今年移植したクロオオアリの2つのコロニーの生存を確認しました。
BH210523-14:5月23日に新女王アリを採集し、翌日の24日に移植したコロニーです。
B200603-030:昨年の6月3日に新女王アリを採集し、今年の4月14日に移植したコロニーです。今年の6月7日にも生存を確認しています。
今年移植したクロオオアリの2つのコロニーの生存を確認しました。
BH210523-14:5月23日に新女王アリを採集し、翌日の24日に移植したコロニーです。
B200603-030:昨年の6月3日に新女王アリを採集し、今年の4月14日に移植したコロニーです。今年の6月7日にも生存を確認しています。
7月19日、今年新女王アリを移植(BH20210523-06)したコンクリートブロックの蓋(ベニヤ板)を外すと、働きアリが2匹穴から出て来ていました。
そこで、蜜を与えました。
ただ、これはリスクを伴います。小型のアリが蓋のベニヤ板とコンクリートの僅かな隙間から蜜を見つけて大量に押し寄せるかも知れないからです。
21時ごろ見に行くと、案の定、小型のアリが蜜を吸いに来ていました。そこで、急いで、この蜜器を取り出しました。
それから2日後の7月21日、BH20210523-05とBH20210523-06とBH20210523-07を移植しているコンクリートブロックを見ると、小型のクロオオアリがコンクリートブロックの上を歩いていました。そのアリが小型であることから、新女王アリの下で今年羽化した働きアリだと思われました。そこで、巣を特定するために、このアリの進路に蜜を垂らしました。そして、蜜を吸って帰って行く後を辿ると、BH20210523-06に戻って行きました。
先程蜜を垂らした直ぐ近くにも蜜を垂らすと、同じ働きアリと思われるクロオオアリがBH20210523-06の巣口から出て来て、その蜜を吸い始めました。
それ以後も何回か往復して蜜を飲んでいました。
この観察から、この時期になると、新女王アリの下で羽化した働きアリが、巣穴から出てきて餌を探すようになることが分かりました。
ところで、BH20210523-07ですが、7月14日には働きアリが2匹と幼虫や繭がありましたが、今日は女王アリだけになっていました。何かに巣を襲われたと思われます。
ちなみに、BH20210523-05とBH20210523-06とBH20210523-07の3巣の外観を見ると、いずれも、ベニヤ板の蓋とコンクリートの隙間に土や石が見られました。このことから、移植したクロオオアリが生きていた、または生きていることが分かります。
今年の5月23日に蒜山高原で採集したクロオオアリの新女王アリのコロニーの羽化が進んでいます。現在33コロニーを飼育していて、昨日7月13日の夕刻の時点で、働きアリの平均的な匹数は3.15匹となっています。働きアリが最も多い6匹のコロニーは2巣、まだ羽化していないコロニーは4巣です。
そこで、気になっているのは、蒜山高原で採集した翌日にコンクリートブロックの穴の中に移植した17匹の新女王アリのコロニー(内1匹は死亡)です。
5月26日のブログでは、「BH20210523-06とBH20210523-07は、この日もまだ地中に潜ってはいませんでした」と書きましたが、5月28日になって、BH20210523-06は土を掘り始めたのを確認しています。その後コンクリートブロックの穴を塞いでいたアクリル板は外し、ベニヤ板のみで穴を塞ぎました。今日そのベニヤ板の蓋を一瞬外して中の様子を見たのですが、1箇所を除いて働きアリの姿はありませんでした。
その1箇所は、地中に最後までもぐろうとしなかったBH20210523-07で、働きアリが2匹いました。
BH20210523-07が無事に生存していたのは、少し意外でした。地中にもぐった新女王アリのコロニーも無事であれば良いのですが。
5月23日に採集したクロオオアリの新女王アリのコロニーでは、7月7日から1部のコロニーから羽化が始まりましたが、その初期の働きアリの数を7日間に渡って調べてみました。(調べた時間帯は19時前後)
7月06日 0日目 0匹(最初の産卵があってから45日目)
7月07日 1日目 0.24匹(サンプル数33の平均)
7月08日 2日目 0.58匹(サンプル数33の平均)
7月09日 3日目 1.03匹(サンプル数33の平均)
7月10日 4日目 1.70匹(サンプル数33の平均)
7月11日 5日目 2.06匹(サンプル数33の平均)
