日別アーカイブ: 2019年6月8日

ミツバチの巣箱で「移植」その2(B16013)

既に5月11日にミツバチの巣箱を使った「移植」を行っています。6月8日に、今回も同じ方法(「自発的」な「移植」)で移植を試みました。

移植するコロニー:B16013 (2016年6月11日に蒜山高原で採集した新女王アリのコロニー 当初から研究用アンテネストで飼育)

B16013 研究用に特別に作製したアンテネストで飼育してきた

ミツバチの巣箱へは14時頃に入れました。

ミツバチの巣箱の中にアンテネストを入れた 蜜と水を傍に置いている 左下の黒いものはワイヤレスの温湿度計
巣箱の全景
巣箱を置いた環境

巣箱を置いた場所は、ほぼ終日直射日光が当たる場所ですが、巣箱の中には温湿度計を入れていて、巣箱の中が高温になり過ぎないよう監視できるようにしています。

巣箱の中にアンテネストを入れて一部の蓋を取ると、取った蓋が大きいこともあってか、すぐにたくさんの働きアリがアンテネストから出てきました。巣箱の蓋をしてからも、巣門(ミツバチが巣箱を出入りする穴)からたくさんの働きアリが出てきて、中には2m程離れた芝生の上まで歩いてきました。その遠くまで歩いてきた働きアリも、その他の巣門から出てきた働きアリも、道しるべを付けながら歩いているようには見えませんでしたので、無事に巣に帰ることができるか心配でした。

女王アリが飛び立った

自宅の庭のA巣で、6月1日に初めて雄アリが飛翔するのを観察しましたが、今日(6月8日)になって初めて有翅女王アリが飛翔しました。

ヤマモモの木に登る有翅女王アリ 15時28分撮影

巣口から出てくるところは見ませんでしたが、気づくと巣口から少し離れたところを急ぎ肢で歩いていました。何回か飛翔を試みていましたが、芝生の上からは飛び立てない様子でした。そこで、近くにあった散水ホースの一部をヤマモモの木の根元に寄せ、その散水ホースへと女王アリを導くと、案の定、そのホースの上を歩き始め、ヤマモモの木の根元に着くと、何のためらいもなく、木に登り始めました。やがて、木の上方で一休みしてから、飛び立ちました。宙に舞うところは見られませんでしたが、おそらく無事に空高く飛び立てたことでしょう。
それからほぼ1時間後の16時半頃、1匹の有翅女王アリが芝生の上を歩いていました。

芝生の上を歩く有翅女王アリ 16時31分撮影

やがて、ビデオ撮影をしていた三脚に上り、一番上から飛び立ちました。

三脚に取り付けたiPadの更に上で飛び立とうとする有翅女王アリ 16時36分撮影

ところでこの日を振り返って見ると、14時過ぎには巣口に羽アリが現れていました。

雄アリの姿が見える 14時13分撮影
女王アリの姿も見える 14時52分撮影

そして、16時台が一番の最盛期のようでした。

16時31分撮影

その時間帯に19匹の雄アリが飛び立つのを見ています。羽アリが現れた巣口は、今日の場合はこれまでの4箇所から2箇所になっていて、その2箇所を交互に見たり、また写真も撮ったりしていましたので、雄アリが飛び立つのを全て見られたわけではありません。ですから、実際にはもっと多くの雄アリが飛び立ったと考えられます。
ところでこの日、羽アリが出てくる新たな巣口を見つけました。

16時44分撮影

この場所は、これまで観察していたA巣の巣口から西へ1.8m離れた場所にあります。

木の切り株の右下に巣口がある

この巣はA巣だと考えられます。(根拠については「「誘拐」されたクロオオアリは巣に戻れるか(1)」を参照)
2匹目の有翅女王アリが現れた時、それまで観察していた巣口からは歩いてくる方向が違っていて、また、巣口を見ていたにも関わらず突然現れた感がありましたが、この新たな巣口を見つけて、疑問が解けたように感じました。この2匹目の有翅女王アリは、この木の切り株の麓の巣口から出てきたのでしょう。
17時頃には、巣口から出ている羽アリはもういなくなっていました。

下のムービーは、16時13分から3分間の巣口の周りの様子を撮影したものです。

16時13分から3分間のムービー 2分55秒の時点で雄アリが飛び立ったと思われるその瞬間が映っている