今年の3月31日のブログ(「年を越して再度の子育てに成功するか?」)で紹介した全身が黒いムネアカオオアリですが、子育てに成功していました。
最初に成虫になったのは、体の大きな働きアリでした。その後で、小さめの働きアリも羽化し、3匹の家族になっていました。3月31日のブログでは、冬の間、たんぱく質を含まない蜜を与えていたと書いていますが、その後、ローヤルゼリーも入れた蜜を与えていました。
ところが、今日見ると、体の大きな働きアリが死んでいました。簡易小型飼育器アンテキューブの2つの部屋を仕切る壁に空けている通路の穴に、体を突っ込んだままの状態でした。穴の大きさは、巣作り初期の成虫がまだ小さい頃の1年は問題のない大きさなのですが、この働きアリは体が大きく、行きは通れたものの、蜜を飲んで腹部が膨れたために、帰りに腹部がつっかえたようです。穴につかえた時、後戻りすればおそらく穴から脱けられたと思うのですが、家族の待つ部屋へ必死に戻ろうとしたのでしょう。その内に力尽きたようです。大変かわいそうなことをしてしまいました。
腹部から引っ張ると体を穴から抜くことができました。そのまま、家族のいる部屋にもどしておきました。
しばらくして見ると、女王アリがこの亡くなった働きアリを食べていました。人間には、とても異常で悲しいことですが、アリの世界ではとても合理的な行為なのでしょう。妙な意味でリサイクルなのです。
下の写真は、別の女王アリの写真ですが、この女王アリも子育てに成功しそうです。こちらは、単独で冬を越したクロオオアリの女王アリです。
3月31日に7例あげた単独で冬を越した女王アリの内、ムネアカオオアリとクロオオアリがそれぞれ1例ずつ、「年を越して再度の子育てに成功」したことになります(他は繭なし)。成功する確率は低いのですが、女王アリに直接餌を与えることで、個体によっては、子育てをやり直すことができることがわかります。