クロオオアリの新女王アリは結婚飛行を済ませると、地上に下りてきて翅を落とし、地上を歩き回って、おそらく多くの場合はその日の日が暮れるまでには、穴を掘り始めます。
この最初に掘る巣穴は、どんな巣穴なのでしょうか。それを知るには、「アンテネスト」を使えばよいことはわかっていたのですが、作り置きを切らせていたので、ついつい出来ずじまいになっていました。
やっと先日作り終え、新女王アリを「アンテネスト」に入れてみました。
既に卵を18個産んでいます。時期としてはもう遅すぎたようです。入れる際に散らばった卵を一ヶ所に集めて、卵のそばにじっとしています。巣穴を掘る様子はありません。
空気の流れがないと、巣穴の中の環境に近くなり、その場に落ち着いてしまいがちなので、活動室を兼ねた蓋はしないで、穴あきのアルミ板で蓋をしました。このまま、しばらく観察をしようと考えていますが、新女王アリが巣穴を掘るのは、産卵までの期間で、産卵後は穴掘りはしないのではないかと思います。別の言い方をすれば、産卵を開始すると言うことは、そこを巣穴と見做したと言うことであり、だからもう穴掘りはしないのだと考えてもよいでしょう。