月別アーカイブ: 2018年5月

腹部が異常に膨らんだ女王アリ

クロオオアリの女王アリの中には、腹部が異常とも思われるほど膨らんだ個体をたまに見かけることがあります。今日も、そんな女王アリがいました。

腹部が異常に膨らんだクロオオアリの女王アリ 5月23日9時39分撮影

卵をたくさん孕んでいるのでしょうか。そんな風にも思えるのですが、そうではないのです。今回は次のようにはしませんでしたが、女王アリをすごく驚かせると、腹から茶色っぽい透明な液体を出して、逃げ惑うことがあります。働きアリの場合も、腹部をぱんぱんに膨らませているのをよく見かけますが、それと同じなのでしょう。通常は、その都度、働きアリから養分を受け取っているはずですが、腹部に養分をたくさん溜め込むこともあるのでしょう。

J巣 クロオオアリの巣

5月8日のブログ「女王アリが出てきた」で、庭に20cm四方の大きさのトラバーチンという岩石を踏み石として敷いたことを書きましたが、5月21日、更に別の場所にも敷石を敷きました。同じ大きさのトラバーチンで、色は桃色です。

敷石を敷いているところ

ところで、最後の敷石を敷こうと敷石の形に地面をカットしていると、クロオオアリを3匹ほど見かけました。この辺りではクロオオアリが地面を歩いていることがあるので、危害を加えないように気をつけながら作業をしていましたが、狭い範囲にクロオオアリが3匹もいるのは意外な感じでした。そう思っていると、敷石の形にカットした地面に穴があることに気づきました。それがクロオオアリの巣穴のようです。
穴の中を覗いて見ると、確かにクロオオアリがいました。これ以上外へ出てこないように小石で穴を塞ぎました。そうしておいて、辺りを歩いている3匹のクロオオアリをフィルムケースを使って捕らえて、そのフィルムケースの蓋を開けて、小石を外してその穴に被せました。3匹のクロオオアリは巣穴の中に入っていきました。敷石敷きの作業は、中断しておきました。
次の日、巣穴の場所を見ると、巣穴から土を運びだすクロオオアリがいました。どうやら1匹で作業をしているようでした。

1匹の働きアリが巣穴から土を運び出したところ 中央上辺りに巣穴が見える 5月22日10時31分撮影

この巣の位置は、B巣の斜面上方2〜3mの場所です。ですから、この巣口はB巣の別の巣口とも考えられますが、確かめはしませんでした。もし、そうではなくて、別のコロニーの巣ならば、新発見となります。今のところこの巣をJ巣と名付けることにします。

殺虫剤ピレトリン

庭にたくさんの果樹を植えていることは以前にも書きましたが、この果樹を害虫から守る方法については迷いがありました。これまでは、庭のクロオオアリには良くないと思いながらも、殺虫成分が葉茎から入り植物体全体にしばらく留まる浸透移行性剤を用いていました。ところが、この浸透移行性剤だと、果樹から出る樹液や花の蜜に殺虫成分が含まれる恐れがあります。今年の春になって、多くの果樹が昨年以上にたくさん花を咲かせるようになり、また、昨年以上に果樹に訪れるクロオオアリが多くなっていました。
そこで、その時限り効果のある殺虫剤を探すことにしました。そうして探し当てたのがピレトリンです。

ピレトリン

ラベル

ピレトリンは除虫菊に含まれる成分で、昆虫の神経受容体に強力に作用して死に至らせるとのことです。また、光や空気酸化により速やかに効き目を失うとのことです。
このピレトリンを20倍に希釈したのが下の写真です。

ピレトリン40FL「SES」を20倍に希釈

では、どの程度殺虫能力があるのでしょうか。アブラムシに使ってみました。

5月19日10時41分撮影 この直後にピレトリンを散布 アリもいる

散布して10分弱たったところ アブラムシとアリが死にかけている 10時51分撮影

確かにアブラムシやアリに対しても殺虫能力があることが分かりました。しかし、その殺虫効果はその時限りのはずです。3日後の22日に見ると、僅かながらアブラムシが復帰していました。