7月12日 6日目 2.67匹(サンプル数33の平均)
7月13日 7日目 3.15匹(サンプル数32の平均)
働きアリの数の平均値(1に最も近い日)で考えると、最初に産卵があってから48日目に羽化が始まったことになります。
実際、2日目の7月8日に既に働きアリがいたのは、33コロニー中14コロニーに過ぎませんが、3日目には33コロニー中19コロニーになり、過半数を超えています。
1日目以降の平均値を更に四捨五入すると、
0日目 0匹
1日目 0匹(0日目との平均値の差は 0.24匹)
2日目 1匹(1日目との平均値の差は 0.34匹)
3日目 1匹(2日目との平均値の差は 0.45匹)
4日目 2匹(3日目との平均値の差は 0.67匹)
5日目 2匹(4日目との平均値の差は 0.36匹)
6日目 3匹(5日目との平均値の差は 0.61匹)
7日目 3匹(6日目との平均値の差は 0.48匹)
となり、ほぼ2日に1匹ずつ働きアリが増えていると言えます。
ところで、新女王アリ採集後の産卵数の変化からは、「ほぼ1日1個ずつ産卵」したことが分かっています。このことから、働きアリもほぼ1日に1匹ずつ増えそうなのですが、そうはなりませんでした。これは、成長の早さの個体差なのでしょう。
ムネアカオオアリの庭の樹木の中への移植は、今年3例試みてきました。その内、2例目のサクラの切り株に移植したムネアカオオアリ(S/N:R200603-002)については、滅亡したと考えています。1例目(S/N:R200603-016)については、4月30日の時点では生存していたのですが、その後、働きアリが切り株の中から出て来ているのを見たことがありませんでした。今日、生死を確かめるために、切り株の中の巣穴へと繋がる径が12mmのスコープカメラ用の穴に、ヘッド部分を差し込みました。しかし、ムネアカオオアリが生存している様子は映りませんでした。
5月6日にクリの切り株の中に移植した3例目のムネアカオオアリ(S/N:R200603-006)の場合は、スコープカメラ用の穴を塞いでいたゴム栓を外すと、中からムネアカオオアリが出て来ました。
近くにいたクモを半死状態にして穴の中に入れて、ゴム栓をしました。
R200603-006の働きアリの姿も、1例目と同様に、このところずっと見ていないため、死滅したかと思っていましたので、生存していたのがむしろ意外でした。
O巣B15099(クロオオアリ)の巣口が移動したようです。
B15099は、2019年の8月23日に庭に移植し、後にコンクリートブロック直下に巣口を開いていましたが、今日、別の場所で巣から出入りしているのを見ました。
少し離れた場所の蜜器に蜜を入れていたのですが、その蜜を吸って帰って行くクロオオアリを追っていて、新たな巣口を見つけました。新たな巣口は、コンクリートブロックの上方の芝地の中のようです。
これまで巣口があったコンクリートブロック直下を見ると、クロオオアリの姿はありませんでした。
昨年の6月21日のブログ「50mにも及ぶクロオオアリの行動範囲」では、庭のクロオオアリが庭の外のクヌギの木まで出かけていたことについて書きましたが、今日、その時と同じような光景を見ました。庭の南側の小道を東へと進むクロオオアリを何匹か見かけたのです。
このクロオオアリは、庭から来たのだろうと考えました。先ず行き先を確かめることにしました。幾匹かの中で、腹部を地面に着けながら歩くクロオオアリがいましたので、そのクロオオアリの後を追うことにしました。と言うのは、クロオオアリの場合、腹部を地面にリズミカルに着けながら歩いている場合、餌場から帰る際の行動ではなく、餌場に向かう際の行動であることが、これまでの観察から分かっているからです。追って行くと、小道の南側すれすれを進み、やがて小道を横断して木の張り出した根元から幹を登って行きました。
この木はクヌギの木です。
行き先が分かりましたので、次に巣を特定することにしました。クヌギの木から下りてくるクロオオアリの後を追うのが最善ではありますが、時間がかなりかかりそうでしたので、途中の小道を歩いている帰路と思われるクロオオアリの後を追うことにしました。
やがて、C巣方面に進んで行き、芝生の中で見失いました。
ところで、昨年の6月21日の観察の際、「帰路のクロオオアリの腹部は、あまり膨れてはいませんでした」と書きましたが、今回はどうなのでしょうか。それを調べるため、クヌギの木から下りてくるクロオオアリの腹部の膨らみを見ることにしました。幾匹か見ることができましたが、いずれも腹部は膨れているようには見えませんでした。ただ、往路の写真Aと帰路の写真B(下)を比べると腹部が少し膨れているように見えます。
