直近には5月14日にクロオオアリとトゲアリの幼生虫の様子を記録していますが、引き続き記録しておきます。
ここでは、飼育している2種の中から、3コロニーを取り上げます。
5月14日と比べると、クロオオアリ、トゲアリ共に繭がとても多くなっています。
2018年9月に「たった1例のトゲアリの寄生」で始まったトゲアリのコロニーは、とても順調に増勢しています。
寄生から1年8ヶ月ほど経過しているのですが、今もたくさんのクロオオアリの働きアリがいます。このクロオオアリの成虫の寿命を考えてみると、最短でも11ヶ月ほどになります。(トゲアリが寄生した2018年の9月22日の時点で、クロオオアリの巣にいた幼生虫は翌年の春から成長しますので、最も若い成虫では2019年の6月以後の生まれとなります)
これまでの観察から、オオアリの働きアリの寿命はとても長いことが分かっています。ですから、寄生時に既に成虫だったクロオオアリの働きアリも、まだ生きている可能性はとても高いと言えます。
それはさておき、このトゲアリは、巣になっているリトルアンテシェルフ(人工巣)をそのまま小型水槽に入れて飼育しているのですが、人工巣から水槽に出て来る働きアリは、圧倒的にクロオオアリが多いのです。
巣の中にはトゲアリもかなりの数いますので、トゲアリがクロオオアリに比べて少ないということはありません。トゲアリは、巣の中で子育てを主としているのでしょうか。
15時40分過ぎに、クロオオアリのA巣の巣口近くで羽アリが出ているのに気づきました。
その場所は、先日までクロオオアリが出入りしていた場所ではなく、少し東によった場所でした。
そこは、昨年のA巣の結婚飛行の際に、羽アリが出て来た3箇所の内の一つです。他の2箇所からは羽アリは出て来ていませんでした。
有翅女王アリは巣口から出て辺りを歩いていましたが、飛び立ちはしなかったようで、巣に戻る女王アリを見ました。やがて空がどんよりとしてきました。雨は降りそうにはありませんでしたが、羽アリも働きアリも巣口近くからいなくなりました。
昨年は、この同じA巣で初めて羽アリが出て来たのは、5月21日でしたが、その時は雄アリのみでした。5月26日になって、有翅女王アリが巣口から出て来ました。今日は有翅女王アリと雄アリが同時に出て来ていたのですが、ちょっとすると少し前に雄アリだけが出て来ていたのかも知れません。
5月19日にR巣を発見したばかりですが、今日、その近くにも巣口があることを発見しました。花壇の西端に生えているキイチゴの木にクロオオアリが上っていましたので、蜜を与えて帰路を追ってみると、囲いのレンガの上を歩いて行き、R巣を通り越して、芝生の中に入って行きました。
同じことを5例で観察しました。いずれもこの新たな場所に戻り、R巣には戻りませんでした。この間、R巣の巣口を出入りするクロオオアリはいませんでした。
R巣とは80cm程しか離れていませんでした。
この新たな巣口を出入りするクロオオアリのコロニーが、R巣のコロニーと同じなのかどうかを調べたいところでしたが、R巣を出入りするクロオオアリがいませんでしたので、調べることはできないままになりました。
昨年の10月22日以来、クリオオアブラムシを見ることができませんでしたが、今日、クリの木にクリオオアブラムシがいるのを見つけました。
最初にクリオオアブラムシを見つけたのは、西側にあるクリの木でした。
この小型のアリは、アミメアリのように見えます。
単独で木の幹を下って行くクリオオアブラムシもいました。
東側のクリの木を見ると、こちらは、少なくとも7箇所にクリオオアブラムシがいました。
こちらの小型のアリは、シリアゲアリのようです。
ところで、クロオオアリはと言うと、東側のクリの木で1匹、西側のクリの木で少なくとも3匹見かけました。ただ、いずれも、クリオオアブラムシがいる場所では見かけませんでした。
今年新たにクロオオアリの2つのコロニーを移植した花壇には、2箇所蜜器を設置しています。そこにもクロオオアリが蜜を吸いに来ていましたが、その2箇所の蜜器の内、東側の蜜器に来ているクロオオアリについては、これまで幾度か帰路を追ってC巣のクロオオアリであることを確認していました。西側の蜜器については、クロオオアリが来ることが少なかったこともあり、帰路を追った確かな記憶がありませんでした。
今日その蜜器を見ると、複数のクロオオアリが来ていて、体格が小さかったこともあり、帰路を追ってみました。すると、C巣の方角にではなく、花壇の外の芝生の中を花壇の枠に沿うように歩いて行きました。更に後を追ってみると、花壇の枠から少し離れた芝生の中に潜って行きました。