散布から3日後の様子 アブラムシが僅かに戻ってきていた 5月22日9時48分撮影

毛虫も殺せるのでしょうか。栗の木に大きな毛虫がいましたので、散布してみました。しばらくすると苦しみだして木から落ちました。そのまま死ぬかと思っていましたが、元気を取り戻して幹を登り始めました。そこで、もう一度全身が良く濡れるように散布すると、すぐに動かなくなりました。

再びピレトリンを散布すると動かなくなった 14時26分撮影

完全には死んでいないようでしたので、午後6時頃にも見に行きました。すると、同じ場所にいて、ほんの少し体が動いていました。まだ死んではいないようですが、生き返ることはなさそうです。
含有量が4%のピレトリンを20倍に希釈した場合、市販されている家庭用の殺虫剤と比べれば、即効性も効き目も弱いのですが、庭の果樹には十分使えそうです。

柿の花にも蜜が

まだ幼木ですが、庭に富有柿を植えています。その柿の木にもクロオオアリがやって来ていました。

蜜を吸っているようだ 5月18日8時24分撮影

でも、柿の花からも蜜が集められるのでしょうか。上の写真をよく見ると、花に頭部を突っ込んでいるアリの腹部が膨れています。木から下りて巣へと帰っていくクロオオアリの腹部も膨れていました。

木から下りて巣へと帰っていくクロオオアリ 腹部が膨れている

クロオオアリは、柿の花からも蜜を集めることができることが分かります。

トゲアリの引越先

2016年5月13日に塚山公園でトゲアリを見つけたことをブログ「岡山市内でトゲアリを発見」で書きましたが、ほぼ同じ場所で、トゲアリの巣になっていると思われる樹を見つけました。この樹は、2年前の発見とは違って、歩道のすぐ横にあり、とても観察しやすい場所にあります。昨年もこの樹については、トゲアリが僅かに上り下りしているところを見かけたことがありますが、今回はとても個体数が多いことから、おそらく近くから巣ごと引越してきたのでしょう。

5月16日15時58分撮影

5月16日15時58分撮影

まだそれほど大きくはない桜の木のようです。一部が朽ちていて、その中を巣にしているようです。

ところで、実はこの時間、自宅の庭ではクロオオアリが結婚飛行を行っていました。その観察を中断して、この塚山公園に来ていたのです。その目的は、この公園でのクロオオアリの結婚飛行を観察することでしたが、1つの巣口の中に羽アリがいただけで、結婚飛行は行われてはいませんでした。この公園では、クロオオアリの結婚飛行が既に終わっているのか、あるいはこれからなのかは判断できませんでした。

結婚飛行を襲うカラス

昨日15日は、蒜山高原でオオアリの結婚飛行がありましたが、自宅の庭のクロオオアリも結婚飛行をしたと思われます。ただ、その痕跡があったわけではありませんが。
本日16日も朝からとてもよい天気でしたので、今日も庭で結婚飛行が見られるのではないかと思っていました。案の定、午前中から巣口で羽アリの姿を見ました。
午後1時前から、巣口の様子をタイムラプス設定で撮影することにしました。再生時に、実際の時間を1/12に短縮します。このブログでは、2分間(実際の時間は24分間)に編集したものと、4分間(実際の時間は48分間)に編集したものを紹介します。いずれも時間内は無編集です。
ところで、撮影時は私は現場を離れていましたので、このタイムラプス動画を後で見るまでは、その間に何が起こっていたのかは知らなかったわけですが、タイムラプス動画を見て、これまでにない発見をすることになりました。それは、私が現場を離れていたからこそ捉えられた貴重な映像でした。
まず、12時54分から24分間のタイムラプス動画(2分間)です。

