日別アーカイブ: 2015年6月2日

片翅を付けたままの産卵

5月27日に採集したムネアカオオアリの女王アリの中に、片方だけ翅が付いているのがいます。
翅を付けて地上を歩いているところを見つけたのですが、見つけたその時から、翅を落とそうとしていました。左側の翅は根元から落ちたのですが、右側の翅は、体を曲げて、後ろ足を使って、幾度も落とそうとしているのですが落ちませんでした。私の方も、その時、この1匹に時間を割くわけにはいかないので、取り敢ず採集して持ち帰って観察することにしました。翅は、それ以後も落ちませんでした。

この女王アリは、それでも翅を落とそうとしていたのですから、交尾を済ませているとは思うものの、確信がありませんでした。ところが、今日になって、卵を8個程産んでいるのに気付きました。やはり、この片翅の女王アリは、交尾を済ませていたのでしょう。

産卵した片翅の女王アリ

産卵した片翅の女王アリ

クロヤマアリ紹介

現在、クロヤマアリを3コロニー飼っています。
1つは、2012年7月25日に白山で採集した女王アリとその家族です。働きアリが14匹、繭なし、幼虫と卵が少数あります。

K120725

K120725

2つ目は、2013年6月17日に北杜市の清里の森で採集した女王アリとその家族です。働きアリが5匹、繭のない蛹が2匹と幼虫です。卵はありませんでした。

K130617

K130617

3つ目は、2013年8月5日に北海道の十勝岳の麓の白金温泉で採集した女王アリとその家族です。働きアリが20数匹で、幼生虫はありませんでした。

K130805

K130805

ミカドオオアリの様子

昨年の9月1日に紹介したミカドオオアリですが、今年も昨年とほぼ同じ時期に同じ場所で採集しました。1匹は、彦根市内の千鳥ケ丘公園で4日早い15日に、もう一匹は、6日早く採集しています。ただ後者は、翅が取れていない状態で見つけて採集しましたので、今現在も生きていますが産卵はしていません。

M150527

M150515 今年採集したミカドオオアリの女王アリ 6月2日現在7個卵を産んでいる

ミカドオオアリの卵は、ミカン色をしています。

ミカン色のミカドオオアリの卵

ミカン色のミカドオオアリの卵

ここで、昨年採集したミカドオオアリの現在の様子を紹介しておきます。

M140519 働きアリ6 繭2 幼虫8 卵3

M140519 働きアリ6 繭2 幼虫8 卵3

M140602-01 働きアリ2 繭0 幼虫3 卵10

M140602-01 働きアリ2 繭0 幼虫3 卵10

M140602-02 働きアリ8 繭1 幼虫7 卵3

M140602-02 働きアリ8 繭1 幼虫7 卵3

いずれのコロニーも、昨年の12月4日に観察した時点と働きアリの数は同じでした。

2013年寄生のトゲアリの様子

昨年の9月1日から9ヶ月経過しての2013年寄生のトゲアリの様子です。(※ )の記述は昨年の9月1日のブログ「まもなく1年を迎えるトゲアリの様子」からの引用です。

T130912-04(SIMSMA01024 宿主クロオオアリ)には、トゲアリの働きアリはいません。クロオオアリの働きアリはおよそ30匹います。大きく育った幼虫が目立ち、卵もあります。(※トゲアリの働きアリはいません。幼虫と卵が多数あります。繭と大きめの幼虫がいますが、下記「7月・8月の記録」のクロオオアリの繭と幼虫と思われます。)

T130912-04

T130912-04

T130913-01(NESTCON01025 宿主ムネアカオオアリ)には、トゲアリの働きアリが20匹程度、繭が十数個、それに幼虫がいます。卵は見当たりませんでした。ムネアカオオアリの働きアリも、十分な数います。繁栄していると言えます。(※トゲアリの働きアリはいません。小さな幼虫が多数います。)

T130913-01

T130913-01

T130913-04(SIMSMA01028 宿主ムネアカオオアリ)には、トゲアリの働きアリが30数匹いますが、幼生虫(ここでは昆虫の卵・幼虫・蛹の総称 筆者の造語)はいません。ムネアカオオアリの働きアリの数は少なく7匹です。なお、トゲアリの働きアリの死体が1体ありました。トゲアリの働きアリの数を見る限りでは繁栄していると言えますが、この時期に幼生虫がいないのは意外です。(※トゲアリの働きアリは30匹程度います。たくさんの幼虫もいます。)

T130913-04

T130913-04

T130919-01(SIMSMA01089 宿主クロオオアリ)には、卵と幼虫がいます。トゲアリの働きアリはいず、クロオオアリの働きアリは9匹います。下の写真に写っているのが全部の幼生虫です。(※トゲアリの働きアリはいません。小さな幼虫が多数います。)

T130919-01

T130919-01

T130921-09(NESTCON01030 宿主クロオオアリ)には、トゲアリの働きアリが20匹弱、クロオオアリの働きアリが6匹います。特徴的なのは、蛹が5個ありますが、いずれも繭を作っていない点です。昨年の9月の蛹には全て繭がありました。(※トゲアリの働きアリは12匹のようです。卵や幼虫もたくさんあります。女王アリと働きアリが天井にぶら下がって卵や幼虫を抱えています。)

T130921-09

T130921-09

T130924-13(SIMSMA01043 宿主クロオオアリ)には、トゲアリの働きアリはいず(死体がある)、クロオオアリの働きアリが14匹います。繭が3個ありますが、卵と少なめの数の幼虫がいます。(※トゲアリの働きアリは1匹だけです。卵や孵化したばかりの幼虫がたくさんあります。繭が2個ありますが、下記「7月・8月の記録」のクロオオアリの繭と思われます。)

T130924-15(NESTCON01001 宿主クロオオアリ)には、トゲアリの働きアリが11匹と、繭1個と、少ない数の幼虫と卵があります。クロオオアリの働きアリは、30匹程度います。(※トゲアリの働きアリは11匹のようです。たくさんの卵や孵化したばかりの幼虫がいます。)

T130924-15

T130924-15