日別アーカイブ: 2012年9月20日

庭に元々から棲んでいるアリ(4)

昨日出逢ったアリの種を同定するために、更に調べてみましょう。
そのために、アリの体長が測れるこんな撮影用のケースを作りました。

撮影ケース

中央の円の外径は20mmあります。格子の部分は縦横ともに40mmあります。また、ケースの上方には、スライド式の蓋があります。写真は、この蓋を少し開けた状態です。中の厚みの内寸は8mmです。
アクリル製で、立てて使います。実体顕微鏡のように、当初はカメラで上から撮影しようと考えましたが、 カメラが照明器具等で重くなり、スライド台にカメラを取り付けると無理が生じたために、真横から撮影するようにしたのです。
この撮影ケースには、生きた状態でアリを入れます。

大きい方の黒っぽかったアリ

上の写真のアリは、昨日「黒っぽいアリ」と表記していた大きい方のアリです。体長が3mm程であることが分かります。おそらくフタフシアリ亜科のトビイロシワアリだと思われます。ただ、アリ図鑑のトビイロシワアリよりも、体長が少し長いようには思うのですが。
昨日出逢った小さい方の黒っぽいアリと飴色のアリはというと、

飴色のアリ

どちらも体長が2mm強のようです。飴色のアリの方は、アメイロアリのようです。
このアリは、よく熟れたキイチゴの実の中で時々見かけていたように思います。

キイチゴの実 時々この実の中にアメイロアリがいたように思います

小さい方の黒っぽいアリは、前伸腹節刺(ぜんしんふくせつし)をよく見ると、トビイロシワアリとは違っています。長目で先が針の先のようとがっているように見えます。やはり、別の種なのでしょうか。
顕微鏡で小さい方の黒っぽいアリを観察して見ると、

シルエットを強調しています 前伸腹節刺がかなりとがっています

前伸腹節刺がよく目立ちます。
下の写真は、上と同じ画面を落射照明で撮影したものです。

上と同じ画面 落射照明による

では、トビイロシワアリの方はというと、

前伸腹節刺が短めで、かたちがちがいます

前伸腹節刺の長さも形もちがいます。
やはり、別の種なのでしょう。