2分間のタイムラプス動画 12時54分から24分間撮影

この動画では、初めから1分20秒の時点と1分50秒の時点でカラスが現れます。以下は1分20秒時点での時系列のスナップショットです。

カラスがやって来る

1つ目の巣口にくちばしを突っ込む

次の獲物を狙おうとしている

女王アリを1匹捕らえたようだ

2匹目を襲ったところ

くちばしに女王アリを2匹くわえている

次は、15時27分から48分間のタイムラプス動画(4分間)です。

4分間のタイムラプス動画 15時27分から48分間撮影

この動画では、初めから26秒・37秒・3分37秒の時点でカラスが現れます。以下は3分37秒時点での時系列のスナップショットです。

既に女王アリなどを何匹もくわえている

竹串の女王アリを狙う直前

竹串の女王アリを襲った後、巣口にくちばしを突っ込む

とてもたくさん女王アリなどをくわえている

同上 くわえられたアリの姿がよく見える

 

結婚飛行には、こんな危険があったのです。

新女王アリの移植

今年になって既に58コロニーの「移植」を行ってきました。これらのコロニーは、働きアリがいる飼育中のコロニーでした。この度の蒜山高原行きの採集旅行では、目標を超えてクロオオアリの女王アリが採集できましたので、採集した翌日の16日の朝、この新女王アリを移植することにしました。
この採集したばかりのクロオオアリの新女王アリの移植は、昨年も行っています(「移植」を試みる)。その結果について、昨年の7月20日のブログで触れていますが、その時点では、移植した10匹のクロオオアリの女王アリの内、2箇所で働きアリが巣穴を出入りするのを確認していました。しかし、今年の春以降、巣穴があった場所で、巣穴らしい穴が見つからず、働きアリの姿もないことから、この2つのコロニーは、越冬中に死滅したものと考えられます。
今年は、昨年よりもずっと多い37匹の新女王アリを移植しました。その内20匹は、女王アリが地面を自由に歩き回らないように、プラスチックケースの中に閉じ込め、巣穴を掘る場所を限定します。

東フェンス外に移植した11箇所 プラスチックケースを被せ、女王アリが巣穴を掘る場所を限定している

西斜面下方に移植した9箇所

東フェンス外に移植してからおよそ1時間後には、穴を掘り始めた女王アリがいました。

穴を掘り始めている 9時9分撮影

更に1時間後、別の複数の女王アリも巣穴を掘り始めていました。

巣穴を掘り始めた別の女王アリ 10時9分撮影

37匹の内残りの17匹は、ケースに入れることなくそのまま庭に放ちました。

庭に放したクロオオアリの女王アリ 自由に移動できる 10時44分撮影

17匹の内、10匹は東斜面に、7匹は西斜面に放ちました。それらの女王アリがどこに行ったかは追跡していませんが、その内の1匹だけは、偶然居場所を見つけました。

既存の穴に入っている 10時53分撮影

既存の穴を見つけたようで、その穴の中にいました。クロオオアリの女王アリにとっては、その穴の入り口は少し大きめのようでした。深さはあまりないようで、しばらくすると穴の底の土を顎でくわえて運び出し始めました。……無事に巣作りができればよいのですが。

2018 蒜山高原

2015年10月に現住所に引越してからも、それまでと同様に、オオアリの女王アリを採集するために長野県へも出かけていました。更に、2016年からは、岡山県の県北の蒜山高原へも出かけています。蒜山高原では、2016年の6月11日にクロオオアリの女王アリを13匹、ムネアカオオアリの女王アリを1匹、2017年の5月20日と21日にクロオオアリの女王アリを45匹、ムネアカオオアリの女王アリを10匹採集しています。
今年については、できれば遠方の長野県へは行かずに、蒜山高原だけにしておきたいと思っていました。採集する女王アリの数については、これまでの200〜300匹ではなく、50匹程度でよいとも考えていました。
岡山県の県北を含む5月12日の天気予報では、13日には雨が降り最高気温は17〜18℃程度ですが、14日には最高気温が一挙に10℃近く上がり、更に15日には最高気温が30℃近くまで上がるとのことでした。このことから、オオアリの結婚飛行は14日か、遅くても15日には行われると予想できました。そこで、14日の昼前に自宅を出、蒜山高原へと向かいました。

