日別アーカイブ: 2018年4月30日

女王アリの引越

移植の試み 再度」で紹介した今年2回目の移植は、27日、28日にもそれぞれ3コロニーずつ移植を行いました。30日の午後には、その内の9番目に移植したシリアル番号BK17028の水槽の被せものを取りましたが、引越先の巣穴がまだ浅く、女王アリも含めてアリの姿がよく見える状態でした。木製の保護器と30cm四方の御影石を載せておきました。
午後5時頃、その辺りを見ていると、何匹か小型のクロオオアリの働きアリが歩いていました。そこで、そのアリの極く近くに蜜を垂らすと吸い始めました。その様子を観察している内に、クロオオアリの女王アリが地面を歩いているのを目にしました。

1匹の働きアリが女王アリを先導しているようだ 17時2分撮影

女王アリは1匹の働きアリに先導されていました。そのすぐ近くには、働きアリが仲間を銜えて歩いていました。

仲間を銜えて歩く働きアリ 17時2分撮影

これらは明らかに引越です。引越先は、午後に見た浅い巣穴から36cm程離れた地面の割れ目でした。

この地面の割れ目を新居にしたようだ

それから30分程して、元の巣穴を見るとまだ働きアリがいました。完全な引越はこれからのようでした。

元の巣穴にまだ働きアリがいた 17時34分撮影

飼育中のトゲアリの様子 2018年4月

現在、飼育しているトゲアリの内、「直短的社会寄生」を試みているトゲアリ以外では、7コロニーを飼育しています。そのうち、最もよく繁栄しているのは、シリアルナンバーT140906-40です。2014年の9月11日にクロオオアリの巣NESTCON01024に侵入して寄生を始めました。2017年6月16日に、カップ型コンクリート製人工巣から小型の水槽へ移し替えました。これが原因かは分かりませんが、この年、特に8月に働きアリがたくさん死んでいます。8月にはトゲアリ(TW)が35匹、クロオオアリ(BW)が2匹、9月にはTW2匹、10月にはTW7匹、11月にはTW1匹、12月にはTW1匹、今年になってからは4匹が死にました(トゲアリは合せて50匹死んだことになります)。けれどもコロニーの規模はそこそこ維持されました。下の写真は、4月30日の様子です。

4月30日撮影 中央下方に女王アリが写っている

更に拡大すると 4月30日撮影

ツーバイフォー材で作ったコの字型の下駄のような置物の下にできた空間に、柱のように幼生虫を積み上げ、その周りに働きアリがいます。女王アリも健在です。
ガを3匹与えたところ、すぐに寄ってきて、分解を始めました。

ガを分解し始めた 4月30日撮影