今回のクヌギの木は、昨年の6月21日のブログのクヌギの木よりも、より東にあります。ですから、庭からはより遠いのですが、C巣は昨年のA巣より東にありますので、巣からクヌギの木までの距離は、直線距離にしてほぼ同じ50m程です。
それにしても、50mも離れた場所にあるクヌギの木で、クロオオアリたちは何かを見つけたのですが、それはより広い行動範囲の中で偶然見つけたと考えられますから、この時期のクロオオアリの行動範囲の広さには、昨年もそうでしたが、改めて驚かされます。
庭にヌアールKという品種名のイチジクを植えています。
今、実がたくさん熟れています。その実を目当てにかクロオオアリが来ていました。
実にはネットを被せていますから、ネットの中には入り難いようですが、ネットの中に入れたクロオオアリもいました。
トゲアリも来ていました。
ヌアールKの隣りに同じくイチジクのドーフィンを植えてあるのですが、そのドーフィンにトゲアリが来ていたことについては、以前ブログに書きました。
トゲアリが、このヌアールKの木まで、どのようにして来たのか知りたいと思い、観察していると、2本のロープを伝って来ていることが分かりました。
トゲアリはドーフィンの主幹を誘引しているロープを伝って杭まで行き、その杭とヌアールKの枝とを結ぶロープを伝って、ヌアールKにやって来ていることが分かりました。
今年の5月23日に蒜山高原で採集したクロオオアリの新女王アリの幼生虫が羽化を始めましたので、クリーンカップから簡易な飼育器に移しました。
そして、羽化が始まった13コロニーに、大気圧を利用したアクリルパイプ製の2つの蜜器にそれぞれ水と蜜を入れて、飼育器の蓋の穴に通しました。
水はパイプ1杯に入れ、蜜は50μL入れています。残念ながら、蜜を飲むところは観察できていませんが、蜜を飲んだコロニーがほぼ半分の6コロニーありました。
蜜がなくなっているコロニーの女王アリと、蜜を飲んでいないと思われるコロニーの女王アリの腹部を比べてみると、明らかに違いがありました。
働きアリの腹部の大きさには、違いがないように見えます。
昨年のちょうど同じ頃(7月10日)に、クロオオアリのB120614-03で複数の雄アリを見つけたことについて書きましたが、今日、7月8日に、同じコロニーのB120614-03を見ると、1匹の雄アリが働きアリに食べられていました。
雄アリの数を数えてみると30匹程のようです。昨年はこの時期、14匹でしたので、倍ほどに増えています。
女王アリは健在で、卵も産んでいるようです。有翅女王アリは昨年同様いませんでした。
しばらく観察していると、羽化したばかりの雄アリが働きアリに攻撃されているところを見ました。
B130617-04は、2013年の6月17日に、山梨県の清里で新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーですが、女王アリがいないことに気づきました。とても長い間、女王アリがいるかいないかの確認はしてきませんでしたので、いつからいなくなったのかは分かりません。
幼生虫を見ると、卵がありましたので、つい最近、女王アリが産んだのでしょうか。
女王アリの死体は見つかりませんでした。
今年の5月23日に蒜山高原で採集したクロオオアリの新女王アリの幼生虫が羽化を始めました。今日気づくと3つの巣で働きアリが1匹ずつ生まれていました。
現有飼育個数は33コロニーですので、その内の1割弱で羽化が始まったことになります。日数としては、採集日を入れて46日目となります。
今年の3月1日に、飼育しているクロオオアリとトゲアリの越冬幼虫の様子を記していますが、その後のトゲアリの2つのコロニーの様子を以下に記します。
T140906-40(2014年9月11日にクロオオアリの巣NESTCON01024(2012/06/14採集)に侵入 もっとも良く繁栄しているコロニー アンテグラウンドⅡ型に繋いでいる)
T130921-09(2013年10月3日にクロオオアリの巣NESTCON01030に侵入)
2015年の5月27日に新女王アリを採集したクロオオアリのS/N:B15006で雄アリが誕生していました。昨年、S/N:B120614-03で雄アリが誕生しましたので、これでクロオオアリの大きなコロニーで雄アリが誕生したのは2例目になります。
雄アリは6匹は数えられました。有翅女王アリはいませんでした。