昨年まとまった数の採集ができた場所(ヒルゼン高原センター付近)へ行ってみると、昨年とは環境が様変わりしていました。

街路樹が切られていた

道路側の街路樹が全て切られていました。ただ花木は残されていました。
巣口の様子を見ると、羽アリの姿がありました。

多くはなかったが羽アリの姿もあった 14時0分撮影

ただ、結婚飛行を始めるには、時間的に少し早過ぎるようです。そこで、夕刻まで別の場所で待つことにしました。午後5時少し前になって、再びこの場所へ行きましたが、まだ結婚飛行は始まっていないようでした。
近くの花木の花を見ると、クロオオアリが来ていました。花の蜜を吸いに来ているのでしょうか。

花の蜜を吸いに来ているのだろうか 17時2分撮影

腹部が膨れているクロオオアリがいました。

腹部が膨れている 17時4分撮影

やはり蜜を吸っていたようです。この花木の花にも蜜があることが分かります。クロオオアリの貴重な蜜源になっているのかも知れません。
結婚飛行の方は、その後も行われませんでした。観察の限りでは、17時18分に雄アリが1匹飛び立っただけでした。

雄アリが1匹飛び立つのが見られた巣口 17時18分撮影

2日目の5月15日、昨日はヒルゼン高原センター付近でしか観察していませんでしたが、昼過ぎになって、別の場所にも行って見ました。

休憩所

そこは、以前ムネアカオオアリの働きアリを見かけた場所でした。案の定、今年もムネアカオオアリの働きアリが歩いていました。そうこうしている内に、ふとクロオオアリの女王アリの羽アリが駐車場を歩いているのを見つけました。

クロオオアリの羽のある女王アリ 13時12分撮影

更に、公園内でムネアカオオアリの女王アリも見つけました。

ムネアカオオアリの女王アリ 13時21分撮影

それからは、次々とオオアリの女王アリを採集することができました。午後4時にいったんこの場所での採集を止め、ヒルゼン高原センター付近へ行きました。
ここでは、もう結婚飛行は終わっていたのか、巣口に羽アリの姿はありませんでした。ですが、結婚飛行を終えて歩いているクロオオアリの女王アリを11匹採集しました。ただ、昨年とは大きな違いがあり、ムネアカオオアリの女王アリは1匹もいませんでした。また、採集できた数が少なかったという違いもあります。
ヒルゼン高原センター付近での採集を30分間ほどで終え、再び休憩所へ戻りました。午後5時頃になって、腹部を失ったムネアカオオアリの羽アリを見つけました。

腹部のないムネアカオオアリの女王アリ 17時5分撮影

この腹部を失ったムネアカオオアリの有翅女王アリについては、昨年ヒルゼン高原センター付近で多数見つけています。この事変はよくあることなのでしょうか。

今回の採集旅行では、クロオオアリの女王アリは96匹(休憩所85匹、ヒルゼン高原センター付近11匹)、ムネアカオオアリの女王アリは11匹(休憩所のみ)採集できました。クロオオアリの方は十分な数が採集できたことになります。ムネアカオオアリの方はもっと採集したいところですが、今年の採集旅行は、この1回だけで終えることにしました。

女王アリが出てきた

昨日は終日雨、今日の朝は曇っていました。今日は朝から、飛び石をB巣の辺りに敷く予定にしていました。作業を始めようと、B巣の辺りに行ってみると、1匹のクロオオアリの女王アリが歩いていました。

クロオオアリの女王アリが歩いていた 5月8日9時23分撮影

他にもいるのではないかと、辺りを見回しましたが、この1匹だけでした。B巣では、昨年は5月18日に、一昨年は5月27日に結婚飛行を観察しています。今日は結婚飛行をするには、まだ少し時期が早いようです。
1時間後、近くの巣口を覗いてみると、雄アリの姿が見えました。

