昨年の11月30日を最後に報告をしてこなかった、昨年寄生をしたトゲアリについて、それから半年が経過した現時点での様子を記録しておきます。13匹が寄生に成功したわけですが、その内1匹は死んでしまいました。現在12匹がコロニーを作りつつあります。
T140902-01(トゲアリの女王アリの個体番号 宿主はクロオオアリ)は、繁栄が見込まれます。卵・幼虫ともに多く、特にまだ小さな幼虫はとてもたくさんいます。繭は1つありました。昨年の11月30日には宿主の幼生虫(ここでは昆虫の卵・幼虫・蛹の総称 筆者の造語)はありませんでしたので、これらの幼生虫たちは、全てトゲアリの幼生虫と考えられます。
T140902-01
T140903-01(宿主はクロオオアリ)も、繁栄が見込まれます。相対的に卵が多く、大きく育った幼虫もいます。11月30日時点でクロオオアリの少量の小さな幼虫がいたことと、この時期クロオオアリの巣では、幼生虫が大きく育った幼虫になっていたり、蛹になっていたりすることから、この大きく育っている幼虫が、トゲアリの幼虫なのか、クロオオアリの幼虫なのかは断定できません。
T140903-01
T140906-03(宿主はムネアカオオアリ)には、繭4個、大きめの幼虫10匹以上、卵多数があります。11月30日時点では、ムネアカオオアリの幼虫が2匹でしたから、これらの幼生虫はほとんどがトゲアリの幼生虫だと言えます。このトゲアリのコロニーも繁栄しそうです。
T140906-03
T140906-39(宿主はクロオオアリ)には、卵と小さな幼虫が多数あります。11月30日にはクロオオアリの幼生虫はいませんでしたから、これらの幼虫は全てトゲアリの幼虫だと言えます。
T140906-39
T140906-40(宿主はクロオオアリ)には、繭が16個と卵が多数あります。幼虫はいません。11月30日の時点で、クロオオアリの幼虫が多数いましたので、16個の繭はクロオオアリではないかと思われます。このトゲアリの女王アリは、最近になって産卵するようになったと考えれば、卵と蛹の間の幼虫がいないことが説明できます。
T140906-40
T140906-04(宿主はムネアカオオアリ)には、幼虫が7匹と卵が多数あります。11月30日の時点で、ムネアカオオアリの幼虫が15匹いましたので、幼虫はムネアカオオアリかも知れません。
T140906-04
T140906-13(宿主はクロオオアリ)には、卵が多数と幼虫がいます。11月30日の時点で、幼虫はいませんでしたので、これらの幼生虫は全てトゲアリだと考えられます。卵から孵化しつつあります。
T140906-13
T140906-18(宿主はクロオオアリ)は、働きアリが3匹になっています。卵は5つですが、その内2つはへこんでいます。11月30日には、働きアリが26匹、幼虫が15匹いました。
T140906-18
T140906-21(宿主はムネアカオオアリ)は、幼生虫はほとんどが幼虫です。2匹ほど繭を作りかけています。11月30日には幼虫が2匹でしたから、これらの幼虫のほとんどがトゲアリの幼虫だと考えられます。
T140906-21
T140908-02(宿主はクロオオアリ)は、既に死んでいます。
T140908-26(宿主はクロオオアリ)は、1匹の大きな幼虫とまだ小さな十数匹の幼虫がいます。11月30日には7匹の幼虫がいましたから、大きな幼虫がクロオオアリなのかも知れません。
T140908-26
T140908-27(宿主はクロオオアリ)は、卵だけが多数あります。11月30日には、幼虫はいませんでした。
T140908-27
T140916-01〜04(宿主はクロオオアリ)は、羽化したばかりの幼虫が多い中で、大きな幼虫もいます。11月30日には幼虫はいなかったので、これらの幼生虫はトゲアリと考えられます。
T140916-01〜04