見かけた働きアリの体格が小さいことから、コロニーの規模が小さいと思われます。それにしても、このコロニーはどこから来たのでしょうか。
少なくとも、この箇所にクロオオアリを移植したことはありません。だとすると、別の場所から引越してきたのでしょうか。それにはいろんな可能性が考えられます。(庭の巣の位置参照)
● F巣(NESTCON02005)からの引越
● E巣(SIMSMA01057)からの引越
● Q巣(B16012)からの引越 など
何れにせよ、取り敢ずこの巣をR巣と呼ぶことにします。
4月4日に庭に移植したBM19013(クロオオアリのコロニー)のその後の様子です。
4月19日に土を掘り起こして移植器の中の様子を観察しています。それ以後も、地上に働きアリが出ているところを見ることはありませんでした。今日(5月15日)で移植から40日ほど経ちますが、この間、移植器の中へ蜜を入れ与えてはいませんので、本当に働きアリが地上に出ていなければ、餓死しているかも知れません。今回も、土を掘り起こして、移植器の中の様子を見ました。
コロニーは生きていました。女王アリも元気なようです。
働きアリの腹部を見ると、適度に膨れている個体が多く見られました。新たに糖分をどこかで得ていたのでしょうか。あるいは、ただの水分なのでしょうか。
移植器の側面と底面には、径9mmの穴があるのですが、土が飼育器の中に運び込まれていることから、地中へ巣穴が掘られたことが分かります。
地上への唯一の出入り口であるシリコンパイプの先には、土粒が入っていました。
この巣の働きアリが巣口を塞ぐか、狭くしたのでしょうか。
昨年の8月5日のブログで、バナナの木にクロオオアリがやって来ていたことに触れていますが、今年もバナナの木にクロオオアリが来ていました。
苞の真下には、苞葉や花が落ちています。
ふと気づくと、1匹のクロオオアリがこの場所の近くを歩いていました。
小型で腹部が膨れているようです。歩いて行く方角から、C巣かL巣のクロオオアリなのかも知れません。更に後を追って行くと、L巣がある場所に近くなり、やがてL巣の辺りで芝生の中に潜って行きました。L巣からやって来ていたクロオオアリでした。
L巣と苞葉などが落ちていた場所との距離は3.3mありました。
3月20日のブログで、飼育しているトゲアリの幼虫の様子について触れていますが、その後について記録しておきます。
以下4コロニーともに、5月3日と5月14日の様子です。
T130921-09(2013年10月3日クロオオアリのコロニーに寄生開始)
T140906-03(2014年9月10日ムネアカオオアリのコロニーに寄生開始)
T140906-40(最も大きなコロニー 2014年9月11日クロオオアリのコロニーに寄生開始)
T180919(2018年9月22日クロオオアリのコロニーに寄生開始)
5月3日には、いずれのコロニーでも繭は見当たりませんでしたが、5月14日にはT180919を除く3コロニーで繭が見られます。
3月3日にクロオオアリの越冬幼虫について触れていますが、それから2ヶ月経った5月3日と、5月14日の様子を記録しておきます。
B15006もB120614も、5月3日には繭は見当たりませんでしたが、5月14日には僅かながら繭が見られます。
次は、2017年の5月に新女王アリを採集したコロニーのBH170520-001の様子です。
こちらの場合も、5月3日には繭は見当たりませんでしたが、5月14日にはいくつかの繭が見られます。
2019年の6月8日に庭に移植し、その後6月18日に引越先を見つけたクロオオアリのコロニーB16013の生存については、昨年の末から生存の確認がとれなくなっていました(L巣)。
心配していたのですが、昨日、巣の近くに設置している蜜器に1匹のクロオオアリが来ていました。
ひょっとしたら、このクロオオアリはB16013の成員かも知れません。そこで、帰路を追ってみると、案の定、B16013の引越先の辺りで、芝生の中に姿を消しました。
この間は、別用もしていましたので、ずっと観察をしていたわけではないのですが、短い期間で、蜜を吸いにやってくるクロオオアリを見ました。
上の写真のクロオオアリも、帰路同じ場所で姿を消しました。
この短い期間に、同じ個体と思われるクロオオアリが少なくとも3度やって来たことからも、蜜器と巣口が近くにあることが分かります。やはり、このクロオオアリはB16013のクロオオアリなのでしょう。
今日の朝、観察しに行くと、蜜器にクロオオアリが2匹来ていました。