写真には雄ありが2匹写っている 5月8日10時23分撮影

さて、飛び石ですが、このB巣を出入りする働きアリを保護するために敷きます。

敷石を敷いたところ

B巣の巣口は、上の写真の敷石の左横にあり、ほとんどのアリは写真右のフェンスとの間を行き来します。昨年の中頃までは、まだ芝生が今ほど広がってはなく、地面を歩くアリが見つけやすかったのですが、芝生が広がってくると、芝生の中を歩くアリは、見つけにくくなっていました。そこで、ここを歩く際には、細心の注意を払っていました。これを解消するために、敷石を敷いたのです。この敷石は、20cm四方の大きさのトラバーチンという岩石で、片足を置くだけなら十分な広さがあります。白っぽいトラバーチンなので、クロオオアリがこの石の上を歩いていると分かり易く、うっかり踏んでしまうことはなくなるでしょう。

大きめのコロニーを移植

5月1日、クロオオアリの大きめのコロニーを2つ、庭に移植しました。
S/N:B15017
2015年5月27日に新女王アリを採集したコロニーで、同年6月10日に卵18個の時、アンテネストに入れて飼育していました。コロニーは比較的大きめです。
S/N:B15125
上記と同じく2015年5月27日に新女王アリを採集したコロニーです。カップ型のコンクリート製の人工巣で飼育していました。2016年7月9日に、働きアリ4匹、繭1個、幼虫8匹、卵16個の中へ、S/N:R15-10Rのムネアカオオアリの繭8個、幼虫6匹を加えました。同年8月22日には、クロオオアリの働きアリが20匹以上、ムネアカオオアリの働きアリが10匹になっていました。その後、人工巣を水槽の中に入れて飼っていました。現在では、B15017よりも小さいですが、大きめのコロニーになっていました。

B15017を移植したところ 5月1日14時01分撮影

B15125を移植したところ 5月1日14時31分撮影

いずれも、ガザニアを植えている花壇に移植しました。この花壇は、庭の平面と斜面の境目にあり、フェンス外の山林からは離れていますが、斜面には果樹が植えてあります。大きめのコロニーですので、それでも山林へ行けるかも知れませんし、果樹の恩恵を受け取れるかも知れません。それに、最もよい利点としては、人間の都合ではありますが、観察しやすい場所でもあります。
B15017を移植してから1時間半ほどたった頃、移植場所の周辺にかなりの数のクロオオアリの働きアリが歩いていました。ふと直下の石垣を見ると、たくさんのアリたちがすき間を掘っていました。

石垣のすき間を掘っている 5月1日15時25分撮影

1時間程のとても短い時間で、アンテネストに被せている水槽の下から外へと出てきたようです。水槽と地面との間は、すき間ができないように外側から土をしっかり被せていましたから、こんなにも早く、水槽から出てくるとは思ってもいませんでした。
やがて、穴掘り(巣作り)は、石のすき間の他の場所でも始まりました。少なくとも5箇所はありましたが、それらは1.3mほどの範囲に点在していましたので、一つの巣に繋がるようには思えませんでした。

石垣の巻き尺をおいている範囲に少なくても5箇所で巣作りをしていた

B15125の方は、翌日の2日になってもカップ型の人工巣の中にいました。ところが何の前兆もなく、3日の朝に見た時には、既に1匹も残らず引越した後でした。辺りを見回しましたが、アリの姿はなく、また、水槽の中にも穴を掘った痕跡(砂粒など)もありませんでした。ただ、水槽の壁面下に、元々あったような穴がありました。もしかしたら、この穴から石垣のすき間へと抜けたのかも知れません。どこに新居を構えたのかが、分からなくなったのが残念でした。

虫を運ぶクロオオアリ

この時期、庭のクロオオアリは、ほぼ全てと言っていいほど、蜜を集めて巣に戻っていきます。昆虫などを巣に運び込むところはほとんど見ることができません。ですが、時たま、何かをくわえて巣へと運んで行くのを目にします。

ハエ目(双翅目)の仲間のようだ 4月30日16時13分撮影

ダンゴムシのようだ 5月1日16時49分撮影

何かの幼虫のようだ 5月1日18時0分撮影

関連ブログ
アリ日記 2012/06/06〜08(4)クロオオアリ・ムネアカオオアリの食性」(2012年6月12日)
クロオオアリが運んでいたもの」(2016年4月12日)
庭のクロオオアリの半日」(2016年10月16日)

