かの幼虫のようです。
別のところでは、
こちらも幼虫が餌食になっています。
上の写真は、クロヤマアリですが、この植物にいた幼虫を捕らえたようです。
これは、別のクロオオアリが運んでいた幼虫を取りあげたものです。きっと生きていた幼虫を狩ったのでしょう。
ということで、何かを運んでいるクロオオアリを見つけて捕らえることにしました。捕らえてフィルムケースに入れるのですが、どのクロオオアリも獲物を口から放そうとしません。そこで、フィルムケースの中に指を突っ込んで、クロオオアリを押さえつけたのですが、そうすることで初めて獲物を放しました。
下の写真は、そうして集めたクロオオアリが運んでいた獲物です。
少し拡大しますと、右から、
となります。幼虫が結構多いのに気づきます。また、成虫もいますが、死骸を集めているようです。一番左上にあるのは、アブラムシで、これはまだ半分生きているような感じでした。一番右にあるのは、スギのような植物の一部です。巣に持ち帰って、どのように利用するつもりだったのでしょうか。
上の2つの写真は、別々のムネアカオオアリです。この木の下の方に巣があり、巣に獲物を運んでいるところです。どちらも、この木にいた幼虫を捕まえたと考えられます。
上の3つの写真も、ムネアカオオアリが運んでいた獲物です。上の方は、成虫と幼虫です。真ん中は、よく分かりませんが、カイガラムシの一部ではないかと思います。下の方は、干からびた幼虫の体の一部です。
まだ、確かなことは言えませんが、クロオオアリもムネアカオオアリも食性は同じよう思えます。これは、人工巣で飼っていて、同じ餌を食べていることからも言えそうです。植物につく幼虫を捕らえることや、ムネアカオオアリでは観察できていませんが、受粉に役立っていることなどから、これらのアリは、人間にとって、使い方次第では益虫になりそうです。