2015年10月に現住所に引越してからも、それまでと同様に、オオアリの女王アリを採集するために長野県へも出かけていました。更に、2016年からは、岡山県の県北の蒜山高原へも出かけています。蒜山高原では、2016年の6月11日にクロオオアリの女王アリを13匹、ムネアカオオアリの女王アリを1匹、2017年の5月20日と21日にクロオオアリの女王アリを45匹、ムネアカオオアリの女王アリを10匹採集しています。
今年については、できれば遠方の長野県へは行かずに、蒜山高原だけにしておきたいと思っていました。採集する女王アリの数については、これまでの200〜300匹ではなく、50匹程度でよいとも考えていました。
岡山県の県北を含む5月12日の天気予報では、13日には雨が降り最高気温は17〜18℃程度ですが、14日には最高気温が一挙に10℃近く上がり、更に15日には最高気温が30℃近くまで上がるとのことでした。このことから、オオアリの結婚飛行は14日か、遅くても15日には行われると予想できました。そこで、14日の昼前に自宅を出、蒜山高原へと向かいました。
昨年まとまった数の採集ができた場所(ヒルゼン高原センター付近)へ行ってみると、昨年とは環境が様変わりしていました。
街路樹が切られていた
道路側の街路樹が全て切られていました。ただ花木は残されていました。
巣口の様子を見ると、羽アリの姿がありました。
多くはなかったが羽アリの姿もあった 14時0分撮影
ただ、結婚飛行を始めるには、時間的に少し早過ぎるようです。そこで、夕刻まで別の場所で待つことにしました。午後5時少し前になって、再びこの場所へ行きましたが、まだ結婚飛行は始まっていないようでした。
近くの花木の花を見ると、クロオオアリが来ていました。花の蜜を吸いに来ているのでしょうか。
花の蜜を吸いに来ているのだろうか 17時2分撮影
腹部が膨れているクロオオアリがいました。
腹部が膨れている 17時4分撮影
やはり蜜を吸っていたようです。この花木の花にも蜜があることが分かります。クロオオアリの貴重な蜜源になっているのかも知れません。
結婚飛行の方は、その後も行われませんでした。観察の限りでは、17時18分に雄アリが1匹飛び立っただけでした。
雄アリが1匹飛び立つのが見られた巣口 17時18分撮影
2日目の5月15日、昨日はヒルゼン高原センター付近でしか観察していませんでしたが、昼過ぎになって、別の場所にも行って見ました。
休憩所
そこは、以前ムネアカオオアリの働きアリを見かけた場所でした。案の定、今年もムネアカオオアリの働きアリが歩いていました。そうこうしている内に、ふとクロオオアリの女王アリの羽アリが駐車場を歩いているのを見つけました。
クロオオアリの羽のある女王アリ 13時12分撮影
更に、公園内でムネアカオオアリの女王アリも見つけました。
ムネアカオオアリの女王アリ 13時21分撮影
それからは、次々とオオアリの女王アリを採集することができました。午後4時にいったんこの場所での採集を止め、ヒルゼン高原センター付近へ行きました。
ここでは、もう結婚飛行は終わっていたのか、巣口に羽アリの姿はありませんでした。ですが、結婚飛行を終えて歩いているクロオオアリの女王アリを11匹採集しました。ただ、昨年とは大きな違いがあり、ムネアカオオアリの女王アリは1匹もいませんでした。また、採集できた数が少なかったという違いもあります。
ヒルゼン高原センター付近での採集を30分間ほどで終え、再び休憩所へ戻りました。午後5時頃になって、腹部を失ったムネアカオオアリの羽アリを見つけました。
腹部のないムネアカオオアリの女王アリ 17時5分撮影
この腹部を失ったムネアカオオアリの有翅女王アリについては、昨年ヒルゼン高原センター付近で多数見つけています。この事変はよくあることなのでしょうか。
今回の採集旅行では、クロオオアリの女王アリは96匹(休憩所85匹、ヒルゼン高原センター付近11匹)、ムネアカオオアリの女王アリは11匹(休憩所のみ)採集できました。クロオオアリの方は十分な数が採集できたことになります。ムネアカオオアリの方はもっと採集したいところですが、今年の採集旅行は、この1回だけで終えることにしました。