ムネアカオオアリに受け入れられなかったクロオオアリ

今年3月28日のブログ「ムネアカオオアリの同種間共存」で触れた共存コロニーのその後ですが、4月2日に、ムネアカオオアリの働きアリ5匹の中へ、S/N:RK170530-017のムネアカオオアリの働きアリ4匹を加えました。この時も 喧嘩なく、受け入れられました。また、4月22日には、ムネアカオオアリの働きアリ8匹の中へ、S/N:R15073のムネアカオオアリの働きアリ11匹を加えました。
そして本日5月1日に、S/N:R11055+070のムネアカオオアリの働きアリ3匹とクロオオアリの働きアリ1匹を加えました。注目すべきは、このクロオオアリの働きアリ1匹です。そもそもこのR11055+070は、2016年の11月1日にムネアカオオアリの女王アリが死んでからもクロオオアリと共存していたコロニーです。(詳しくは「異種間で共生するクロオオアリとムネアカオオアリ」を参照)果たして、ムネアカオオアリだけでできあがっている共存コロニーの中へ、これまでムネアカオオアリと共存していたとは言え、クロオオアリが入っていけるものなのでしょうか。

ムネアカオオアリは辛うじて受け入れられたようだ 5月1日撮影

クロオオアリは殺されてしまった 5月1日撮影

結果は、ムネアカオオアリの働きアリは受け入れられましたが、クロオオアリの働きアリは受け入れられませんでした。

クロオオアリに受け入れられたムネアカオオアリ

今年3月28日のブログ「クロオオアリの同種間共存(1)」で触れた共存コロニーのその後ですが、4月5日に、S/N: B15053+Rからクロオオアリの働きアリを7匹(+Rとありますが、既にムネアカオオアリはいません)を加えました。この時も 喧嘩なく、受け入れられました。また、4月14日には、S/N:BH17022のクロオオアリの働きアリ7匹と幼虫3匹を加えました。
そして本日5月1日に、S/N:B130605+R(旧名B131015)のクロオオアリの働きアリ6匹とムネアカオオアリの働きアリ1匹を加えました。注目すべきは、このムネアカオオアリの働きアリ1匹です。そもそもこのB130605+Rは、昨年の3月14日にクロオオアリの女王アリが死んでからもムネアカオオアリと共存していたコロニーです。(詳しくは「異種間で共生するクロオオアリとムネアカオオアリ」を参照)果たして、クロオオアリだけでできあがっている共存コロニーの中へ、これまでクロオオアリと共存していたとは言え、ムネアカオオアリが入っていけるものなのでしょうか。

クロオオアリの共存コロニーに受け入れられたムネアカオオアリ 5月1日撮影

結果は、ムネアカオオアリの働きアリ1匹も、クロオオアリの働きアリ6匹と同様に、このコロニーに受け入れられました。

 

ミカドオオアリの単独女王アリも昆虫を食べる

単独生活の女王アリ(創巣期を除き、何らかの事情で働きアリがいない女王アリ)が、直接昆虫を食べるかについては、2013年の4月23日のブログ「単独生活の女王アリは昆虫を食べるか?」で触れています。この場合は、クロオオアリとムネアカオオアリの単独女王アリでしたが、この度、ミカドオオアリの単独女王アリも、直接昆虫を食べることが分かりました。

今年になって卵を5個産んでいる 5月1日撮影

この女王アリは、昨年の5月30日に長野県で新女王アリとして採集した女王アリで、記録によると、昨年の7月4日の時点で、卵を含め幼生虫も働きアリもいませんでした。そんな女王アリでしたが、無事に単独で冬を越し、今は卵を5個産んでいました。この女王アリに、数日前に小さなガを与えていましたが、今日見ると、下の写真のようでした。

ガを食べた跡のようだ 5月1日撮影

ガは解体されていました。単独生活をしているミカドオオアリも、ガを食べるようです。