8月26日の朝、C地点近くで仲間を運ぶクロオオアリを見つけました。

昨日までは、繭を運んでいるところは見ましたが、今日になって初めて成虫を運んでいるところを見たのです。引越が本格的に始まっているのでしょうか。
すると、立て続けに仲間を誘導しているところや、幼虫を運んでいるところを見ました。幼虫を運んでいるところを見るのも、今日が初めてです。


それらの通路は、昨日にはなかった新たな道で、ミツバチの巣箱とC地点とを最短でむすんでいました。

この様子を見る限りでは、引越先はC地点に決まったのでしょうか。ところが、しばらくして、仲間がB地点に運び込まれて行くところを見ました。

また、C地点から塊状になった幼虫を運び出すクロオオアリがいました。

後を追ってみると、花壇の真砂土の上をミツバチの巣箱の方へと進んで行きました。ただ巣箱の近くで見失ってしまいました。この後、更にもう1匹のクロオオアリが、C地点から繭を咥えて出てきて、同じようにミツバチの巣箱の方へと歩いて行きましたが、今度はかなり早い時点でまた見失ってしまいました。

8時20分過ぎには、ミツバチの巣箱とC地点との最短の道を通らずに、どこからか岩の上方から成虫が運ばれてきました。

更に、B地点では、どこからからか今度は幼虫が運ばれてきました。

どうやら、引越先が一つに確定したわけではないようです。
ところで、クロオオアリは、ミツバチの巣箱とC地点とは最短の道で行き来していて、しかも芝生は刈っているのですが、それでも歩きにくそうにしていました。そこで、長さが48cmの板が手近なところにあったので、それを最短ルートの上に置きました。こうしておけば、やがて「高速道路」になるでしょう。早速、板の上を歩くクロオオアリが複数いましたが、どのクロオオアリも端から端まで歩くことはなく、すぐに芝生へ下りて行きました。

ミツバチの巣箱からグッピー水槽を取り出して巣の様子を見ると、働きアリの数がかなり減っていました。そして、女王アリがいないことが分かりました。いつの間にか、女王アリは引越を済ませていたのです。

ところで、時刻を遡ること7時35分から9時24分までの約2時間に渡って、ミツバチの巣箱の出入り口をビデオで撮影していました。
この間に、ミツバチの巣箱から運び出された成虫は67匹、幼虫(小さな幼虫と卵とはビデオでは判別できないため卵も含まれているかもしれない)は5匹、繭は0個でした。7時35分から8時35分までの1時間ですと、成虫が44匹、幼虫(卵)は4匹ですので、時間帯が早いほど、多くの成虫や幼虫(卵)が運ばれたことが分かります。
そして、この約2時間の間には、女王アリは姿を現しませんでしたので、このことから、この日最初にC地点を見た7時22分以前に、女王アリは引越を済ませていたことが分かります。
ちなみに、多くのクロオオアリは巣箱の出入り口を出るとC地点の方へと歩きましたが、それでもかなりの数の働きアリが、それとは反対側に向かっていました(上記のミツバチの巣箱が写っている写真で言えば、出入り口の左方向)。この反対方向は、23日に移植した当初から主に使われていた通路です。クロオオアリたちは、C地点以外の場所へも行っていることが分かります。ただ、幼虫を含め1匹の成虫も運んではいませんでした。
夕刻近くになり、C地点を見ると、板が「高速道路」として使われるようになっていました。仲間を運ぶアリが、板の端から端まで使って歩いていました。

巣の中を見ると、クロオオアリはほんの僅かになっていました。

「高速道路」を見ると、まだ成虫が運ばれていました。

巣を見ると、大型のクロオオアリが最後まで残っているようです。

何匹かは、自力で引越をしているところを見ましたが、中には引越しようとしても道が分からず迷った末、またグッピー水槽に戻って行くものもいました。

残っている複数の大型の働きアリは、引越を促す仲間を嫌うかのように、なかなか身体を丸めようとしませんでした。それでも、やっとのことで運ばれ始めました。



これで引越は完了したようです。巣を見ると、何匹かの働きアリが、残っている仲間や幼生虫がいないか確かめているようです。と言うのは、触角を忙しく動かしながら、隈無くあちこちと歩き回っているからです。

この確かめ行動がいつ終わるのだろうとしばらく観察していましたが、新たに別のアリが次々と巣にやって来ては去って行くので、観察を打ち切りました。
19時過ぎに見ると、グッピー水槽にまだクロオオアリがやって来ていました。
ところで、A地点やB地点はどうなっているのでしょうか。ついでに見てみると、A地点にもB地点にもクロオオアリがいました。まだ、引越先は統一されていないようです。

