日別アーカイブ: 2013年6月9日

負傷した女王アリも産卵するか

持ち帰った女王アリは17匹でしたが、帰宅した時点で1匹が死んでいましたので、16匹を飼い始めました。その内訳は、クロオオアリが12匹、ムネアカオオアリが4匹です。

ところで、今回持ち帰った女王アリは、例年とは違うところがあります。それは、16匹の内の半分の8匹が、傷を負っていたということです。例年ですと、結婚飛行を終えた直後の女王アリを採集していましたが、今回は、これまでのブログでお話しましたように、結婚飛行の直後でない場合がほとんどであると考えています。傷を負っているのは、地上を歩いている間に襲われたと思われます。ただ、それは幸運なのですが、命は落とさなかったのです。

負傷しているのは、左触角が短いのが2匹、右触角が短いのが2匹、左右共に触角が短いのが1匹、右触角が短く左の前脚の腿節が全部なくなっているのが1匹、右触角が短く左の中脚の脛節が途中からなくなっているのが1匹、右の後脚の脛節が途中からなくなっているのが1匹、の計8匹です。それらは、地上を歩いていたものや、出入り口が開いた浅い穴の中にいたものや、コンクリートの塊の下にいたものや、建物の網戸にいたものなどです。いずれも、私が見つけたという点が問題です。本来なら、結婚飛行を終えた直後から穴を掘って、その中に身を隠していなくてはならないのです。

体に傷を負っていない女王アリは、地面を歩いていたのが多いのですが、芝地の穴の中にいたのもいます。やはり、私に見つけられたという点が問題です。

右触角が短いムネアカオオアリは、7日の夕刻には死んでおり、同じく右触角が短いクロオオアリは、8日には死んでいました。

6月9日の14匹

6月9日の14匹 上2段が健全な女王アリ、下2段が負傷している女王アリ

6月9日現在、生きているのは14匹になります。まだ産卵をしていないのは、健全な女王アリ8匹の内の3匹、負傷している女王アリ6匹の内の1匹で、割合的には負傷している女王アリの方が、産卵率は高くなっています。

女王アリは負傷していても、産卵をしたのですから、おそらく子育てもできるのでしょう。今後が楽しみです。

この芝地で4匹を採集した

この芝地でクロオオアリばかり4匹を採集した

ルリアリの一家を採集

ルリアリは、台所で時々見かけていましたが、とても「かわいい」アリです。「かわいい」というのは、小さいというよりも、姿形が可愛いのです。頭部が、体の割には長く愛嬌があるのです。

5月17日、そのルリアリをたまたま庭で家族ごと見つけました。アルミのフェンスに布を巻き付けていたのですが、不必要になったので取り払いました。すると、そこで巣を作っていたのです。まだ2年目の家族なのでしょう。小さな規模の家族でした。

右へと女王アリが退避しています

右へと女王アリが逃げていきます

働きアリはあまり採集できませんでしたが、大部分の子どもたちと女王アリは採集できました。簡易小型飼育器のアンテキューブに入れて飼育することにしました。

下の写真は6月9日に撮影したものです。蛹が成虫になり、働きアリの個体数が増えてきました。

ルリアリの蛹は繭を作らない

ルリアリの蛹は繭を作らない

ルリアリには、ローヤルゼリー入りの特製の蜜の他、グラニュー糖の粒を与えていますが、食べるところは観察できていません。また、小さな昆虫を与えています。昆虫は分解されて、殻だけになっていますから、食べているのでしょう。その他には、脱脂綿に水を含ませています。働きアリの腹部を見るとそれなりに膨らんでいますから、今のところ、この飼い方で良いようです。