庭には幾本も果樹を植えています。冬に果樹の根元の周りに寒肥を撒いておきましたが、そのため果樹の根元の周りの芝が勢いよく繁っていました。そこで、その芝を刈っていました。モモの木の根元の周りを刈っている時、そのモモの木にかなりの数のクロオオアリが来ていました。このクロオオアリは、A巣のアリであることは、以前確かめていました。
そこで、ある実験をしてみようと思いました。帰路の環境を変えてみるのです。そのような場合、クロオオアリは迷わずに帰路につけるのでしょうか。
初めにモモの木の葉などに蜜を垂らしました。
やがて1匹目が帰り始めました。果たして迷わずに巣へと帰れるのでしょうか。
迷う様子もなく斜面を下っていきました。2匹目も、3匹目も、4匹目も同様に迷う様子はありませんでした。
10匹目まで観察しましたが、その全てのクロオオアリが、帰路を迷う様子もなく巣のある方へと進んでいきました。
では、その10匹が全て同じ道を辿って帰っていったかというと、そうではありませんでした。
帰路の途中に敷石があるので、その敷石を目印として観察してみました。本ブログの上から4番目の写真「フィールド写真」に写っている一番手前の敷石をA、次の奥手の敷石をB、更に次の奥手の敷石をCとすると大体の帰路の経路を次のように分けることができました。
A:3番目と7番目のクロオオアリ
B:4・6・8・10番目のクロオオアリ
C:5・9番目のクロオオアリ
以上の観察から次のことが言えそうです。
① クロオオアリの場合、いつもの餌場からの帰路では、帰路の環境が変わっても巣のある方へと迷うことなく帰ることができる。
②クロオオアリの場合、いつもの餌場からの帰路では、その辿る道筋は個体によって違っている。